暁妃緋真は勇者である   作:檮原

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風は普通の大剣ですが、主人公の緋真は刃先を真ん中で折り畳むとガトリングに変形します

大剣状態の持ち手の部分がガトリングの持ち手となってます

大剣の形で言うと、ゴッドイーター3のバイティングエッジの形を大剣にしたかんじです


第3話 初めての封印の儀式

友奈が勇者になったのを緋真もまた確認していた

 

(これで、布石は打てたな)

 

そう考えながら、風と樹の元に辿り着く

 

「よう、風」

 

「緋真!?無事だったのね。良かった」

 

緋真に殴られたのにも関わらず、緋真を心配するのはやはり殴られたことを分かってないからであろう

 

「友奈も勇者になったか。守りたいものがあればこそ人は強くなるからな」

 

「そうね」

 

2人は話しながら、友奈を見ていた

 

 

 

 

友奈の隣には風や樹、緋真と同じ様に精霊が浮いていた。牛の様な精霊で名前は牛鬼である

 

 

 

 

「これならいける!」

 

 

 

 

友奈はそう言いながら乙女型バーテックスへ突撃し

 

「勇者パーンチ!」

 

バーテックスに攻撃を入れる

 

「やった!」

 

友奈の攻撃でバーテックスの一部が破壊される

 

 

しかし、すぐさまバーテックスの傷は癒えていく

 

 

 

「そんな・・・治っていく」

 

 

そこへ犬吠埼姉妹と緋真が友奈の元へ合流する

 

 

 

 

 

「風先輩!どうやってあの怪物をやっつけたらいいんですか!?」

 

「バーテックスはダメージを与えても直ぐに復活するの。【封印の儀式】っていう特別な手順を踏まないと絶対に倒せない」

 

「そんな面倒な事するのか?」

 

「ええ、必要な事だもの」

 

緋真の問いに風は笑顔で答える

 

「お姉ちゃん、封印の手順ってなに?」

 

 

 

樹が尋ねるも、バーテックスは4人に向かって攻撃を始めようとしていた

 

 

「攻撃を避けながら説明するから、3人共避けながら聴いて!」

 

 

直後バーテックスから光球が発射される。

 

 

「わっ!?避けながらなんてまた無茶苦茶だよー!」

 

 

 

 

 

攻撃を避けている様子を東郷は離れた所で見ていた

 

 

 

 

 

 

「みんな・・・友奈ちゃん・・・」

 

 

 

 

 

しかし、バーテックスは4人を攻撃しながらも東郷も標的に捉えていた

 

 

 

 

「っ!?ダメだよ・・・戦う事なんて・・・私には出来ない・・・」

 

恐怖が東郷の身体を支配し、逃げたくても体が動いてくれない

 

 

 

 

「封印をする手順その1 まずは敵を囲む」

 

風がそう伝えると友奈はバーテックスに向かって行く

 

 

 

直後バーテックスから触手が飛んでくるも、これを何とか躱し位置に着く

 

 

「位置に着きましたー」

 

「こっちも着いたよ、お姉ちゃん」

 

友奈と樹がゆりに伝える。そして、緋真もまた

 

「着いたぞ、次はどうすんだ?」

 

と、風に聞く

 

「よし!それじゃあ封印の儀式行くよ!教えた通りにね!」

 

 

4人は右手を空に掲げた

 

 

 

 

 

「えーと確か、手順その2は敵を抑え込む為の祝詞を唱えるだったね」

 

 

スマホには祝詞が書かれている

 

 

 

幽世大神 かくりよのおおかみ

憐給 あわれみたまい

恵給 めぐみたまい

幸魂 さきみたま

奇魂 くしみたま

守給 まもりたまい

幸給 さきはえたまえ

 

 

 

 

 

「えぇーーこれ全部唱えるのー!」

 

「これは、また面倒臭いことを」

 

友奈と緋真は祝詞の全文を読んで文句を垂れる。だが、言うしかないので

 

 

 

 

 

 

「えっと幽世大神・・・」

 

と、友奈が唱え始めた時に緋真は上げていた右手を下ろした

 

(こういうのは、任せた方が早いからな)

 

言うのが面倒臭いので、友奈と樹に言ってもらうことにしたのだ

 

 

 

 

「憐給・・・」

 

 

 

すると目の前に精霊が現れる

 

 

 

「恵給、幸魂・・・」

 

友奈と樹は祝詞を唱えるが、緋真はどうしても唱える気になれず黙って見ている。そんな時に、バーテックスは動き出そうとする

 

(まあ、祝詞唱え終わるまで待つわけないか・・・思いっきりぶん殴るか)

 

そう頭で考え、緋真はガトリングから大剣に戻して乙女型をぶん殴る

 

すると、動きが止まりタイマーみたいな時間が表示された

 

 

「まさか・・・唱えなくていいって分かってた?」

 

風は緋真がした事に驚いていた

 

 

 

「「えぇーー唱えなくて良いのーー!?」」

 

 

 

 

 

友奈と樹は風の言葉を聞いて叫んでしまう

 

 

 

「要は魂を込めれば言葉は何だって構わないんだよ!」

 

「お前、人が悪いぞ」

 

「そうだよー私と友奈ちゃんが頑張って唱えようとしてたのにー」

 

緋真の言葉に賛同するように樹も不満を漏らす

 

 

「ごめんごめん」

 

と、風は軽く謝る

 

 

そして、頭部の様なところから逆さまの四角錐が飛び出してきたのだった

 

 

「わっ!何か吐き出した!」

 

 

 

友奈が驚くと

 

 

「封印すれば御霊が剥き出しになる!アレはいわゆる心臓よ!破壊しちゃえば私たちの勝ち!」

 

「へえーなら、簡単じゃねえか」

 

「私が行きます!」

 

緋真は大剣を構えたが、それより早くに友奈が突っ込んで行く

 

 

 

 

気を引き締め直し、再び友奈は御霊へとパンチを繰り出す

 

 

 

「勇者パーンチ!!」

 

 

 

しかし、御霊はビクともせず、

 

 

「かたーーーい!!全然ビクともしないよ!」

 

友奈が御霊を殴るが、まるで思いっきりコンクリートの壁を素手で殴ったかのような激痛が走った

 

(なるほど、かなり力込めないと御霊は傷つかないのか・・・方法はあるが)

 

緋真は、御霊を破壊する方法が分かったのだがあの力は今使う場面ではないと頭を振って捨てることにした

 

 

 

そんな最中樹が何かに気付いた

 

 

 

「ねえお姉ちゃん、何かさっきから数字が少しづつ減ってきてるんだけど・・・」

 

「あぁ、これは私たちのパワーの残量だよ。これがゼロになるとアレを抑えきれなくなって倒す事が出来なくなる」

 

淡々と答える風に対して樹は狼狽えた

 

 

「えぇーー!?それじゃあ・・・」

 

「そう、バーテックスが神樹様に辿り着くのを黙って見てるしか無くなる」

 

そう言うと風は御霊に向かって大剣を振り上げる

 

 

「友奈!変わって!」

 

 

風の一振りが入るも、相も変わらず御霊には傷一つ付かない

 

「風!俺も手伝うぜ!」

 

緋真が大剣を構えて力を込める。そして、その時にノウゼンカズラの刻印が一瞬だけ光る

 

 

緋真は、それが何となく分かりほくそ笑みながら御霊を斬りつけた

 

 

だが少し御霊に罅が入っただけでまだダメージは足りていない

 

(ちっ、やっぱもう少し想い込めないとダメか)

 

そう思った時に、風も緋真の後から

 

「私の女子力が籠った一撃、くらえー!」

 

緋真が入れた罅にさらに攻撃を加える。その時、オキザリスの刻印が光ったことに緋真以外は気付いてなかった

 

(想いを込めた一撃を放ったから、刻印が一瞬色付いたか・・・満開するのも、近いかもしれねえな)

 

そう心の中で思うのだった

 

 

 

 

次の瞬間、バーテックスが異様な雰囲気を放つと神樹の周囲が枯れ始めたのだ

 

 

 

 

「何あれ・・・」

 

「長いこと留めすぎたんだろうな、結界にダメージが入り始めた」

 

樹の言葉に緋真が答える

 

 

「そ、それってどうなるんですか!?」

 

 

「長い時間封印していると樹海が枯れてしまって現実の世界に悪い影響が出てしまうのよ。早いところ御霊を壊さなくちゃ」

 

友奈の問いに風が答えた

 

 

 

 

 

 

 

その頃離れたところで見守っていた東郷は

 

 

 

 

「神樹様・・・どうかみんなを・・・友奈ちゃんを守ってください・・・」

 

 

 

 

戦う力の無い東郷は只々祈る事しか出来なかった

 

 

 

 

 

「時間が無い・・・」

 

 

 

 

 

友奈は再び御霊にパンチを繰り出そうと飛び上がる

 

「留めさしてこい!結城!」

 

 

 

「はい!」

 

緋真の言葉に元気良く答えた

 

 

 

 

 

友奈の脳裏に勇者部のメンバーが思い浮かんでくる

 

 

 

 

 

 

 

(怖い・・・痛い・・・でも・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

そして浮かんでくる勇者部での思い出───

 

 

 

 

 

 

 

 

(大切な、あの日常を守る為に・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫!出来る!」

 

 

 

 

 

 

 

友奈の右手に精霊が宿り、山桜の刻印が光りだす───

 

 

 

(へえーこれで満開に近づいた人が俺含めて3人か)

 

友奈を見て緋真は思った

 

 

 

 

 

「勇者ーパーンチ!!!」

 

 

 

 

 

 

御霊にパンチが当たった瞬間、粉々に砕け散りそのまま光となり空に昇っていった

 

 

 

 

 

 

 

「どうだぁぁぁーー!!」

 

 

 

 

 

刹那、バーテックスの体が砂になって崩れていった

 

 

 

 

『友奈(ちゃん)!!』

 

 

 

 

風と樹そして緋真も友奈へと駆け寄る

 

 

 

 

「よく頑張った、友奈!」

 

 

 

 

 

風が友奈の右手を取り賛辞を送ると

 

 

 

 

「痛たたたぁぁ!!痛いです、風先輩!」

 

「あ、ごめん!」

 

咄嗟に手を離し風は謝るも、友奈は終わった安堵からか笑顔が溢れていた

 

 

 

 

「良かった・・・みんな無事だった・・・」

 

 

 

 

東郷もホッとした様子で胸を撫で下ろしたのだった

 

 

 

 

 

 

樹海が揺れ始めるーー

 

 

 

 

 

御役目が終わった事により樹海化が解け、元の世界へと戻っていく

 

 

 

 

 

讃州中学・高等学校の屋上

 

 

 

 

 

気がつくと5人は讃州中学・高等学校の屋上に立っていた

 

 

 

 

 

 

「あっ、東郷さん大丈夫?怪我は無かった?」

 

 

 

 

 

友奈が東郷に聞くと

 

 

 

 

「私は大丈夫だよ。友奈ちゃんの方こそ大丈夫だった?」

 

 

 

 

「うん、もう安全だよ。ですよね、風先輩」

 

 

 

 

「うん、もう大丈夫。見て・・・」

 

 

 

 

 

屋上からは元の世界が広がっていた

 

 

 

 

 

「樹、怪我は無かった?」

 

「うん!お姉ちゃんは何とも無い?」

 

「もちろん!」

 

「うぅ・・・めっちゃ怖かったよぉお姉ちゃん・・・もう訳わかんないよ・・・」

 

無事に帰れた安堵からか風に抱きつき泣く樹。

 

「よしよし、良くやった。冷蔵庫にあるプリン半分だけ食べていいからね」

 

「あれ元々私のだよぉお姉ちゃんーー!」

 

(はぁ、姉もシスコンだが妹もシスコンか)

 

姉妹で抱き合う姿を見て緋真は、溜息を着くのだった

 

一方、友奈の隣で東郷は考えてることがあった

 

 

 

(私は2年前あの場所で戦っていた。昔の私は、どうして戦えたんだろう・・・怖くなかったのかな、どんな想いで戦っていたのだろう)

 

そう過去の自分に問いたいと思っていたのである




次回もお楽しみにしていてください
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