なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

ここのガンダム関連の整理をしますと……
初代~ZZアニメ版
逆襲のシャア劇場版
UCはアニメ版
外伝系はゲーム版
(ちょろっと漫画版は愛嬌程度)
セイラさんはアニメ版
チェーンさんは逆シャア劇場版
セミロング金髪美女はアニメ版


アムロ・キャスバル・エド男達の挽歌編④

今1階の診療所には、アムロの元カノ(推測)でキャスバルの実妹のセイラに、キャスバルが話し合いという名の説教を存分に食らってるはずだ。

セイラを20年以上ほったらかしたキャスバルが悪い。

そんで3階のリビングでは俺の目の前に、アムロの前カノのチェーンって子が暴走気味にアムロを待ち構えている。こっちはこっちで、アムロが3年も放置したせいでこんな感じになってる。もちろんアムロが悪い。

 

元カノ(推測)のセイラと前カノのチェーンが鉢合わせになるのは流石に不味いだろう。

鉢合わせになる前にアムロが来てチェーンをこの家から連れ出してくれれば、何も問題無いハズだ。

今しばらく、セイラとキャスバルの話し合いには時間が掛かるだろうから、きっと大丈夫だ。

そう信じたい。

とにかくだ。なんでもいいからアムロ、早く来てくれ!

 

そして、インターフォンのチャイムが鳴る。

待ってたぞ!遅いぞアムロ!モビルアーマーですっ飛ばして来いよ!

そう思いつつ、インターフォン端末を素早く手に取り、玄関先の映像を確認したんだが……

アムロじゃなかった。

 

玄関先には、目がぱっちりしたセミロングの金髪美女が映っていた。

年のころはローザと同じくらいか。

『こちらにアムロ・レイがお世話になっているとお聞きしまして、参りました』

 

………

 

おいーーー!またかよ!

俺はセミロング金髪美女の用件を聞いて、思わず心の中でそう叫んでいた。

またアムロの何らかの彼女候補なんじゃないだろうな。

やばいぞ。今3階のここには暴走気味の前カノのチェーンが……。

 

俺はチェーンに来客の相手をするからちょっと席を外す事を伝え、1階の玄関に急いで降りて行く。

もし、新たな来訪者のセミロング金髪美女がアムロの何カノだったのなら、3階のチェーンのいる前で対応するのは非常に不味い。ただでさえアムロに3年間ほったらかしにされてネガティブに暴走気味なのによ。洒落にならん。

 

 

1階の玄関を開けると、セミロングヘア―の金髪美女が丁寧に自己紹介と挨拶をしてきた。

「ベルトーチカ・イルマと申します。突然、お邪魔しましてすみません。」

 

「俺はアムロの友人でエドワード・ヘイガーです。この診療所で医者をやってる者です。用向きは……アムロですか」

ベルトーチカさんは落ち着いた雰囲気の大人の女性の様だ。俺も丁寧に努め挨拶を返す。

 

「はい、アムロ・レイがここに居るとお聞きしましたので、会いに参りました」

ハキハキとした言葉でベルトーチカさんは再度、はっきり俺にそう言った。

 

「………失礼ですがベルトーチカさんはアムロとはどういう関係の方ですか?」

俺は嫌な予感がしながらも、聞きたくないが、聞かざるを得なかった。

 

「4年間連れ添った仲です。そう言えばお分かりになって頂けるかしら?」

ベルトーチカさんは最初の物静かそうなイメージと違い、少々悪戯っぽく微笑でいた。

ちょっと待て、4年間連れ添った仲だと。それに意味深な言い回しは何だ?

普通に考えたら、一緒に4年間同じ家に住んでたってことだよな。これってよ。

……まさか。

 

「…………」

おいーーーーーー!!本妻みたいなのが来たぞーーーーー!!

ド本命じゃねーーか!?

どうなってるんだ!?彼奴(アムロ)の女関係は!!

おいっ!これ、俺にどうしろってんだ!

上には前カノ、横の診療所には元カノ(推測)、目の前には本カノかよ!!

 

「あの、どうされましたか?」

ベルトーチカさんは首を傾げて俺を不思議そうに見つめていた。

俺はどうやら一瞬、意識がどこかに飛んでいたようだ。

 

「アムロがこんな美人と連れ添っていたなんて知らなかったな」

俺は咄嗟にこんな事を言ってしまってた。しかも棒読みで……

仕方ねーだろ!こんな状況で、真面でいられる方がおかしいぞ!

 

「美人だなんて、アムロと違ってお口がお上手なんですね」

ベルトーチカさんは逆に茶目っ気たっぷりにそう返してきた。

いや、家族や友人達にいつも朴念仁だとか、神経が恐竜並みとか、デリカシーが無いとかいわれてるんだけど……

 

「はっはっはーそうですかね」

俺は内心の焦りを隠すために笑って誤魔化そうとしたが、乾いた愛想笑いしか出ない。

 

「こちらにアムロは今いるんですか?」

 

「いや、なんというか……ここに来る予定ではあるんですが……」

俺は歯切れ悪く答えるしかなかった。

だってそうだろ?この状況でアムロが来た場合どうなる?

2人だけだったら、何とかなるかもしれんが……3人だぞ!?

どう考えても、この場は乗り切れねーだろ!?

いっそ、アムロをこそっと逃がして、この3人には、これなくなったと伝えた方が良いんじゃないかと思うほどだ。

 

「そう……ですか」

俺の言葉でベルトーチカさんはどこかホッとした顔をしていた。

余裕そうに見えていたが、アムロが生きてるのか本当にここに居るかとかと、内心は余裕がなかったのだろう。

 

 

そんな時だ。隣の診療所から……

『兄さんの軟弱者!』

そんな悲鳴に近い怒声が聞こえて来たと思うと、パンと、叩かれる音がし、さらに女性の嗚咽が混じった泣き声まで聞こえる始末。

セイラが泣きながらキャスバルを叩いたのだろう。

きっと今、診療所はとんでもない修羅場になってるはずだ。

って言ってる場合か!こっちも切り抜けないと修羅場と化するぞ!

どうする?ベルトーチカさんをどうする。玄関のままってわけにはいかねーだろ?どこかで待ってもらうか?

 

「今、何か隣から女性の声が……どなたかいらしてるんですか?」

 

「あっ、ああ、昼ドラを見てたもんで、思いっきりドロっドロっの兄妹ものの奴を……あれ?ネコがテレビのリモコンボリュームを踏んだかな?はっはっは」

俺は訝し気に診療所の方に顔を向けるベルトーチカさんに、苦しい言い訳を。

この状況を説明するのは俺には無理だ。強引に言い訳するしかない!

 

「そうなんですか?」

一応納得してくれたようだ。

 

 

だが……

「あの……アムロ来ましたか?」

いつの間にかチェーンが3階のリビングから降りてきて、階段からこっち(玄関)の様子を伺っていた。

 

や、やばいぞ!ど、どうする俺。

いや、まだ間に合うはずだ。

チェーンとベルトーチカさんはお互いを知らないはずだ。

俺の予想だと、ベルトーチカさんとアムロが付き合っていたのは、チェーンの前だ。

ならば、二人に面識は無いはずだ。

適当な言い訳を考えれば……って、ああっくそっ!!何も思いつかん!

俺はこう言うのは苦手なんだよ!!

俺が頭を抑えて必死に考えていたのだが……

 

「あっ!!」

チェーンは短い叫び声を上げ、俺の先に居る人物に指さしていた。

 

その指さす先のベルトーチカさんもチェーンを見据えていた。

「あら、あなたも来てたの?」

 

な…なんだ?

俺は嫌な予感を抱えながら恐る恐る二人に訪ねた。

「………二人は知り合いなのか?」

もしかして、2人は面識があるのか?そんなはずないよな。

本カノと前カノに面識なんて普通あり得ねーぞ。そうだと言ってくれ!

 

 

「知りませんこんな人」

「一度会った程度よ」

チェーンは明らかに不機嫌な顔をし、ベルトーチカさんは冷静の様で、鋭い目つきでチェーンを見据えたままだ。

 

ああっ!!顔見知りだったのかよ!!

なんでだ!!アムロの奴の女関係ってどうなってるんだ!?

あり得ねーだろ!!どうなったら、本カノと前カノが顔見知りになるんだよ!!

いや……もしかして、過去に一度修羅場ったのか?

おい、俺にこれをどうしろっつうんだ!!

 

 

とりあえず、チェーンとベルトーチカを3階のリビングに上がらせ、ソファーに座ってもらう。

2人は対面に座る。

チェーンは顔を横に向かせながら不機嫌そうにベルトーチカを横目で睨む。

ベルトーチカは足と腕を組み、相変わらず鋭い目つきでチェーンを正面で見据えている。

2人は一言もしゃべらねー。

 

く、空気が重い。

 

俺はキッチンでコーヒーを再び温めながら、アムロに電話をかけるが、出やがらねー!!

もう、これは修羅場回避無理だろ!前言撤回だ。アムロを逃がすなんて以ての外だ!

アムロの奴、早く来やがれ!お前が彼女たちを3年間ほったらかしてにして、しかも関係をあやふやにするからこんな事になってるんだ!

自分で蒔いた種だ!彼女らに釈明して、土下座でも何でもしろってんだ!

 

俺は二人にコーヒーを出すと、チェーンからベルトーチカに明らかに敵意ある態度で話し出す。

「ベルトーチカさんはここに何をしに来たんです?今更!」

 

「もちろん。アムロを連れ戻しにきたのよ。貴方の方こそ、ここに何故いるのかしら?」

 

「何を言ってるんですか!昔の彼女は引っ込んでてください。アムロは私が連れ帰るんです!!」

 

「アムロの葬儀の時にも言ったわよね。私はアムロと別れたわけじゃないわ。彼には宇宙でなさなければならない事があったの。その邪魔にならないようにと私は地球に残ったのよ。

そう、アムロが目的を達成した後は、私の元に戻って来るはずだったのよ」

ベルトーチカは淡々とチェーンに語る。

なるほど、チェーンとベルトーチカはアムロの葬儀の時に会ったのか、そん時も多分こんな話合いをしたんだろうが……流石に葬儀の場では修羅場にはならなかっただろう。既にその対象のアムロが死んでた事になってたしな。

ベルトーチカの主張としては、別れたわけでもなく、今も恋人というわけか。

アムロの奴、そう言えば連邦からの要請があって、キャスバルの奴を倒すために宇宙に上がったと言っていたな。

ということはだ。ベルトーチカが言うアムロの目的というのは……

 

「何を言ってるんです。本妻ヅラしないでください!アムロはシャアを倒した後は、私と恋人同士になって、結婚する予定だったんです!!」

 

「何を言ってるのかしら、この泥棒ネコは……、アムロはシャアを倒した後、地球に戻って私と結婚式を挙げる予定だったのよ!!私は断腸の思いで、シャアとの決着に集中させてあげたくてアムロを宇宙に送り出したのよ!あなたみたいな泥棒ネコが近くに居ただなんて……私もついて行くべきだったわ!」

 

やっぱりかよ!!

そのシャアって人は今も生きてピンピンしてるぞ!しかも、今同じ屋根の下で実の妹に説教を受けてる真っ最中なんだ!

まあ、精神的には半死してるだろうがよ。

おいーー!シャア倒したらベルトーチカの元に戻るっておいーーー!!

アムロめ、そんな約束したのか?ベルトーチカとよ!

しかも、チェーンとはシャアを倒したら恋人になるとか……

これ、キャスバルの命も、危なくねーか?

キャスバル(シャア)が生きて、ここに居るって知られたら、アムロに戻ってもらうために、ベルトーチカとチェーンにあいつ殺されるんじゃねーか?

ま、まずいぞ。

 

「アムロは戦いの前に私にキスをしてくれました!!今は私の事が好きなの!!」

 

「フン。泥棒ネコがよく言うわ。キスぐらい挨拶よ挨拶。アムロと私は全てを知ってる深い仲よ。もちろん体の隅々もね。この意味はわかるわよね?」

 

「それがどうしたんですか!私は今からアムロとそう言う仲になるんです!元カノが未練がましいですよ!今はアムロは私に夢中なんです!!」」

 

「何よ。3年もほったらかしにされておいて!この泥棒ネコ!」

 

「それは貴方も一緒でしょ!!」

 

チェーンとベルトーチカはお互い立ち上がり、睨み合う。

………

 

何故俺はここにいるんだ?

いや、ここは俺ん家だよな……。

何故こんな状態になってるんだ?

いや、俺は何も悪くないはずだ。

何故俺はこんなにも困ってるんだ?

……俺は当事者でも何でもないんだが……

 

………アムロめ!!

彼奴がすべての元凶じゃねーか!

彼奴が彼女らを3年間も放ったらかしにしたからこうなったんじゃねーか!

 

もしかして、3年間放置したのは、あれじゃねーか?

こうなる事がわかっていて、戻りたくても戻れなかったんじゃねーのか?

アムロが連邦に戻りたくない理由って、これが一番の理由じゃねーのか?

 

アムロめ!!

あいつ、仕事は真面目なんだが、私生活が適当過ぎんだよ。

女関係も、ちゃんと清算しとけよな!!

 

というかだ。

さっさとここに来て、この状況を如何にかしろ!!

 




エドは一応、友人の知り合いで初対面って事で、ネコ被ってますが……
どこまで我慢できるか……

アムロにとって
セイラさん……憧れのお姉さん(0079~0080:エドは元カノだと思ってる)
チェーンさん……直前カノ。ほぼ彼女?(0092~0093半年位?)
ベルトーチカさん……同居生活4年(0087~91?)3年~4年と推測
こんな感じです。

アムロ→セイラさんに今も憧れてる。
セイラさん→弟分(アムロ)?が生きてたからいろんな心情で会いに来た?ワンチャンあるかも?
でもシャア発見。修羅場る。
チェーンさん→アムロに会いに来た。
ベルトーチカさん→アムロを連れ戻しに来た。
レッドマン→セイラからもう逃げられない。観念する。
もしかするとチェーンとベルトーチカに殺される可能性有り。

追記

まあ、今回のお話は、チェーンさんとベルトーチカさんは本人の主張なので……実際は不明w

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