なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

今年も最後ですね。
来年も皆様にとって良い年である様に……

さて、早速ですがすみません。
バナージ編と言っていたのですが、急遽マリーダ編に変更いたしました。
バナージ編はマリーダさんやオードリーに関わっちゃうので、最後の方が良いのかなと。

因みにレッドマンの結婚相手についてのアンケートですが……
今のところナナイさん40%越えで他を引き離してます。
2位になぜかエドが……リタよりもエド?
どういうとなのでしょうw





マリーダ編①マリーダの困惑

宇宙世紀0096年3月

私は今、とんでもない艦にいる。

マスター(ジンネマン)に同行して、グワンバン級戦艦に乗り継いだのだが、そこにはかつてない程の巨大なニュータイプの力とプレッシャーを感じた。

それはあのフル・フロンタル大佐以上だ。

それが少なくとも3人以上……。

 

一人はローザ殿だ。マスターが頭を下げる程の御仁らしい。

ジオンの真の統領であるミネバ・ラオ・ザビ殿下の姉君だそうだ。

かつて、どこかで感じたような気がするが、それは気のせいだろう。

目の前の方からはその時感じた仄暗い感じは全くしない。それどころか陽の気配を感じる。

さらに、ニュータイプとしても凄まじい力を感じる。

もう一人はレッドマンと名乗る御仁だ。マスターはこの御仁を見た際、大層驚いていた。

いや、ローザ殿の時もそうだが、それこそ声を出せない程だ。

雰囲気がどこかフロンタル大佐と似ているが、この御仁からはそれ以上のとてつもない何かを感じる。

そして……アムロと名乗る御仁。

この方は連邦最強のパイロットあのアムロ・レイだ。

尋常じゃない力を感じる。

3年前の第2次ネオ・ジオン抗争時に亡くなったと聞いていたが、先ずは間違いないだろう。

これ程の力は二人といない。

 

それを束ねるトラヴィス・カークランド殿は、マスターと昵懇の間柄だそうだ。

歴戦の戦士の雰囲気を持ち、どこか鋭いナイフを懐に幾つも隠し持っているようなプレッシャーを感じる。

マスターからはミネバ・ラオ・ザビ様を守る真のナイトだと聞いている。

 

そして……ミネバ・ラオ・ザビ様だ。

此処では偽名を使いオードリーと名乗っているらしい。

心地よい風を感じる。姫様自身もニュータイプだろう。

 

後程会ったクェスという少女は姫様とは気安い関係らしい。

しかも、彼女自身潜在能力を秘めたニュータイプだ。

 

バナージ・リンクスという少年。

あのコロニーで一度は偶然に出会い、その後ユニコーンガンダムで現れ、戦場を駆け巡った少年だ。

彼からもニュータイプとしての凄まじいまでの潜在能力を感じる。

 

 

その他にも、この艦からは力強いニュータイプの力や歴戦の戦士の匂いがそこら中に……蔓延っていた。

 

私はこの艦に居るだけで、心がすり潰されそうになる。

だが、マスターが横についていただいているお陰で、何とか耐えることが出来た。

 

 

ガランシェール隊がもし、この方々と敵対していたとしたらと思うと、ぞっとする話だ。

間違いなく、一瞬で滅んでいた。

私のクシャトリヤでは、まったく歯が立たないだろう。

 

これは袖付きの全勢力をもってしても対峙できるものではない。

確認できた戦力だけでも、大型モビルアーマーは2機はある。

少なくともガンダムタイプが3機以上。ゲルググタイプのカスタマイズ機やギラ・ドーガ系やら、さらには見た事も無い機体が数機見られる。

 

いったい何なのだろうか、ここは。

マスターにそれと無しに聞いてみたが、味方だとしか教えてはくださらない。

いや、マスター自身も私と同じく動揺してるようにも見える。

 

 

 

 

 

そして一週間が過ぎ、すべてが終わった。

いや、一方的に終わらせた。

フル・フロンタル大佐の超巨大モビルアーマーネオジオングは、最新サイコミュ兵器のサイコシャードを搭載し、ニュータイプ能力をいかんなく発揮させ、兵器やモビルスーツを無効化させたのだが……。

 

相手が悪かった。

ローザ殿の巨大モビルアーマーβ・アジールの高速機動からの凄まじい数のアウトレンジファンネル攻撃。

レッドマン殿のユニコーンガンダム3号機はサイコシャードの影響を全く受けつけずに、常人では考えられない反射行動での近接攻撃。

アムロ殿のνガンダムはフルサイコフレームの光を帯びながら、ユニコーンガンダム3号機同様サイコシャードの影響を全く受けずに、中近接からの流れるような攻撃。

更に、ユニコーンガンダム1号機に乗るバナージは、このお三方から鍛えられ、たった1週間でパイロット技術を大幅に向上させ、このお三方について行き、攻撃を行っていた。

更には、ユニコーンガンダム2号機にのるクェスもニュータイプ能力を遺憾なく発揮し、フル・フロンタル大佐が操るネオ・ジオングに確実にダメージを与える。

 

………なんなのだこの光景は。

私は艦の護衛のため後方から、クシャトリヤの中でこの様子を見ていたのだが……。

まさに圧倒的だった。

 

これにまだ、アンネローゼ殿が操るニュータイプ用モビルアーマーノイエ・ジールⅡ改に歴戦の戦士が操るエース用モビルスーツ部隊が控えているのだ。

 

はっきり言って、連邦宇宙軍すらも打倒してしまうのではないかという戦力だ。

 

ネオ・ジオングは1分も経たないうちに、崩れ落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

その後私は、マスターにトラヴィス殿やローザ殿について行くように命令される。

何でも、私を蝕んでいる強化の副作用を調整してくれる方の所に連れて行くとの事だ。

私はマスターとは離れたくは無いが、命令とあらば従わざるを得ない。

 

道中、アンネローゼ殿やミネバ様に聞かされたのだが……

私を調整してくれる方は、ミネバ様はおじ様とは仰っていたが、なんでもミネバ様の義理の兄にあたる方らしい。

要するにローザ殿の夫との事だ。

しかも、クェスの父でもあるようだ。

どう見ても、ローザ殿とクェスは年齢的にも容姿も親子には見えない。

私が介入する事ではないな。きっと事情があるのだろう。

 

ミネバ様の話される雰囲気から、随分とそのおじ様とやらに心を許されてる様だ。

 

さらにクェスはミネバ様に「パパに謝るのを手伝って」と、何度も声をかけていた。

ミネバ様は「多少の口添えはするわ。でもおじ様の心配を不意にしたクェスが悪いのですから、素直に謝る方が良いと思うわ」とそうおっしゃって諫めていた。

いったい何について謝らないといけないのかは不明ではあるが、2人の間柄も随分と気安い関係に見える。

 

そこで案内された場所が、ヘイガー診療所というところだった。

見たところ、住宅として大き目ではあるが、病院としては街の病院といったところか。

 

ちょっと待て、ミネバ様はここに住んでいらっしゃるのか?

どう見ても、ジオンの姫君であるミネバ様や姉君であるローザ殿にはそぐわない。

 

そこに中年の男が待ち受けていた。

私はアンネローゼ殿に促され挨拶を交わし、自己紹介を受ける。

「エドワード・ヘイガーだ。医者だ。歓迎する」

 

この方がローザ殿の夫で、ミネバ様が慕う義兄なのだろうか?

どう見ても普通の御仁だ。

 

だが、ローザ殿もミネバ様にも随分と慕われているようだ。

 

私は促され、この診療所の3階の居住スペースに案内される。

そこに待ち受けていた人物に驚きを隠せない。

……私と同じ顔の人物が微笑んでいたのだ。

こういう事か、私を見て、ミネバ様もクェスも「リゼ姉様に似てます」「雰囲気が違うけどリゼ姉そっくりね」と驚いていた。

トラヴィス殿一行も最初に私の顔を見た際に何らかの反応を示していた。

 

……彼女は私の同胞だ。

誰だ?私以外の同胞は7年前の戦いで散ったハズだ。

私と同じく、辛くも生き残っていたのか?

しかし、私達プルシリーズ特有の共鳴反応は無い。それどころか全く力を感じない。

どういうことだ。

 

「私はリゼ・ヘイガー。あなたは?」

 

「……マリーダ・クルス……お前は誰だ?」

 

「リゼよ。あなたとは後でじっくり話す必要があるわ。まずは朝食を用意したから食べてね」

そう微笑むリゼ。私にはその笑顔が眩しかった。

 

この後、ここでそうそうたる御仁達の中で朝食をとることになる。

なんなのだここは?

街の診療所ではないのか?

 

ローザ殿にミネバ様、トラヴィス殿にアンネローゼ殿、レッドマン殿にアムロ殿、リゼに……そして、涙目だったクェスとドクターエドワードが加わり和気あいあいと食事を開始する。

ガランシェール隊でも皆で食事を摂っていたが、それに通じる。

いや、もっと温かみがあるというか、皆、心の底からリラックスしてる様に見える。

 

いったい何なのだここは?

 

 

私は2階の一室をあてがわれる。

とりあえず、ひと眠りすることにする。

マスターはここで私の調整を行う様に言われた。

しかし、何故なのだろう?

ガランシェールにも調整用の設備があるというのにだ。

 

 

ひと眠りし、しばらく経ち、リゼがこの部屋に訪ねて来た。

私も話がしたいと思っていた所だ。

そしてリゼから先に語りだす。

「記憶はあやふやなんだけど、9年前は検体№24と呼ばれてたわ……」

 

「な!?」

24番だと、私達はプルツーを含め12人しかいないはずだ。どういうことだ?

しかも9年前とは?私達が目覚めたのは8年前のはずだ。その1年前に何があった?

 

「………私は多分なんだけど、数ある検体の中で不合格となって、廃棄処分される予定だった」

私たち以外に同胞が居たのか?しかも検体№24という事は少なくとも24体以上居たという事ではないか。

 

「………」

プルツーは成功素体。

私達は予定の基準値に達しなかった粗悪品だった。

それ以外にも……いたというのか。

そうか、リゼにニュータイプ能力が全く感じられないのは、全くの無能力者だったからか。

それで廃棄処分か。

 

「それでね。廃棄処分されるはずだったのだけど、助けてくれた人がいて、エドお兄ちゃんの所に連れてきてくれたの。そしたら、お兄ちゃんがわたしを抱きしめて、今から俺の妹だって」

 

「……」

 

「お薬をいっぱい飲まないと生きていけない弱い体だったけど、お兄ちゃんが治してくれて、今はまったく薬が要らなくなった。それで中学校と高校に行って、今じゃ大学に行きながら、自分のやりたい仕事についてるんだから」

………薬が要らない。という事は調整が要らないのか?バカな。ネオ・ジオンでもそんな技術は存在しない。どういうことだ?

それに一般人として生活しているだと?

なんなのだ?まったくなんなのだ!?

 

「落ち着いて、もう大丈夫だから」

私は取り乱していたようだ。リゼは私を優しく抱きしめてくれていた。

 

「……まったく……なんなのだ」

 

「大丈夫。お兄ちゃんが絶対、マリーダを治してくれる。普通に生きられるようにね」

 

「そんな事は不可能だ!!マスターでさえ無理だった!!普通に生きるとは何だ!!既に私の身は穢れ落ち!!そして朽ち果てるのみだ!!」

私はもがき叫んでいた。このどうしようもない感情はなんなのだ!?

 

「落ち着いて、落ち着いて……大丈夫だから、大丈夫だから……お兄ちゃんは世界一の名医なんだよ。全然そんな風に見えないけどね。マリーダの体も心もきっちり治してくれるから。私もローザお姉ちゃんやオードリーやクェスもここにいるわ」

リゼは私を強く強く抱きしめてくれていた。

 

私はそのリゼの体の温かみを感じながら、そのまま意識を失った。

 

 

数日たって、マスターが私の所に来てくれた。

そして、マスターが……私を娘と呼び、父と呼べと……

私は自然と涙が溢れでる。

 

その後、マスター……父はドクターエドワードに何度も頭を下げていた。

父が語るには、ドクターエドワードは強化人間の治療を数度成功させているらしい。

今も対面の部屋でその治療を行ってる患者もいるとか、私と比べ随分と軽いらしい。

確かに、対面の部屋からニュータイプの力を感じる。

そして……ドクターエドワードは信にたる人物だと。

さらに私の治療は2年以上はかかるらしい。

父と離れ、此処で生活をしなければならない事に、私は気落ちする。

そんな私を見かねて、お前の未来は希望に満ちている。安心しなさい。見舞いには必ず来ると……。

 

 

そして、ここでの私のまったく新しい生活が始まった。

 





マリーダ編は多分前後編の予定。
それではよいお年を……

皆さんにご質問です。レッドマンとなったシャアの結婚相手は誰が良いですか?

  • リタ・ベルナル
  • ナナイ・ミゲル
  • リゼ・ヘイガー
  • 外伝系女性キャラ
  • エド(精神的に)

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