TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・   作:コジマ汚染患者

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どーも、30話です。
ただいま戻りました。
大幅に更新が遅れてしまいすいません。
ミッション(仕事)を受けに戦場(会社)へ行ったところ、上司から
「騙して悪いが仕事なんでな。死んでもらおう」
ということで最近なにかといがみ合ってる某隣国へと行ってきました。なんか行った先の人は妙に冷たいし、ハーメルンのメールでまた謎の怪文書送られてくるし。もうSAN値ゼロです・・・
以上!言い訳終わり!今回は結構長いです(´・ω・`)1万字超えた・・・!?


第30話

特訓を開始し、ミニリュウがハクリューに進化するという目に見える成果が出た翌日。ついにキョウが呼んだ協力者がやってきていた。

 

「どもー、すいませーん」

 

「あ、はーい」

 

朝だれよりも早く起き、ライとミロに手伝ってもらいながら朝食の用意をしていたうみ。玄関からの声に応えながら、ライにドアを開けてもらう。

 

「あ、うみちゃんやっけ?どもども、ワイがキョウのおっさんの紹介で来た、マサキ言います」

 

「あ、どうも。おれはうみって言います。とりあえず上がって下さい。もう少ししたら皆さんを起こして朝食なんで。宜しければご一緒にどうです?」

 

うみの言葉に目を輝かせるマサキ。

 

「マジですか!?いやー、誰かの手料理とか久しぶりやねん、ご馳走になります!」

 

嬉しさのあまりうみの手を取りブンブン振るマサキ。ちょっと変な人だなぁと思いながらリビングへと案内するうみなのであった。

 

 

 

 

「おはようございます、朝ごはんできてますよ」

 

「おーおっさん、お先に食うとるで」

 

「・・・おお、来てたか」

 

朝に弱いのか、夜遅くまで男性陣で話していたからなのか、少し眠たげなキョウさん。その後ろからはゾンビのようなうめき声をあげながら他の人もやってくる。

既に食べ始めているマサキにキョウ以外は驚くものの、まだ頭が働いていないのか反応が薄い。

 

 

「さっさと座りましょうやおっさん。この子の飯ほんまに美味いで!」

 

「・・・てめぇぇぇ!なぁぁぁに勝手に食ってんだコラァァァ!」

 

「どわあぁぁぁぁ!?」

 

寝起きでかなり不機嫌そうなタケシがマサキに飛びかかる。騒がしくなってきたリビングを見ながら、うみはどことなく楽しそうに朝食を運ぶのだった。

 

 

 

「えー、改めて自己紹介します。ワイはマサキ言います。キョウのおっさんの紹介で対策課の情報・電子系統の担当に入りますわ」

 

全員が食卓を囲んだところで、マサキが自己紹介する。散々騒いでいい加減目が覚めた面々が黙って頷く。

 

「・・・こいつは色々と訳あって俺が保護していた親戚なんだが、本人も言っていたように電子戦には無類の強さを誇る。今後さまざまな情報を得るために使ってやってくれ」

 

「よろしゅうに」

 

ニヒヒと笑うマサキに、各々が挨拶する。

 

「あ、そうだ。パソコンとかに強いのなら一つ調べて欲しいものがあるんですけど・・・」

 

「なんや?まぁ、マサキ君はてぇんさいですから?8秒で全部理解してやりますよ!」

 

鼻高々に自慢を始めるマサキ。周囲の面々がだんだんイラッとし始めた頃、うみが二階からとある機械を持ってくる。

 

「これなんですけど」

 

「はっはっは・・・待てなんだこれ」

 

「ブフォ!」

 

漫画のような笑いが引っ込み呆然と機械を見るマサキにタケシが吹き出す。マサキ自身はそんなことには気がつかず、ひたすらにうみの持ってきた機械を眺めている。

 

「ここは・・・配線と端子か。少しパソコンに繋いでもええか?」

 

「どうぞ」

 

うみからの許可をもらい、即座に持参したノートパソコンを取り出すマサキ。電源を起動し、目にも留まらぬ速さでタイピングを始める。

食事を終えた全員がその背後に回り、なんだなんだと画面を覗く。

 

「・・・内部データは基本プロトコルやプログラムに特別変なところは無い。でも記録されているのはなんだ・・・?配列が意味不明だ。特にこのデータ・・・この英語表記の名前はポケモンか?でも配信等では触れていない名前ばかり・・・いや、排出履歴にうみちゃんのポケモンの履歴があるのか・・・成る程、これはポケモンをデータ化して保存するための機械ってことか」

 

「・・・すごい、よく分かりますね」

 

感心したように唸るうみ。するとマサキが驚愕の表情で振り向く。

 

「わいやあらへん、この機械とプログラム作った奴の方がやばいわ。なんやこれ、既存の科学力でこれ作ろー思うたら億じゃ足らへん金がかかんで!?」

 

「そんなにすごい代物なのか・・・!?」

 

横に鎮座している機械を見て恐れおののく男性陣。そんな中、マサキはうみから視線を外さない。

 

「・・・こんなやばいもんを、なんでわいに見せたんや?」

 

「・・・これ、マサキさんが言った通り、ポケモンを預かったり、引き出したりする機械なんです。・・・俺あんまりパソコンにも機械にも強くないんでわからないんですけど、一つだけ、この中に見たことのないデータフォルダを発見したんです」

 

「これやな」

 

片手間のようにキーボードを叩き、あっさりとフォルダを見つけ出すマサキ。フォルダ名も無く、パスワードのようなものでロックされている。

 

「そうです。・・・マサキさんは電子戦に強いんですよね?それを聞いた時から、解析を頼みたいと思ってたんです。・・・出来ますか?」

 

恐る恐る尋ねるうみに、ドヤァ・・・とやる前からドヤ顔のマサキ。

 

「・・・ええやないか。しばらくはつまらん情報集めだけや思うとったさかい、こんな歯ごたえある仕事あるなんて最高やんけ。ええでうみちゃん。やったる!この仕事、天才ハッカーのマサキ様が請け負うで!」

 

「ありがとうございます!」

 

うおー!っと叫びながら作業を開始したマサキに礼を言ううみ。そこへキョウが話し始める。

 

「・・・じゃあ今日はマサキがその機械の解析作業に入るとして、俺たちはどうする?」

 

「ああ、大丈夫です。とりあえず午前は昨日と同じようにバトルに慣れるための模擬戦ですね」

 

そう言って立ち上がるうみ。他のトレーナーおよびパートナーポケモンもやる気十分である。しかし次のうみの発言で全員凍りつく。

 

「でも昨日から結構いい感じなんで、今日のお相手は俺と相棒達でやりましょう」

 

(((((・・・それは早すぎないか!?)))))

 

「・・・冗談ですよ?」

 

やや暗い笑みを浮かべるうみと、その横で悪辣な笑みを浮かべるライ、ガン飛ばしているミロ、何考えているかわからないデオキシスを見て、早く午前が終わらないかな・・・と思う男性陣だった。

 

 

 

 

「どーも、本日もうみチャンネルではポケモン猛特訓の様子を配信していきます」

 

『おっはー!』『なんか野郎どもが元気なくね?』『ポニーテールうみちゃんきゃわわ』『なんか昨日より辛そうなんだが・・・』

 

うみは今回手ぶらで、スピアーにカメラを持ってもらい配信を始める。前日のうちに男性陣には別に気にしないで良いと許可を得て、本日から配信に顔出ししている。

その面々の顔色は何故か結構悪い。うみはというと、いつもと変わらない元気な姿で、今回は髪を束ねてポニーテールにし、ランニングシューズに長袖長ズボンの登山スタイルである。背中にはなにかが詰まったリュックを背負っている。

 

「とりあえず午前の部は、昨日と同じくバトルの練習を配信していこうと思います。・・・というわけで、本日のフィールドです!」

 

『山の中?』『フィールドってかマジでただの森じゃね?』『急に広くなったな』

 

「今日は、俺の家の裏にある山の中に来ています。現在はその山頂ですね」

 

『ああ、山登りしてきたから疲れてんのか』『農家ニキメガネずれてんぞー』『チャラ男の目が死んでる・・・』『・・・じゃあなんでうみちゃんは元気なんだ・・・?』

 

「・・・うみちゃん、なんでこんなところに・・・?」

 

男性陣の中で、唯一ピンピンしているキョウがうみに尋ねる。ワタルやタケシは肩で息をしている程度だが、農家ニキとチャラ男はすでにひんしである。

 

「今後の活動では、やはり野生といえばこういった山岳部や森の中にも入ると思うんです。そこで、みなさんにはこれから、この山から俺の家までお昼までに山降りしてもらいます。

 

「「はぁ!?」」

 

疲労組が悲痛な叫びをあげる。ワタルとタケシは息を整えながら飲んでいた水を吹き出す。

 

「・・・昼までかい?」

 

「はい。ルートは3つほどこの地図に書いてます。好きなコースを選んで降りて下さい。あ、ちなみに途中でライ達がエンカウントしてくると思うんで、勝つか、ライ達が諦めるまでバトルして下さい。負けたらその道は1時間は通るの禁止です。

・・・別にコースを無視しても構いませんが、その場合はスピアー軍団が奇襲をかけてきますのでご注意を。パートナーのポケモンがバトルに負ける、スピアーの奇襲でどくの状態になる、皆さんの肩に巻いたバンダナをスピアー軍団に取られる、これらの場合は一度山頂に戻ってもらいます。バンギラスがここを野生のポケモンから守るんで、ここできのみを使ってポケモンを回復後、別コースから降りてください」

 

何か質問は?と一通りの説明を終えたうみが尋ねるが、全員が絶句したまま喋らない。

 

「・・・じゃあ俺は下に先に降りてますね。お昼はカレー用意してるんで、頑張ってください。・・・あ、配信はスピアー撮影班が撮ってますんで、ズルしたらすぐに分かりますよー」

 

じゃ、と手を振りながら軽やかに山を降りていくうみ。残されたリュックにはきのみがパンパンに詰まっていた。

 

「・・・」

 

残された男性陣は、しばらくフリーズしており視聴者もコメントを忘れ呆然とする。

 

「・・・一つわかったことあるんすけど」

 

「・・・なんだ」

 

そんな中、チャラ男が呟く。

 

「うみちゃんて、結構ドSっすよね」

 

「「「「「『分かる』」」」」」

 

視聴者、男性陣、バンギラス、全員の意見と意思が一致した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

「っと、戻ったー」

 

山を降りたうみは、その足で隣のガンテツの家を訪れていた。

 

「・・・おお、うみちゃん。どうした?」

 

チャイムを鳴らし、ガンテツに挨拶して居間へと上がる。そこで正座すると、うみは真剣な表情でガンテツに頭を下げる。

 

「おじいちゃん。相談があるんだ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉぉぉぉぉ!?コラッタ、急げぇぇぇ!」

 

現在特訓開始から10分が経過。チャラ男は、コラッタとともに早速コースを外れたルートで一直線に降りようとして、スピアー隠密部隊に襲われていた。

 

「ちょっ!?こっちにもってくんな!?」

 

哀れなことに、進行方向には農家ニキもいた。2人はスピアーに背後から針で狙われながら山頂へと戻っていく。

 

「・・・農家ニキ達が見つかったようですね」

 

「・・・ああ。俺たちもそろそろ遭遇する頃だろう。気を引きしめろ」

 

一方のキョウとタケシは、コースの一つを選び地道に下っていた。すると前方に、ひらけた空き地が見えてくる。

 

「・・・来たな」

 

「ライ!」

 

「よりによってライニキかよ・・・」

 

『頑張れ警察ニキコンビ!』『げぇ!?関羽!?』『ライニキか、終わったな、風呂食ってくる』

 

コメントでは早くも終わったムードである。

 

「お先に行きますよ!いけ、ズバット!」

 

「ズバッ!」

 

タケシが先陣を切り、ズバットを前に出す。ライとの戦闘に入ったタケシを見ながら、キョウは少しでも参考になればと観察する。

 

「ズバット、『ちょうおん・・・」

 

「・・・」

 

「ズバッ!?」

 

「・・・え?」

 

先手を取ろうとわざの指示を出すタケシ。しかし、その直後ライの姿がブレ、次の瞬間にはズバットが地に叩きつけられていた。

 

「・・・ライ!」

 

終わり!とばかりにズバットをタケシの元へと引きずってくるライ。呆然とそれを受け取るタケシを見ながら、キョウはこれはダメだな、と初戦を早々に諦めるのだった。

 

 

 

 

「ハクリュー!『たつまき』!」

 

「フゥ!」

 

「・・・」

 

別のルートでは、ワタルがデオキシスとの戦闘に入っていた。ハクリューに進化したことで、戦闘と呼べるまでではないものの、ある程度相手に攻撃できるようになっているハクリュー。しかし、デオキシスはスピードフォルム、ディフェンスフォルムとフォルムチェンジを駆使して全ての攻撃を躱し、はねのける。

 

「くそ・・・!ハクリュー、まだだ!『まきつく』!」

 

長引くバトルに業を煮やしたワタルは、まずまきつくで動きを封じようとする。しかし、デオキシスは今度はアタックフォルムへと変化し、『サイコブースト』を放つ。

 

「!ハクリュー!」

 

「フゥ・・・!?」

 

サイコブーストが直撃したハクリューは、

そのまま戦闘不能となってしまい倒れる。

 

「・・・くそ!」

 

悔しそうにしながらハクリューを連れて山頂へと戻るワタルを、デオキシスはじっと見ているのだった。

 

 

 

 

 

 

「くっそ〜!どうすればいいんだよ!」

 

一通り戦闘を体験して頂上へと戻ったワタル達。情報共有をしつつ休憩していると、チャラ男が悔しそうに呻く。

 

「スピアー達は森の中という地の利を生かして、かつ集団で襲ってくる。かといってライ達を相手取ると全くといっていいほど勝てない・・・どうすればいいんだ」

 

『まずライニキと他に見たことなかった二匹は無理じゃね?あれどう考えても勝てねーべ』『でも森の中であの蜂を相手するのもまず無理だろ』『ポケモンだけじゃなくて釣り師ニキ達のバンダナとかも守らないといけないから進むのも一苦労だしな』

 

コメントも色々と考えを出してはいるが、打開策はなかなか出てこない。どんよりとした空気が場を包み込む中、ワタルが立ち上がる。

 

「・・・おい釣り師ニキ、どこ行くんだよ」

 

タケシが声をかけると、立ち止まり振り向かないまま答えるワタル。

 

「・・・もう一度、今度はライのところに挑戦してくる」

 

「・・・待て、なんの策もなしに行ってもダメだろ、まずは作戦をだな・・・」

 

タケシが止めるが、ワタルは聞く耳を持たない。

 

「こうしてじっとしていたってどうにもならないだろ!早く降りて、次の特訓へ進むんだよ!」

 

「だぁーからぁ!その降りるための作戦を考えねーといけないからこうして集まってんだろうが!何をそんなに焦ってるんだよ!」

 

ワタルとタケシが口論になり、キョウ達や視聴者が戸惑う。

 

『ケンカダメ絶対!』『というかなんでうみちゃんいないのに見てる必要あんだよ』『申し訳ないがむさい男だけの配信とか遠慮するわ』『私そういうの嫌いじゃないから!』『あ、溝口さんは帰って、どうぞ』『ホモもいらないんだよなぁ・・・』

 

「あばばば、どーするんすか農家ニキ」

 

「・・・俺に言われても」

 

視聴者や農家ニキ・チャラ男など、周囲の人間にも険悪な雰囲気が伝播し始めた時だった。

 

「・・・一つ、策というよりも抜け道と言えるものだが作戦がある」

 

静かに場を静観していたキョウがそう言うと、全員の視線が集中する。

 

「・・・うみちゃんは、『山を降りろ』と言った。しかし、その際に『ライ達を倒せ』とは一言も言っていない。つまりは、倒すことが目的ではないということだ」

 

説明しながら歩くキョウの後ろを、ワタル達がついていく。草木をかき分けて進むキョウは、しばらく進んだところで立ち止まり、ニヤリと笑う。

 

「それにこの特訓は、山の中での野生のポケモンへの対処だ。・・・なら、別にわざわざ一対一で戦う必要はないと思わないか?」

 

「・・・あれは」

 

キョウの見据える先には、開けた場所で不機嫌そうに待ち構えるミロだった。川が近くにあるわけでもなく、ミロは大きなタライに張られた水の中に半身を浸からせ、こちらを睨みつけている。

 

「俺のヒトモシだけでは勝てないが、全員で戦えば万に一つでも勝機はあるかも知れんぞ?」

 

どうする?と他の面子へ尋ねる。すると、真っ先にチャラ男と農家ニキが名乗りをあげる。

 

「願ってもねぇっス!こちとら今一番弱いんでバトルになったら勝ち目なくて困ってたンスから!」

 

「俺も、集団戦なら可能性は高いと思う。参加します」

 

パートナーを出しつつミロに相対する2人を見つつ、ワタルへと目を向けるキョウ。

 

「・・・少し考えたんだが、多分君は今焦りすぎていると思う。俺たちにはたしかに早急に力が必要ではあるが、それでも連携が出来なければ今後まともに戦っていくことはできんと思うぞ」

 

「・・・」

 

何も言えず、俯くワタル。そんなワタルを見ながら、ため息を一つつき、タケシが肩を叩く。

 

「・・・まぁ、強くなろうとするのは悪りぃことじゃねーよ。ただ、もっと俺らのことも頼ってくれや。年下だしな、お前」

 

ニヒッと笑うと、タケシはズバットを繰り出す。タケシを見て、そしてキョウを見て少しだけ微笑むワタル。

 

(・・・俺、何を急いでんだろうな。ハクリューに進化して、少しだけ強くなっただけだってのに、1人でなんとかできるような気がしてた)

 

ハクリューの入ったボールを握りしめ、視線を前にし、思い切り投げる。

中から出てきたハクリューは、パートナーの心を読んだのかこれまでよりも少しだけ嬉しそうだった。

 

「・・・さぁ、行きますか!頼むぞハクリュー!みんな!」

 

「バァッカお前、指揮すんのは警部ニキだっつの!」

 

ハクリュー、ヒトモシ、ズバット、コラッタ、ガーディ。これまでで一番白熱するシーンに、視聴者も段々と騒ぎ始めていく。それぞれのポケモンを静かに見据えるミロは、そんなポケモンと人の関係を見て、少しだけ、ほんの少しだけニヤリと笑うのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・どう、かな?」

 

「・・・」

 

一方、先に山を降りたうみは、ガンテツの元を訪れ、とあるものを作成してもらっていた。

 

「・・・随分と無茶なお願いじゃなぁ」

 

「やっぱり?」

 

「だが、面白い。少し時間をくれんか?」

 

そう言いながらうみから渡された青いきのみを握りしめるガンテツ。

そんなガンテツを見ながらうみは心の中で呟く。

 

(にしても、まさかきのみの中にぼんぐりが混じってるとはなぁ・・・)

 

前日、山に持っていくきのみを集めるためにスピアーの持ってきたきのみの山を漁っていた時だった。

 

「あれ・・・?これきのみじゃなくね?」

 

と思いつつよくよく見てみると、なんとぼんぐりだったのだ。

 

 

 

 

「さて、これをこのもんすたぁぼうる、とやらと同じような物にしてくれ・・・か」

 

うみが山の様子を見に行き、1人になったことで呟くガンテツ。手に持ったモンスターボールとぼんぐりを見比べながら、ため息をつく。

しかしその顔には、頼りにされていることの嬉しさがにじみ出ていた。

 

「・・・1日で出来るかねぇ」

 

機材と道具を揃え、ガンテツはねじり鉢巻きをギュッとしめるのだった。

 

 

 

 

 

 

「コロ!」

 

水流により高く吹き飛ばされたコロに慌てる農家ニキ。しかしどうにか空中で態勢を立て直し、地面に着地する。どうやら直撃は避けたようだった。

 

「ハクリュー、『こうそくいどう』!近づけ!」

 

「ズバット、『ちょうおんぱ』!」

 

コロが飛ばされ、ミロの周囲が空いたタイミングでハクリューとズバットが仕掛ける。ハクリューが高速で接近していき、ズバットが空からミロへと超音波を飛ばす。しかしミロはその場を動かず、超音波を受けつつもハクリューへ向けてハイドロポンプを放ちまくる。

 

『あの綺麗なポケモン見た目によらずくそ強ぇ!?』『というかさっきから全く動かないんだが・・・』『あの水の中から出てこないし、水無いとマズイんじゃね?』『そんなことより既にチャラ男のコラッタとかマズイんじゃねーの!?』

 

「・・・チャラ男くん、コラッタの様子は?」

 

「・・・判定員的にはギリセーフって感じっスね」

 

背後で緊急時に備えているスピアーを指差しつつ答えるチャラ男。その腕の中には、荒い息でどうにか意識を保っているようなコラッタがいた。

戦闘開始時、いの一番に特攻して行き、ミロの放った技ですら無い尻尾のなぎ払いにより一撃でここまで追い込まれたのだった。現在はコラッタが狙われないよう、他のポケモンが気を引いている。

 

「なぜあんな無茶な特攻を・・・!コラッタはもうダメだ、一旦引き返し・・・」

 

キョウがチャラ男の手を取る。しかし、チャラ男はしゃがんだまま動かない。

 

「・・・チャラ男くん?」

 

「ダメっスわ、それだけは。・・・俺自身、今ここにいる中で一番弱いってのは分かってるんすよ」

 

そう呟くチャラ男は、肩を震わせていた。その目はいつになく真剣である。

 

「だから、ここで逃げるわけにはいかないんすよ。ここでまた他のやつに任せっきりなんてしたら、一生俺もこいつも強くはなれない。安全が確立されている今だからこそ、限界までやるべきなんです。・・・それにこいつもまだやる気ですからね」

 

そう言うチャラ男の腕の中にいるコラッタは、瀕死の様相ながらもミロを睨みつけている。そこには、未だ萎えない闘志があった。

 

そんなチャラ男とコラッタを見て、どうしても退きそうにないと判断したキョウは、ため息をつき、立ち上がる。

 

「・・・ならしょうがないな。どうにか隙を作るから、そこにありったけ叩き込んできなさい」

 

「ありがとうございます。・・・行くぜ、コラッタ!」

 

「ヴァ!」

 

コラッタがある程度動けるようになるとともに、バトルに復帰する。

 

「大丈夫なのか?」

 

「はい!手伝います!」

 

ワタルが心配げに声をかけるが、チャラ男は元気よく答える。実際に、コラッタの動きもそこそこよくなっていた。

 

「『なきごえ』!」

 

「『ひのこ』!」

 

チャラ男と農家ニキがそれぞれに指示をだす。コラッタは大きく鳴き、ミロの攻撃力を下げる。コロは効き目が薄いながらも炎でどうにか視界を遮ろうとする。

 

「・・・キュゥ」

 

「・・・!全員伏せろ!」

 

しかし、そんなことは御構い無しにミロがタメを作る。嫌な予感がしたキョウの指示でポケモン達とパートナーが伏せると、その頭上を薙ぎ払うようにしてハイドロポンプが薙いでいく。

 

『こっわ!?』『ミロネキやべぇぇぇ!?』『ライニキと言いミロネキと言い、うみちゃんのポケモンはばけもんばっかか!?』『これ無理ゾ』

 

薙ぎ払いハイドロポンプによって周囲の木が倒れる。キョウ達はゆっくりと起き上がりながら、憮然として睨みつけてくるミロに冷や汗を流す。

 

「・・・ほんとにこのままでいけるんすか?」

 

「のはずだ。だが、ここまでデタラメなの見せられると少し怖くなってくるな」

 

あらかじめ立てていた作戦は、全員で交代制で立て続けに戦い続け、こっそり持ってきたきのみを使っての耐久戦をすると言うものだった。しかし、ここまで戦って一切息切れしないミロに、段々と絶望が広がる。

 

「・・・俺とコラッタに任せてもらうことはできますかね?」

 

「?」

 

ポケモン達に戦ってもらい、ワタル達と密集して話し合いをしているとチャラ男がある作戦を考える。それを聞いた他の面々は、苦笑いする。

 

「正気かよ!?」

 

「失敗しか見えないんだが」

 

「まぁ、無理だよな」

 

満場一致で否定され、しょげるチャラ男。しかしめげずに説得し続ける。

 

「で、でもこのまま戦い続けてもジリ貧っすよ!俺とコラッタ次第ではありますけど、これが成功すればみんな通過できます!」

 

「・・・やってみよう」

 

「まじっすか?」

 

賛成の意を唱えるキョウに、タケシが驚く。キョウは少しだけ笑いながら呟く。

 

「まだ昼まで時間はある。ここで失敗しても、また次があるさ。それに、俺はそこまで難しい作戦だとは思わんぞ?」

 

「・・・まぁ、これで終わりってわけじゃないですしねぇ」

 

農家ニキも肯定派になり、ワタルとタケシもダメ元でいいやと作戦を承諾した。

 

「さぁて、いっちょうみちゃんのポケモンを驚かしてやるか」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

(・・・動きが変わった?)

 

突っ込んでくるハクリュー達にハイドロポンプをぶっ放しながら、ミロは相手の動きの変化を感じていた。

今回の特訓では、ライ達うみのポケモン勢にもハンデ的扱いでの枷があった。ライは電撃技の禁止、デオキシスにはサイコブースト以外の技の禁止、一定時間は避け続けるだけしかしないなどの制約。そしてミロは、この中で一番枷が多くあった。

気性の荒いミロには、まず最も厳重に言い聞かせた事が、『本気で戦わない事』であった。

その他、『水槽内から出ることの禁止』『近づかれるまではハイドロポンプ以外の技の禁止』『アクアリングでの耐久禁止』と言ったさまざまな制約があり、実は一番バトルでの突破で抜けやすい状態であった。

それでもミロはレベル100近い、現状最も強いポケモンの一匹。簡単に抜けることはできず、先程までもワタル達のポケモンは最初のコラッタの玉砕以降近づくことすらできていない。

 

(・・・ま、いいか)

 

そんな相手の動きが変わったことに気づくミロだったが、『あえて対策しない』。それは、他の三匹も含めたうみのポケモンに共通で与えられた制約だった。

 

『とりあえず今回はキョウさん達に限りなく野生とのバトルに近い体験をして欲しいだけだから、何か仕掛けてきてもあえて泳がせてみて。野生でそこまで「できる」ポケモンはそうそういないし、今回で折れてもらっても困るから』

 

そんなわけでミロは、何故か一切突っ込んでこなくなったハクリュー達に対してハイドロポンプを放ち続ける。本気ではない、されど当たればアウトの水流でさりげなく連携できないようにルートを塞ぎ続ける。すると、突然ズバットが低空飛行で突っ込んでくる。

 

「ズバット、『ちょうおんぱ』!」

 

「・・・ッ」

 

不協和音を受け不快げに顔を歪めるミロだったが、それでも寸分の狂いなくズバットへと水流を放つ。

 

「コロ、『ほえる』!」

 

「キャウ!!」

 

ズバットが上空へと回避すると、反対方向からコロが大きな鳴き声を浴びせる。吹き飛ばされることのないミロにとっては脅威でないが、それでも邪魔な雑音であることに変わりなく、コロへ向けて水流を放ちながら、今度は薙ぎ払うように一周する。

 

「ハクリュー!」

 

「・・・!?」

 

必死に逃げるコロへと当たる寸前、射線上に大岩が落とされ、コロを水流から守る。ミロが岩の飛んできた方を見ると、ハクリューがその尻尾で近くにあった岩を引っこ抜き、今度はミロへと投げつける。

 

「ヒトモシ、『スモッグ』!」

 

ミロの背後では、ヒトモシがスモッグを放つ。周囲の地面に紫色の煙が充満し、苛立ったミロは水流でそれを薙ぎ払う。するとまたズバットとコロが、ハイドロポンプを避けれるギリギリまで突っ込んできて『ちょうおんぱ』と『ほえる』を放ち、ハクリューは岩を、ヒトモシは『スモッグ』を遠距離からミロへと繰り出し続ける。そちらへ水流を放っても、距離ゆえに当たる前に逃げられる。うっとおしげにそれらを見ながら、もう一気にハイドロポンプで薙ぎ払おう、そう思いタメを作ったミロがふと気づく。

 

・・・一匹、見当たらない?

 

最初に突っ込んできて、つい加減を誤って慌てて外したハイドロポンプの余波でやられ、その後もパッとせず一番脅威になり得ないと判断したポケモン。ひょっとしてこの隙に逃げたのか。しかし、パートナーの人間はまだいる。

 

そこまでミロが考えた時、そのパートナー・・・チャラ男がニヤリと笑うのを視界の端で捉える。

 

「・・・かかったぁ!」

 

「!?」

 

ハッとした時には、すでに勝負は決していた。スモッグの紫色の煙でで見えなくなった地面を、なにかが這い近づいてくる。そこには、どく状態になり先程のダメージも相まってひんし寸前のコラッタがいた。

 

「いっけぇぇぇぇぇ!」

 

「今だ、やれ!」

 

「ここまでお膳立てしたんだ、決めろ!」

 

他のポケモンのパートナーが叫ぶ中、フラフラのコラッタの目に闘志が宿る。大きく開いた口の中、ギラリと光る前歯にミロがまずい、と感じる。

 

「コラッタ!『ひっさつまえば』!」

 

「ッヴァァァァァ!」

 

「・・・ッ!?」

 

コラッタの一撃が直撃し、驚くミロ。その一撃は、ポケモンバトルで言うところの『きゅうしょにあたった』一撃であり、さらにキョウ達は知らなかったことだが、技の追加効果でひるみが入ったうえに、コラッタのとくせいはこんじょうだった。つまりは、スモッグによるどく状態からのこんじょう発動で、その威力は格段に上がっていた。大きくミロが仰け反り、もう少しで水槽から出てしまう、というところまで押し込んだのを確認して他のポケモンとそのパートナーが走る。

 

「今!全員撤収!」

 

「やったぜ、作戦成功ォ!」

 

喜びながら走り去るワタル達に、まだ逃がさんとハイドロポンプを放とうとするミロ。

しかしその時、背後からコラッタの殺気を感じ取り振り向く。

 

「・・・俺らは弱いっすけど、こう言う言葉もあるんすよ」

 

「キュ・・・!?」

 

目前まで迫っていたコラッタに、思わず固まるミロ、その後ろを、口を布で覆いスモッグを抜けていくチャラ男がニヤリと笑う。

 

「『窮鼠猫を噛む』。・・・コラッタ舐めんなよ?」

 

「ヴァ!」

 

ひるみが完全に抜けない隙を逃さず、コラッタの『ダメおし』が決まる。ミロはその衝撃で後方へ仰け反り、

完全に水槽から投げ出されたミロを確認し、ニヤリと笑うと、チャラ男とコラッタは悠然と歩き去るのだった。

 

ポケモントレーナー男性陣、山降り特訓『vsミロ』、達成。

 

 

 

 

 

 

 

「ヴァ・・・」

 

「コラッター!?あしまった、どく食らってるんだった!?」

 

「しまんねーなお前!?」

 

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『行ったー!』『やったぜ』『コラッタが決めた!?』

 

その一部始終を見ていた視聴者が興奮のコメントを残す。スピアーの謎に高度な撮影スキルでの飛行カメラの超最良アングルでの白熱したバトル中継により、最初は見るのをやめようとしていた視聴者も、興奮しながらそれぞれのバトルに対する意見を述べていく。

 

『随分あっけないな』『あのミロネキがなんであんな簡単に・・・』

『おそらくなんらかのハンデがあったのでは?ミロネキは終始その場を動こうとしなかったし、近づかれるまであのレーザーみたいな水流以外わざを使わなかったし。さらに言うと、最後の水槽から出てしまった段階で追撃を諦めたみたいだった。おそらく水槽から出た時点で終わり、とか決められていたと思われる』

『解説ニキおっすおっす』『ハンデあったとしてもコラッタとチャラ男ニキ今回MVPやろ』『朗報:チャラ男、ニキ化決定』『いやー、最後の攻撃よかったなー』

『ええ、かなり良かったです。今のコラッタができる最良の仕事だったと思いましたね。チャラ男ニキのコラッタはとくせいこんじょうを持っていたようですね。スモッグに飛び込む前に『きあいだめ』をしたり、念のためにオレンの実を食べさせたりとなかなかに慎重だったのもgoodです。ひっさつまえばのタイミングも良かったし、他のニキ達の連携も悪くなかったですしね』

『あれ!?このID、うみちゃんじゃね?』『mjk!?』『どーも、少し気になりまして^ ^』『ktkr!』『我々の勝利だ』『(大本営発表)』

 

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「・・・ふぅ、いい感じで終わりましたか」

 

コメントを終え、パソコンから離れるうみ。心配になり自分のパソコンで配信を見ていたが、結果はとても良い状態で終わり、ほっと一安心といったところだった。

 

「みなさんにこれ持って行って。それと、ライ達に戻るようにお願い」

 

「スピッ」

 

側に待機していたスピアーに水筒を渡しつつライ達への伝言を頼む。敬礼をして飛んでいくスピアーを見送りながら、リビングへと向かう。

 

「・・・どうですか?」

 

そこには、栄養ドリンク片手に真っ白になったマサキがいた。マサキはうみに話しかけられて再起動し、ふらふらと手を上げしにそうな声でおーう、と答える。

 

「ま、まさかこのマサキ様がこんなに手こずるとは思わんかったわ・・・」

 

「何か分かったんですね!?」

 

嬉しそうにパソコンの画面を見るうみに、マサキが弱々しくVサインを出す。

 

「あったりまえやろ!マサキ様はてんっさいやで!・・・まぁ8秒では出来んかったし、4時間以上もかかったけどな・・・こんなん、某国の軍事衛星に入った時以来の大仕事やで・・・」

 

なにやら聞こえてきた聞いちゃいけない類の文字通りの爆弾発言をスルーし、うみはマサキに尋ねる。

 

「それで、なにが入ってました?」

 

「おう、わいには分からへんのやけどな・・・なんか、『わざマシン』とか言うのと、この預かりシステムの設計図、それと最後に、『リライブ』とか言うものについて書かれた資料がはいっとったわ」

 

マサキの言葉に、うみは驚愕の表情を浮かべる。

 

「『リライブ』・・・!?そ、その資料を見せてくだ・・・ッ!?」

 

慌てて詳しく聞こうとするうみ。すると突如頭痛が襲ってきて、うずくまり頭を抱えてしまう。そんなうみに慌ててオロオロするマサキを、どこか遠い出来事のように感じながら、うみは頭痛に耐える。すると、頭の中に見たことのない記憶が流れ込んでくる。

 

(なん・・・だこれ・・・!)

 

誰かの視界をのぞいているような感覚に、視界が二つになったような錯覚を感じ酔ったような状態になるうみ。増えた視界に意識を集中すると、どうやらその視界は森の中を歩いているようだった。と、その視界の主は森の先にあった湖を渡っていく。

湖を渡ると、暗い洞窟の入り口へとたどり着く。

 

「・・・ロス」

 

(・・・なんだこいつは)

 

その洞窟の奥、暗く先の見えない奥から、絞り出したような声が聞こえる。視界の主はその声を聞きながら、洞窟の入り口から動こうとしない。

と、洞窟の奥から重い足音とともに何かが歩いてくる。

洞窟の外から月明かりが差し込みその姿が照らされると、うみは愕然とする。

 

『・・・キュレム!?』

 

「・・・コロス、コロス」

 

コロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス・・・

 

そこにいたのは、灰色の体を覆うように水色の氷で覆われた姿のポケモン、きょうかいポケモンキュレムだった。しかし、その目は真っ赤に染まり、本来灰色なはずの体色が紫がかった黒へと変貌している。

 

(・・・このままでは危険だ。止めなくては)

 

視界の主は、様子のおかしいキュレムを確認すると、足を一歩踏み出す。するとそこから氷がせり上がって行き、最終的には氷で洞窟の入り口は完全に封じられた。それを確認すると、視界の主はゆっくりとその場を去って行く。そこで、視界がだんだんと元に戻っていく感覚が襲う。

 

『ちょ・・・!待ってくれ!あいつは・・・!』

 

うみの叫びもむなしく、視界は消えて行き、視界の主は湖へと顔を近づけていく。

 

『!お前は・・・!』

 

その際湖面に映った顔を見て、うみははっとする。そこで視界は完全に元に戻ってしまった。

 

「・・・うみちゃん、大丈夫か!?えぇっと、頭痛薬とか・・・」

 

「・・・すいませんマサキさん、大丈夫です」

 

どうやらそこまで時間は経っていないらしく、慌てるマサキにそう言いながらちらりと見た時計によるとせいぜい数分の出来事のようだった。

 

「本当か?でもえらい頭抱えて痛そうやったけど・・・」

 

「もう治りましたから。それより、データについて、説明お願いします」

 

 

お、おう。と頷きながらキーボードを叩くマサキの横でパソコンを見るうみ。

 

(・・・早く、早く他のトレーナーを育てないと。もしあいつが動き出したりなんてしたら、日本がやばい)

 

うみは無意識に机の上で拳を握りしめ、冷や汗を流すのだった。

 

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「・・・正気か?」

 

とある政治家の邸宅。そこには、ポケモン関連の政策について警察から丸投げされた男がいた。その額には冷や汗が止まることなく流れており、そんな男の前には大物政治家である初老の男性がいた。間にある机には、警察とうみがまとめたポケモンに関する資料がある。

 

「残念ながら。どうやらすでに警察ではこの生物に関する法規的措置が必要と判断しているようです」

 

滝のような汗を流しながら答える男を見ながら、初老の政治家は資料をめくる。目に入ってくるのは、人をばかにしたかのような世迷言ばかり。しかし資料に添付された警視総監のサインが、冗談だと断定させない。

 

「最近続いている外来種騒ぎか・・・あれには確かに議会の方でも早期対策を、と言う声が出ている」

 

「なら・・・」

 

「しかしだ。これが仮に事実のみで構成された資料だとしても。これを見せたところで与党も野党も鼻で笑うだろう。そのくらいこの『ポケモン』とやらは・・・そう、信憑性がない」

 

そう言って資料を机に放る政治家。それに慌てた男が説得しようと声を発する前に、政治家は続ける。

 

「・・・だが、一つ私の要望がかなうならこれを次の議会で提出しても良いと考えている」

 

「!本当ですか!?」

 

喜ぶ男だったが、次の政治家の言葉に驚愕する。

 

「この資料の作成者・・・うみちゃんとやらに会わせてくれ。もしそこで私がポケモンを信じるに足ると判断できれば、支援は惜しまないと約束しよう」




色々書いたけどやらかした感がすごい・・・(´・ω・`)
そろそろ法律について勉強しとくか・・・_:(´ཀ`」 ∠):
途中でうみちゃんがジャックした視界の主については、13話最後の方の様子です。気になる方は確認どうぞ(ステマ擬き)

次回、キャンプ終了からの問題発生
次回もお楽しみに

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