なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

展開が目まぐるしく変わってく感じに……



㊷幽鬼(レイス)再び

俺はローザを探し、引き留めるために、戦時派遣医師団に参加することに決めた。

心残りなのはリゼの事だ。高校一年生といってもまだ子供だ。

そんなリゼの面倒をトラヴィスのおっさんにも頼んでおこうと、16番コロニーのおっさんのジャンク屋へ向かった。

ジャンク屋と言っても、おっさん一人で経営してるわけじゃねー。

訳あり従業員を何人か雇ってる。

最近は顔を出してないが、人を集めて規模が大きくなったと言ってたな。

しかも、結構金回りがいいらしい。

 

16番コロニーの宇宙作業ドッグに近いおっさんの四階建てビルのジャンク屋を訪ねる。

受付のねーちゃんが、俺を小型宇宙艇に載せて案内してくれる。

何でも、コロニーの周りに浮かぶ小さな農業用プラントの一つを資材や宇宙であつめたジャンク品保管倉庫として借りてて、今そこにいるらしい。

10分程の宇宙移動だった。

 

密閉型プラントの貨物船が泊めれる程度の横着け宇宙ドックに降り、受付のねーちゃんに全面倉庫となってるプラント内に案内される。

 

「おい……まじかよ」

俺は倉庫の中を見て、思わずこんな声が漏れた。

 

「よお、エド。そろそろ来る頃だと思ってたぞ!」

何時もの飄々とした態度の作業着姿のおっさんが俺の方へ歩いてくる。

 

「おっさん!!なんだこりゃーーー!!」

 

「何って、これモビルスーツだけど?」

 

「いやいやいや、俺だって元連邦軍人だ。見りゃわかるっての!」

 

「ヴィンセント達を助けた時のZⅡだ!」

 

「そう言う事を言ってるんじゃねー!!」

 

「こっちの事か、これはヴィンセントが2年前に乗ってたザクの後継機、ギラ・ドーガの初期型指揮官用だ。ちなみにこれが今の新生ネオ・ジオンの主力モビルスーツだぞ。まあ、随分弄ったがな、リゲルグ系の高速機動用ブースターを肩と背面に装備し、背部パックを大型化させビームランチャーを取り付け武装強化してみた。大方、高機動強襲型ギラ・ドーガってところか」

 

「だから、そんな事を聞いてるんじゃね―――!!」

 

「エド先生、こんにちは」

その高機動なんたらってモビルスーツから俺がよく知る男が下りてくる。

 

「いやいやいや!!ヴィンセント!!なんでお前もここに居て、モビルスーツの整備してんだよ!!そんでおっさん、あのどでかいのはなんだ!!

 

「うーん。モビルアーマーだな」

 

「知ってるっての!!だから何でモビルアーマーがこんなところにあるんだよ!!」

 

「拾った」

 

「あほか!!そんなもん拾えるかよ!!」

 

「ここしばらく、彼方此方でジオンの残党やらティターンズの残党やらが、小競り合いがあっただろ?そん時にあいつ等が忘れて行ったか、隠していったかしらねーけど、残してあった物を拾っただけだ」

 

「それって、海賊行為じゃねーのか!?」

 

「どうせほったらかしにされてたんだ。ちょっと拾ってもいいじゃねーか。そのおかげで俺の懐はウハウハだぞ!ちなみに落ちてる場所は全部ドリスに教えて貰った。これはノイエ・ジールⅡ、いかしてるだろ?しかも、戦闘経験が一回もない処女品だ」

このおっさんとんでもねー。戦場のハイエナ行為も甚だしい。

本来こういうジャンク屋は宇宙に漂ってるMS等の兵器の残骸を集めて、使えるパーツを売り出したり、金属の塊に戻して売っぱらうのが仕事だが……

このおっさん。戦場そのもので、そこに残っていた残骸や残していったパーツやMSそのものを集めてやがった。

普通、その戦場空域で勝った方、まあ正式にはその宙域に居座った方が、戦利品を手に入れるためにそんな事をするんだが、連続した作戦行動中は流石に無理だから、安全確認が行われた後に、後方部隊や支援部隊が行うのが通例だ。

……その後に、拾いきれなかったものを回収するなら、まだグレーな気がするが、まさか、後方部隊や支援部隊が来る前にそんなことしていれば、完全に海賊行為だぞ!

 

「そんな事を聞ーてねーよ!!」

 

「何でも、ニュータイプ専用のモビルアーマーだぜ」

 

「だから、そう言う事を聞いてるんじゃね―――!!」

 

「あら?エド先生?なんでこんなところに?」

そのモビルアーマーのコクピットから、一人の女性が下りてくる。

 

「おいーーー、エド先生じゃねーーー!アンネローゼ!!何でお前もここに居るんだよ!!」

 

更にだ……

「隊長~、やっぱ、アナハイムは真っ黒クロスケよ~。新生ネオ・ジオンに多量にモビルスーツを流していたわ。あーあ。しかも4年前から」

倉庫内にあるプレハブ小屋の窓が開き、聞き憶えがある声が響く。

 

「ど…ドドドドリス!!お前何やってんだ!!若い男と結婚して地球の豪邸でイチャコラよろしくやってたんじゃないのか!!」

 

「あー、エドじゃん。新婚旅行よ。ほら、旦那も一緒」

ドリスの横に、柔和な感じの若者が窓から顔を出し、頭を下げる。

 

「ばっかじゃねーーか!これのどこが新婚旅行だ!」

 

「なによ。良いじゃない」

 

「これはどういう事だおっさん!!」

俺は思わずトラヴィスのおっさんの胸倉を掴む。

少なくとも、俺の見た目で稼働できるモビルスーツが5機とモビルアーマー1機がここにある。

コロニー一基を余裕で占拠できる戦力だ。

 

「いや~。調子に乗った金髪オールバック野郎の金玉、蹴っとばしてやろうと思ってな」

おっさんは何時ものお茶らけた顔をしていたが、目が真剣そのものだった。

このおっさん。やばい。切れてやがる。

一年戦争の時もこんな顔をしていやがった事があったが、グレイブっていう上司のお偉いさんの不正を暴いて抹殺しやがったからな。

 

「おい、おっさん!まさか、シャアにケンカ売るつもりじゃないだろうな?」

 

「エド先生。ローザさんを迎えに行くだけだ」

「そう、ローザ姉さんをね。まあ、そのついでに金髪イケメンには痛い目に遭ってもらうけどね」

ヴィンセントとアンネローゼはこんな事を軽口で言ってくる。

いや、ローザの居場所もわからねーだろ?お前ら。まあ、結局シャアの所に行くんだろうけどよ。

 

「本気か!?なんでお前らが?いや、いくら何でも無茶が過ぎるぞ!?冗談だろ!?」

 

「エド先生……俺はエド先生には返しきれない借りがある。俺が出来るのはこれぐらいだ」

「エド、お前のお陰で、息子や息子の嫁とも仲良くやって、孫まで見れそうなんだ。お前には…………まあ、ローザちゃん居ねーと、俺も寂しいしな!それに折角手に入れた、親子水入らずの日々を壊そうとしやがる金髪オールバック野郎にはきっついお仕置きが必要だ」

 

「ちょ、待てよ。お前ら戦場に出れば死ぬかもしれねーんだぞ」

 

「別に~、皆エド先生には感謝してるんだから、私達はこんな事でしか返せないし、これは私達が好きでやってる事よ。それにあのイケメンには腹が立つわ!」

 

「そんなもん。連邦軍に任せておけよ!!所詮相手は寡兵なんだろ!?」

 

「……エド、連邦政府はシャアの討伐に本腰ではないわ。いえ、和平派と討伐派で真っ二つ。でも逃げ腰の連邦政府上層部は和平派が優勢なのよ」

ドリスめ、結婚しても非合法な方法で情報を手に入れてやがるな。

 

「はぁ?隕石落とされただろ?連邦軍本部によーー!?なんじゃそりゃ!?デラーズの反乱にグリプス戦役を忘れたとはいわせねーぞ!?」

 

「連邦政府上層部も戦争に飽き飽きしてるって事だ。頭がそれじゃ、まずいんだがな。シャアの野郎がどうやら、休戦協定を結ぼうと歩み寄ったらしい」

 

「はぁ?うんなわけねーだろ!?ブラフだそんなもん!そんな事をするぐらいなら、挙兵なんてしねーっつーの!」

 

「そうだよな。それが当然の考えだよな。そんな当たり前のことをもちゃんと思考出来ないのが今の連邦軍上層部だ。相変わらず頭ん中はお花畑だってことだ」

トラヴィスのおっさんはやれやれと言った感じだ。

 

「じゃあ、シャアの奴は野放しって事かよ?」

 

「連邦も一枚岩じゃない。討伐派もそうだが、連邦軍上層部にも警戒心が高い連中も居る。そんな連中が危機感を持って、宇宙軍を再編しようとこの数年躍起になっていたが、全体としては微々たるものだった」

なるほど、そんな連中が、いろんな名目を使って、ユウ・カジマやウラキ達を宇宙に留めたのか。という事はハマーン亡き後に、有事が起きる可能性が在ると見ていた?いや、シャアが生きてる事を知ってる奴が居たという事か?

 

「まっ、大丈夫よ。新生ネオ・ジオンと言っても、ティターンズや嘗てのアクシズに比べればまだ戦力は大きくはないわ。私達はただ、そのシャアの艦隊にちょっと通り縋るだけ。敵さんはロンド・ベルの対処で精いっぱいのはずよ。何せロンド・ベルの戦隊長にあのブライト・ノアが就任したのよ。連邦で最も頼りになる戦隊長にして、同時に連邦上層部に最も恐れられてる人物よ。一筋縄では行かないわ。そして……そこにはアムロ・レイも」

ドリスの奴、ブライト・ノアとアムロ・レイって言ったか?

連邦最強の艦長に最強のパイロットじゃねーか!

ブライト・ノアとアムロ・レイのその異常な功績と能力に恐れをなした連邦上層部は、奴らを飼い殺しにしてたって聞いていたが……。今回のシャアの反乱に危機感を募らせてる奴も居るって事か。

 

「ロンド・ベルが頑張ってる所に、ちょろっと手を出すだけ。用事が済んだらトンズラって寸法だ」

トラヴィスのおっさんは簡単にそんな事を言うが、生半可な事じゃない。

だが、おっさんの得意中の得意なシチュエーションだ。相手の隙を突いて、混乱させ、どさくさに紛れて、自分たちの目的を達する。

おっさんだから出来る芸当だ。

 

それにしてもこいつらめちゃくちゃだ!

 




急展開ですね。今回も、
次回も、180度異なる展開になりそうです。

ではでは……
今回のモビルスーツ
ZⅡはゼータの後継機。
変形機構を簡略化することで、モビルスーツそのものの構造を弱体化させることなく変形に対応させることが出来た機体。コストもZに比べれば安い?のかもしれません。

高機動強襲型ギラ・ドーガ
新生ネオ・ジオンの主力モビルスーツをちょっと魔改造。
EX-スペリオールを想像していたのですが、なんかサイコ・ザクっぽいイメージに。

メインディッシュのノイエ・ジールⅡ
アクシズがグリプス戦役時に完成させたが、ニュータイプ不足で結局お蔵入りになった機体。対艦戦闘を想定した大型モビルアーマー。ファンネル付き。

おっさんがどこでこれを拾って来たかを聞くのは野暮ですw

その他にも………
そして、残りのパイロットは……

次回もまた展開が……うーん。





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