TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・ 作:コジマ汚染患者
とりあえずうみちゃん描いてみようと思いましたが、ぜんっぜんダメでした(絶望)
素直に諦めることとします・・・( ´・ω・`)(´・ω・` )<ムズカシイネー
「そうだ、海行こう」
ある日、うみは唐突にそう言った。
夏であるというのに、釣りには行ったのに海で泳いだり遊んだりといったことをしていない。それに、ちょうど配信で何かに使うかも、と購入した耐水性の高いカメラが届いたこともあって、折角なので海で遊んでみようと思い立ったのだった。
「ライ、ミロを呼んできて。面白くなるぞー」
「ライ?」
ウキウキで準備を始めるうみ。そんなうみを見つつ、まぁ楽しそうだしいっか、とミロを呼びに行くライなのであった。
「あっ、そうだ・・・もしもし、今大丈夫ですか?」
・・・
「すぅー、海だー!」
「ライー!」
ライとともに両手をあげ、楽しそうに絶叫するうみ。ライもノリノリで真似をし、ミロはそんな2人を呆れた様子で見る。流石に普段釣りをしている場所は危険もあるということで、バスに揺られ数十分、公共の海水浴場へとやってきた。どうやら海水浴シーズンから少し外れているため、人はかなり少なくライ達を見られる心配もない。
「よし、泳ぐぞ!」
「ライ!」
そう言ってうみはライとミロに荷物番を頼み、更衣室へと向かう。
「どーも、うみです。今日は海水浴場にやってきました。今日は特に企画モノとかではなく、ただ遊んでいこうと思います!」
『わこ・・・!?!?』『ちょっと待て、水着だとォォ!?』『わが世の春・・・いや夏が来た』『特定班!急いでこの海水浴場を特定せよ!』『やらせねーよ』『しまった!警察ニキ!?』
なにやらコメント欄が荒れているようだが、変態警察ニキことタケシが面倒な輩をことごとくシャットアウトしている。そんなコメントの荒れ具合は意に介さず、うみはむふーと偉そうに胸を張る。
ブルーのスポーツブラタイプの上に、同色のトランクスタイプのジーンズ風の下。ボーイッシュな水着ながら、流れるような銀髪をポニーテールにまとめたうみの可愛らしさを強調している。太陽の光を反射してきらめくその銀髪と青一色のシンプルなデザインの水着を見て、コメント欄が歓喜の絶叫に染まる。
「ふっふっふー、今日は俺の超絶水泳テクニックをご覧に入れるとしましょうか!」
『どやうみ来たー!』『そんなに張っても胸は無いよ?』『オイオイオイ』『死んだわあいつ』『でもうみちゃん1人ってヤバない?』『あー、ロリコンとかロリコンとかロリコンとかな』『変態しか選択肢ねぇ!?』
「ふーん、そんなこと俺が考慮していないとでも思いましたか?」
『なに・・・!?』『まさか・・・!?』『知ってるのか雷で・・・警察ニキ!?』
「じゃーん、今日は保護者枠で釣り師ニキに来てもらいましたー!」
『絶許』『おのれ釣り師ニキィィィッ!!』『信じてたのに・・・』『失望しました、那珂ちゃんのファンやめてうみちゃんリスナーになります』『うほっ、いい男』『ホモはカエレ!』
「えー・・・どうも釣り師ニキです」
コメントからの大バッシングを受け口元が引きつり気味のワタル。
キョウからの依頼でうみの持つモンスターボールを回収にやってきたワタルだったが、こうしてうみの保護者として海水浴場に同行していた。
それなりに引き締まった体で、履いている炎柄のトランクスタイプの水着が派手ながらもワタルの漢らしさを際立たせる。
「来るときに水着を持ってきてくれと言われた時は何をするのかと思ったけども・・・まぁ海は嫌いじゃないんだが」
「でしょ?それに、ミニリュウだってたまにはのびのび泳がせてあげないと。ねー?」
「フゥ!」
ため息をつくワタルに笑いかけながら、ミニリュウを抱きかかえるうみ。大人しく抱かれているミニリュウにお前もっとアグレッシブだったろ、と目を細めるワタル。
『羨ま尊死』『うみちゃんは尊いが釣り師ニキそこ代われ』『今から速攻で向かうから海水浴場の場所おなしゃす』『警察ニキ・・・』『とうとう変態警察の意味が変わってしまった・・・』
「じゃあ行きますか!」
「ライ!」
「ああ、ほら行くぞ、ミニリュウ」
「フゥ」
「お前ほんとに俺のポケモンか!?うみちゃんとのテンションの差はなんだ!?」
『草』『まぁ残当』『俺もうみちゃんに抱きかかえられたいわ』『ポケモン化願望ニキ怖いわぁ』
「いきますよー、そりゃぁ!」
「ぶわっ!?くっそ、くらえ!」
「わぶっ!・・・やりましたね〜?行けミロ!『ハイドロポンプ』(対人用低威力ver)!」
「ボボボボ!?」
「ライライ!」
「フゥ!?」
水際で水の掛け合いをするうみとワタル。うみが水をかければワタルが水をかけ、そしてうみの仕返しとしてミロがハイドロポンプでワタルを吹っ飛ばす。やや沖の方では、器用にも尻尾でサーフィンをするライと、それを見て驚きながらゆったりと泳ぐミニリュウ。
『くっそ、まじで羨ま死するわ』『こうしてみると・・・似てない兄妹?もしくはカップル?』『おま・・・全リスナーが考えながらも決して言わないようにしていたことを・・・!』『判決、死刑』『裁判官ニキ!?結論が早すぎる!?』
防水カメラをさらにジップロックの袋に入れて配信されるその光景を、恨みの呪詛を垂れ流しながら見る視聴者。
・・・イチャイチャを見せつける配信とか誰得だ?とも思える状況だが、むしろ視聴者は増えているようだ。
「ふぅ、結構遊びましたね・・・じゃあここからはコメントでやってほしい遊びを聞いてみます!」
『釣り師ニキを海に沈める』『釣り師ニキを砂浜に頭を下にして埋める』『スイカ割りならぬ釣り師ニキ割り』
「お前ら俺に何の恨みがあるんだ!?」
殺意の高い視聴者にワタルが突っ込む。うみは、コメントの一つを見てポンと手をつく。
「それじゃあ、スイカは持ってきてるんでスイカ割りしましょう!」
そういうと、海辺を探し木の棒を持ってくるうみ。目隠しがわりにタオルを使い、ぎゅっと目を隠すと、棒を持ち仁王立ちする。
「よし!釣り師ニキ、お願いします!」
「おう。置いたぞ」
ワタルがスイカを砂浜に敷いたシートの上に置くと、少し離れる。コメントの読み上げ機能をオンにし、視聴者から指示を受ける。
『もう少し左』『まっすぐ3歩』『10時の方向、今だ叩け』
「そぉい!」
「うおぉぉ!?お前ら俺の方に誘導すんじゃねぇぇぇ!?」
なにやら釣り師ニキの悲鳴が聞こえる。しかしスイカの手応えはない。
「あちゃ、失敗しましたか。すいません皆さん、もう一度お願いします!」
『任せろー(バリバリ)』『そのまま走ってみようか』『振り回しながら行けば当たると思うよ』
「えっ、そんなに遠くに行っちゃいました?わかりました、そりゃぁぁぁぁ!」
「お、お前らぁぁぁ!うみちゃん止まってぇぇぇぇ!」
砂浜に、少女に追いかけ回される男の悲痛な叫びが木霊するのだった。
「あはは、すいません釣り師ニキ・・・」
散々追いかけ回されたワタルだったが、どうにか読み上げ機能をオフにし、説得することでようやくうみを止めることに成功した。互いに走り回り疲れたため、パラソルを立て影で休む。
ライ達ポケモン組はいまだ海で泳ぎ、波に乗り遊んでいる。
「まったく、すげー疲れたわ・・・あいつら元気すぎるだろ・・・」
「まぁ、結構行動力高い子達ですもんね」
『いやー笑ったわ』『ざまぁでした本当にありがとうございます』『でもなんかマジモンのカップルの絡み見せられたみたいで草枯れる』『やめろ・・・やめて下さい・・・』
コメント欄も落ち着いてきたのか、先ほどのような大騒ぎではなくなっている。
「にしても、うみちゃん結構アクティブだったんだな」
「別に外で遊ぶのは嫌いじゃないですからね。それにライ以外にもポケモンが結構いるんで、外に散歩に行くことも多いんです」
『まー現状一番強いポケモン使いだもんな』『最弱は?』『チャラ男』『本当のこととはいえ酷くないっすか!?』『2番手は釣り師ニキかな?』『じゃあワンツートップの海水浴か』
コメント欄では誰が一番強いポケモントレーナーかという談義に入る。それを見ながら、ワタルはうみにボソリと呟く。
「・・・ありがとな」
「え?」
「ミニリュウ。俺じゃあ助けることはできなかっただろうし。何より、あの時うみちゃんがいなければ俺死んでただろうし」
『え、どゆこと?』『うみちゃん上京の時になんかあったっぽい?』『マジかよ、俺もポケモン探してくるわ』『また死者が出るぞー』『119にはあらかじめ連絡しとけよ?』
ワタルはミニリュウの方を見たままうみにありがとうと呟く。改めて感謝を述べるワタルに一瞬キョトンとしたうみだったが、すぐにふわりと笑う。
「ありがとうはこっちのセリフですね」
「え?」
予想外の言葉にキョトンとするワタル。うみはライとミロを見ながら、嬉しそうに呟く。
「最初は俺以外にポケモンを持ってる人どころか、ポケモンを信じてくれる人もいなかったですからね。正直、結構心にきてましたよ」
そう言って笑ううみだが、ワタルは複雑な顔になる。
かつて配信を見ていた者達の中でも、その頃はうみを何か闇を抱えて何処かおかしくなった少女程度にしか考えていなかった。ポケモンを実際に見て、配信でもライを見てようやく信じることとなった身としては、それまでのうみの孤独感は他人である自分にはわからないだろう。
「でも今は、俺以外のポケモンを持った人もいますし、コメントでも信じてくれる人が増えてます。わかってくれる人が増えて、配信をして、新しいポケモンに会って。そういった毎日が何より楽しくてたまらないんです。理解者って、本当に大事なんですよ」
『俺たちもいるぞ』『俺も今は信じてるぞ』『俺も、もううみちゃんのファンやで』『俺はライニキのファン(異端)』『お、ナカーマ』
「・・・へへへ、ありがとうございます」
視聴者が海の発言を聞いてコメントで励ます。照れ臭そうに笑ううみを見て、ワタルも無意識に微笑む。
「ラーイ!」
「あ、ライが呼んでますね。釣り師ニキはどうします?」
「俺はもうちょい休んでくわ。うみちゃん先に行ってていいよ」
「わかりました」
ライ達の元へと走っていくうみを見送るワタル。
『今更だがポニーうみちゃんも可愛いな』『それな』『わかるマーン!』『銀髪美少女と海に2人きり・・・』『何も起こらないはずがなく・・・!』『その場合俺は仲間を1人しょっぴかなければならなくなるんだが』『警察ニキ殺意高いな今日』
「ああ、うみちゃん忘れてったのか・・・」
ワタルがふと横を見ると、カメラが置きっ放しとなっていた。カメラを手に取りじっと見るワタル。
(・・・恩返しというわけでもないが、せめて俺は何があっても味方でいてあげたいな)
心の中でそう決意しつつ、うみ達の元へと向かうのだった。
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「今日はありがとうございました!今日の配信は終わります!次回もお楽しみに!」
『乙』『乙カレー』『うみちゃんが楽しそうで何より』『釣り師ニキ覚えとけよ』
配信を終わり、機材とカメラを片付ける。ライ達はまだ遊び足りないのか、海から全然帰ってこない。
「おーい、帰るよー・・・今日はありがとうございました、釣り師ニキ」
「いや、こっちも結構楽しめたからいいよ」
ライ達を呼びつつワタルへと礼を言ううみ。ワタルは手を振りながらにへらと笑う。
そんな2人の元に、ライ達がやってくる。しっかり遊んで満足げなポケモン達を連れ、砂浜を歩く。
「じゃあここで。今日は楽しめたよ、また今度、対策課で会おう」
「はい!じゃあ、気をつけて!」
更衣室で着替え、駐車場でワタルと別れるうみ。バイクに乗り、ヘルメット越しに笑いながら手を振るワタルとその背中で尻尾を振るミニリュウに見えなくなるまで手を振り、バス停でバスを待つ。
「・・・今日も楽しかったね」
「ライ」
ベンチに座り、ライを撫でつつしみじみと呟くうみ。気持ちよさそうに目を細めるライを撫で続けていると、バスがやってくる。
「・・・?」
バスのドアが開き、足をタラップにかけた時だった。
(・・・声?)
どこか悲しげな、それでいて綺麗な鳴き声のようなものを感じ海を見て立ち止まるうみ。
「どうしましたかー?」
「あ、いえ・・・乗ります」
バスの運転手に声をかけられ我に帰ったうみ。なお海が気になるが、すでに声は聞こえなくなっていた。
ただの気のせいかな、と思いながらバスに乗り込むのだった。
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配信者うみちゃんを布教するスレ
123:名無し
いやー、今日は神回だったわ
124:名無し
水着!うみちゃんの水着!
125:名無し
ポニーテールという普段しない髪型だったということも忘れるな
126:名無し
とにかく可愛かった。今回たまたまとはいえリアルタイムで観れてよかったわ
127:名無し
くそぅ!仕事が入らなければリアルタイムで観れたのに・・・!
128:名無し
リアルタイム視聴者勢の俺高みの見物
129:名無し
散々遊んだ後にポニーテールを結びなおしてるうみちゃん>>23:45
130:名無し
有能。いやまじで
131:名無し
首筋!最高ですありがとうございます(死去)
132:名無し
口にくわえたヘアゴムとかちょっと上目遣いなところとか、ここ好きポイントの宝庫やないかい(歓喜)
133:名無し
ところでこのイケメンは誰ぞ?
134:名無し
釣り師ニキ。古参の一人で、今は貴重なポケモン持ちの一人。うみちゃんを除いてはじめてポケモンを手に入れた人でもある。
135:名無し
クッソ羨ましいんだが
136:名無し
他のスレから興味惹かれてきた勢だが、何このてえてえの塊
137:名無し
それがうみちゃんやで・・・
138:側溝ピエロ
ハァイ、ジョージィ・・・うみちゃんの動画、観てる?
139:ジョージィ
(首を振る)
140:側溝ピエロ
oh・・・面白いから、ぜひ観てきなよ
>>URL「うみちゃん動画総集編」
141:ジョージィ
・・・そう言って実は可愛いだけで動画は微妙なんやろ。
騙されんぞ
142:側溝ピエロ
たしかに最初期のうみちゃんは口下手でお世辞にも上手いとはいえない。でも、回を追うごとに成長していくうみちゃんはとてもてえてえし、何より彼女は可愛い。
143:ジョージィ
ああそう、有名配信者見てくるわ
144:側溝ピエロ
待てや!
145:側溝ピエロ
ほら、この画像をご覧
>>水着画像
146:ジョージィ
なんやこれ!くそ可愛いやんけ!
147:側溝ピエロ
exactly!(もちろんでございます!)
ほら、可愛いだろう?こんな子の面白トークが見れるんだぞ?さあ見て
148:ジョージィ
(疑わしいものを見る目)
149:側溝ピエロ
oh・・・まだ疑ってるね?
おほっ、すごい顔。
150:側溝ピエロ
でもうみちゃんは基本視聴者とお話しする相談配信がメインの配信者だから、実は最初期とは比べ物にならないくらいおしゃべりしてくれるんだよ。しかも初見にこそ優しいし、最初から変わらずずっと謙虚だ。
151:ジョージィ
初見でも相談しやすい?
152:側溝ピエロ
えっ、うん・・・。
とにかくうみちゃんはいいぞジョージィ・・・
153:側溝ピエロ
そうだ、手を伸ばして・・・
154:側溝ピエロ
かかったな!お前もうみちゃんの沼にハマるんだよ!
155:ジョージィ
あああああああああ!!!
156:名無しの神父
そうして、>>155はうみちゃんリスナーとなった。
157:名無しの神父
動画の周回から永遠に抜け出せないループに陥ってしまったのだ。
158:名無しの神父
そうしてどうやっても抜け出せないので、そのうち>>155は、考えるのをやめた。
もうやだ
159:名無し
なにこれ
160:名無し
ただのおふざけだろ。気にしないでいいぞ
161:名無し
そんなことよりうみちゃんについて語ろうぜ
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とある北欧の森の中。夜になり、暗くなったその森では、今までにないほど凍てつく寒さが森を支配していた。異常なまでの気象に、既存の獣は皆逃げ出し、残っているのは逃げ遅れたもの達のみだった。そんな極限の環境と化した森の中を、悠然と歩く影があった。その姿は、まるで鹿のようでありながら、青を中心とした体色はただの生物でないことを示していた。そのツノは無数に枝分かれしており、そのツノは水色をしていた。
『・・・』
と、歩いていたその影は立ち止まる。目の前には、寒さに耐えられず弱り、瀕死となったトナカイがいた。それを見た影のツノが金色となり、さらには無数の宝石のようなものが増え始める。
『・・・!』
そうして影は力を高め、そのエネルギーを解放する。すると、死にかけていたトナカイが光に包まれる。光が収まると、突如そのトナカイは先程までの様子が嘘のようにガバリと起き上がると、一鳴きしてものすごい勢いで走り去る。
『・・・』
それを見送った影は、ツノから漏れていた光を消し、もとの水色へと戻す。
そうしてしばらく空を眺めていた影はやがて、森の奥へと消えて行くのだった。
水着がどうしても思い浮かばない紳士の方は、「バカテス 秀吉 水着」と画像検索してみてね!あれの色が青色バージョンです。
掲示板、一度はこのネタやりたかったんですよ・・・謎の達成感。少しアレンジはしてますが。
次回、
「うみちゃん肝試し」
「釣り師ニキ、テレビに出る」
「政治家達の死闘」
次回もお楽しみに