TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・   作:コジマ汚染患者

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どーも、19話です。
特に書くことないんでさっさといきまーす(´・ω・`)


第19話

スレの発見から数日が経過した。

 

 

50:名無し

 

で、こういうわけなんだが、うみちゃん的にはどんな感じ?

 

51:うみちゃん

 

あー、多分コラッタですね。諦めて、とは言えない状況ですが・・・

 

52:名無し

 

飲食店にまで出るのは結構まずいよなぁ

 

53:名無し

 

でもコラッタやろ?普通の方法ではどうにもならんやろうなぁ

 

54:うみちゃん

 

ですね。とりあえず直近の対策としては、食料品の匂いとかをどうにかして、コラッタが居着かないようにしてみて下さい

 

55:名無し

 

わかった

 

56:名無し

 

忌避剤とか使ってみたか?あれも効果あるかもしれんぞ

 

57:名無し

 

なるほど、その手があったか

 

58:うみちゃん

 

へえ、そんなものもあるんですね

 

59:名無し

 

まぁ基本的には毒エサとかネズミ捕りシートとかの方が使われるっぽいしな

 

60:名無し

 

なぁうみちゃんに聞きたいんだが、うちの庭の裏手に最近たぬきっぽいんだが若干たぬきじゃない生き物が来るんだが。うちの子どもが餌付けしちゃってしょっちゅう来るんだ

 

61:うみちゃん

 

画像とかあります?

 

62:名無し

 

待っててくれ、今送る

 

63:うみちゃん

 

ああ、ジグザグマですね。まめだぬきポケモン、好奇心が旺盛で何にでも興味を持つんです。この子は多分、人懐っこいみたいなんで世話してあげればそのままゲットできるんじゃないでしょうか

 

64:名無し

 

まじでか、新しいポケモン持ち誕生!?

 

65:名無し

 

おお!

 

66:名無し

 

待て待て、このジグザグマって、危険だったりしないのか?

 

67:うみちゃん

 

多分大丈夫かと。好奇心が強いので家具とか壊さないように、っていう点には気をつけたほうがいいでしょう

 

68:名無し

 

さて、傷も癒えたし、そろそろまたポケモン探しでもしようか

 

69:うみちゃん

 

気をつけて下さいね。あまり無闇にポケモンを探していると怪我では済まない可能性もあるんで

 

70:名無し

 

ああ、そこは分かってるよ。前回結構痛い目にあったしな

 

71:名無し

 

にしてもこのスレ結構爆発的に増えたよな、人

 

72:名無し

 

まー最近のポケモン騒動の増加でニュースにならない事件も増えたしな

 

73:名無し

 

間違えるな、外来種だよ。初見じゃポケモンって言われても分からんだろう

 

74:名無し

 

つってもここのスレの住民ポケモンとしてしか認識してないし

 

75:名無し

 

そのくらいは分かってもらうべきだろ

 

76:うみちゃん

 

俺としてもその方がありがたいです

 

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スレへと書き込みながら、んーっと伸びをするうみ。

 

「盲点だったなぁ。こういう方法もあったとは」

 

配信でスレの存在を知ってから、うみはスレを使用しての情報収集も行うようになった。それにより、また新たな情報源ができたことで有力な情報も増えた。

 

「にしても、これはこれで困るなぁ・・・」

 

そう言ってパソコンを閉じリビングを通り、庭へと出るうみ。そこには、山のように積まれたきのみがあった。

 

「確かに頼んだけどさぁ・・・」

 

出かける際にスピアー達に頼んでいたきのみやアイテムの収集だが、予想外にも大量に発見されたのだ。チーゴのみ、オボンのみ、キーのみ、カゴのみ。オレンのみにモモンのみと、もはや異常と言えるレベルで集まり、今なお山から戻ってくるスピアー達が置いていく。

 

「あー、もういいと思うから全員いつも通りに過ごしていていいよ?」

 

「スピッ!」

 

ビシッと敬礼するスピアーA。ブンブンと元気よく飛びながらスピアーBになにやら話し、そしてさらにスピアーC、Dと飛んでいき、話をする。そうこうしているとうみの周りにはスピアーが集まる。その手には、きのみでないものがある。

 

「これって・・・!」

 

それを受け取り、驚愕するうみ。それは、うみも持っている重要で、しかしとても貴重なものだった。

 

「ボール!?こんなに・・・一体どこから!?」

 

うみの前には、十個にも及ぶモンスターボールが置いてあった。六個は通常のボール、二個が青いスーパーボール、残り二個はなんとハイパーボールだった。

 

「これどこにあったの!?すごいじゃん!」

 

嬉しそうにはしゃぐうみだが、スピアー達は若干申し訳なさそうに目をそらしている。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

とあるコンビニ

 

「あっれー?センパーイ、ここに置いてあったボールみたいなの、どこに置きました?」

 

「ああ?ああ、あれか?知らねーぞ?だれか持ってったんじゃね?」

 

「っかしーなー・・・あれ、窓開いてら。閉めとけよな全く・・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「これがあれば、キョウさんに頼んでボールの研究ができる!」

 

喜び勇んでキョウに連絡を取るうみ。スピアー達はまぁ姉御が喜んでるならいいか、と気を取り直して巣へと戻る。

 

「あ、少しならきのみ食べてもいいよ。でも食べすぎないでねー」

 

『もしもし、うみちゃんかい?』

 

「あっ、はい!キョウさん、いい知らせがあるんです!」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「そうか・・・ありがとう、少ししたら人を寄越すよ。・・・ああ、すまない、そうしてくれ。じゃあまた今度」

 

「どーしたんすか、キョウさん。奥さんと娘さんですか?」

 

キョウをからかうように笑うタケシ。そんなタケシに対して軽く小突きながらジト目を送るキョウ。

 

「アホ抜かすな。仕事中だ、しゃきっとしろ」

 

「へーい。・・・で、実際のところは?」

 

「うみちゃんからだ。モンスターボール。発見されたそうだ」

 

「くぅーっ、なんで連絡先交換しなかったんだー俺ぇ!羨ましいっすよキョウさん!」

 

「そこじゃないだろ今は」

 

「はいはい・・・で、個数は?」

 

「十個だそうだ。自分のポケモンに探させたらしい」

 

「ほえー、そりゃすげぇや。うみちゃん以外にはできねぇ芸当ですね」

 

前を向いたまま話す2人。現在2人の前では、警視総監やその他警察の上層部の人間とピッシリとスーツを着込んだワタルが話し込んでいる。

 

「にしてもワタル君にはとんだ災難ですね。完全に目が死んでますわ」

 

「それでもうみちゃんを出すよりはマシだろう」

 

「ですね」

 

(あんの2人ィィ!ヘルプしてくれるって言ったのに何のんきに電話してんだぁ!?)

 

お偉いさんへと自分が知る限りのポケモンの情報を話しながら、それとなく警部2人へと殺意を向けるワタル。

 

「それで、そのポケモンとやらの情報は一体どこから得たのかね」

 

(・・・来た!)

 

一通りの説明を終えたところで、ついに警視総監から本日屈指のキラーパスがくる。事前にキョウやうみと話し合った結果、下手に隠さず情報元をはっきりさせるほうが良いという結論にはなった。しかし、ワタルとキョウにはある懸念があった。

 

「・・・それは、とある少女からです」

 

「少女?」

 

先程まで真剣に聞いていた人達の顔が曇る。最近問題となっている事件の重要な情報の出所が少女だと聞いては、仕方ないのかもしれない。

 

「それでその少女とは一体何者かね?」

 

「俺が知ることはあまり多くないですが、一言で言うなら、動画配信者の少女です」

 

「動画配信者・・・か」

 

その言葉に今度こそ鼻で笑う者が出る。配信者が情報元ということで、なんだガセか、と話をまともに聞こうと言う空気が薄れる。

 

「ですが、皆さまはきっと情報の確度について疑問をお持ちでしょう。そこで、俺のポケモンを見てもらいたいと思います」

 

「・・・なに?」

 

そう言うと、自身の横に置いていた動物用ケージを持ち上げるワタル。入り口を開けると、中からスルスルとミニリュウが現れる。

 

「な・・・!?」

 

「これは・・・」

 

「こいつが俺のポケモン、ミニリュウと言います」

 

ワタルの紹介に、元気に「フゥ!」と挨拶するミニリュウ。それを見ていた者達は唖然とする。唯一警視総監1人がミニリュウを見定めるかのように黙って見つめる。

 

「・・・おもちゃや、ただの蛇をペイントしたとかではないのか?」

 

「いいえ。蛇がこのように鳴くことがあると言うのなら話は別ですが。それに、おもちゃとは言えないくらいには生物的に動いてますよね?」

 

「う、うむ・・・」

 

ミニリュウを偽物扱いされ嫌な気分になったのか、少し言葉に棘があるワタル。ミニリュウの驚きでそれどころではない発言者が唸りながら座る。するとずっと黙っていた警視総監がおもむろに喋り出す。

 

「そのポケモン・・・ミニリュウといったかな。具体的にそのポケモンぐらいではどのようなことができる?」

 

その言葉にワタルが目配せをすると、キョウとタケシが頷く。

 

「実際に見てもらった方がわかりやすいでしょう」

 

失礼、と言ってミニリュウを連れ少し机から離れるワタル。するとキョウとタケシが警察で使用されるライオットシールドを持ってくる。

 

「ミニリュウ、『たたきつける』!」

 

「フゥ!」

 

ミニリュウがその尻尾でシールドを叩く。すると、バットで殴ろうとも大丈夫なライオットシールドが、思い切りへしゃげる。

 

「!?」

 

「な・・・!」

 

これには流石に警視総監も眼を見張る。

 

「このように、ミニリュウ程度ならこのくらいの力があります」

 

ワタルが席に着くと、ミニリュウが膝の上にさっと飛び乗る。その動きにさえ反応し、ビクッとなる。

 

「ポケモンは今見ていただいたように、状況によっては非常に危険です。ですが、今俺の膝の上にミニリュウがいるように、心を通わせることで良きパートナーとして接することも可能です。どうか、この事実も、今後の考慮に入れていただきたいと考えます」

 

「「「・・・」」」

 

ワタルの説明が済み、一礼して席を立つワタル。ミニリュウを抱え部屋を出ると、へたり込んでしまう。

 

「・・・はぁぁぁぁぁ疲れたぁぁぁぁぁ〜」

 

「お疲れさん」

 

「本当に疲れましたよ。助けてくれるんじゃなかったんですか」

 

「はっは、すまんな。にしても、最後の言葉はアドリブだったがいい言葉だったぞ」

 

「・・・まぁ素直に受け取っときますわ」

 

ため息とともに魂まで出て行きそうなワタルに、缶コーヒーを渡しながら隣にくるキョウ。缶をもらいながらワタルは問う。

 

「これでいいんですかね」

 

「ああ。少なくとも、ことは急を要するってことくらいわかってもらえただろうさ。あとは俺らの仕事だな」

 

そう言って笑うキョウを見ながら、ワタルはふと疑問を口にする。

 

「キョウさんって、なんですぐにポケモンを信じたんですか?」

 

「ん?」

 

「ああいや、ライくんを見ていたってのもあるだろうけど、さっきのお偉いさんみたいにおもちゃだとか考えなかったんですか?」

 

「んー・・・」

 

ワタルの質問に少し考えるキョウ。缶を手慰みにしつつ話し出す。

 

「目、だな」

 

「目?」

 

「ああ、うみちゃんの目だよ。あの子、育ちが関係してるのかもしれないが、結構真面目な話の時は無表情だろう?」

 

「まぁ、はい・・・」

 

「でもよく見たら、目に内心が結構出てるんだよ。事情聴取の時もしっかり出てた。こちらに何かをわかってもらおうと言う真剣な熱意。わかってもらえるのかっていう不安。そんな目で見られたら、大人として嘘だーなんて言えねぇよ」

 

そう言って缶のプルタブを開け一気に飲み干すキョウ。完全に飲みきると、缶を放り投げる。缶はジャストゴミ箱の穴に入り、それを見ながらキョウが呟く。

 

「そう言う子どもの願いってのは、叶えてやるのが大人の務めってもんさ。さて、お仕事しますか。ワタル君はもう家に帰っても大丈夫だ。お疲れ様」

 

肩を叩き、不敵に笑いながら歩いていくキョウを呆然と見つめながら、ワタルとタケシは呟くのだった。

 

「・・・かっけぇ」

 

「フゥ・・・」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そんな事はつゆ知らず、うみは現在海に来ていた。

 

「・・・あ!いた!おーい!」

 

水平線を見渡し、何かを見つけ飛び跳ねながら手を振るうみ。そんなうみの元にやってきたのは、いつぞやのタマンタだった。

 

「タマー」

 

「よーしよしよし。元気にしてた?」

 

擦り寄ってくるタマンタに癒されながらなでなでするうみ。ひとしきり撫でると、とあるものを取り出す。

 

「ねぇタマンタ、少しお願いがあるんだ」

 

「タマー?」

 

「実は、少し知りたいことがあるから、これを探して欲しいんだ」

 

そう言って取り出したのは、メモ帳。そこには、不思議な模様の描かれた青い石が描いてあった。

 

「『あいいろのたま』っていうんだけど、見たことない?」

 

「タマ〜」

 

申し訳なさそうに首を振るタマンタ。そうかー、と呟きながらもモモンのみを取り出す。

 

「ありがとうね。これお礼。もし見つけたらまたここにくるからその時教えてね」

 

「タマー!」

 

はーい!という風にヒレをあげるタマンタ。天使か。連れてきていたライとハイタッチして海へと帰っていくタマンタを見送ると、真剣な顔になるうみ。

 

(もしもカイオーガやグラードンといった伝説の中でも厄介なのがこっちにきてしまったら・・・おとなしくしてくれればいいんだけど、暴れれば大変だ。せめて存在だけでも確認して『たま』を確保できれば・・・)

 

「・・・行くよ、ライ」

 

「ライ!」

 

ライを連れ家へと帰るうみ。ポケモンと人との共存。そのための長い長い過程が、ようやく動き出しつつあった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『もうだめだ・・・お腹すいて死んじゃいそうだぞ・・・』

 

森をさまよっていたとあるポケモンは、もう空腹が限界だった。どこかにあるだろうと探していたきのみはなぜかどこにも無く、当て所なく彷徨い続け既にふらふらである。

 

『・・・!』

 

ふと、何かの匂いを嗅ぎつけるポケモン。その方向を確認し力を振り絞り駆け出す。

 

『この匂いは・・・きのみの匂いだぞ!』

 

そうして駆け続けると、森を抜けひらけた場所にたどり着く。

 

『きのみだ!』

 

「キャウキャウゥゥ!」

 

そこには山のように積まれたきのみがあった。ようやく見つけた食料に歓喜の声をあげつつ、貪り食らうポケモン。

夢中でがっつくが故にポケモンは気づけなかった。

背後に、巨大な影が立ち、その爪を振り下ろすのを。

 

「ガァ!」

 

「キャン!?」

 

吹っ飛ばされたポケモンは空中で態勢を立て直す。数mほどズザーっと地面を滑り、相手を見据える。

 

「ガァ!」

 

『おいらの食事の邪魔するな!』

 

その相手ーーーバンギラスに威嚇しつつ、ポケモンは戦闘態勢に入る。バンギラスもきのみをこれ以上食べられないために、仁王立ちで立ちふさがる。二匹が睨み合いをしていた時だった。

 

「ただいまー。バンギラス?騒がしいけど何かあったー?」

 

『だれだ!?』

 

「グゥ・・・」

 

「どうしたの・・・って、え?」

 

こうして、少女とポケモンは出会うのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「えー、それでは今日はこの廃墟に出ると言われている幽霊は本当にいるのか!?って事で、〇〇と一緒に入ってみようと思いまーす!」

 

数日前、うみがワタルの元へと向かった日の夕暮れ時。とある廃屋の前、カメラ片手に笑う男が2人いた。1人はカメラを持って片方を映し、もう片方は廃屋の壊れた壁から中に入っている。

 

「やべー、結構雰囲気あるわー」

 

「おー、これはマジで期待できんじゃね?」

 

笑いながら奥へ奥へと入っていく2人。ふと、カメラを持つ方の男が何かに気づく。

 

「・・・なぁ、なんか寒くね?」

 

「あん?ひょっとしてびびった?」

 

「ちげーよ!ただなんか寒くなってきて・・・」

 

「かぁー!聞きましたかみなさん!こいつやっぱビビリっすわw」

 

カメラに向かってオーバーリアクションでそう言う男。カメラの方は不機嫌になりながらも、気のせいだとしてそのまま進む。

 

そんな2人を、キシシと笑う紫の影とガスのようなもので出来た球状の存在が見ているのだった。

 

 

 

 

その後その2人は行方不明となっており、未だ見つかっていないとのことだ。




一応書いておくと、このSSでのポケモンは人が食べるものでも普通に食えます。そうじゃないとまだきのみくらいしかきてないのに何食ってるんだってなりそう(小並感)
・・・流石に、人は、食いません・・・よ?

次回、どうあがいても伝説

お楽しみに

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