なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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今迄お付き合いして頂きましてありがとうございます。
今回で最終話です。一応区切りをつけないとズルズルいきそうなので。
何か思いついたら超蛇足編として書き足そうとは思ってます。

感想を沢山いただきありがとうございます。
出来るだけ返させていただこうと思います。(ゆっくりですが)
誤字脱字報告ありがとうございました。非常に助かります。

では、最終話。


次の世代へ……(最終話)

宇宙世紀0099年12月初旬

人類が宇宙へと進出し、宇宙世紀と改暦してから100年が経とうとしていた。

来年の初旬には宇宙世紀100年祭とやらが大々的に開かれる。

 

ローザと結婚して4年が過ぎ、ミーナももう2歳と3カ月だ。

そういう俺ももうそろそろ40か、年をとったものだ。

リゼはフリーの服飾デザイナーの仕事をやりながら大学4年に上がった。

クェスはなんと大学に進学した。人類の神秘を研究するとか言っていたが……まあ、好きにしたらいい。

オードリーも大学進学し、法学部に入ったのは良いんだが、もう司法試験に受かりやがった。

来年は、経済学部に学部変更すると言っていたな。

バナージも大学進学し機械工学部へ。この頃はトラヴィスのおっさんの会社…というかアムロの下でバイトに勤しんでいる。何でも大学で学ぶよりも勉強になるらしい。

マリーダは治療を終えることが出来た。

将来的にはトラヴィスのおっさんの会社で働きたいらしい。

まあ、親父のジンネマンとまた一緒に働きたいのだろう。

だが、マリーダは去年から、料理の専門学校に通っている。

お菓子の専門学校だ。やりたいことが出来たのはいいが、意外だったな。

今は専門学校に週3回、トラヴィスのおっさんの裏の仕事、民間軍事会社の方に、週2回顔を出してる。モビルスーツの操縦のリハビリを兼ねてな。

治療は完璧だったんだが、人体負荷系の耐性はどうしても落ちてしまった。

幸い、ニュータイプ能力は維持できた。いや、本人曰く、以前にくらべかなり強くなってるらしい。

おれは、ニュータイプについてはそれほど詳しくはないが、ローザも高まってると言っていたし、そうなのだろう。

リタは結婚して家を出た。

まあ、週に2~3回こっちに顔を出すから、あまり変わらない気がする。

相手は……

 

俺が思いに更けてる内に、俺が乗っていた定期宇宙船舶が新サイド6、1番コロニーのドックに到着する。

 

例の新サイド6医師会の会合に出席するためだ。

一応毎回顔を出してるんだが、いけ好かない理事長の野郎が今回に限ってしつこく出席するように言って来やがった。

まったくなんなんだ?

 

俺はいつも通り会合に出席して、最新医療の研究動向や傾向、医師会の来年度予定についてなど、必要そうなテーマだけ出席して、とっとと帰ろうと途中で退席する。

後半はどうせ、新サイド6医師会のくだらねー自慢話や、賞の授与式だ。そんな物には全く興味がねー。

だが、理事長の野郎が、医師会の本部ビルから出ようとする俺を追いかけて引き留めに来やがった。

何でも、俺に客が来ているそうだ。

なんだ?医師会を通しての俺の客だと?

全く心当たりが無い。

 

いけすかねー理事長だが、ちょっとは顔を立ててやらねーとな。

俺も大人になったという事だ。10年前の俺だったら速攻断ってた。

 

俺は理事長室の応接間に通され、そこには二人の男がソファーに座っていた。

一人は軍服を着てる。連邦軍の軍服の階級章から少佐だという事が分かる。

けっこう良いガタイをしてやがる。

もう一人は、なんかもうアレだ。どうこをどうみても怪しい奴だ。なんて言うかだ、マッドサイエンティストここに極まりみたいな顔をしてやがる。この顔でもし良い奴だったら、俺はこの場で土下座して謝っちまう。

 

理事長はこの二人にペコペコ頭を下げた後、俺を応接間に置いて出て行った。

 

 

「ドクター・ヘイガー。お会いできてまったく光栄。私はティモ・バルシウス。アナハイムと連邦軍との合同研究所の所長を拝命してる身である。ウシ、ウシシシッ」

そのマッドサイエンティストみたいな奴は、変なしゃべり方と怪しい笑い方をしながら俺に握手を求めて来た。

こんな奴とは関わりたくないぞ。明らかに怪しい奴だ。

出来るなら今すぐこの場を去りたい。

 

「で、田舎コロニーのしがない街医者の俺に、お偉い立場の人が何の用ですか?」

 

「君の論文を幾つか拝見しました……アレは素晴らしい!実に素晴らしい!君のお陰で遺伝子治療が20年は進んだと言っていいでしょう……」

 

「はぁ、大げさですね」

 

「ところで、人間の可能性に興味がおありかな?」

バルシウスとかいう怪しいマッド所長はやらしく顔を歪ませこんな事を聞いてくる。

 

「なんのことだか、さっぱりです」

こいつ…なんだ?嫌な予感がするぞ。

 

「ふむ。君の論文を読むにつれ、気が付いたのだよ。君さえいれば、最強の戦士が作れると!ニュータイプを越える。人類史上最強の戦士を!!ウシ、ウシシシシッ!!」

こいつ、まさか強化人間の事を言っているのか?

 

「はぁああ?何言ってんだおっさん!?」

そして俺は気が付いた。

このマッド所長の言葉でな。

アナハイムと連邦の合同研究ってことは、十中八九強化人間の研究のことだろう。

強化人間の研究を行っていたオーガスタ研究所はグリプス戦役後、解体処分となった。しかし、実際はアナハイムがその研究所の後釜に入り、研究は引き継がれていると噂を聞いた。

こいつは、多分そこの人間の元締めだ。

俺の遺伝子治療の論文から、強化人間の治療や機能障害回復に使える事に勘づきやがった。

俺が1年半前学会に提出した遺伝子治療の論文は、もちろんリゼやマリーダの治療の課程で得たデータを元に、初歩的な理論だけ書き綴ったものだった。

突っ込んだ事を書くと、強化人間の治療だけでなく、機能障害を低下させた強化人間を遺伝子レベルで作れてしまう可能性が在るからだ。

 

「ウシ?」

 

「マッドなおっさんよ…あんた…まだ強化人間の研究をしてるのか?」

俺は自然と声が低くなり、マッド所長を睨んでいた。

 

「ウシシシッ、話が早くて助かる。やはり君は頭がいい。さあ!私と行こうではないか、次世代の最強の人類創造のために!!ウッシシシッ!!」

こいつ、やっぱイカレてやがる。

人類創造だと!?不幸な人間をつくってるだけじゃねーか!!俺にその片棒を担げだと!?

ふざけんな!!

 

「………他を当たってくれ、俺は強化人間に興味は無い」

俺は沸騰しそうな頭を何とか冷やし、冷静に言葉を返した。

だが、俺の目はこの腐れ外道の顔を鋭くとらえていた。

 

「人類最高の研究だぞ!研究が成功すれば金や地位も手に入る!!」

 

「………いらねーよ。そんなもん。じゃあな」

俺はまだ冷静でいられる。

席を立ち、この部屋からとっとと出ようとするが……

 

「ウシシシッ!致し方が無いですねー、少々手荒になってしまいますが…少佐殿」

マッド所長がそう声を上げると、今迄沈黙を保っていた軍服の男が、部屋を出ようとする俺の腕を掴み、取り押さえに来やがった。

 

「大人しくしたまえ、地球に無理矢理でもついてきてもらうぞ。ドクター・ヘイガー殿、ウシシシシッ!」

 

「くそったれが!俺は手伝わねーぞ!!」

 

「ウシッ、君は家族がいるようだね。まあ、随分と大家族だそうだ。その家族の為にも大人しくついて来たまえ、ウシシシシッ!」

 

「てめーーー!!俺の家族に手を出してみろ!!!!ぜって――――ゆるさねーーーー!!」

俺は冷静に努めようとしたが、こればっかりは無理だ。俺の思考のすべてが怒りに切り替わってしまう。マッド野郎をこの場で殴り飛ばしたいが、俺が後ろ手に腕をお付きの少佐に抑えられてるため、もがくのが精いっぱいだった。

 

「君が大人しく言う事を聞いてくれたら、一切手を出さないと誓おう。それどころか、研究が成功すれば、金も名誉も与えられ、こんな田舎コロニーに住まわずに、地球で贅沢三昧に暮らせるのだよ。そう、君の大切な家族と一緒にね。きっと家族も喜ぶ。ウシシシシッ!」

 

「ざけんなーーーっ!!」

 

俺はそのまま拘束され、コロニードックに連れ出され、連邦軍のクラップ級戦艦に乗せられた。

くそっ、このまま地球に直行ってわけか!?

最初から俺を無理矢理連れて行くつもりだったのか!!

 

俺は軍艦の一室に監禁される。

そういえば、ローザが俺が出かける前に、嫌な予感がするからついて行くと、心配そうに何度も言っていたな。ニュータイプの勘ってやつだったのだろう。

俺は心配するな大丈夫だと苦笑気味に断った。

ミーナもまだ幼いし、会合は何時もの事だったしな。

………くそっ、結局あいつに心配かけちまった。

何とか脱出できねーか。せめて、トラヴィスのおっさんに連絡をつけられれば……

 

戦艦に乗せられ、6時間が経過しただろうか。まだ、大気圏突入には時間があるはずだが、戦艦が大きく揺れ、艦内にけたたましく警報が鳴り響く。

 

なんだ?

 

最初の揺れから、ずっと艦は揺れまくる。

……戦闘に巻き込まれたか?

この衝撃はそうだ。軍医だった頃16年前のデラーズの紛争の時と同じ感覚だ。

まずい、ジオンの残党か何かに狙われたか?

俺はこのままお陀仏か!?

いや、なんとしても脱出しねーと。

俺はドアを蹴り、破壊しようとするが、びくともしない。

くそっ!

 

10分ぐらい経っただろうか?

何故か扉が開いた。

よし、脱出ポッドを探さねーと。

そう思った矢先に、開いた扉から人影が入って来る。

げっ、まずいぞ。

 

だが……

「エド!!」

俺は人影に強く抱きしめられる。

 

「ロ…ローザか?」

俺はその声や五感でローザだと分かった。

 

「怪我は無いか?どこか痛むところかは無いか?」

ローザは矢継ぎ早に俺に心配そうな顔をしながら聞いてくる。

 

「いや大丈夫だ。なんともない。お前…何故ここに?」

 

「嫌な予感がしていたのだ。トラヴィスに新サイド6周辺や1番コロニー周囲に不穏な動きが無いか、聞いたのだ。そしたら……エドが囚われたと……私は……私は……エドが……」

ローザの目から涙が零れ落ち、再び俺を強く抱きしめる。

 

「すまん。心配かけた。それに助かった」

俺はローザの目から落ちる涙の粒を指ですくう。

 

 

この後、俺はノーマルスーツに着替え、戦艦に空いた穴から、ローザと共に脱出し、β-アジールに乗り込む。

…………

あれだ。どうやらトラヴィスのおっさんらにまた借りが出来たようだ。

クラップ級戦艦の周りには、ユニコーンガンダムが3機、Ex-νガンダム。ノイエジールⅡ改から、その他モビルスーツにZタイプ3機、ガンダムタイプが2機に、ガンダムの化け物みたいなのが1機、シナンジュとかいうモビルスーツに、ゲルググの発展形のようなモビルスーツが5機、ギラドーガの発展形らしきモビルスーツが5機位、何か見た事も無いモビルスーツが4機と、多数が囲んでいた。しかもグワンバン級改やら、戦艦が5隻も……

 

いや、やり過ぎじゃね?

 

ローザが操縦するβ-アジールでグワンバン級に帰還する頃には、クラップ級はそのまま捕縛される。

 

グワンバン級にはいつもの面々が顔をそろえていた。

トラヴィスのおっさんにアンネローゼ、アムロにキャスバル。そして、ヴィンセントまで……

そこには、俺の家族も……クェス、バナージ、マリーダにオードリーまで、さらにリタ……リゼもミーナを連れここに。

 

俺は皆に頭を下げる。

気恥しいような、安堵したような顔を皆していた。

 

俺が拘束された経緯を皆に話すと……

 

「オーガスタ基地と旧オーガスタ研究所か……アレは確か、ブレン少将の管轄だったか」

トラヴィスのおっさんは顎を撫でながら、何かを思い出した様に話し出す。

 

「いずれにしろ許すわけにはいかんな。潰すしかあるまい」

キャスバルはこんな事を言い出す。

 

「そうよ!パパを攫おうなんて!許せるわけが無いわ!!」

クェスは拳を振り上げる。

 

「潰すっておい、俺はこうして無事だしよ」

 

「流石に、正面切ってはまずいよな」

トラヴィスのおっさんは思案顔をしていた。

おっさん、こいつ等を止めてくれ。

下手をすると連邦と戦争になるぞ。

 

「正面では無ければ、問題ないという事だな社長」

アムロ!何言ってんだ?連邦軍にケンカを売るつもりか!?

 

「私はエドが無事であればそれでいい。だが……エドの命の危険にさらした事は許せん」

ローザまで、何言ってやがる。

 

「ちょっと待てって!」

 

「まあ、そのうちな」

トラヴィスのおっさんはそう言ってこの場を収めた。

いや収めたといえるのだろうか?

そのうちっておい。

 

 

俺は無事、我が家に家族と共に帰る事が出来た。

出来たのだが……

 

数日後、新サイド6医師会のあのいけ好かない理事長は失脚した。

不正が発覚したとかだそうだ。賄賂が主だが、黒黒としたものが出るわ出るわで。

 

数週間後、オーガスタ基地及び併設研究所は、実験失敗により、大爆発を起こして、跡形も無く吹き飛んだそうだ。

人的被害は殆ど無かったそうだが……

その後、その責任を取る形で連邦軍ブレン少将は失脚したそうだ。

 

 

…………あいつ等、俺に何も言わないが……。

明らかにトラヴィスのおっさん達がやっただろ!

クェスとバナージとマリーダは3日間家に帰らなかったし!

キャスバルのバーは3日間臨時休業だったしな!

何をした!

基地と研究所がどうやったら跡形も無く吹き飛ぶんだ!?

可笑しいだろ!?

 

バレたら、連邦がこの新サイド6に総攻撃してきてもおかしくないぞ!

 

 

 

 

そんなこんなで、宇宙世紀0100年を迎える。

世間では100周年を祝うお祭りムードが広がっていた。

そして、サイド3のジオン共和国は自治権を手放し、地球連邦に帰順することに……。

ローザやオードリーは思うところがあるだろう。

「ザビ家の役割はもうこの宇宙のどこにもありません」

そう言うオードリーはどこか寂し気でもあり、ホッとしたようでもあった。

 

ヘイガー家では新たに家族が増える事になった。

ローザが妊娠し、今年の夏には2人目が生まれる予定だ。

その他は普段通りの日常が過ぎていく。

 

 

俺の周りの連中は忙しなかった。

新サイド6医師会の理事長は暫くその席は空席だったのだが、新たに温厚そうなどこぞのおっさんが就任した。

それはそれでいいんだが、幹部理事、実質のナンバー2にセイラが何時の間にか就任していたのだ。

……まあ、セイラの実家のマス家ってかなり有力な家柄らしいからな。無いことも無いんだが。

 

トラヴィスおっさんはおっさんで新サイド6のコロニー公社の株を32%取得したんだと。

さらに事業を拡大し、各コロニーのジャンク屋を傘下に収め、おっさんの会社の支店が各サイドや地球のあちこちに出来たとか……

そんで、アナハイムに対抗するために、地球連邦の外郭団体のサナリィとか言う組織にかなりの出資をしたそうだ。

おっさんの会社の人員がかなり出向したとか……アムロはそこの幹部に……。

 

しかも俺はおっさんに、会社の監査役になってくれと頼まれる。

何でも、民間軍事会社の最終意思決定者の一人になってくれと……。

おっさんは引退後の事を考えていた。

民間軍事会社が暴走しないようストッパー役を頼んできたのだ。

俺ならば間違わないと……。

俺は何度も断ったんだが、アンネローゼやヴィンセントやアムロやキャスバルにも頼まれる始末。

遂に俺は折れて引き受けてしまった。一般人の俺に何が出来るんだ?まったく。

 

キャスバルの奴は、ホストクラブとバーを新たなブランド名ナイチンゲールとして、新サイド6のあちらこちらのコロニーに店を立ち上げたのだそうだ。

元ジオン残党兵やらを雇って、強面筋肉ホストクラブだったり、イケメンホストクラブだったり、おっさんを集めたシブメンズバーとか……まじでかなり盛況らしい。

世の中何が当たるかわかったもんじゃないな。

将来は全コロニーに支店をつくるだと。

出資者は勿論、トラヴィスのおっさんなんだけどな。

 

あんまり深く考えると胃に穴が開きそうだ。

俺の周りの奴らって、よく考えると優秀過ぎる奴らばかりだよな。

そのおかげで俺もこうやって楽しくやっていけてる。

あいつらたまに問題も起こすけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年後……

 

わたしはミーナ・ヘイガー8歳、小学3年生です。

お家は診療所をしてます。

お父さんの名前はエドワード・ヘイガーでお医者さん。

お母さんの名前はローザ・ヘイガー看護師さんです。

それと妹が二人と年上のお姉ちゃんが沢山とお兄ちゃんがいます。

 

「ミーナ、気をつけてな」

「ミーナ、何かあったら、私に直ぐに連絡するんだぞ」

「大丈夫だよお母さん。お父さんも行ってきます」

お父さんと一番下の妹のアリスを抱いてるお母さんが見送ってくれます。

毎朝、小学校に行くときは何時も、こんな感じです。

 

わたしには弟や妹のようなお友達もいます。

 

「キャスバルお兄様、急いでください」

「私の赤のランドセルが無いのだよ」

「ミーナお姉さんがお待ちですよ」

「ララァ、私を導いてくれ」

この子達は私の一つ年下の双子の兄妹で、直ぐ近くの家に住んでるレッドマンおじさんの子で、キャスバルくんとララァちゃん。

お家の前までお迎えに行って、いつも一緒に学校に行ってます。

 

「急がなくて大丈夫だよ」

 

しばらくして、2人がお家から出てくる。

「待たせたようだな。ミーナ」

「ミーナお姉さん、おはようございます」

「おはよう。キャスバル君とララァちゃん」

 

2人と合流した後、学校に歩いて向かいます。

その途中の大きなお家のインターフォンを鳴らす。

 

ここはアムロおじさんのお家で、一つ下のアイラちゃんとアベルくんも一緒に学校に行きます。同じ年なのに、双子じゃないそうです。アイラちゃんがお姉さんでアベル君が弟です。

「ミーナ姉さん、キャスバル君にララァさんおはようございます」

「あれ?アベル君は?」

 

「軟弱者は、放っておいて行きましょう」

アイラちゃんはツンとしてそんな事を言っちゃう。

「ふっ、それが良かろう」

「キャスバル兄さん。少しは寛大な心をお持ちになって」

「そうだよ。アイラちゃんもアベル君を待ってあげようよ」

 

「あの軟弱者は、まだ寝てますので気にせずに…」

 

「ええい、埒があかない。私がたたき起こしてやろう!」

「お兄様、私も行きます」

キャスバル君とララァちゃんはアベル君を起しに行っちゃった。

 

アベル君のお家から……

「でたな!キャスバル!僕はまだ眠い」

「フフフッお前が起きないのが悪いのだよ」

「は、速い!通常の三倍だと!?」

「ベッドの性能差が戦いを決しはしない。ん?チィッ堅い!このベッドは化け物か!」

「何をやってるんですか、お兄様、アベルも!」

「ララァちゃん!?……す、直ぐに着替えるから待ってて」

「最初から、そうすればいいのだ。私も鬼ではないのだ。このような所業には至らなかった」

 

………

みんな面白い子ばかりです。

 

しばらくして、髪の毛がぐちゃぐちゃのままのアベル君とキャスバル君、ララァちゃんがお家から出て来る。

 

「アイラ、なんで起こしてくれないんだ。母さんたちは?」

「妹と弟と皆一緒に保育所に行ったわ。何度も起こしたのに起きないあなたが悪い」

アイラちゃん達は兄妹が沢山です。何故かお母さんも……

 

わたしのお家も、年が離れたお姉ちゃんがいっぱいいます。

でも、お母さんは一人だけ。

 

キャスバル君とララァちゃんはキラキラの金髪で、アイラちゃんもキャスバル君達と同じキラキラな金髪です。

アベルくんはくせっ毛の黄色がかった金髪なんだけど、アベル君の下の兄妹は黒髪と茶色の子もいます。

 

そう言えば、わたしとお姉ちゃん達とは髪の色が違います。

わたしと妹達は皆ピンク色です。

お母さんは昔、ピンク色だったそうです。

もしかすると、大人になると髪の色が変わるのかもしれないです。

だったら、クェスお姉ちゃんみたいな綺麗なエメラルドグリーンがいいな。

 

 

こうして、皆で一緒に学校に行きます。

去年までは、クロエおばさんの子のハイネお兄さんがお家は離れてるんだけど、お家まで来てくれて、一緒に連れて行ってくれたんだけど、お兄さんは卒業しちゃったから。

わたしもみんなよりお姉ちゃんだから、みんなを連れて行ってあげないとね。

 

 

 

 

わたしは今日も楽しく元気に学校に通ってます。

 

 

 

 

 

 




皆様ありがとうございました。

あーー、その、誰が誰と結婚したかとかはご想像にお任せでいいですかね。
いや、ほぼバレてるけど。

最終話後、一応、一話は用意してます。
クェス編を。
バナージ編②もやりたいはやりたいですね。

ミーナが8歳の時点で終了となりましたが、この頃の誰がどう過ごしているか知りたい人物は?

  • キャスバル
  • アムロ
  • リゼ
  • リタ
  • その他

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