なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

その、こんな感じに……


クェス編【中】その3

「パパ、ごめんね」

私は家に帰って、パパに茶目っ気たっぷりに謝る。

 

「クェス、お前な。……まあ、話が先か。飯の支度手伝ってやってくれ」

パパは半分呆れ顔でそう言って許してくれる。

 

「はーい」

 

 

夕飯はマリーダ姉が戻って来て、久々に家族全員が揃った。

リタ姉も双子の子供を連れて一緒に食卓に。

 

パパとローザ姉、リゼ姉、リタ姉、マリーダ姉、オードリーにバナージ。そして、幼い妹達3人に、リタ姉の双子の子、そこにトラヴィスのじいちゃんとアンネローゼさんが加わって、大人数での夕食。数年前までだったらよくあった風景。

この頃みんな忙しいから、こうやって全員というのは中々ないわ。

 

「リタの嬢ちゃん。レッドマンはどうした?」

「えっと、旦那様はサイド1の新店の準備に行ってます。3日後には帰って来ると言ってました」

「そうか……意見を聞きたかったんだが、仕方がないか」

トラヴィスのじいちゃんはリタ姉の旦那のレッドマンについて聞いたんだけど、彼奴は出張らしい。

レッドマンはあのシャア・アズナブルだから、今回のマフティーの件で何か聞きたいことがあったのだと思う。

それに彼奴、リタ姉にぞっこんだし、結婚してからマメになったのか、リタ姉がそうさせたのかわからないけど、毎晩必ず連絡があるらしいから、そん時にリタ姉通じて聞いたら早いんじゃないかな。

 

 

夕飯が終わってしばらくして、アムロが来た。

どうやら、話し合いに参加するためらしい。

 

「……アムロ、お前最近窶れてないか?おっさんの会社でコキ使われてるんじゃないか?」

「そんな事をするわけがない。アムロは週休3日制だぞ。たしかに毎週月とこのコロニーとの往復だが、月のサナリィに週3日、本社に1日と休暇の3日はこっちで過ごさせてるぞ。それに月のサナリィにも週ごとの交代制で嫁の誰かがついて行ってるらしいし、特に問題ないだろう」

「はははっ、仕事の方は社長に配慮してもらってるから問題ないんだが、家のルールで休暇の内の1日は子供たちの為に、後の二日の半日づつはそれぞれ彼女らの為に使う事になってるんだ……もう俺も40過ぎだ。流石にキツイものがある…な……」

アムロは乾いた笑いをしながらそう言いつつ、項垂れていた。

自業自得ね。奥さんが4人ってどういう事よ。子供も6人もいるし……。

嘗ての連邦の英雄も形無しね。

 

「そ、そうか……大変そうだな」

「む、無理するなよ」

パパとじいちゃんはアムロを慰める。

 

 

夕飯も終え、いよいよトラヴィスのじいちゃんとの話し合いが始まる。

リゼ姉とリタ姉は参加せずに、子供部屋で子供たちの世話をしてる。

 

じいちゃんは私に説明してくれたようにマフティーについて、皆に語る。

 

「……相変わらず地球連邦って組織は…まともな奴はいないのか?」

じいちゃんが話し終わった後、一息ついてパパは率直な感想を言った。

 

「エドも知ってるだろ?最初はまともでも、どんどん腐って行くんだ。それでもまともな奴は出世を閉ざされ閑職に追いやられる。ブライト・ノアはまだましな方だ」

 

「ブライトは息子がこんな事になってるって知ってるのか?」

パパはじいちゃんとアムロに、皆が気になってる話しを聞く。

 

「いいや、知らないはずだ。……余談だが、俺やレッドマンの事も、ブライトは子供たちに話していないそうだ。何処で口外するかわからないからという理由でな。まさか、あのハサウェイがそんな事になってるとは……早急に過ぎるぞ」

 

「ああ、ブライトにはまだ話してない。先に話をするべきか……いや、馬鹿息子をとっ捕まえてからの方が良いだろう。ブライトは連邦宇宙軍独立機動艦隊ロンド・ベルの指揮官という立場だ。変に暴走されても困るしな」

じいちゃんの言う事は確かにそうね。ブライト艦長って厳しい感じだし、知っちゃったら責任感じて、自分の手でハサウェイを討伐するとか言いかねないわ。

 

「……そうか。とりあえず話は分かった。まあ、俺がどうのこうのと言える立場じゃないが、地球連邦の腐れ共の自分たちの保身や利益のために、若者が使い捨てられようとしてるのを見て見ぬふりはできねーだろ」

 

「エドならそう言うと思ったぜ。……これで最上位ランク事項の最終決定者全員の了承が得られたって事で、おっぱじめますか」

 

「おっさん、それはいいが、一つ聞いていいか?」

 

「なんだエド」

 

「これに関する依頼が、何処からかあったのか?」

 

「ああ、ちょっと特殊でな、連邦の現役の高官や将軍じゃねー。クライアントになり得る連邦高官は真っ先に暗殺されてたしな。元連邦の将軍が直々に情報のリークと共に依頼というよりも、頭下げて頼んできやがった。今の連邦のありようを憂いてるようだ。まあ、その元将軍様も現役時代は大概だが、まだましな方だった。まあ、依頼があろうがなかろうが、今回は手を出すつもりだったんだがな。アナハイムの連中が、俺んところの関連に圧力をかけてきやがったし、サナリィにもハッキングやスパイ活動が盛んにな……政治屋共が新サイド6に圧力をかけてきやがる。俺らに大人しくしてろよって、警告のつもりだろう。……だがな、こっちは何にもしてねーのに、理不尽な理由で、やられっぱなしってのは性に合わないんでね」

そういうじいちゃんの目が鋭さを増していた。

 

「おっさん。……ほどほどにな」

 

 

 

「そのパパ、ハサウェイを止めたい、私が行かないといけない気がするの。だから、行かせて……」

私は場を見計らって、パパに自分の意思を伝える。

 

「ニュータイプの勘って奴か……クェス、自分で決めた事なんだろ。勿論俺は行かせたくないが、俺には止められない」

 

「パパァ!ありがとう」

私は思わず少々渋い顔をするパパの左腕に抱き着く。

 

「おっさん、クェスの事を頼む」

 

「まあ良いって事よ。正直クェスに出張って貰うと今回に限っては助かる。優秀なパイロットが足りなかったからな。それとエド、今回の作戦にはバナージとマリーダも参加させる予定だ」

 

「マリーダとバナージはもう、自分の仕事を持った立派な大人だ。俺がとやかく言えるもんじゃない。だが……ちゃんと家に帰って来いよ」

 

「エド兄…わかった」

「おじさん、大丈夫だ。クェスの事も任せてほしい」

 

「バナージ、いっちょ前の事を、クェスの事を頼んだ」

「バナージ、クェスの事をお願い。マリーダ姉様も気をつけてください」

パパもオードリーも私の事を何だと思ってるの?

お守りがいる歳じゃないわ。

 

 

 

 

 

翌日、私はマリーダ姉とバナージと共に、じいちゃんの会社の裏の仕事、スレイブ・レイスの本拠地である。新サイド6の16番コロニーにほど近い大きなプラントに向かった。

 

そして、作戦会議が始まる。

高校の教室ぐらいの部屋に40人程集まっていた。

マフティー潰滅作戦と名を討った今回の作戦は3か所で同時進行で行われるとの事。

〇マフティー実行部隊の無力化及びマフティーのリーダー、ハサウェイ・ノアの捕縛作戦。

〇アナハイムに巣くうマーサ・ビスト・カーバインの捕縛作戦

〇地球で隠れてるマフティーの実質的指導者クワック・サルヴァーを名乗るブレン元少将の捕縛作戦。

 

「今回の作戦は連邦軍内部からのバックアップは無い。よって、連邦軍に表向きには悟られないようにする必要がある。連邦軍との戦闘はなるべく避け、ターゲットの捕縛を行ってくれ。但し、アナハイムでは、マーサ・ビスト・カーバインの息がかかった連邦軍部隊とかち合う可能性が高い。宇宙連邦艦隊に気が付かれる前に決着をつける。現在アナハイムに駐留し、アナハイムの犬となり下がった訓練教導部隊との戦闘は……レッドの部隊に任す。適当にいなしてやれ。余裕だろ?バックアップとしてサナリィからアムロ達が睨みを利かせ、他の月面都市の連邦軍艦隊を動けないようにさせるが、タイムリミットはある。マーサの捕縛実行部隊は迅速に頼む。

クワック・サルヴァーことブレン元少将の居所は既に把握し、現地諜報員が既にマークしてる状態だ。奴を捕縛すると同時に、奴がマフティーのターゲットになったと見せかけ、奴の隠れ家を派手に吹き飛ばしてやれ。但し、人死には避けろ。

最後にマフティーの実行部隊の無効化だが……奴らが所有するモビルスーツは最大戦力は40機と見積もっている。常時動かせるのは20機も無いと推測する。所詮は寡兵だ。奴らのやり口は暗殺にテロだ。大規模戦闘経験はほぼ無い。マフティーがアナハイムから受領したガンダムタイプ以外は量産機だ。大したことは無い。連邦に表向きにバレないようにするには地球圏での活動は極端に制限される。よって、少数精鋭で行く。ガランシェールを旗艦とし、別の偽装輸送船と合わせて二編隊。一撃離脱方式でモビルスーツ隊を奇襲、無効化し、さらにリーダーのマフティーを捕えろ。各戦術担当に別れ、細かいプランを確認してくれ。時間との勝負だが、お前らならやれる。以上だ」

皆に今回の作戦の概要を説明するトラヴィスのじいちゃんは、一年戦争から今迄戦い抜いた歴戦の勇士然とした風格が見て取れる。

 

アナハイムのマーサ・ビスト・カーバインの捕縛は、小規模な艦隊戦が予想されてるとの事だった。リーダーのレッド・ウェイラインさんが指揮する元FSSとキマイラ部隊の熟練の隊員で構成されたメンバーがメインに選ばれる。

かなりシビアで困難なミッションみたいね。

 

私はマフティー捕縛実行部隊に組み込まれ、別室の作戦室で詳しい内容の説明を受ける。

ガランシェール隊が主なメンバーとなり、マリーダ姉の養父スベロア・ジンネマンさんが指揮を執る事に……

偽装貨物艦ガランシェールと二回り大きな偽装輸送艦プレアデスの二艦、モビルスーツは6機での編隊で、宇宙から大気圏に一気に突入して、マフティーの実行部隊を叩くとの事。

マフティーの実行部隊は2部隊に分けて奇襲することが多いことから、二艦でそれぞれに対応するらしい。

ということはモビルスーツ3機小隊で最大10機を相手にすることになる。

ガランシェール所属のモビルスーツパイロットとして、マリーダ姉とバナージと私が乗り込む予定。

二人と一緒で良かったわ、お互いこれ以上ないぐらい知った仲だし、きっと上手く行くわ。

モビルスーツ小隊長はバナージ……足手まといだけにはならない様にしないといけないわね。

プレアデスの方のパイロット……あの感じ、絶対ニュータイプよね。ニカってした笑顔で私に手を振って来るわ。なんか軽い感じの男の人ね。年は30前後かしら?どこかで会った事があったかしら?でもこの感じどこかで感じたことがあるわ。どこだったかしら?しかも誰かに似てるような。

あっ、隣の紫っぽい銀髪の女の人に頭を叩かれた。

後でマリーダ姉とバナージに聞いたら、今日初めて会う人達なんだそうよ。ジンネマンさんが教えてくれた情報だと、じいちゃんの会社の木星輸送艦隊の人らしいのだけど……。

じいちゃんは、どこからこんな人達をあつめてくるのだろう?

 

 

とりあえずこれで直接ハサウェイを止められる。

じいちゃんは私の意向を汲んでくれたみたいね。

 

 

この後格納庫に移動し、マリーダ姉の案内の元、とあるデッキまで行くと、ユニコーンガンダム1号機から3号機まで並んでいた。

ところどころ前と違うみたい。

「バナージがユニコーンガンダム1号機改だ。私がユニコーンガンダム2号機バンシィ改に乗る。既に建造されてから10年経っているが、元々当時の技術の粋をつぎ込み究極のニュータイプ専用機として作られたモビルスーツだ。そのままでも現在の最新鋭機とやらに引けを取らんが、マイナーチェンジを繰り返し、ニュータイプ専用機としては未だに最高峰だろう」

マリーダ姉が私にそう言って説明してくれるけど私が乗るのって……

 

「マリーダ姉、私が2号機じゃないの?3号機って、こんなド派手な趣味悪いのに乗りたくないんだけど」

9年前レッドマンが乗ってた金ぴかの趣味の悪いガンダム。

 

「いいや、3号機フェネクスは何故か誰が乗っても全く動かんのだ。試験的にレッドマンとリタ姉に乗って貰ったが、2人が乗ると機嫌よく起動するのだがな」

何それ、もしかしてダメンズの呪いって事?

もし私が乗って動いたら私もダメンズ好きだと言う事かしら?

 

「じゃあ、私は何に乗るの?もしかして!モビルアーマー!?……でも、重力圏内は無理よね」

 

「クェスにはアレに乗ってもらう」

いつの間にかアムロが私の後ろに立って、指さしていた。

 

そこには……

「ちっちゃ!なにこれ?オモチャ?」

そこには小さくて、シンプルな作りの真っ白なガンダムがデッキに立っていた。

今のモビルスーツの中でも小さめのユニコーンと並べても、二回りほど小さいわ。

 

「オモチャは酷いな。これでもサナリィで開発した最新鋭試作機の一つなんだが」

 

「アムロ……どう見ても弱そうなんだけど、これ大丈夫なの?」

 

「ふっ、これはフォーミュラ計画の試作7番機のFX93だ。現在20mを越えるモビルスーツが主流だがこれは全高15.8mにダウンサイズさせたモビルスーツだ。原点に戻りシンプルな作りにはなっているが、技術の粋が込められている。最大出力は24mのνガンダムとほぼ同等だ。さらにこのFX93の最大の特徴はオプションパーツでミノフスキー・クラフトユニットを装着できる」

アムロはそう言って、このちゃちなガンダムの横に置かれてあるスカートみたいなものを指さす。

………なにこれ?ガンダム用のスカート?なんでモビルスーツにスカート?

ミノフスキー・クラフトって何よ?

 

「アムロ……何?アムロってそういう趣味があったの?」

ロボットにスカートって、アムロが遂に現実逃避を……。

 

「どういう意味だ?……マフティーはこのほど、アナハイムの最新鋭機オデュッセウスガンダムの兄弟機を受領したことが判明してる。ミノフスキー・クラフトを搭載した30m級の大型モビルスーツだ。ミノフスキー・クラフトのお陰でモビルスーツ形態のまま重力下の空中を自由自在に飛び回る事が出来る。似たようなコンセプトを持つバイアラン系のモビルスーツと違い、空中を飛ぶではなく浮くことが出来る。ミノフスキー・クラフトを搭載させることにより空中戦持続能力、旋回能力、敏捷性、機動力、どれをとっても従来機とは段違いな空中性能だ。現在の地球大気圏内での空中戦では、無類の強さを発揮するだろう。

だが、ミノフスキー・クラフトタイプのモビルスーツは何もアナハイムの専売特許ではない。

俺も開発に勤しんでいた。連邦からのモビルスーツの小型化依頼と重なったが、やってやれないことは無かった。それを同時進行で開発したのがこのFX93だ」

アムロは窶れてたのに、語りだすと妙に生き生きしだした。

 

「空中を浮いて自由に飛べるんだ。ちょっと楽しそうかも」

 

「テストパイロットは俺がやっていたため、これを使いこなせる者は誰も居ない。どうせいないなら、他のモビルスーツにも慣れていないクェスが丁度いいだろうと。それにオデュッセウスガンダムの兄弟機はハサウェイが乗っているだろう。ハサウェイを止めたいんだろ?FX93なら出来る」

 

「そうね。ありがとうアムロ」

 

「というわけでだ。クェスは今から特訓だ。先ずはシミュレーターからだな」

 

「え?ええ?今から?」

 

「時間が無い」

 

「ちょ、ちょっと待ってマリーダ姉!バナージ!」

私はアムロに引っ張られ、マリーダ姉とバナージに助けを求めたが、苦笑気味に見送られた。

 




RX-104 オデユッセウスガンダム:アナハイム製の連邦MS
RX-104FFペーネロペー:オデッセウスガンダムにフライトユニット(ミノフスキー・クラフト)を装着した姿。全高32.5m
RX-105 Ξガンダムはミノフスキー・クラフト一体型モビルスーツ:アナハイム製のマフティーMS全高28m


フォーミュラ計画モビルスーツ型番宇宙世紀0102年~
(MSの小型化はそれ以前からサナリィでは研究していた)
F5シリーズ - AFV型MS(F50D…ガンタンクR-44:D-50C ロト)
F6シリーズ - 局地戦用格闘型MS
F7シリーズ - 支援用MS(F70キャノンガンダム:F71Gキャノン)
F8シリーズ - 汎用量産型MS
F9シリーズ - 主力MS(F90~F99)
(F90の初号機が111年に完成)
とここまで正史。(間違ってたらごめんなさい)

ここからはサナリーにアムロが入ったり、トラヴィスの会社がMS自動設計製作工房を手に入れたり、FSSを吸収したり、ナナイ他ネオ・ジオン系技術者を取り込んだりとかで、色々あって、モビルスーツ魔改造。
FX9シリーズはアムロが最高峰のモビルスーツを作る目的で開発設計を行った試作モビルスーツの型番。
因みに現在宇宙世紀105年
FX90は初代ガンダムを踏襲したコアブロックシステム。
FX91は内部火器を排除し出来るだけシンプルに設計……これがのちのF90へと。
FX92はZタイプ。
FX93サイコフレーム一部使用ニュータイプ専用にしてオプションパーツ対応タイプでフライトユニットドッキング可能。20年後には独自進化を……
F70の試作機は既にアムロの協力により完成。
アムロに魔改造されたサナリーはシャレにならないです。

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