なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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ご無沙汰しております。

なぜかふと思い浮かべてしまったので、閑話として載せる事にしました。
ふと思い浮かべたのは他にもあったのですが、これを……。

しょうもない日常会話のお話です。
本編や番外編のようなテーマに沿った話では全然ない、軽い感じのものです。

宇宙世紀0098年、ラプラスの箱から2年後、エドとローザの子、ミーナが生まれた翌年の話です。
少々短いです。


閑話
閑話 嘗てのカリスマ達の今。


宇宙世紀0098年2月

新サイド6で起るとある日常の一コマは、本来なら世界があっと驚くような出来事であるが、彼らにとってはほんの些細な出来事であった。

 

 

「アムロ、少々狭いぞ」

「それぐらいがまんしろ、レッドマン」

レッドマンことシャアとアムロはとある4連結農業用船舶の2両目の狭苦しいサブ操舵席に並んで座っていた。

レッドマンは1番コロニーへと、新店をオープンすべく視察に向かうために、アムロも1番コロニー経由で月のサナリィ基地へ、出張に行くために、15番コロニーの宇宙港へとそれぞれ別口で向かったのだが、連絡定期船が故障し運航休止となっていたのだ。

そこにたまたま、農家のマギーさんが通りかかり、農業用船舶に2人は乗せてもらう事になるが、そもそも二人はお互いが1番コロニーへ向かう事など知らず、マギーさんからも別々に声を掛けられたため、農業用船舶2両目サブ操舵室に乗り込んで、漸くお互い顔を合わせたのだ。

 

「アムロ、年長者に対しての口の利き方ではないな」

「何を今さら」

「仮にもアルテイシアと伴侶となった貴様は、私の義理の弟という事になる。義兄を敬うべきではないか、席を詰るべきであろう」

「何を言ってる。敬ってほしければ、それなりの態度でしめせ」

「ふん。態度だと?貴様こそどういう了見だ?アルテイシアだけでなく、他の女とも結婚とは、呆れて物が言えん」

「お前こそ、12も年下のリタ嬢を嫁にしたくせに、年下趣味もいい加減にしろ」

「ふん、それの何が問題がある?私とリタは相思相愛なのだ」

そう、レッドマンとアムロはそれぞれ3か月前に結婚していたのだ。

レッドマンはリタ・ベルナルと結婚。

リタのダメンズ好きがどうやらレッドマンがストライクだったようで、レッドマンはレッドマンで、献身的な年下、しかも女子高生ぐらいに見えるリタがドストライクだった。

ローザやクェスを筆頭に反対されたが、リタの意思は強く、このような夫婦が出来上がったのだ。

レッドマンはリタにベタぼれで、エド曰く、見てられないぐらいのデレ具合だとか。

アムロはレッドマンの実の妹セイラ・マスと結婚したのだが、それ以外にベルトーチカ・イルマとチェーン・アギ、フラウ・ボゥとも同時に結婚することに……。

何故そんな無茶が通ったのかは、端的に言うと、アムロ争奪戦はベルトーチカとチェーンとの争いは収まる気配が全く見せずにいたところ、セイラがこのような形に取りまとめたのだ。

アムロとしてはセイラに全く頭が上がらない。

 

「貴様らうるさいぞ」

そんな二人の言い争いに女性の厳しい声が飛ぶ。

そう、このサブ操舵席に横並びに乗っていたのは、レッドマンとアムロだけじゃなかった。

ローザも乗っていたのだ。

エドは例の如く1番コロニーへ医師会の会合に出かけた。

いつもなら翌日には帰って来るエドだが、1番コロニーの大学病院で知り合いから患者を診てくれと言われ、カルテを見て、直ぐに患者を診断。

エドの診断によると緊急手術が必要だったらしく、3、4日は帰れないとの事だった。

エドの着替えやらの必需品や、手術の立ち会いを行うべく、ローザは8カ月になる娘のミーナをリゼやクロエにお願いし任せ、直ぐに1番コロニーにへ向け出発。

エドは大丈夫だと言ったのだが、ローザとしては、エドの顔を見れない日がそれ程続く事が苦痛で仕方がなく、こうして何かと理由をつけ向かったのだった。

宇宙港に向かうも運悪く定期便がストップし、マギーさんの農業用船舶に乗せてもらうと、何故かこの二人と同席することに……。

マギーさん夫婦は農業用船舶のメイン操舵室に乗り、二両目の三人乗れるのが精いっぱいの長座席があるだけの狭苦しいのサブ操舵室に、三人並んで座るしかなかった。

因みに、右からローザ、真ん中にレッドマン、左にアムロと並んでいる。

 

しかしこの状況、傍から見ればなんらかの奇跡だと思われても致し方が無い様な情景だ。

 

 

「うむ、そうだな」

「ああ、わるかった」

ローザの叱咤に、レッドマンはそれを認め、アムロは謝罪した。

 

「………」

「………」

「………」

暫く、沈黙が訪れる。

 

レッドマンが姿勢を少しずらすと……

「貴様!もっと向こうへ行け!私に少しでも触れて見ろ、唯ではすまさん!」

ローザは不快な顔を全開でレッドマンに怒りをぶつける。

 

「致し方が無いだろう。この状況だ。少しは我慢という言葉を覚えられないのかローザ」

 

「貴様に我慢するなどという言葉は持ち合わせていない!」

 

「一般常識に欠けているなローザ、年長者を敬うべきだ」

 

「貴様が年長者だと?その口がよく言う。年長者らしい態度を示したらどうだ!」

ローザとレッドマンとの攻防は暫く続く。

 

そんなローザとレッドマンの会話を聞いていたアムロだが、笑いながらこんな事をいいだした。

「ぷっ、少しいいか。レッドマンの嫁のリタ嬢は今や誰もが認めるエドの妹分なのだろう?そうであれば、レッドマンはエドの弟分となる。ということはだな、エドの嫁のローザは年下だがお前の姉貴分となるわけだ。お前がローザを敬うべきではないのか?レッドマン」

 

「貴様のような弟などいらん!」

アムロのその言葉に不快度が益々増していくローザ。

 

「エドの弟か実にいい響きだ」

レッドマンはエドの弟分という響きがどうやら気に入ったようだ。

 

「ということはだ。俺もエドやローザの遠い親戚という事になるのだろうか」

アムロはアムロで楽し気に語る。

そう言う事になるのだろう。

エドがレッドマンの兄貴分ならば、レッドマンの義理の弟のアムロは親戚と言ってもいいだろう。

 

「そうか、私とリタで男子をなして、エドの子と結婚となれば、更なる絆が深まるという事ではないか?」

レッドマンは思案顔をしながらこんな事を言ってしまう。

 

「貴様の子だと?ミーナはやらん!」

もちろんローザは思いっきり拒否をする。

 

「リタの子でもある」

すかさず次の言葉を出すレッドマン。

 

「くっ、貴様という奴は!…なぜこんな男をリタは選んだのだ?」

ローザは最後までリタとレッドマンの結婚に反対していたのだが、リタの説得で認める事に……。

 

「ということはだ。俺も子を成して、もしミーナと結ばれれば、正式に親戚という事だな」

アムロはアムロで楽し気である。

 

「勿論、アルテイシアの子がそうなるだろう」

当然だと言わんばかりのレッドマン。

 

「……アムロ、お前は分かっているのか?嫁全てに子をなさなければ、修羅場になるぞ」

どこか楽し気なアムロにローザは、アムロにとってこれ以上ない突き刺さる言葉を投げる。

 

「……そ、それは……そうだな……」

アムロはローザのその言葉にその惨状を思い浮かべたのだろう、深い深い溜息をつく。

 

「語るに落ちたとはこの事だな、アムロ」

レッドマンは勝ち誇ったかのように頷いていた。

 

「…………」

そんな男共に黙って呆れた視線を向けるローザだった。

 

嘗て、ネオ・ジオンの実質上のトップとして女帝とまで言われたカリスマ、ハマーン・カーン。ジオン・ダイクンの息子にして、宇宙移民のカリスマ、シャア・アズナブル。世界最強のパイロット、アムロ・レイ。この3人が並んでこんな身内じみた世間話をしているなど、誰が想像できただろうか?

 




うん、本当に世間話で終わってしまった。

本当は、人物紹介図鑑みたいなのを書いてみたいなと思ったところ……こんな感じに。

この頃のローザはまだレッドマンに遺恨を残し、警戒している時期です。

人間関係がえらい事になってます。

この後にアンケートをいたしますが……

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宇宙世紀106年7月初旬
カミーユは新サイド6 15番コロニーに到着した。
月で医者をやってるカミーユは、強化処置の副作用で命を落としかけている自分の患者であるあの子を助けるために、遺伝子治療の権威であるドクター・エドワード・ヘイガーに教えを乞うために此処まで来たのだ
ドクター・エドワードは世に出ないで有名であり、誰もがその所在を正確には知らない。
知り合いの伝手や、懸命な検索の結果、このコロニーにヘイガー診療所なる病院の存在を知り、藁をもつかむ思いでここまで来たのだ。

宇宙港から数度ヘイガー診療所に電話を掛けるが何故か繋がらない。
カミーユは直接向かう事にする。

自動タクシーに乗り、街外れのヘイガー診療所の前に立ったのだが……。
おそらく住宅と共用となっているであろう小さな診療所の前で、本当にかの有名な遺伝子治療の権威、ドクター・エドワードの診療所なのだろうかと、不安に思う。
もしかしたら、ヘイガー違いの別の医者の病院ではないかと……。
カミーユは暫く、その小さな診療所の前に立ち尽くしていた。

しかし、カミーユは診療所からは嘗て感じた事もない混沌としたプレッシャーの渦をニュータイプ能力で感じていた。

ここで、間違いないと。

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もう一つ

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宇宙世紀0097年12月
リタは晴れてレッドマンと結婚することになり、身内だけの結婚パーティーを開いた。
今の家族であるエド以下姉妹達から祝福を受けるが、以前の唯一身内と言える幼馴染のヨナとミシェルに結婚パーティーに呼ぶどころか告げる事も出来なかった。
リタは正式にはユニコーンガンダム3号機フェネクスと共に行方不明になったままであるからだ。
更には、今のリタの家族とその伴侶も本来生きているはずが無い人間ばかりである。

だが、そんなリタの思いをなんとかかなえてやりたいレッドマンは、エドやトラヴィスに相談し、6カ月後の0098年5月漸く、実現することになるが……。
普通にとは行かない。

トラヴィスと嫁のアンネローゼが考えたとんでもない演出が成される事となった。

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と、皆さんのアンケートや感想で、出たらいいなという感想が多かった人物について、こんな感じの物を妄想してまして、どうでしょうか?





閑話に希望するタイトルは?

  • カミーユ編修羅場る?
  • リタの結婚報告、無茶苦茶編
  • カイの新サイド6報告編
  • アムロの結婚秘話、最低編
  • その他

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