TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・   作:コジマ汚染患者

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どーも、14話です。
諸事情により、今回は結構短いです(´・ω・`)


第14話

「・・・よし!」

 

配信にて釣り師ニキの元へと向かうことを宣言したうみは、翌日になり、病院へと赴いていた。おじいちゃんことガンテツへとそのことを報告するためである。

 

「おお、うみちゃん。いつもすまんな」

 

病室に入ると、いつも通りガンテツや他の患者に甘やかされる。ガンテツのベッドの横に座ると、うみは真剣な顔でガンテツに相談する。

 

「・・・おじいちゃん。お願いがあるんだ」

 

「・・・なんだ?」

 

真剣な顔のうみを見て、重要な話だと分かったガンテツは真面目な顔で向き合う。空気を読んだ他の患者も、動ける者は病室を出て行き、動けない者は寝る体制に入る。

 

「色々と用事ができて、どうしても遠出をしなきゃいけなくなった」

 

「・・・それはどこまでなんだい?」

 

「東京」

 

そこで黙り込み、考える仕草をするガンテツ。東京は現在いる場所からは新幹線でもかなりの時間がかかる。黙ってしまったガンテツを見ながら、うみは祈るだけだった。

 

「・・・それは」

 

少しして、ガンテツがおもむろに喋る。

 

「誰かを助けるためなのかい?」

 

「・・・!」

 

驚くうみの表情を見て、くつくつと笑うガンテツ。

 

「一緒の期間は長くなくても、うみちゃんが誰かのため・・・他人の為に頑張る子だってのは分かってるさ。今回のその東京に行くのも、誰かを助けたいからだろう?」

 

ガンテツの言葉に気恥ずかしげに頷くうみ。そんなうみの頭を撫でるガンテツ。

 

「行ったらええ。もしダメじゃったとしても行かんと後悔するよりは行って後悔する方が納得できるじゃろう。わしもまだ完治には時間がかかる」

 

そう言って笑うガンテツを見て、はにかみながらありがとう、と言ううみ。

見えないところでは、他の患者がうんうんと頷いていた。

 

 

 

 

 

 

「よーし、みんな集まったね?」

 

お見舞いから戻ったうみは、庭に今家にいるポケモン達を集めていた。なんだなんだ、と集まったポケモン達の前で、踏ん反り返るうみ。

 

「俺は明日、東京に行こうと思う」

 

そもそも東京というものを知らないポケモン達は、出掛けるのか、ということがなんとなくわかるくらいで、だからなんだ、という雰囲気である。

 

「ただ、みんなを連れていくことはできない。精々専用のボールがあるミロとライくらいだ」

 

うみの横では、面倒になる前に、とあらかじめ連れていくことを教えられていたミロがドヤっている。ライもなんとなくノリでえっへん、と胸を張る。

 

「そこでみんなに、ある仕事を頼みたい」

 

そう言ってうみが取り出したのは、ライのモンスターボールとキズぐすり。

 

「これと同じ、もしくは似たようなものをこれから山に行って探してもらいたい。ついでにポケモンがいたら、うちに呼んで来てもいいよ」

 

モンスターボールやキズぐすりは、ゲームでは個数はそこまででもないが、ごく稀に道中や森の中などに落ちているものもあった。それを見つけられないか、ということである。うみ自ら探すよりも安全かつ効率的に探せるだろう、という計算の上での提案であった。

うみの言葉に対する反応はそれぞれで違った。

 

ここで役に立つことを姉御に分かってもらうぞ!とやる気に満ち溢れるスピアー軍団。

 

そんな事より一仕事してきてお腹すいた、と明後日の考えをしているサイドン。

 

あ、これ何か起きて面倒なことになるやつだ・・・と既に何かを察した表情のバンギラス。

 

「じゃあみんな、明日から頑張ろー!」

 

えいえいおーっと拳を掲げるうみと、それに同調するスピアー軍団となんとなく合わせるサイドン。その光景を見ながら、この主人についてきたのは間違いだったかも知れん、と目が死んでゆくバンギラスであった。

 

 

 

 

「じゃあ、行ってきます」

 

敬礼するスピアー達に見送られつつ、出発するうみ。Tシャツの上から羽織った赤いジャンパーに、下はジーンズ。

少し大きめの黄色いリュックを背負い、長い銀髪を赤い野球帽の中に詰め込んで動きやすくしたうみは、長時間の移動でも耐えれるよう購入した黄色い運動靴を履く。

 

「へへへ、一度はしたかったんだよな、この格好」

 

そう言って笑いながら腰にぶら下げた二つのモンスターボールを撫でる。

中にはライとミロが入っている。ライならば動かないようにしてもらって、ぬいぐるみだと言い張れば問題ないだろうが、ミロはもう大きさ的にアウトだ。公共交通機関を使う以上、ボールでの携行は致し方ない。

 

「大丈夫だとは思うけど・・・」

 

最寄りの大きな駅で新幹線を待ちつつ、配信中やその後のメールで届いた情報のメモを見つつ不安な顔をするうみ。釣り師ニキのミニリュウは画像を見る限り何かに引っ掻かれたような跡があった。ポケモンであるミニリュウを傷つけることができるということは、すなわち。

 

「相手もポケモンだった・・・ってことだよね・・・」

 

急ごう、そう思いつつ到着した新幹線へと乗り込むうみなのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・あっ、これ途中で止まるじゃん!間違えた!?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・これで少しはマシだろう」

 

そう言ってミニリュウの包帯を取り替える釣り師ニキことワタル。ミニリュウは未だ警戒を解いたわけではないが、すでに暴れるほどの体力がなかった。今では精々ゆっくりと這うくらいしかできない。

 

「そろそろ届くはずだから落ち着いてくれよ・・・っと、噂をすれば」

 

家のドアを叩く音を聞き、スレ民に頼んでいたきのみが届いたのだと思い、玄関へと向かうワタル。

 

「はいはーい、っとなんだ。〇〇さんじゃないっすか。どうしたんですか?そんなに慌てて」

 

しかし居たのは、ワタルの祖父の漁師仲間であった。走ってきたのか、青い顔で下を向き、肩で息をしている。

 

「はぁ、はぁ、ワタル君!大変だ!じいさんが山で熊に襲われた!」

 

「はぁ!?」

 

あまりに予想外の言葉に仰天するワタル。奥の部屋でミニリュウが驚いてガタンと音を立てる。

 

「な、なんで!この間山に登ったばっかだろうが!?なんでじいさんが山に!?」

 

「その時に忘れてきた道具や重いから後で取りに行こうと思っていた物を取りに行ったんだ!そこで、見たことのないバカデケェ熊にであって・・・。今は怪我したじいさんを連れて山の中腹にある川沿いの小屋に逃げ込んでる!俺は命からがら逃げてきたが、あの熊化け物だ!警察も呼んだけど、このままじゃ間に合うか・・・!」

 

その言葉に頭が真っ白になったワタルは、急いで自室に戻り、リュックを引っ張り出す。中にはさまざまな応急処置用の道具や薬が入っている。

 

「こんなところでじいさんの日頃の備えが役に立つとはな・・・ん?」

 

必要なものを詰め、急いで家を出ようとしたワタルの背に、新たに重みが加わる。後ろを見ると、ミニリュウが乗っかっていた。

 

「おい、降りろ!今はお前に構ってる暇はないんだ!というかお前、怪我してんだろ!大人しく・・・」

 

「フゥ!」

 

「!」

 

していろ、と言おうとしたワタルを遮るように、連れてけ!と言わんばかりの鳴き声を出すミニリュウ。その真剣な目に何も言えなくなったワタルは、ため息を一つつき、家の前に止めていた車に乗り込む。

 

「どうなってもしらねぇからな!」

 

「フゥ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「キョウさん。通報が入りました。外来種対策課案件だそうです」

 

電話対応をしていた部下からの言葉に腰をあげるスーツの男性ーーーキョウは、その凛々しい顔に真剣なオーラを纏わせる。

 

「内容は」

 

「〇〇県の山の中です。山で植林活動をしている団体の人間が、種類不明の大型の熊に襲われているとのことです。聞き取りで判明した外見的特徴が、〇〇県でのキャンプ場熊騒動の際の情報と一致しています」

 

「同個体か、それとも別個体の同種か・・・とにかく俺も出向く。もしキャンプ場と同じ個体なら通常の警官では役に立たん。SATにも応援を頼め」

 

「はい!」

 

慌ただしく動き出す職員達の間を抜け、未だにパソコンの前でフヒヒアババと奇声を発しながら情報を驚異的な速度で集めるタケシの首根っこを掴む。

 

「あイダァ!?何するんすかキョウさん!」

 

「仕事だ。さっさと車に乗れ」

 

「ちょ、なんで俺なんですか!俺にはうみちゃ・・・公安のために外来種の有力な情報を集めるという重大な仕事が・・・!」

 

「もうすでに不純な動機が見えてるじゃねぇか

。さっさと運転しろ」

 

「そして俺が運転ですか!?」

 

あぁぁんまりだぁぁぁぁ!と泣き喚くタケシを他所に、携帯で何処かへと連絡を取るキョウ。

 

「・・・マサキか。急いで〇〇県の〇〇山へのリアルタイムでの最短ルートを頼む」

 

 

 

 

 

 

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新人配信者:うみちゃんについて語るスレpart6

 

361:農家

 

おい、ヤベェことになった

 

362:名無し

 

どうした農家ニキ

 

363:農家

 

うちのコロがなんか様子がおかしい

 

364:名無し

 

どゆこと?

 

365:農家

 

ものっそいアグレッシブになった。あと、なんかすげぇ火吹き出した

 

366:名無し

 

ファッ!?

 

367:名無し

 

おいおい、まさか・・・

 

368:名無し

 

ポケモンにでもなったってのか!?

 

369:農家

 

わからん、でもその可能性は高い。性格は変わってないし俺になついてるとこも変わってないが、すげぇ力が強え。それとやっぱり火吹いてる

 

370:名無し

 

ジーザス・・・

 

371:名無し

 

これはあれか・・・ひょっとしたら俺らの周りでもポケモンが現れるってこともありえるんじゃないか!?

 

372:名無し

 

お前天才かよ

 

373:名無し

 

スレやってる場合じゃねぇ!

 

374:名無し

 

探せ!ポケモンをいち早く手なずけることが出来れば、うみちゃんとのご対面も夢じゃねぇぞ!

 

375:名無し

 

ポケモンか・・・?欲しけりゃくれてやる・・・!探せ!その辺の草むらに置いてきた!

 

376:名無し

 

 

377:名無し

 

おい、人数だいぶ減ってるが、ポケモンはそもそも野生だと結構危険て話じゃなかったか?

 

378:名無し

 

 

379:名無し

 

あ(察し)

 

380:名無し

 

もういなくなってるし・・・ああ、いい奴だったよ

 

381:名無し

 

死んだ扱いw

 

382:名無し

 

取り敢えず死なねぇといいな。割とマジで

 

 

 

 

 

 

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スレ民が無謀な行動に走り、うみがワタルの元へ向かい、ワタルは祖父を助けるためミニリュウとともに山へ向かい。キョウとタケシも通報を受け山へと向かう。そんな三者三様に動き出す中。とある別世界からその様子を見ていた『それ』は、静かに、それでいて素早く行動を始めるのだった。

全ては力を取り戻すため。そして、

 

「・・・GURUKYUAーーーーー!!!」

 

自身の力を『奪ったと思われる存在』を捕まえるために。




次回。ミロ、蹂躙

マ〇ロ、ご期待ください。

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