なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます
誤字脱字報告ありがとうございます。

久々の閑話です。
前後編になる予定です。


㉞閑話:合コン

宇宙世紀0091年10月中旬

今日はローザとリゼ、アンネローゼは、クロエを誘って夕飯を外で食って来るらしい。

アンネローゼ曰く、女子会だそうだ。

そんじゃ、俺は久々に一人で定食屋にでも飯を食いに行くか。

 

すると、ヴィンセントから電話がかかって来て、

「エド先生!緊急事態だ!とりあえず来てくれ!」

そう言われて俺は、慌てて指定されたちょっと雰囲気がいいレストランに向かう。

もしかしたら、クロエが倒れたのかもしれん。

今まで大丈夫だったが、急変はあり得るからな。

 

しかし……

店の前で、店中を必死の形相で覗き込むヴィンセント。

その後ろで苦笑してるトラヴィスのおっさん。

 

「何してんだ。ヴィンセントにおっさん」

 

「エド先生!!なぜ止めなかった!!」

ヴィンセントが俺に気が付き、迫って来る。

 

「はぁ?何の事だ?」

止める?何をだ?

 

「おいおい、もしかして、エドも知らなかったのかよ」

 

「だから何なんだよ!」

 

「エド、ちょっと中見て見ろ」

トラヴィスのおっさんが指さした先の席を、窓越しに見ると……

そこにはアンネローゼ、クロエ、ローザ、リゼが大きなテーブルの片側に並んで座り、対面には男たちが座っていた。

 

「何やってんだ?あいつら」

 

「合コンだよ。合コンだよ!アンネローゼが!!クロエをクロエを!!」

 

「落ち着けヴィンセント。合コンか……なんか、アンネローゼの様子がおかしいと思ったらそう言う事か、多分ローザとリゼは知らねーでついて行った口だな。当然クロエも」

 

「確かにそんな感じだな。クロエも合コンに行ってくるとは言っていたようだが、意味は分かってねーよな」

トラヴィスのおっさんは、焦りまくってるヴィンセントの代弁をする。

 

「クロエが!クロエが!」

 

「落ち着けって。まあ、いいんじゃねーか?リゼはちょっと早いが、あいつらは今迄こんな経験すらしてこなかったんだ」

俺はこの時は別に問題無いだろうと、軽い気持ちだった。

 

「エドの言う通りだ。何事も経験だ。それにだ。クロエがお前以外の男になびくとは到底思えないし、安心しろヴィンセント」

トラヴィスのおっさんは苦笑気味にヴィンセントの肩をポンと叩く。

ヴィンセント、今じゃお前の方がクロエにベタホレじゃないのか?

 

「でもな……少なからず心配なのは確かにある。あいつ等こういうのに慣れてないからな」

 

「そ、そうだよエド先生。ここは様子を見よう!」

 

「しゃーないか。じゃあ、ちょっと位置取りするか」

そう言ってトラヴィスのおっさんは店に入り、店員に何か言って、席を用意してもらっていた。店員はなんか衝立とかも置いてくれて、相手から見えないような席を準備してくれる。

俺達はその席に着く。

向こうからは見えないが、こちらからは向こうの様子がばっちり見える。

おっさん、流石だな。

 

しかし、あいつらが合コンとはな。まあ、ローザとリゼは意味は分かってないだろうが……ったくアンネローゼめ、リゼはちょっと早いだろこういうのは、帰ってからちょっと注意が必要か?

 

「相手は誰だっと」

俺はローザたちの合コンの相手の男の顔を見る。

げっ!あいつはフィリップ・ヒューズ!激不味パン屋の店主じゃねーか。

あいつは確か、一年戦争を生き残った元連邦軍モビルスーツ乗りだ。

 

「おいエド。フィリップ・ヒューズだぞ。しかも隣は現役のエースパイロットのユウ・カジマに、サマナ・フュリスだ。元モルモット小隊勢ぞろいかよ」

トラヴィスのおっさんは俺とヴィンセントに耳打ちする。

そういえばあの雰囲気のある男、どこかで見たことがあると思えば、ユウ・カジマか。EXAM関連でちょいっと資料を調べた時に写真を見た事があるぞ。EXAMを乗りこなした男だ。

しかも、HADESに乗っていたクロエの前に座ってるって……まあ、2人は面識有るわけじゃないが。

 

んん?……リゼの前に座ってるあのニヤケ顔!マクシミリアン・バーガーか!?

一年戦争の時に彼奴に一度出会って、民間のボランティア看護師をナンパしてやがったから、ぶっとい注射を何発か入れてやった奴だ!

だが、パイロットの腕は確かな奴だった。

マジか、元連邦軍パイロットオンパレードかよ!

 

「おい、おっさん。ヤバいぞ。ホワイトディンゴのマクシミリアン・バーガーまで居やがる」

 

「え?ホワイトディンゴ隊にモルモット隊?って一年戦争の連邦のエース部隊じゃないか」

ヴィンセントは目を丸くし驚く。

そりゃそうだ。ホワイトディンゴ隊とモルモット隊と言えば、ジオンにもかなり名が通ってるはずだ。ホワイトディンゴはオーストラリア戦線における連邦の英雄だ。

モルモット隊はそれほど知られていないはずだが、各所で転戦し、ジオンを宇宙へと追いやってる。

 

「ちょっと、まずいな。現役の連邦士官が3人も居やがる。最悪場を壊す算段をしなくっちゃならないか……いや、後で脅すか?」

真顔でおっさんはそんな事を言う。

まじでおっさんならやるからな。

だが、それも致し方が無いだろう。

しかし現役って、フィリップ・ヒューズ以外は未だ現役の連邦軍士官って事かよ。

 

「……ちょっと様子見だな。だが最悪おっさん、それで頼むわ。俺は何をすればいいか教えてくれ」

元エース部隊でさらに現役の連邦軍士官が3人って、なんでそんな奴らと合コンしてるんだよ!

なんとなくだが、フィリップが合コンを誘ったんだろうが、なんでアンネローゼとフィリップが知り合いなんだ?これは流石に無いぞ!

だってそうだろ?

元連邦軍に現役連邦軍士官の彼奴らの目の前に、あのハマーン・カーンが居るんだぞ!

しかもだ。クロエも連邦にとっては消したい過去の負の遺産そのものだ!

アンネローゼも、元ジオンの残党でニュータイプだしな。

バレたらまずすぎだろ!

 

きっとわかってねー。

あいつ等の目の前にいる男どもは、一年戦争の連邦のエース部隊出身者だってことを!

 




というわけで、ここで外伝の方々登場。

機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY 一年戦争
ユウ・カジマ:主人公:EXAM搭載機体ブルーディスティニーを駆り、数々の戦場を生き延びたエースパイロット。寡黙な小隊長(モルモット隊)
フィリップ・ヒューズ:同じくモルモット隊のベテランパイロット隊員でユウとは戦友で腐れ縁。口調に癖があり過ぎるパイロット。一年戦争後はサイド6でパン屋を開業。
(これが今回のネタの元でした)
サマナ・フェリス:内気な基本に忠実なパイロット。2人よりも、年下だと思われる。

機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で… 一年戦争
マクシミリアン・バーガー:オーストラリア戦線で活躍したホワイトディンゴ隊の隊員で、お調子者ではあるが、確実に戦果を挙げられる腕を持つMSパイロット。

次はどうなる事やら。

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