TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・ 作:コジマ汚染患者
第10話です。
最近暑すぎる・・・だれだエアコンぶっ壊したやつ・・・
(´・ω・`)ノ
山でのスピアー軍団の戦闘とうみちゃん組加入・・・じゃなかったうみ家への加入から3日経った。
「・・・んぅ、朝?」
朝日と鳥の鳴き声、そして特徴的な羽音によって目覚めたうみ。寝ぼけ眼のままカーテンを開けると、そこではスピアーが1匹いた。
「おはよう。今日もありがとね」
「スピッ!」
ビシッと敬礼をして裏庭へと戻っていくスピアーを見つつ、うみは家が賑やかになったなぁ、と感じていた。
「おはよーライ。今ご飯持ってくるからね」
「ライ!」
リビングへと下り、ソファの上に寝ていたライに挨拶するうみ。今日も元気なライの挨拶を聞きながら、ペットフードの袋を開ける。
「はいどーぞ。バンギラス達にもあげてくるから、ちゃんと食べといてよ」
「ライ!」
ライの前にペットフードを持った皿を置き、大量のペットフードを持って庭へと向かううみ。
「おはようバンギラス、サイドン。朝ごはんだよー」
「・・・」
「グルゥ!」
庭に用意された掘っ建て小屋から出てくるバンギラスとサイドン。バンギラスがやってきたときに雨風を凌ぐ場所として急遽用意した小屋(作成者:バンギラス)だったが、サイドンまでやってきたことで追加が必要となってしまった。そこで、マタギのおじいさんや板木に頼むことで、さらに大きい小屋を作ってもらったのだった。
幸いにもうみの家の裏庭はどこの家の敷地にも重ならない大きな空き地が隣接しており、小屋を建てる場所には困らなかった。若干狭さにストレスを感じていたっぽいバンギラスも心なしか嬉しそうにしていたのが印象的である。
「バンギラスはこの前悪いことしちゃったし、ちょっと多めに用意したからね」
「・・・!」
気にしていない風に装っているが尻尾をバチバチと振りまくっているバンギラスに温かい目を送りながら縁側でまったりしていると、食べ終わったライがじゃれてくる。
「よしよし」
「チャァ〜!」
嬉しそうなライの背中を撫でながら庭の一角にある巨大な巣を見るうみ。そこでは今日もせっせとスピアー達がコクーンやビードルの世話をしていた。スピアーが家に来てからというもの、うみの家の裏庭はかなり賑やかになっていた。
「?ああ、よしよし」
「・・・!・・・!」
足元に違和感を感じて下を見ると、ビードルが1匹うみの足元にやってきていた。針に気をつけつつ撫でてやると、嬉しそうに動いている。そっとスピアーを手招きし、満足げなビードルを回収させる。コクーンは流石に動いたりしていないが、ビードルはまだ自分で動けるため、時たまこうして庭を這い回っているのだ。
「・・・そういえば、コクーンはああして世話してもらってるけど、どうやって進化するんだろう」
ゲームではレベルアップで進化するはずだが、こうしてスピアーに世話されている様子を見ているとどうやってレベルアップするのか見当もつかない。
そんな感じで色々と考えを巡らせていると、朝食を持っておばあちゃんがやってくる。
「うみちゃんや〜、ご飯持ってきたよー」
「あ!はーい!みんな、ちゃんと大人しくしとくんだよ」
ライやサイドンは鳴き声で、バンギラスは尻尾の一振り、スピアー達は敬礼とそれぞれに特徴的な返事をする。その様子によし、と頷き、うみは家に戻るのだった。
これが最近のうみの家での朝の始まりである。
「さて、今度は何しようかな・・・」
朝食を終え、うみはリビングで考え事をしていた。ライはバンギラスと遊んでおり、完全に1人である。
「こないだはゲーム配信とか勧められたけど、ゲームは上手くないしなぁ・・・」
配信にて今後の活動について聞かれたうみ。自身としてはずっと相談室をしていたいところだったが、流石に視聴者の方が飽きてきているようで、人数が減り始めていた。
「うーん・・・そりゃあニーズに応えることが基本だからしょうがないけど・・・でも何をしたらいいんだろう」
とりあえず今回は前もって考えていた内容で配信するとして、今後の活動においてどうするかはまた考えよう。
「なんか最近どん詰まりになってるんだよなぁ・・・配信もポケモン情報も」
今後の活動に不安を感じつつ、配信の準備を始めるうみなのだった。
「はいどーも、うみです。今日はまったり海釣りでもしようと思います」
『わこつ』『また釣りか!』『釣り(意味浅)』『わこー』『ほう、また教えていこうかな』
「はい、前回の釣果は1匹だったので、今度はもっと釣れるよう頑張ります!釣り師ニキは今回もよろしくお願いします」
平日の朝ということもあり、視聴者はさほど多くない。しかし、今回はリアルタイムでの視聴者は重要ではない。あくまで相談室の箸休め的な配信だ。・・・半分くらい趣味になり始めているが。
『いいぞいいぞー』『今回は麦わら帽子か』『ありよりのあり?』『あり居り侍りいまそかり』『さっさと平安の世に帰れ』
視聴者はどうやら俺の格好がきになるようだ。最近になって日差しが強い日が増えてきたため、熱中症対策でおじいちゃんの家から引っ張り出してきた麦わら帽が最近の外出時のお気に入りだ。
「へへへ、似合ってますか?日差しが強くなってきてますし、皆さんも気をつけて下さいね」
『良き・・・』『変態・・・?』『変態警察早い!?俺はただ似合ってるというつもりで・・・!』『最近の警備きつすぎんよー』『うみちゃんも気をつけてね』
「さて、それじゃあいきますか!」
「まあざっとこんなもんですよ!」
『やべーな』『今回俺の出番ねーな』『釣り師ニキはお払い箱・・・つまり今度は私の時代よ!』『変態ニキ・・・』『頭・・・冷やそうか・・・』『もしかして、またシベリアですかー!?』『yes !yes!yes!』『オーマイゴット・・・』
40分経過し、俺のもってきた大きめのバケツには様々な魚が入っていた。思わずドヤ顔でえっへんと胸をそらす。画面外ではライがカニを追い回して遊んでいる。
『ドヤうみちゃん、いい顔や』『素直にタイプです』『『そうか、今度は君だね。変態ニキが待ってるぞ』『( ゚д゚)』『なんというか、こう・・・父性的な何かを感じる』『同意』『ぺったんk』『お前は今言ってはいけないことを言った』『変態警察ニキ、判決を』『死刑』『超スピーディー!?』
「誰がぺったんこですか。俺だって成長したら・・・」
そこまで言って、いや俺は男だろうが、と自分で突っこみを入れる。無自覚に女の子の思考になったことに凹む。
『まあ美人にはなるだろうなぁ』『大きくしたいならまず食生活と日々の生活から!これ常識ね!』『随分と詳しいみたいだな変態ニキ。さあシベリアに帰るぞ』『あれぇ!?』『草』
何やらコメントも胸談義になっているが、気を取り直して釣りを続ける。
「・・・ああ、もうそんなことはいいですから!ほら、まだいける時間ですし、じゃんじゃんいきますよー!」
『来なくなったね』
「・・・」
しかしその後、一向に当たりが来なくなった。ぶすっとした表情で竿を持つうみだったが、時間的にももうあたりは望めない。
「もう時間ですし、そろそろ終わりですね」
『まーもうすぐ釣れなくなる時間帯だしなぁ』『え?もう終わり?今来たんだけど(´・ω・`)』『じゃあここからは雑談とか!』『あほ、うみちゃんが熱中症なるわ』
「・・・そうですね。今夜は雑談配信にでもしますか」
『おっ、一日二回配信か!?』『や っ た ぜ』『おお、帰ってからの楽しみができたな!』
視聴者からの反応は概ね好評のようだった。早速片付けて家に帰ろう、と思い糸を巻いた時だった。
「・・・?」
『うみちゃんどした?』『根掛かりか?』
首をかしげるうみに視聴者が心配する。うみは、竿にかかる謎の力に戸惑っていた。
「・・・何かかかってます!」
『!?』『うおお、まじか!?』『引けー!引くんだー!』『ちくわ大明神』『誰だ今の』
慌てて竿を持ち上げるうみ。凄まじい力に腕が持ってかれそうになる。
「うぎぎぎぎぎぎぎ!大物、だぁぁぁぁぁ!?」
『草』『女の子が出していい声じゃねぇ』『でもかわいい』『うみちゃんカワイイヤッター!』『うみちゃん、少し緩めて!少し泳がせるんだ!』『釣り師ニキ今日初仕事w』
釣り師ニキの指示のもと、緩急をつけてどうにか疲労させようとする。
「なんか、全然止まらなぁぁぁぁぁ!!?」
『大草原』『なんか様子おかしくねぇか?』『いやまじで、大物にしても限度あるやろ!』『うみちゃん引き摺り込まれるんとちゃう?』
しかしかかった魚は、一向に疲労した様子を見せず、ものすごい勢いで泳ぎまくっている。
「・・・まさか!ライ!お願い!」
「ライ!」
『!?』『なんだ?』『ネズミ?』『いやデカすぎるやろ』『黄色いし』
急いでライを呼び、構えてもらう。画面内に入ってしまい、ライを見た視聴者が驚いている。
「ライ、海面、あの暴れてるところに『10まんボルト』!」
「ラァイ、チュウゥ!」
『うおぉぉ!?』『電気!?電気出た!?』『どーなってんだ!?』『まじかよ!』
ライが電撃を未だ泳ぎ続けている魚に放つ。しかし、電撃は海面に当たるも魚はピンピンしている。
「なんで!?」
「ライ!?」
『電気は海面に落ちてもその周辺以外の場所には感電しないよ!それに水中にいると更に電気は通りにくい!』『有能』
「そんな・・・」
視聴者からの情報にどうするべきか考えるうみ。電気を直接叩き込まなければいけない。しかしライは水中では戦えない。相手は水中を自在に泳いでおり、仮にライが海に潜って格闘戦に持ち込んでも勝てるかと言われたら難しい。
「!出た!」
『なんだあれ』『エイ?』『にしては青くね?』
と、猛然と泳いでいた魚が海面を飛び上がる。その姿は青いエイそのもの。その姿を見たうみは驚く。
「あれは・・・タマンタ!?」
『タマ?』『タマタマ?』『おいやめろ』『また外来種・・・いやポケモンか?』『まじか、また釣り放送で見つかったのかよ!』
「カイトポケモン、タイプみず・ひこう。海面近くを飛ぶように泳ぐポケモンです!模様は住む地域によって変わりますが、きほんテッポウオっていうポケモンの群れといることが多いんですが・・・っとぉぉあぁぁ!?」
説明していると再度タマンタが爆走し始める。急に釣竿に負荷がかかり、ミシミシと嫌な音が聞こえる。
『飛ぶようにってか、まじで飛び跳ねてんじゃねーか』『ちょっとかわいいけどなんか・・・』『すげえ激しいな』『まじですげえテンション高いなあのエイ』
タマンタはものすごい勢いで泳ぎ続ける。うみはどうにか竿を持ってはいるものの、完全に引っ張られてなすがままの状態である。
「くぅ、ライ!『10まんボルト』でタマンタを近くまで誘導できる!?」
「!ライ!」
ライが10まんボルトをタマンタの進行方向に向けて連発し、進路を限定する。
『めっちゃ電気放ってるやん』『なんなのあのネズミ』『というか普通に言ってるけどあれほんまにネズミか?』『ちょっとわからんくなってきた』
「いいぞ、ライ!」
コメント欄が戸惑っているが今はライについて説明してられない。ようやくタマンタがうみの近くまで追い込めた。なおも海面近くを爆走するタマンタだったが、もう完全にライの射程範囲内だ。
「ここまでくればもう当てられる!ライ!一点集中『10まんボルト』!」
「ラァァイ、チュゥゥゥぅ!!」
「ママママママママ!?」
「ココココココココ!?」
『一点集中10まんボルト』とは、ライとうみが暇つぶしに考えた必殺技の一つである。普通の『10まんボルト』とは違い、ライの電気袋に溜まった電気をさらに過剰に貯めさせ、それをたった一体の相手に対してぶっ放すアレンジわざである。なお、ライは過剰に電気を貯めると、ものすごく電気袋がかゆいらしい。10まんボルトは正確にタマンタを射抜き、タマンタが苦悶の声を上げる。
「やった・・・!ん?なんの声だ?」
『おお、当たった!』『ってかあれ多分10まんボルト以上あんだろ・・・』『もう電気をぶっ放すネズミ?に対してはノーコメントなのね・・・』『ってかなんか様子おかしくね?』『別の鳴き声聞こえてね?』
「・・・」
うみは海岸に流れ着いたタマンタに近づく。タマンタは海面に腹を上にして黒焦げで浮かんでいる。そしてその横には、「釣り糸を引っ掛けた」テッポウオが目を回し、同じく黒焦げで浮かんでいた。
「『『『いやそっちぃぃぃ!?』』』」
海岸にうみと視聴者の絶叫がこだました。
「えー・・・それでは、とりあえず今回の釣り配信は一旦終了します・・・。今夜もう一度、雑談配信でお会いしましょう、さようなら」
『おつ』『おつーw面白いもん見れたわw』『あのネズミの事とか、説明楽しみにしてるよー』
気絶したタマンタとテッポウオを、配信でみえないように持っていた最後のキズぐすりで治療した後。配信を止めたうみは、ライに呼んで来させたバンギラスに頼み、2匹を家に運んでいた。夜の配信で話すネタとして、ライの事を話すこととなったが、ポケモンを探す上でいつかはこうしてライ達を見せるときはくるだろうと考えていたため、後悔はない。
「とりあえず、今問題なのはこいつらだな・・・」
応急処置としてテッポウオは水槽に、タマンタは裏庭の池に入れておいた。海水でないので大丈夫かは不安だが、他に方法がない。
「まさかタマンタじゃなくて、その下にいたテッポウオが釣れてたとはなぁ」
結果分かればなんてことはない、テッポウオが竿にかかり、驚いて泳ぎ回っているところに泳いでいたタマンタが運悪く引っかかってそのまま泳ぎ続けたというだけの話であった。なんとも間抜けな話であるが、タマンタからしてみれば突然テッポウオに引っ張られあっちこっちに引きずり回された挙句、ライの一点集中10まんボルトを食らうという笑えない状況である。
「ごめんね、タマンタ。とりあえず元気になるまでは世話するから・・・」
「タ、タマァ・・・」
まだ痺れているタマンタだったが、どうやら気にしていないようだ。こちらにニッコリと笑いかけてくる。なんだこの子天使かよ。
「ライ・・・」
「コゥ!コァ!」
ライが水槽のテッポウオに謝っている。こちらはどうやら怒っているようだが、顔が全く変わってないのでよくわからない。申し訳なさそうなライだが、正直シュールで笑える。
「・・・さてと」
タマンタ達に謝罪を済ませたうみは、夜に配信する説明会でどこまで話すか考えるのだった。
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「そっちはどうだ?」
「いや、問題ない。このまま観測を続けよう」
宇宙ステーションにて実験中の2人の宇宙飛行士。2人は現在、実験の準備に勤しんでいた。
「・・・ん?」
「なんだ?」
「いや、なんかあっちに蛇みたいなのが動いていたような・・・」
そう言ってオーロラ付近を指差す男。もう1人の男は笑いながら答える。
「はっは、そんなバカな。蛇どころか、他の生き物もいられないよここは。宇宙なんだぞ?」
その言葉に男は苦笑いで答える。
「そ、そうだな。多分デブリを見間違えたんだろう。悪い、作業に戻る」
そう言って、男達は作業に戻るのだった。
「緑色のデブリ級の大きさの蛇なんて、まさかな・・・」
次回、うみちゃん家に異変が・・・?