なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

55 / 77
沢山の感想ありがとうございました。
誤字脱字報告ありがとうございます。
感想はその……徐々に返させていただければと。

ラプラスの箱編……結構長くなっちゃいましたね。
これをラプラス編として、第2章じゃないんですが、そんな感じで章分けしようと思います。

一応、主要な話はこれでお終いです。
今迄お付き合いして頂き有難うございます。

ですが……後日談の後日談というかですね。
元々、本編のとおり、ふんわりというかやんわりとした日常を書きたかったので……ラプラス編ではそれが全くなかったため、ちょっとした日常ものを書き足そうと思います。
既に、2話分は途中まで書いちゃってます。(このラプラス編始まって直ぐに、そっちを先に書いてました)


因みに、前回のアムロ君の結婚相手に誰がいいかのアンケートは現段階で1400以上頂き有難うございます。
結果は
一位ベルトーチカさん35%
二位セイラさん31%
三位チェーンさん20%
四位その他女性10%
五位クェスさん4%
セイラさんが大健闘。
チェーンさんがもっと行くと思ってました。
参考にさせていただきます。

では後日談最終話です。






番外後日談:ラプラスの箱後編その3 最終話

宇宙世紀0096年4月7日

ラプラスの箱をめぐる抗争から3週間が過ぎ、日常を取り戻していった。

オードリー、それにクェスも何とか高校2年生へと進級を果たした。

そして、バナージも同じ学校へと編入させる。

ビスト財団はバナージの腹違いの兄、アルベルト・ビストが継いだらしいが、バナージとは事件が起きるまで会った事も無い他人同然の関係らしいし、バナージ自身、アルベルトと共にする気が無い。

まあ、それでだ。

俺がバナージの保護者という事で、面倒を見ることとなった。

 

うんで、俺はバナージからはエドおじさんと呼ばれる事に……。

おじさん呼びはオードリーで慣れていたはずだがな。

まあ、なんだ。俺も年をとったという事だ。

 

 

マリーダについては、これから手術や遺伝子治療など数々の施術を施さなければならない。

凡そのプランは練ったのだが、試行錯誤は必要だ。

そうかと言って、ずっとベッドで寝たきりという事も無い、手術を行えばそりゃ、しばらくはベッドの上だが、治療方法はそれだけじゃない。なるべくマリーダの負担が掛かりにくい手順と方法を選ぶつもりだ。

 

……ラプラスの箱をめぐる抗争のしばらく後、トラヴィスのおっさんに案内され、俺の元にスベロア・ジンネマンが訪ねて来た。

勿論マリーダの事だ。

ジンネマンはリビングへと案内するリゼを見て驚いた顔をしていた。

まあ、そうなるわな。遺伝子的には同じだからな。

リゼについてある程度の事情を説明した後、ジンネマンはゆっくりとマリーダを助けた際の事から今までの事を俺に語りだした。

最後にマリーダの事を頼むと頭を下げ金を渡されたが、最初はその金を受け取らなかった。

この男、マリーダの事を娘のように大切なくせに父親と名乗りやがらない。

過去に何かあったのだろう。一年戦争を経験したジオン側の人間だ。俺らには言えないような何かがな。……俺も似たようなもんだ。

マリーダも明らかに、ジンネマンを上司以上の情愛の感情を持っていた。

俺は、マリーダに父と呼ばせ、マリーダを娘だと呼ぶ事を条件にジンネマンから金を受け取る事にした。

マリーダの病室に2人きりにさせ、しばらく話しをさせる。

部屋から出て来たジンネマンの晴れやかな顔を見て、言うまでもない。

……どうやら、うまく行ったようだな。

 

 

リゼとマリーダの関係は良好だった。

 

リゼが便宜上姉、マリーダが妹という立場に収まる。

素体番号順で言えば、マリーダの方が姉となるのだろうが、その方が良いだろう。

それとだ。俺の事はお兄ちゃんと呼ぶようにとマリーダはリゼには言われていたが、難易度が高そうだ。

マリーダは最初は俺の事をドクターエドなんて呼んでいたが、リゼの懸命の努力で、半年後に漸く出た呼び方がエド兄(ニイ)だった。

普通にエドでもいいんだけどな。そこはどうしてもリゼが譲らなかったようだ。

 

リタについては、もうしばらく入院が必要だ。

俺の呼び方は普通にエド先生って呼んでたんだけどな、何故かお兄ちゃん先生にいつの間にか変わって、そのうちにお兄ちゃんになっていた。

まあ、本人がそれでいいって言うんだったらそれでいいんだけどよ。

24歳だが、どう見てもリゼ達と同じぐらいの年に見えちまう。

よく考えれば、ローザと4歳しか違わないはずなんだがな。

 

 

つい1週間前、俺の家に珍しい客が訪れる。

連邦軍最強の艦長と呼び声が高いあのブライト・ノアだ。

プライベートで俺んちに来た。

アムロが俺んちに呼び寄せたんだがな。

アムロがここに居ついている経緯を話すのに、俺もいた方が良いんだと。

俺んちは喫茶店やサロンじゃねーんだぞ。

まあ、俺がアムロを拾ってきちまった責任もあるからな。

ブライト・ノアは俺の嫁さん…ローザを見て細い目を大にしてひん剥いていたな。

しばらく固まっていたのは印象深い。

どうやらブライト・ノアは、グリプス戦役時代にハマーン・カーンと会ったことがあるそうだ。

さらに間が悪いことに、レッドマン…キャスバルまで俺んちに来るもんだから、ブライト・ノア……腰砕けで、ソファーからズレ落ちてたぞ。

 

俺の事を「あなた様はどのような御仁なのですか?」なんて恐縮な感じで聞いてきたが、俺は唯の街医者なんだがな。

こいつ等は元超有名人だが、俺は元連邦軍軍医だったってだけの一般人だ。

 

此処での事は、ブライト・ノアの心の中だけで収めてくれると……。

そう言えば、この事が公になれば、世界がひっくり返るとか大げさな事を言っていたぞ。

 

この後、アムロはブライト・ノアをトラヴィスのおっさんの会社に連れて行ったらしい。

……トラヴィスのおっさんはブライト・ノアと渡りをつけられた事に喜んでいたとか……。

まあ、おっさんならそうだろうな。

 

ブライト・ノアはアムロを連れ戻すつもりで来たようだが、アムロ自身は連邦に戻るつもりは無いそうだ。

今後もここで暮らすつもりだと。

 

 

 

 

 

昼下がり……

俺はローザに散歩に誘われ、ぶらぶらと近所の畑の土手道を歩く。

ローザは俺の手を握り肩を寄せてくる。

歩きながらの会話などは無い。これは何時もの事だ。

ローザは昔から必要最低限の事しか口にしない。まあ、言うならば無口な方だ。

 

暫く歩いたところで、農業用貯水池の畔にあるベンチに並んで座った。

ここは昔、ローザのリハビリがてらの散歩のためによく来た場所だ。

こいつを拾って来て既に7年と3カ月か……。

 

あの頃は今よりも更に無口でいつも仏頂面だったか。しかも俺の事は藪医者呼ばわりだったな。

まあ、仏頂面はあんまり変わってないが、今ではちょっとした表情の動きや仕草で何を考えてるかだいたい分かる。……伊達に7年も一緒に過ごしていない。

最初は患者から妹となって、そして今や夫婦か……。

7年前の俺は想像もしなかったか……いや、1年半前までもそうだったな。

人生何があるかわからんな。

普段は全然意識はしてないが、ローザは嘗てネオ・ジオンを率い鉄の女なんて呼ばれたあのハマーン・カーンだった。

ネオ・ジオンを率い地球連邦に宣戦布告をし、戦火を拡大させた大罪人だ。

そして内紛の末、討たれた。悪党の末路というものだ。

だが、俺にとってはそんな事は今更どうでもいい話だ。

こいつの過去がどうだろうが、今は俺の嫁で大切な家族だ。

過去も一緒に背負ってやるさ。

 

ローザはぼーっと空を見上げながら考え事をしていた俺の手を再び取り、少々緊張した面持ちで話し出す。

「エド……そのだ。聞いて欲しいことがある」

 

「なんだ?改まって……アレか?約束だとか、話の続きだとか、聞いて欲しいことが有るとか無いとか言ってた奴か?俺にはさっぱり心当たりが無いんだが」

今回のラプラスの箱をめぐる紛争に赴く前に、そう言えばそんな事を言ってたな。

 

「結婚を聞き入れてくれこうして夫婦に……私と共に人生を歩んでくれることを選んでくれた。私にとって過ぎたる願いを聞き届けてくれ、今はその幸せをかみしめている……それは何ににも変えられない価値があり、どれだけの贅沢か……だが……もう一つ欲が出てしまった」

 

「そりゃあお互い様ってもんだ。まあ、俺は何もしてないがな。……で、その欲ってなんだ?何かやりたいことが出来たか?それとも何か欲しいものが出来たとかか?」

 

「……そうだ。欲しいものができた」

 

「言ってみろよ。言うだけだったらタダだしな。……俺に出来る範囲だったら協力してやるぞ」

……モビルスーツが欲しいとか言わねーだろうな。

いや、モビルアーマーか。あいつが先般のラプラスの箱紛争で乗ってたのは。

流石にそれは無理だぞ。

トラヴィスのおっさんに頼んでって、それはないか。

 

「ほ、本当だな?」

ローザの表情は明らかに喜色を浮かべていた。

 

「まあ、マジで俺で出来る範囲だぞ。それなら今度の結婚記念に考えておくが」

 

ローザは少々顔を赤らめ、気恥ずかしそうな顔を俺に向けてから俯向き加減になり、そして言葉を途切れ途切れ口にする。

「そのだ。……子供がほしい。……クロエを…クロエの子を見て羨ましく思うのだ。………私もエドの子が欲しい………」

最後は消えてなくなりそうな声であったが、その願いは俺の耳にはちゃんと届いた。

 

 

 

 

 

時は流れ……

 

宇宙世紀0097年11月

リゼの提案で俺達家族全員で街の写真館に写真を撮りに行くことになった。

珍しくきっちり正装してな。

 

そしてカメラの前に皆で並ぶ。

 

俺、エドワード・ヘイガー 37歳

妻、ローザ・ヘイガー 30歳

妹、リゼ・ヘイガー 20歳

義妹、オードリー・バーン 17歳

娘、クェス・ヘイガー 17歳

いつの間にか妹となったリタ・ベルナル 25歳

必然というかそのまんまというか妹となったマリーダ・クルス 19歳

 

甥っ子というかそんな感じになったバナージ・リンクス 18歳

そして、今ローザの腕に抱かれてる幼子ミーナ・ヘイガー3カ月…俺とローザの子だ。

 

ローザはアンティーク調の椅子に座り、腕に抱くミーナに微笑みかける。

俺はそのローザを後ろから支えるように立つ。

俺の右にはクェスが悪戯っぽい笑顔で俺の腕を取り、そのクェスの右にバナージが緊張気味に立っていた。

俺の左に終始笑顔のリゼが、さらにその左にマリーダ。

椅子に座るローザの右にオードリーが中腰でミーナを抱くローザの腕を支える。

ローザの左にはリタが中腰で正面を向く。

 

そんな家族の集合写真が出来上がった。

 

 

 

俺は一年戦争で家族も恋人も何もかも亡くした。

だが、一年戦争の縁でトラヴィスのおっさんやドリスと出会う事ができた。

トラヴィスのおっさんの紹介で俺はこの新サイド6、15番コロニーに移りすみ、リゼに出会い、そしてローザを宇宙で拾った。

その縁がさらに廻りだし、オードリーにクェス。

その後はリタ、マリーダ、バナージとも出会う。

そして、俺とローザの間に生まれたミーナ。

皆、生まれや育ちは違うが、今じゃ俺の大切な家族だ。

 

 

多くの友人や仲間にも恵まれた。

トラヴィスのおっさんとドリスは言うまでもない。

軍医時代にはウラキやキース達に、モズリー先生。

トラヴィスのおっさんの息子のヴィンセント、そしてアンネローゼにクロエ。

アムロとキャスバルは宇宙で拾ったのがきっかけだったな。

このコロニーの連中も俺によくしてくれた。

 

 

そんな連中との何気ない日々は、俺の心を満たしてくれる。

これが幸せというものなのだろう。

 

 

宇宙世紀も100年の節目に近づく。

激動の時代を切り抜け、漸く平和に向かおうとしていた。

いや、嵐の前の静けさなのかもしれない。

 

だが、家族と仲間達がいれば、きっと乗り越えることができる。

俺はそう確信している。

 




ハマーン様には幸せになって欲しいですね。

注釈マリーダとリゼの年の差は、エドがリゼを引き取った日、1月16日を誕生日にしてしまったため。数か月の差が出てしまった。

後日談の件は
一つは、バナージ視点
もう一つは、秘密です。
その他、もうちょっとあればいいなと思いますので、アンケートで希望を募りたいと思います。
よろしくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
Twitterで読了報告する
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。