なんか、ハマーン拾っちまった。   作:ローファイト

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感想ありがとうございます。
誤字脱字報告ありがとうございます。

早速ですが、一番アンケートで選択が多かったカミーユ編書きました。
前後編になる予定です。



閑話 忘れた頃にやって来る。(カミーユ編前)

月面都市アンマン。

アンマンにある最大の病院、アンマン中央大学病院にとある少女が入院していた。

その少女の病状に、所属医の誰もが匙を投げ見放していた。

患者は16歳になる少女。

彼女は既に衰弱しきり、ベッドから立ち上がる事も出来なくなっていた。

病名は無い。

だが、大学病院の医者達は彼女の症状が何に起因しているか気が付いていた。

遺伝子障害……。人為的に強化処置を施した副作用。

そう、彼女は強化人間実験の被害者。

とある研究施設で動物実験のように扱われた試験体だったのだ。

その研究施設は既に何者かによって消滅したが、残された彼女はこの大学病院に運ばれ、2年もずっとベッドの上での生活を余儀なくされていたのだ。

医者にも見放された彼女は、死を待つだけであった。

だが、外部診療でこの大学で週1回出向診療勤務につく若い街医者の彼だけが、彼女を懸命に助けようとした。

 

彼の名はカミーユ・ビダン、年は35歳

そう、グリプス戦役にてZガンダムに搭乗し、数々の功績を残し、最高のニュータイプと謳われたあのカミーユ・ビダンだった。

グリプス戦役後、心が壊れるも、恋人ファ・ユイリィの献身な介護の末、数年後の宇宙世紀0093年に、心を取り戻し、医者としての道に進んでいたのだ。

現在、夫婦となったファ・ユイリィと街外れで小さな病院を営んでいた。

ユイリィとの間に3歳になる子も儲けている。

 

カミーユは何とか、この寝たきりの少女を救うべく、懸命に治療を行っていたのだが、復調の兆しが見えないどころか、悪化の一途をたどっていた。

もう、もって3か月というところだろう。

カミーユは、他の月面都市やコロニーの病院や大学教授等にも治療が出来ないかと掛け合ったが、誰もが救いの手を伸ばしてくれなかったのだ。

それでもカミーユはあきらめきれなかった。

カミーユはどうしても助けたかった。

この少女に、嘗て戦場で出会った少女たちの面影を重ねていたのだ。

 

 

街病院の診療を終え、今日も彼女の治療方法を見つけるべく、コンピュータで医療系データベースをあさっていたカミーユに、ユイリィは心配そうにコーヒーをそっとデスクに置く。

「カミーユ……このままだとあなたが参ってしまうわ」

「そうは言ってられない。彼女には時間が無いんだ」

「カミーユが倒れたら元も子も無いわ。根を詰めすぎるといい考えも浮かばない、リフレッシュも必要よ」

「ああ、すまない。ちょっと焦っていた」

カミーユは疲れ切った表情で、ノート型のコンピュータを閉じ、ユイリィが入れてくれたコーヒー片手に、ふと医療業界会報誌を手にし、掲載されているとある論文に目を通す。

 

「ドクター・エドワードの最新論文と評論家のコラムが掲載されてるわ」

「ああ」

「遺伝子治療の発展はドクター・エドワード無しでは語られない…か、どんな人なのかしら?全く表に出ない人らしいけど、一説には元ジオンの科学者とか」

「どうだろうな」

カミーユはその最新論文を流し見し、最後に執筆者名を再度見る。

エドワード・ヘイガー。

遺伝子治療の第一人者ともいわれる人物で、数々の治療法を独自に編み出し、遺伝子治療は彼のお陰で20年は進んだと評価される程の人物だった。

 

そこで、カミーユはじっとその名を見、何かをひらめいたように立ち上がる。

「ドクター・エドワード……この人なら、あの子を救える方法を!」

「カミーユ?」

 

だが、ドクター・エドワードは、決して表には出ない謎の多い人物で有名だった。

数々の賞を受賞しているが、一度たりとも表舞台に立ったことがないのだ。

通常、論文についての連絡先などが掲載されているはずだが、載ってはいない。

ユイリィが語った様に憶測で元ジオンの科学者だとか、元ニュータイプ研究所の研究者だとか噂が立っているぐらいだ。

 

カミーユは医科大学時代の知り合い等に、ドクター・エドワードに伝手は無いかと方々探し、漸く手に入れた情報が、新サイド6に住んでいるらしいという事だけだった。

カミーユは新サイド6の医師会に問い合わせるも、個人情報保護のためという名目で、拒否されたのだ。

それでもあきらめきれないカミーユは、ネットや色々な情報から、新サイド6、15番コロニーにヘイガー診療所という病院がある事を突き止める。

長距離通信で電話を掛けるも、その電話番号は新サイド6外からの通話が出来ない設定になっていた。

 

カミーユは埒も開かないとし、街病院はユイリィに任せ、一人新サイド6へと向かったのだ。

 

 

 

宇宙世紀106年7月初旬

カミーユは新サイド6 15番コロニーに到着した。

ドクター・エドワードに会うために。

宇宙港から数度ヘイガー診療所に電話を掛けるが何故か繋がらない。

カミーユは直接向かう事にする。

 

自動タクシーに乗り、街外れのヘイガー診療所の前に立ったのだが……。

おそらく住宅と共用となっているであろう小さな診療所の前で、本当にかの有名な遺伝子治療の権威、ドクター・エドワードの診療所なのだろうかと、不安に思う。

もしかしたら、ヘイガー違いの別の医者の病院ではないかと……。

カミーユは暫く、その小さな診療所の前に立ち尽くしていた。

 

しかし、そんなカミーユの不安を打ち消すように、診療所からは陽の気配が渦巻いている様にニュータイプ能力で感じていた。

 

間違いない。ここだと。

 

診療所の患者だろう人達が数人、出入口から出て行くのを見計らい、カミーユは意を決して、扉を開く。

 

スリッパに履き替え、受付へと向かうと、淡いピンク色のナース服を着た女性のシルエットが受付越しに見える。

きっとここの受付のスタッフか看護師だろうと、近づいて声を掛けるカミーユ。

「こんにちは」

 

「すまんが午前の診療は終わりだ」

するとツンとした低い女性の声が返って来る。

カミーユはどこかでこの声を聞いた事があるような気がしたが、ドクター・エドワードに会いたい旨を伝えるために、その看護師に近づき目を合わせようと顔をあげるが……

 

「む…………?」

「ん……どこかで?」

 

お互い目が合うのだが……。

何故かお互い疑問顔で硬直する。

 

しばらくして……

「まさか、お前は……カミーユ・ビダンか!?」

「その顔、その声!?ハマーン・カーン!!!?」

お互い同時に声を上げる。

 

淡いピンク色のナース服姿のローザは目を見開き、私服姿のカミーユは指を差し驚愕し、お互いを見据え、また硬直する。

 

そんな時だ。

診療所の扉が開き、男が声を掛けながら入って来た。

「エド、今度新店がオープンする。是非来てくれまいか、それにだ……」

 

カミーユはその男の声にも聞き憶えがあった。

振り返ってみると……

金髪ダンディなイケメンがサングラスを外しながら、もう一言何かを言おうとして、カミーユと目が合ってしまう。

 

「あっ?」

金髪ダンディなイケメン、レッドマンは手に持っていたサングラスを床に落とし、変な声が漏れ硬直する。

 

「んんん?……………まさか?」

カミーユは何故か鋭い目つきでその男を、目を細めじっと見つめ、遂には気付いた。

レッドマンが誰だという事に……。

 

「………よ、用事があったな後にしよう」

しばらく硬直していたレッドマンは踵を返し、扉に向かおうとする。

 

「そ、そんなはずは?」

カミーユは幽霊を見ているかのような表情で、レッドマンを指さし硬直する。

その指は震え、目は大きく見開かれていた。

 

 

 

そこに診療所の入口が開かれ、聞き憶えがある男の声が……

「エド、ベルトーチカを見てやってくれないか、もしかしたら妊娠しているかもしれない。ん?レッドマン、こんな所で何をやってる?」

その男は金髪美女を引き連れていた。

 

「ん!?ああっ!!!」

カミーユはその男の声の方を向くと、モロに見覚えのある男女の顔がそこにあった。

 

「か…カミーユなのか?」

「あら?カミーユかしら?」

アムロとベルトーチカはそんなカミーユに疑問顔で問いかける。

 

 

そして、間髪入れずに、この待合室と自宅の通用扉から、少々やつれ気味の30前後の男が半泣きで飛び込んで来る。

「エドさん〜、た、助けてー!もう無理だって言うのにルーが!」

 

「んんっ!?んんん?」

カミーユはその男の気配や声に聞き覚えがあった。

 

「あれ、コレどういう状況?………んん?カ、カミーユさんなのか?」

ジュドーは、皆がそろって硬直している状況に目を丸くしながらも、目の前の人物が誰なのかを思い出す。

 

 

そこに更に……カミーユのよく聞き憶えがある声の男が、診療所の入口から……

「エド先生、店に出す料理を試食してくれないか……レッドマン、ローザさんにアムロにベルトーチカ、それにジュドー?何をやっている?……ん?カミーユ…何故ここに?」

そう、現れたのはブライトだった。

 

「どどど、どう言うことだ?!!」

カミーユは周りの一同を見渡す。

そのカミーユの顔は青ざめ、脂汗が全身から吹き出ていた。

 

それもそのはず。

嘗てハマーンだったローザはカミーユにとって、絶対相いれない存在であり嘗ての強敵だった。

カミーユが意識を取り戻した後に、戦死した事を知る。

レッドマンはクワトロ・バジーナとして、グリプス戦役時代、カミーユにとって良き大人であり、兄貴分だった。

カミーユが意識を取り戻した後、シャアとして、ネオ・ジオンの総帥になり、地球連邦に反旗を翻し、さらに地球に隕石を落とし、そして最後にはブライトとアムロに討たれ戦死が確実視された事を知る。

その事を聞いた当初、カミーユはクワトロ・バジーナとネオ・ジオン総帥のシャアの人物像が全く重ならず戸惑う。

そして、その事実を噛みしめ、シャアに対して裏切られたという感情もわき上がるが、それでも兄貴分だったクワトロを憎み切ることが出来ず、得も言われぬ複雑な感情を抱くことになる。

クワトロがシャアとして死した事に、これで良かったのだと言い聞かせ自身を納得させるしかなかったのだ。

アムロに対しては、グリプス戦役時代、地球で何度も戦場を共にした先輩であり、モビルスーツ操縦技術に置いて、目標とする人物であった。

そのアムロは第二次ネオ・ジオン紛争において、シャアを名乗るクワトロを討ち、そして戦死したと聞き及んでいた。

もし、自分がその戦場に出る事が出来ていたのなら、自分もきっとシャアを討ちに行っただろうと、思わずにはいられない。

自分の代りにシャアを討ったアムロに対しては、感謝の念と同時に惜しい人物を無くした事に、落胆したものだった。

 

だがなぜ、この3人が目の前に生きて、しかも同じ場所のこのヘイガー診療所にいるのか?

しかもなぜ、ハマーンがナース姿なのか?

 

更に、今もたまに連絡を取り合ってるブライトや、顔見知りのベルトーチカまでここにいるのだ。疑問を持たない方がおかしい。

 

また、自分の代りにネオ・ジオンとの抗争に巻き込まれ、ハマーン率いるネオ・ジオンと戦い続けた当時少年だったジュドーが目の前の人物だと感覚的に感じ取り、なぜここに、ハマーンが居るこの場所にいるのかも、謎だらけだ。

 

 

「どどどどいう?な、何がどうなって!?ああっ!?ああああああ!?」

カミーユの思考はフル回転するが、答えはまるで見つからず、遂には脳はオーバーヒートを起こし、プツンと何かが切れる。

 

カミーユは白目を剥いて糸が切れた操り人形のようにその場に崩れ落ちる。

 




この後のカミーユの行動が気になり過ぎるw
誰もカミーユに何も知らせてなかったようです。

因みにブライトさんはまだレストランを開いてません。
修行中です。
ジュドーはルーと共に本社で訓練教官を……
私生活ではルーさんの頑張りにジュドーがついていけてないようで

この後のカミーユの行動は?

  • レッドマンに修正
  • ブライトに修正
  • アムロに修正
  • ハマーンに噛みつくもエドに怒られる
  • 再びお星が見える人に戻る
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