誤字脱字報告ありがとうございます。
その……すみません。1話と言っていたそばから……複数話に……
次こそ完結を……
というわけで、告知通り、ジュドー×ローザ編
再会……【前編】
宇宙世紀0105年7月末
マフティーの動乱と言われる戦いが終結して、数日たったある日。
新サイド6、16番コロニーに本社を置く新興一流企業のとある社員寮での出来事。
社員寮と言っても、かなり広々としたタワー型マンションの一室だ。
このタワー型マンション自体が会社の社員寮でもある。
「お兄ちゃんとルーさん、明日友達の家に行くんだけど、一緒に行かない?」
ちょっとくせっ毛のセミロングの髪の小柄な可愛らしい女性が、同じ髪質で同じ茶色の髪の毛を持つ軽そうな30前後の男性と、それよりも年上に見えるちょっと冷めた雰囲気を持つ紫銀髪のロングヘアの女性に声を掛ける。
この部屋の主である小柄な女性の名前はリィナ・アーシタ(28)。
男性はリィナの兄ジュドー・アーシタ(31)。
紫銀髪のロングヘアの女性はルー・ルカ(33)。因みにジュドーの恋人だ。
ジュドーとルーは16年も連れ添ってるのだが、正式には結婚をしていない。
妹リィナにとってそれは不満でもあったが、当の本人たちは特に気にしていない様子だ。
二人は木星暮らしも長く、木星輸送船団として、地球と木星を往復する日々を送っていたその影響が大きいのかもしれない。
彼らは4年前、一度地球に帰還した際、所属する民間木星輸送船団ごと、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長するカークランド・コーポレーションの傘下に入り、会社が新たに新設した長距離輸送船団に転属、経験値の高い主任クルーとして重宝される。
妹が大学を卒業し、先にカークランド・コーポレーションに就職していた事に兄、ジュドーは驚いたものだ。
因みに、ジュドーの幼馴染らが営んでいたサイド1のジャンク屋は、カークランド・コーポレーションに吸収されていた。
「リィナ、こっちの友達なんだろ?俺達も行ってもいいの?」
「リィナの友達って、会社の人?」
「そうよ。マリーダっていうの。隣の15番コロニーに住んでて、会社の定期便が頻繁にでてるから、それに乗って行こうよ」
「マリーダって、……まさかマリーダ・クルスさんか?スレイブ・レイスの?」
「お兄ちゃん会った事があるの?普段は中短距離運搬貨物船部門で働いてるわ」
「最近会ったばかりでさ。そのマリーダさんの家に?まじで!行く行く!」
ジュドーとルーは会社の裏の仕事、スレイブ・レイスの仕事でたった3日間だったが、マリーダと同じ戦略チームで作戦に従事していた。
この作戦がジュドーとルーのスレイブ・レイスとしての初めての仕事だった。
「ジュドー、がっつかないの。何時まで経っても子供っぽいんだから」
ルーは、目をキラキラさせるジュドーに呆れたように軽く注意する。
「それにしてもリィナ、あの子と友達だったのか。俺ももう一度会ってみたいと思ってたところなんだ。偶然にしては出来過ぎてるじゃない?……なあリィナ、マリーダさんって、その……プルやプルツーに似てないか?あの二人が成長したらあんな感じになるんじゃないかと思わずにいられないんだ」
ジュドーは妹のリィナにこんな事を聞く。
マリーダに、嘗て自分を兄のように慕ってくれた少女達、プルやプルツーの面影を見ていたのだ。
だが、それは致し方がない事だろう。
マリーダはプルとプルツーと同じ遺伝子を持つ、ネオ・ジオンのグレミー・トト派に作られたデザインチルドレンの一人だったからだ。
「確かに、私もそう思ったわ。初めて顔を合わせた時は流石に面を喰らったわよ。雰囲気的にはプルツーに似てるわね」
ルーもジュドーと同じ意見だった。
「私も初めて会った時にそう思った。マリーダのお姉さんもそっくりで、明るい感じよ。そうね。プルが大人になって落ち着いたら、あんな感じに………」
リィナも会社に出勤するマリーダを見かけ、ジュドーと同じくプルやプルツーの面影を見て、声をかけ、友達になるまで付きまとった経緯がある。
「あの子達が亡くなって16、17年か………私達も年をとるわけね」
ルーは感慨深そうに口にする。
プルとプルツーは、第一次ネオ・ジオン抗争の際に幼いながらも戦士として戦場を駆け巡り、戦火の中亡くなっていた。
「それとね。私が怪我した時にお世話になったセイラさんも近くに住んでるから、挨拶に行こう」
リィナは第一次ネオ・ジオン抗争の最中、傷つき命を落としかけたところをセイラ・マスに救われた経緯がある。
「そっか、リィナの命の恩人のセイラさんが……あの人、美人だったよな~」
ジュドーは当時のセイラの凛とした表情を思い浮かべ、ニヤケていた。
「ちょっと、ジュドー直ぐ美人に目が行く!……この前の、あの子だって!」
「仕方がないんじゃない。あんな美女には滅多にお目に掛かれないんだぜ。確かクェスちゃんとか言ってたかな?」
どうやら、ジュドーは美人に目が無い様だ。
まあ、男であれば、多少なりともそうだろうが、ジュドーは表裏もない能天気ような軽い性格のため、それがストレートに言葉に出てしまうようだ。
しかも、クェスは誰が見ても、見かけは誰もが振り返るような美女そのものだった。
「ジュドー!!」
ルーはヤキモチから、ジュドーの頬っぺたを抓る。
「いひゃい、いひゃい。抓らなくたっていいだろ!俺が好きなのはルーだけだって」
「いつもそうやってはぐらかせて……」
何時もこの二人はこんなやり取りをしているのだろう。
「クェス?もしかしてクェス・ヘイガー?」
リィナはクェスとも知り合いだった。
会社では受付係であるリィナは会社に遊びに来るクェスとも面識があった。
マリーダの妹であり、会社の女性陣に人気のあるバナージとも親戚であり、カークランド・コーポレーションの会長の親しい知り合いであることも知っている。
「え?リィナ!あの子とも知り合いなのか!」
「知り合いも何も、マリーダの妹よ」
「えええ!?マジで!?こりゃ、明日は絶対外せない!!」
ジュドーはリィナの言葉を聞き、あの美女のクェスとも会えると思うと、ますます明日が楽しみになっていた。
「ジュドーっ!!」
そんなジュドーの態度に、ルーは眉を顰め、その頬を再び抓る。
「いひゃい、いひゃい、……俺が愛してやまないのはルーだけです」
ジュドーは涙目でルーにこんな事を言う。
長年連れ添った恋人同士である二人にとって、これは日常的な行為なのだろう。
こうして翌日に、シュドー、リィナの兄妹とジュドーの恋人ルーは、ヘイガー家へと向かうのであった。
だが、リィナはヘイガー家に伺うに当たって、肝心な事をジュドーとルーにワザと知らせていない。
翌日正午前、ヘイガー家に訪れる3人。
「こんにちは、リィナです」
リィナはヘイガー診療所の看板が掲げてある入口から、3m程横にある玄関のインターフォンを鳴らし、声を掛ける。
ジュドーは落ち着かない様子で、ルーは澄ました顔で、リィナの後ろに立っていた。
『うむ、3階のリビングに上がってくれ』
女性の応対する低い声と共に、カチャッと音をたてて、玄関のオートロックが解除される。
「どこかで聞いたことがある声なんだけど?ルーもそう思わないか?……それとこの感じは…どこかで……」
インターフォン越しにその声を聞いたジュドーは何かを感じていた。
「そう?私は特に……もしかしてジュドー、私のいないところで女の人と!?」
「なんでそうなるかな?」
「お兄ちゃんもルーさんもじゃれてないで、行きましょ」
リィナは玄関の扉を開け、2人を促す。
玄関から廊下を少し進み、階段で3階へと登って行く3人。
3階の扉を開けると、落ち着いた色のパンツズボンとラフなシャツを着こなす妙齢の女性が待ち構えていた。
「やはりか、久しいなジュドー」
ジュドーにそう声を掛ける。
「え?えーっと」
ジュドーは、美女といえるだろう整った顔立ちのその年上の女性に見覚えがあるように感じるが、思い出せない。
「ジュドー……」
ルーはルーで、またもや自分の知らない女性と面識があるジュドーをジトっとした目で見ていた。
「ふむ、わからぬか。かれこれ16年も経つからな。……これでどうだ」
ジュドー達の目の前の女性は、後ろ髪ひとつ結びをアップさせて止めていたクリップを外して髪を垂らし、左右に流していた前髪も垂らしてそろえる。そして垂らした長い後ろ髪を肩口辺りで折り曲げ、少々おどけて見せた。
「!?……ま、まさか……ハマーン?……ハマーンなのか?そんなはずは……あの時、確かに命の灯火が消えたように……」
ジュドーはその姿に雷を受けたような衝撃を受ける。
目の前の女性があのハマーン・カーンだと………。
髪の色は当時と異なり、多少猛々しさと若々しさは鳴りを潜めているが……。その切れ長の目と整った顔立ちに色白の肌、ミステリアスな美貌は衰えていない。
嘗てジュドー自身と幾度も争い、戦いを繰り広げてきた女性であると……。
ジュドーはハマーンに対する悪印象は薄い、それよりも好感を持てる年上の女性だった。
2人は敵対関係ではあったが、ニュータイプ能力で幾度も心と精神をかわし、わかり合えた
ハズだった。だが戦争は無常であった。
二人は最後の戦いを繰り広げる中、ハマーンはあえてジュドーに撃たれたのだ。
それが一種のジュドーの心の枷にもなっていた。
「ハマーン?え?どういうこと?リィナ?」
ルーはジュドーのその言葉と、目の前の彼女をの顔を見て、身構えながら、隣のリィナに問いかける。
リィナはそんなルーに微笑み返すだけだった。
「ふっ、驚いたか、お前の驚いた顔を見るのもまた一興だったな。そうであろう。あの時は私自身も死んだものと思っていたのだからな、だが、こうして生きながらえている」
「ハマーン……生きて、そうか。生きていてくれていたのか……」
ジュドーの目尻には涙が溜まっていた。それは嬉しさの余りだろう。
「どういうこと?ハマーン・カーンが何故?生きていたとしても……なぜこんな所に?」
ルーは混乱しそうになっていたが、何とか思考を巡らせ、こんな質問を投げかける。
「そこに座れ」
ハマーンはジュドーとルー、リィナにリビングのソファーに座る様に促し、自らはキッチンに入る。
ジュドーはハマーンを目で追いながら、素直にソファーに腰を掛ける。
ルーはどうすればいいか迷いながらも、リィナが笑顔でソファーに座る様に促すため、それに従った。
「ジュドーと…ルー・ルカだったか、何を飲む?コーヒーと紅茶にココア、なんでもある。リィナは我が家特製のミルクシェーキが良かったのだったな」
ハマーンはキッチンからジュドー達に声を掛け、何を飲むか聞く。
「私は……そのコーヒーで」
ルーは戸惑いながらも応える。
ジュドーはハマーンから目を放せないでいる。生きて目の前で動いてるハマーンを無言で目でずっと追っていた。
そんなジュドーの代りにリィナが親しい間柄のように応える。
「お兄ちゃんはココアでいいですよ」
「リィナ、これはどういう事よ。死んだハズのハマーン・カーンがここにいて、何で私達に飲み物を入れてくれるのよ」
ルーは隣に楽し気に座るリィナに小声で問い詰める。
「えーっと、それは本人に聞いた方が良いかな」
「リィナ、あんた知ってて私達に黙ってたわね。マリーダさんの家に行くって騙して、此処に連れて来たわね」
ルーは眉間にしわを寄せて、リィナにさらに詰める寄る。
「騙してないわ。マリーダの家もここよ」
リィナはしれっとそんな事を言う。
「はぁ?どういうことよ」
ルーは額に指をあてて、思考をまとめようとする。
「待たせたな」
そんなタイミングで、皆の前のテーブルに静かに飲み物を出していくハマーン。
「ありがとうございます」
「……その、ありがとう」
「………」
リィナは笑顔でお礼を言い、ルーは戸惑った表情のまま礼を言うが、ジュドーは言葉が出ずに、じっとハマーンの顔を見つめたままだ。
「どうしたジュドー、私の顔に何かついてるのか?」
ハマーンはワザとらしくそんな言い方をし、自らの飲み物をテーブルに置いてから、ジュドーの対面のソファーに腰をゆっくりと下ろす。
「ハマーン……生きて、本当に生きてくれていたのか……素直にうれしいよ」
ジュドーの口から漸く出て来た言葉は、心からの言葉だった。
「そうか、私もお前とこうして再会出来て、嬉しく思う」
また、ハマーンも同じく、口元を緩めながらジュドーにそう伝える。
「お兄ちゃん。今はローザさんよ」
リィナがジュドーにタイミングを見計らって肝心な事を伝える。
「え?……名前を変えたのか?」
「今は構わん。ハマーンとして最後に言葉を交わしたのはジュドー、お前だったからな」
「……そうか……その。今は何を?……今のあんたからは戦いの匂いが全くしない」
「ふむ。看護師だ」
「へえっ?あのハマーン・カーンが看護師!?…あっ、そのつい」
ルーが驚くのも無理もない。
16年前のハマーン・カーンを知る者であれば、誰もが驚くだろう。
ネオ・ジオンの摂政を務め、さらには自らもモビルスーツを乗り、縦横無尽に戦場を駆け巡り、鉄の女と呼ばれた女傑だったのだ。
「かまわん。私もこうなるとは思ってもいなかったのだからな」
「そうか……戦いを捨てられたのか。そうか……俺は嬉しいよ。ハマーン」
「そうか、喜んでくれるか」
嘗てハマーン・カーンだったローザはジュドーに微笑みかけ、思いもよらない再会にジュドーは目頭を熱くし、嬉しそうにローザを見つめていた。
この二人には、16年という時の隔たりを溶かすのに、多くの言葉はいらなかった。
ジュドーがついにローザ様、いや、ハマーン様と邂逅を果たす。
でも、ジュドーにとって衝撃の事実はこれだけじゃいでしょ?
皆さんならお分かりですよね。
なんか、ハマーン拾っちまったも、もうほぼ最後。どんなガンダム2次が読んでみたいですか?
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