暁妃緋真は勇者である   作:檮原

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えーあれから、数ヶ月経って年明けましたね

かなりお待たせしました。この間に新作を書いて投稿などしていたためこちらに筆が乗りませんでした。まあ、こちらは他より目立って評価されてないから仕方ないですけど

GWということで、頑張りました


第6話 新勇者、登場

射手型、蟹型、蠍型の3体のバーテックスを倒した勇者部は、緋真が使った禁忌の力について質問していた

 

因みに、戦い終わりに聞こうとしたのだが友奈が課題を終わらせてなかったために

 

「明日の放課後に聞こう」

 

ということになり今絶賛、緋真は他の勇者部メンバーに囲まれて質問攻めされている最中である

 

「あれは、なんなのか」

 

「私たちにも出来るのか」

 

と言った具合に耳にタコが出来るんじゃないかと言うくらいの勢いで聞いてくる

 

その時、昔からよく聞く謎の声が聞こえてくる

 

《今の時代、憑依を使うのはオススメしません。憑依が危険と判断されて精霊自体に実体化させる機能が付いたのをご存知でしょう・・・とにかく、憑依は控えるように》

 

それだけ話すと、謎の声は聞こえなくなる

 

(なんでいつも俺だけに話すんだ。憑依が危険なのは知ってるさ。でも、満開は後遺症があるんだから極力控えたいんだよな)

 

緋真は、謎の声が言っていることも理解はしている。だが、2年前の戦いで左腕の機能を失う事となった原因の満開は、ここぞという時に使うべきだと考えている

 

それに、昔から悉く自分にしか話しかけてこない謎の声には、正直に言うと面倒臭いと思っている

 

だが、今そんな事を考えてる暇は無いことに風の言葉で思い出す

 

「ちょっと!緋真、聞いてる!?」

 

その声で、ハッとしたように現実に引き戻される

 

「あ、ああ・・・なんだっけ?」

 

「もう・・・アンタが使った禁忌の力について聞いてるのよ!」

 

「なにか、都合が悪い事でも?」

 

東郷は聞かない方が良かったのかと心配する

 

「いや、都合は悪くねえよ・・・俺が使った憑依ってやつか?」

 

「あれ、憑依って言うんですね。なんか姿も変わって強くなってましたよね!」

 

「まるで、別人でした・・・」

 

友奈と樹も緋真の話に食いついて来た

 

「憑依は簡単に言うと、精霊に自身の体を貸すことなんだ。そしてその代わりに力を得る・・・だけど、これは元々実体を持たなかった精霊と一緒に戦う方法だったんだ」

 

「と言うことは、その体を貸す事に問題があって実体化させる必要があった?」

 

風の言葉に緋真は頷いた

 

「察しがいいな、精霊だってバーテックスと同じ得体の知れないものだ。何かしらデメリットがあっても不思議じゃないだろ?」

 

緋真の言葉に東郷は

 

「確かに・・・私たちを守ってくれてる精霊も怖い物だったりするかもですね」

 

「えー!?私はそんな事ないと思うけど・・・ねえ、牛鬼?」

 

東郷が精霊を怪しむが友奈は自身の精霊である牛鬼を可愛がっている

 

「それで、デメリットってなんだったの?」

 

風は緋真に聞く

 

「自制心の低下・・・つまり、自分の感情や欲望を制御出来なくなり最悪の場合、バーテックスじゃなく人を仲間を傷付けることもある」

 

『!!?』

 

緋真が使った憑依のデメリットを聞いて驚く友奈たち4人

 

「そ、そんな危険な事・・・なんで!?」

 

「そうです・・・めちゃくちゃ危険じゃないですか!」

 

「これからは、使わないで下さいね!?」

 

「緋真先輩も元気な事が1番なんですからね!」

 

4人は、緋真が行ったことに対して異議を唱える

 

「長い時間使うわけじゃない。あの御霊を倒す数秒だけだったから使ったんだ、数秒ならそんなに支障は無いからな」

 

「それでもよ、これからは無茶しないで!」

 

「ああ、分かってるよ」

 

風や結城たちに止められては、緋真でも流石に素直に聞いた方が得策だと思うのだった

 

(なんか、初めて勇者になった時より俺も丸くなったな。それもこれも、若葉たちのおかげか・・・)

 

緋真は、今は亡き親友たちの顔を思い浮かべて心の中で笑うのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、1ヶ月経った頃に緋真のスマホに大赦からメールが入る

 

 

暁妃緋真様

 

2年前、貴方が持っていた別端末の後継者が決まりました。次の戦いの日にそちらに合流させます

 

(大赦の別プロジェクトで生まれた勇者か・・・アイツの端末を引き継いだのは果たしてどんな奴かな)

 

緋真は、大赦からのメールに「了解した」と打ち込み返信し、新しい勇者に心踊らせた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緋真が大赦からのメールを受け取った日から半月程経過した頃───

 

 

(神樹様が作った防衛結界、樹海の中で人類の敵であるバーテックスを倒すのが勇者のお役目。全部を倒したらお役目は終わるって事だから頑張らないと!!)

 

「あっ!!」

 

樹海の中で友奈たち5人は今回の敵である山羊型のバーテックスを見つける

 

「アレが5体目・・・」

 

少し離れた所で東郷はスナイパーライフルを構えて迎撃態勢を取っている

 

(この戦いから投入される大赦が選んだ勇者・・・力がどれ程の物なのか見て見なきゃな)

 

緋真は、間もなく派遣されて来る勇者がどんな人なのか待ち切れない様子だった

 

「よし!ここで迎え撃つわ。それより、なにソワソワしてんの?」

 

ゆりがみんなに喝を入れるが、落ち着きが無い緋真を不思議に思う

 

「ん?・・・ああ、いや別に」

 

「なんか変ね、まあいいわ」

 

「1ヶ月ぶりだからちゃんと封印の儀出来るかなー」

 

「大丈夫です、友奈さん。ここをこうすれば・・・」

 

「ふむふむ」

 

「えーい!成せば大抵何とかなる!気を引き締めてビシッとやるよ!」

 

"成せば大抵何とかなる"

勇者部5箇条の1つである。

 

「勇者部ファイトー!!」

 

「「おーー!!」」

 

3人が"山羊型"へ向かおうとしたその時だったーー

 

 

何処からともなく3本の刀が飛んできて"山羊型"の頭に突き刺さり、爆発する

 

「えぇっ!?」

 

「今の、東郷さん!?」

 

「私じゃない・・・」

 

へぇ、漸く来たか

 

いきなりの攻撃に、風たちは驚いているが緋真は大赦からの連絡で知ってるため、今の攻撃が誰の物なのか一瞬で察した

 

「ちょろい!!」

 

突如現れた謎の少女が再び剣を投げ、"山羊型"に当たり爆発

 

すぐさま精霊と共に武器を呼び出す少女

 

「封印開始!」

 

剣が"山羊型"の額に刺さり、封印状態になる

 

「思い知れ!私の力!」

 

「あの子、1人でやる気⁉︎」

 

風が驚いた様子で謎の少女を見つめる。そして"山羊型"から御霊が出現したが、出現したと同時に御霊は紫色の煙を吐き出し、辺りを煙で埋め尽くした

 

「ガス!みんな、吸い込まない様に気を付けて!!」

 

東郷が3人に知らせる

 

「な、何これーー⁉︎」

 

「全然見えない〜」

 

友奈と樹は狼狽えていた

 

「ふん!そんな目眩し!気合いで見えてるっつーの!!!」

 

謎の少女はそんな事意に介さずに御霊に突っ込んで行き、真っ二つに切り裂いた

 

「よし!殲滅!」

 

御霊が破壊され"山羊型"は崩れ去っていった

 

「中々やるなぁ」

 

緋真は、新しい勇者の闘いを見て感心した

 

「ふぅ・・・」

 

「えっと・・・誰?」

 

友奈たちがそう思うのも無理はない

 

「揃いも揃ってぼーっとした顔してんだな。こんな奴らが神樹様に選ばれた勇者だったとはなー」

 

「あのー・・・」

 

「なんだよ、チンチクリン」

 

友奈が尋ねるも一蹴されてしまった

 

「チン?」

 

「私の名前は三好夏凜。大赦から派遣された正真正銘正式な勇者。お前らはこれで用済み。はい、お疲れさん」

 

「「「「えぇぇぇ!?」」」」

 

「ちょい待った!」

 

夏凛の言葉に緋真が口を挟む

 

「何ですか?・・・って貴方は!先代勇者の暁妃緋真さん!?」

 

夏凛は、緋真の顔を見て驚いた

 

「お前には『俺たちに合流してバーテックスを倒せ』としか命令されてないはずだ。だから、お前の言葉は容認出来ない」

 

「それは、そうですけど・・・」

 

「どういうことか話してくれるか?戻ってからな」

 

夏凛は、緋真の言葉に静かに頷いた。そして、皆で讃州中学・高等学校に戻った。

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

 

場所は変わり讃州中学・高等学校――

 

「はい、良いですか。今日から皆さんとクラスメイトになる三好夏凜さんです」

 

「はぇー・・・」

 

先生からの紹介に友奈は驚いた

 

先生「三好さんは両親の都合でこちらに引っ越して来たのよね?」

 

「はい・・・」

 

「編入試験も満点だったんですよ」

 

「いえ・・・」

 

夏凛は先生からの紹介に淡々と答えていく

 

「では、三好さんから皆さんに挨拶を・・・」

 

「三好夏凜です。よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

―――

 

 

 

勇者部部室ーー

 

「「はぇー・・・」」

 

「なるほど・・・」

 

「そうきたのね・・・」

 

「なるほどな、大赦はそんな事を考えてか」

 

5人は勇者部部室で夏凛から説明を受けていた

 

「ったくー転入生のフリなんて面倒くせーー。でも、まぁ私が来たからには安心してくれ。緋真先輩もいるし完全勝利ってやつだ!」

 

「どうしてこのタイミングで?なんで最初から来てくれなかったの?」

 

東郷が最もらしい質問を夏凛に投げ掛ける

 

「私だって直ぐに出撃したかったさ。でも大赦は二重三重に万全を期してるんだよ。最強の勇者を完成させる為にね!」

 

「「「「最強の勇者?」」」」

 

「そう、あんたら先遣隊の戦闘データを得て、完璧に調整された完成型勇者。それが私。私の勇者システムは対バーテックス用に最新の改良を施されてる。その上、あんたら素人とは違って・・・あ、緋真先輩は除きますけど」

 

夏凛がホウキを手に取り構えると

 

「戦闘の為の訓練を長年受けてきている!」ガンッ

 

ホウキの柄が黒板に当たる

 

「黒板に当たってるよ。」

 

「中々に矯正し甲斐がありそう」

 

東郷と風は口にすると

 

「ちょっと待て!なんだとー!?」

 

「あぁっ!喧嘩はダメだよー!」

 

夏凛を樹が宥める

 

「フン、まぁ取り敢えず大船に乗ったつもりでいろよな」

 

「口は悪いが、頼もしい後輩になりそうだな。風よりも」

 

「言っとくけど私は、部長なんだから!歳は緋真の方が上でもね!」

 

緋真は、風と夏凛を比較して微笑んだ。風からすると、面白くないだろう

 

「そっかぁー宜しくね。夏凛ちゃん。勇者部にようこそーー!」

 

「ちょ、おま、抱き付いてくんなーー!ったくー、つーか部員になるなんて話、一言もしてねーし・・・」

 

「えっ!?違うの?」

 

「ちげーよ、私はあんたらを監視する為にここに来ただけだ」

 

「えっ!?じゃあもう来ないの?」

 

「また来るけど。お役目だからな。」

 

そこに東郷が提案してきた

 

「なら部員になっちゃった方が話し早くない?三好さん」

 

「確かにー!東郷さん頭良いー!」

 

「うっ、まぁ仕方ねー。その方が監視しやすいか。それに、緋真先輩には色々聞きたい事あるし・・・」

 

「おう、色々教えてやるぜ?手取り足取り、な」

 

手をワキワキさせながら緋真は言う

 

「監視監視って、見張ってなくても私たちはちゃんとやりますよーそれに、緋真は変な事夏凛にしないように」

 

風が夏凛の言葉に答え、緋真には注意する

 

「偶然で適当に選ばれた素人が大きな顔しない方が良いぜ。緋真先輩とは違って実戦経験は少ないんだからさ」

 

夏凛は噛み付いてきた

 

「大赦のお役目はおままごとじゃねー・・・」

 

その時夏凛が何かに気付く

 

「ちょっと待て!何"義輝"に噛み付いてんだーー!この牛ーー!」

 

「牛じゃないよ夏凛ちゃん、牛鬼だよ。ちょっと食いしん坊なんだよねー」

 

「ふんっ、自分のこと精霊の躾も出来ないようじゃ、やっぱ素人だな。ともかく!これからのバーテックス討伐は私の監視のもと励む事!」

 

「取り敢えず事情は分かったけど、学校にいる限りは上級生の言葉を聞くものだよ。事情を隠すのも任務の中にあるんじゃない?」

 

「フン、まぁいいけど。残りのバーテックスを殲滅したらお役目は終わりなんだし。それまでの我慢だな」

 

(ん?)

 

三好の言葉に緋真は心の中で反応を示す

 

(やはり、大赦の方で鍛えられた勇者にもバーテックスと結界の外のことは知らされてないのか。知られる事を恐れるより、隠してた事を恐れないと、もしコイツらが勇者の秘密を知れば、その時正常な判断を出来るのかそこが問題だな)

 

緋真は、風たちを見ながら心の中で思うのだった

 

「一緒に頑張ろうね、夏凛ちゃん」

 

「頑張るのは当然。私の足を引っ張るんじゃねーぞ。っだぁぁぁーーーーだーかーら抱きついてくんじゃねーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

こうして6人目の勇者である三好夏凜が勇者部に入ったのであった




三好夏凜が登場。本編では2年前の勇者である銀の端末を使ってましたが、この作品ではちょっと違います

まあ、銀も生きてますからね。出てきてないですけど
この先、どこかで出します。ではまた
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