TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・   作:コジマ汚染患者

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・・・良し、誰もみてないな・・・


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第40話

「・・・」

 

鈍い頭痛と共に目を覚ます。何かとても大切な何かを見ていた気がするが、思い出せない。見上げた真っ白な天井を眺めつつぼーっとしていると、不意に俺の寝るベッドを覆っていたカーテンが引かれ、男の人が現れる。

 

「・・・あ」

 

「・・・!?もう起きてて大丈夫かい!?意識は、頭は大丈夫か!?」

 

「え、と。はい、もう問題ないです。すみませんタケシさん」

 

こちらを見て一瞬固まり、次いで物凄い剣幕で俺の寝るベッドへと飛びついた男性ーーータケシさんに微笑みかける。ようやく頭が働いてきた、今の俺は病院にいるようだ。

 

「車を回して戻ってみたらぶっ倒れてたんだぞ?・・・ああ、起きないで。まだ寝ておきな。うみちゃんに引っ付いてライが錯乱して大変だったよ」

 

「・・・みたいですね」

 

タケシさんから事の顛末を聞きつつ手元を見ると、俺の右手をギュッと握る小さな、それでいて力強い手。反対の手をグルグルと掴んでいるのはどうやらミロの尻尾だ。そういえば、窓辺の方からすごい視線を感じる。デオキシスだろう。

 

「タケシさん、あの男の人は?」

 

少しずつ思考がはっきりシテくると共に、気を失う前家にやってきた男性のことを思い出す。それを聞くとタケシさんは、答えることなく反対のベッドが見えるようカーテンを大きく開けた。

 

「やあ。君達のおかげで助かったよ。礼を言う」

 

「この通り、無事だったよ。若干の熱中症だったみたいだけどな」

 

「長いこと歩き続けていたものでな。それに、日本へ来たのも久しぶりで少々この国の夏を舐めていた」

 

隣のベッドに上半身を起こし座っていたのは、例のスキンヘッドのグラサンおじさん。どうやら元気になったようだ。苦笑いしながらこちらへと手を上げる様子からは、もう苦しそうな感じはしない。

 

「さて、何から話したものか。私は、名をカツラと言う。私の荷物を見たのならわかるだろうが、研究者だ。主に、物理学のようなものを専攻している」

 

そう言って頭を下げるカツラさん。・・・おかしいな、どっかで名前を聞いたような気がする。初対面のはずなんだけど・・・。ダメだ、まだ若干頭が働かない。

そんなことを考えていると、タケシさんが険しい表情でぶっきらぼうに答える。

 

「俺は警官だ。今はまぁそれだけ知ってればいいよ。それとこの娘は、警察で保護してる子だ」

 

(ん?なんでそんな雑な説明・・・)

 

「今の私は、君たちからすれば突然家にやってきた不審者だろう。危害を加える可能性もある。そう簡単に情報は与えられないというのは分かるが、もう少し友好的には出来ないかな?こちらとしては君たちに危害を加える気はない」

 

「ああ、そういうことか・・・」

 

「「・・・」」

 

な、なんだろう。二人から「まじかよこの娘」って感じの視線が・・・。うう、いや俺はあくまで一般人なんだし、分かるわけないじゃんそんな駆け引きとか。俺なんてせいぜい少しポケモンについて人より詳しいくらいじゃん。

 

「な、なんですか・・・?」

 

「いや・・・まだ疲れてるだろ?少し寝てな」

 

(せ、戦力外通告・・・)

 

タケシさんの優しい眼差しが今は痛い。しょうがないので、俺は無理やり目を瞑って寝ることにした。

・・・あれ、おかしいな。目から汗が・・・

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「・・・さて、それじゃあ少し話を聞こうか?」

 

うみがベッドに寝て掛け布団をかぶったのを確認し、タケシがカーテンを閉める。向き合ったカツラは、タケシが自分へ向ける視線に敵意のようなものが宿っているのを見て冷や汗が出た。

 

「・・・何から話せばいいかな?生憎と、話したいことはたくさんあってね。特に彼女には」

 

「そうかい。だがすまねーんだけど、先ずは俺との話を先につけようか」

 

(随分な態度だな・・・)

 

カツラに対するタケシの態度は、明確に嫌悪を示していた。流石に初対面の人から悪感情を向けられるとは思っておらず、戸惑うカツラ。

何を言っていいか迷っていると、タケシがポケットから一枚のカードを取り出す。

 

「これ、あんたの持ち物から見つけた奴だ」

 

「・・・!ああ、それは確かに私のものだ」

 

「じゃあ、もう言いたいことはわかるな?」

 

「・・・」

 

苦悶の表情で項垂れるカツラに、完全に激怒しつつも、隣のうみを決して起こさないように声を押し殺したタケシの声が響く。

 

「しっかり喋ってもらおうか?『ポケモン研究所』、なんて物のありかをよぉ」

 

そう言ってカード・・・IDパスがカツラのベッドへと放られる。白い本体色に黄色い縁取りがされており、裏には英語ではなさそうな外国の文字の羅列。表には『A』『特級職員:カツラ』とだけ簡素に書かれていた。

現在のポケモンに関する情報は、うみの配信を除けば一般に出回るものにはかなりの制限が課せられている。

ポケモンの姿は以前から様々な形で確認されているが、それでもまだ本格的に研究を進めている所は少ない。しかも、うみちゃんと対談した大和大臣の働きかけにより、ポケモンの研究目的での所持も一旦禁止とされている。未だに安全を確保できる程の設備的余裕もないからだ。

そんな中、ポケモンを連れた海外から来たと思わしき研究者の男というのはひどく異質かつ怪しい存在だった。

 

「それと、なんでうみちゃんを知ってるのかも解せない。彼女はいちおー配信者だが、外見以外の身バレするような情報に関しては俺らで確認できる限りは全力でシャットしてきたんだ、知れる訳がない。住所なんてもっての外だ。にもかかわらず、あんたはやってきた」

 

軽い調子で話を続けるタケシだが、目は全く笑っていない。項垂れながら、まるで死刑宣告を受ける罪人のように冷や汗を流しながら俯くカツラは、ギュッとベッドのシーツを握る。

 

「・・・知ってたな?あの家を。うみちゃんという存在を」

 

「・・・」

 

じっと視線を逸らさず見つめ続けるタケシに対し、顔を上げることなく一切目線を合わせないカツラ。

我慢の限界が来たのか、チッと盛大に舌打ちしながらタケシがカツラの胸ぐらを掴み上げる。

 

「っ・・・!」

 

「おい、俺がうみちゃんに配慮して大声を上げないからってだんまりは無しだぜ。別にこれから異常なしって診断を医者に書かせてあんたを取調室送りにしてもいいんだぞ・・・!」

 

押し殺したような、しかし怒りのこもったそんな脅し文句を受けながら、なおもカツラは黙り込んだままだった。

 

「・・・すまない」

 

「・・・そうかい」

 

掴んでいた胸ぐらを乱暴に離しながら、タケシは最後にもう一度舌打ちをして、いつのまにか本当に寝てしまっていたうみを見守るように椅子へと座り直した。

カツラは、掴まれた胸ぐらを正しながらそんなタケシと、静かな寝息を立てるうみを見て悔しさの滲む声を漏らした。

 

「・・・ソラ」

 

「あ?」

 

「ソラ。それがその子の母親の名前だ」

 

「・・・てめぇ!」

 

それを聞いたタケシが、弾かれたように椅子から立ち上がる。「んぅ・・・」と若干唸るうみだったが、起きることはなかった。しかしそんなことに配慮する余裕も今のタケシにはなかった。

 

「すまない、許してくれとは言わない。だが、一つの真実として、わたしから伝えられることは先ずそれだけだ」

 

「ちょっと待て・・・!関係者だろうとは予想してたが、うみちゃんの母親を知ってるのか!?おい、その人はどこだ、どこにいる!」

 

「・・・言えない」

 

「言え!」

 

もはや声を抑えることすら忘れたかのように叫ぶタケシ。しかしカツラは苦しそうであり、かつ決意したかのような表情で首を横に振る。堪忍袋の緒がキレたタケシがもう一度胸ぐらを掴み上げようとしたその時、病室のドアが開く。

 

「・・・何やってんだお前?」

 

「!キョウさん・・・」

 

呆れた表情でドアを開けたのは、キョウだった。手には見舞いの果物カゴを持っており、仕事のついでにきたのか、いつものスーツ姿だった。

 

「妙な男が来たっていうから急いでみれば、病院内で尋問か?なんだお前の方がよっぽど危険そうだな」

 

「いやいやいや!キョウさん待ってくださいよ!ってかそんなことより!」

 

妙な流れに話が持っていかれそうで焦るタケシを無視し、よっこらしょと椅子に座るキョウ。カツラと向き合うと、苦笑しながらカツラへと話しかける。

 

「さてと。うちの者がすまなかったな」

 

「いや、構わない。彼の怒りももっともだ」

 

「そうかい。それじゃあすまないが、一度ついて来てもらえるかな?なに、医者から許可は得ている」

 

そう言ってキョウが取り出したのは、小さな長方形の紙箱とライターだった。

 

「・・・」

 

「タバコは吸わないタイプかな?」

 

「いやいや、キョウさん。ここ病院・・・」

 

「ちゃんと喫煙所に行くに決まってるだろうが。お前はこのままうみちゃんを見ててくれ。今夜は少し面倒なこともあるしな」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ちょ、佐藤さん!落ち着いてくださいよ!」

 

「うるせぇ!これが落ち着いていられるか!ったく、上の連中は頭ン中腐ってんのか!」

 

とあるテレビ局、ポケモンに関する特番を生放送する予定のスタジオでは、担当ディレクターが苛立ちと共にペットボトルをゴミ箱へ投げつけていた。怒り心頭のディレクターに、アシスタントの男がため息をつく。

 

「まさか、あそこまで露骨な人選になるとは思わなかったですけどねぇ・・・」

 

「どうせ金でも握らされてんだよ。ンなだから報道関係者の信頼性を疑われんだっつの・・・」

 

二人が見ているのは、本日生放送予定の番組の出演者名簿。そこに書かれている人物は、皆どこかで聞いたことのあるような有名人ばかりだった。・・・ただ一人、日本人には滅多に見ない銀髪の少女を除いて。

 

「ま、どーにかこの娘の出演だけは確約出来たのが救いだな」

 

「前にも言ってましたけど、本当にその娘が最近の謎生物の有識者なんですか?俺には今だにどーにも信じられないっていうか・・・」

 

「馬鹿野郎、写真見せただろ。若きやり手政治家の大和大臣と、〇〇党代表といえば誰でも知ってるくらいには有名な鈴木。おまけに過去には総理すら務めたあの井口だぞ?そんな大物と笑顔で対談できるような間柄で、しかも所属は警察だ。最近の警察の動向を考えれば、無関係なわけがねぇ」

 

「そーいえばここ最近は外来種系の事件には妙に早い対応でしたねぇ警察」

 

そんな感じに他愛のない話をしつつ生放送のスタジオへと歩く佐藤とAD。ADは自身の呟きへの返事が来なくなり訝しげに隣を歩く砂糖を見る。

 

「見た目からして外国からの専門家・・・?にしては情報が出なかったな、まさかひっそりと研究を続けてた研究者か・・・?だがそんなネタを俺が見逃すはずは・・・」

 

「・・・佐藤さん?」

 

「いや、そもそもあの見た目的に明らか小学生・・・いってても中学生か?だとしたらやはり海外の飛び級制度の利用?しかしだとしてもこれまで全くの無名ってのは解せない。どこかでニュースとはいかなくても生物学系の論文等で有名にはなるはず・・・」

 

「ああもう、まーた考え事に集中しだす・・・」

 

悪い癖だってほんと、とため息をつくAD。佐藤はというとそんな相方など気にも留めずブツブツと顎に手を当てながら呟き続けていた。

するとその時

 

「ーーーーー♪」

 

甲高い機械音が周囲に鳴り響いた。

 

「佐藤さん、電話。鳴ってますよ?」

 

「ん・・・」

 

電話に出て静かになった佐藤に、やれやれと疲れた表情でため息をついたADは、缶コーヒーへと口をつける。

 

「ああっ!?どーいう事だおい!話がちげぇだろうが!」

 

「おぁ!?」

 

すると、それまで静かに電話相手と話していた佐藤が怒鳴る。思わずコーヒーを落としそうになったADが慌てている間に、佐藤は「もういい!」と最後に携帯へ怒鳴りつけ、乱暴に通話を切る。

 

「・・・な、なんだったんです?」

 

正直聞きたくねぇー、と思いつつ佐藤へと話しかける。佐藤は、ADを一瞬睨んだ後肩を落としてつぶやいた。

 

「・・・逃げられたよ、本命に」

 

「はい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

派手な照明と、テレビでよく見る舞台セット。カメラが映しているのは、大きなテーブルとその周りを囲むように陣取る人物達。カメラの真正面を陣取るのは、世間ではいわゆる「ご意見番」として定着しつつある大物芸能人だった。その横には今人気の若手アイドル「アカネ」と、有名ニュースキャスターが座り図らずもその芸能人にとっては両手に花の状態である。

そしてさらにその左右に広がる机には、様々な分野ーーーと言っても生物学の権威がほとんどであるーーーの専門家が、二陣営に分かれて座っている。右手に座るのは、大木戸博士、空木博士をはじめとした、今回の討論における『穏健派』と呼べる人達。対して左手に座っているのは、最近テレビ露出の多い有名大学の研究者達。こちらは『過激派』となっている。

大木戸達穏健派は、リラックスした態度でカメラに微笑みかけている。しかし過激派はと言うと、代表を務める初老の研究者を筆頭に穏健派を不機嫌そうに睨みつけている。

何を隠そう、この派閥の筆頭は大木戸と何度も意見の相違で対立しているのだ。過去に出たテレビではそれはもう痛烈に、尽く意見を論破されている。他の過激派も似たようなもので、大木戸や空木を快く思っていない者も居り、それぞれにカメラより相手の方へと睨みをきかせている。

 

やや険悪なムードを漂わせる両者に挟まれつつも、カメラが回り番組が始まろうとしていた。

 

「さて、それでは始まりました大討論スペシャルということでね。えー、本日はさまざまな学者さんに来てもらいましたけどもー、いやー壮観ですねぇ!」

 

司会を務める芸人が、早速とばかりに笑いながら切り出す。今回の明らかに空気の悪い討論を何とかまとめる為にも、会話の主導権を握ろうと必死だ。

 

「それではよろしくお願いします、〇〇教授、大木戸教授」

 

「うむ」

 

「よろしくお願いします」

 

明らかに偉そうにふんぞり返って頷く〇〇に対し、頭を下げて挨拶をする大木戸。既にこの時点で司会の芸能人は穏健派に気持ちが寄り始めているが、そんな事はおくびにも出さず番組は粛々と進行されていくのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【正念場】配信者・うみちゃんを応援するスレ【一大事】

 

127:名無し

 

お前ら、テレビは点けたか!?

 

128:名無し

 

あたぼうよ!こちとら今日はこれだけを楽しみに仕事を終わらせてんだよ!

 

129:名無し

 

ポケモン大討論、しかも我らがオーキド博士が出るときたら、見る以外ねーだろ

 

130:名無し

 

おいおいおまいら、さては知らねーな?

 

131:名無し

 

 

132:名無し

 

なんだよ

 

133:名無し

 

つい数時間前にこのスレにうみちゃんリスナー兼テレビ局の関係者が来て情報落として行ったんだよ

 

134:名無し

 

テレビ局関係者の方が兼業なのか・・・(困惑)

 

135:名無し

 

で?今日の討論がどーしたわけだ?

 

136:名無し

 

なんと、うみちゃんが出る可能性もあるらしい

 

137:名無し

 

!?

 

138:名無し

 

♪───O(≧∇≦)O────♪キター!

 

139:名無し

 

我らの勝利だ(大本営発表)

 

140:名無し

 

笹食ってる場合じゃねぇ!(テレビポチー)

 

141:名無し

 

見るしかねーじゃんアゼルバイジャン

 

142:名無し

 

グレートですよ、こいつはぁ・・・!

 

143:名無し

 

しかも、そいつによると付き添いに警察関係者が2人来るらしい

 

144:名無し

 

どうあがいても警察ニキと警部さんですありがとうございます

 

145:名無し

 

まぁそーだろうな、うみちゃんJ○だろうし、保護者がいるだろな

 

146:釣り師

 

いや、警部さんは来ない。代わりに俺がついていくことになってる

 

147:名無し

 

釣り師ニキ!?生きてたのか!?まさか自力で脱出を!?

 

148:名無し

 

え、でもなんで釣り師ニキ?

 

149:釣り師

 

それにも関係することなんだが、ひとつここで悲報だ。うみちゃんは番組には出ない

 

150:名無し

 

君には失望したよ

 

151:名無し

 

マジかよ、那珂ちゃんのファンやめます

 

152:名無し

 

どう言うことだってばよ!?

 

 

153:釣り師

 

俺だってまだ連絡受けただけでよくは把握してないんだがな・・・お前らの中で、都内ですぐに動ける奴らはいないか?

 

154:名無し

 

?どした、なんかあんの?

 

155:名無し

 

まさかまたポケモン騒ぎが起きたのか!?

 

156:名無し

 

いやいや、流石にそれは・・・

 

157:釣り師

 

いや、残念ながら正解だ。俺やチャラ男、農家ニキだけじゃ手がたりねぇ、手を貸してくれ

 

158:名無し

 

えー・・・あんたらが無理とか、どんだけだよ・・・。なんかやばそうだが、俺バイト中だしなぁ

 

159:名無し

 

おい、働けよ

 

160:名無し

 

今休憩中

 

161:名無し

 

俺は暇っちゃ暇だけど、もう夜だぜ?流石に外出は・・・親の目もあるし

 

162:名無し

 

せやなー。釣り師ニキの頼みとはいえ、少し時間的な問題ががが。俺も仕事の時間近いし

 

163:名無し

 

そもそも俺らポケモン持ってない奴だっているしなぁ

 

164:名無し

 

ポケモンがらみにガチの一般人如きが何も出来ないって

 

165:釣り師

 

うみちゃんが狙われてる。理由やら情報ソースやら、言えない部分も多いらしいが、どっかの組織がうみちゃんを連れ去ろうとしている形跡があるとの警察ニキの情報だ。

 

166:名無し

 

俺はテレビ局周辺を張る。不審なやつ見かけたら知らせよう。

 

167:名無し

 

今家出た。すぐに応援に向かう、1人で行動は有事の際に危険だ、複数人で行動しよう

 

168:名無し

 

今から別スレ立てる、情報はそこで交換だな

 

169:名無し

 

おれ車持ってる、ちょうどコンビニ行った帰りだから言ってくれれば足出来るぜ。コンビニは〇〇店だ

 

170:名無し

 

近いな。ウチに趣味で収集してる自転車が大量にある、貸し出せるから持ち運びに車使わせてくれ

 

171:名無し

 

うみちゃんファンの友人に声かけた、すぐに動けるぞ

 

172:軍師

 

なるべく3人組で動くぞ。スレを見ておく奴、不審人物を捜索する奴、もしものとき動ける移動手段を持った奴。各自で連絡とって動けばどーにかなるだろう。

諸君、不届きな輩を発見次第連絡と拘束、ポケモン持ちは相手もポケモンを持っている可能性を考慮して必ず1人はつけ。我々のうみちゃんとポケモンへの愛を、そのクソどもに見せつけてやろう

 

173:名無し

 

軍師ニキ有能。了解

 

174:名無し

 

了解

 

175:名無し

 

了解

 

176:名無し

 

了解

 

177:名無し

 

了解

 

178:釣り師

 

・・・おい。まあいいけども、おい・・・お前らそれで良いのかよ・・・

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

スレがにわかにざわつき始めた頃。大討論会の始まろうとしているテレビ局の近くにある路地で、2人の男がじっと局の入り口を見張っていた。

 

『ーーーーーー、ーーーーー?』

 

『ーーー。ーーーー、ーーーーーー』

 

日本語ではない言語でヒソヒソと話している男たち。戸惑いの表情を浮かべ腕時計をチラチラと確認し、携帯端末を確認している。

明らかに何か予定が狂って焦っているようにも見える、そんな2人の背後から不意に声がかけられる。

 

「うみちゃんならここには来ないよ。というか、生放送自体がこの局じゃあない」

 

『『!?』』

 

男たちがその声に反射的に振り返る。しかし背後に人影はない。

 

「遅いなぁ。キョウさんだったら声かけられた時点で意識ないよお二人とも」

 

『!?』

 

『ーーー!ーーーーー!?』

 

すると今度は前から声がかかる。正面へと向き直した男たちの顔面へと拳が突き刺さり、2人とも顔を押さえながらよろめく。

 

「何言ってるかは分かんないけど、多分ドイツ語?っぽいな。アンズさんが得意だったっけ言語学は」

 

2人組は腰に下げたポーチから即座に消音器をつけた拳銃を取り出し構える。もちろんそんな凶器は日本では所持禁止である。目の前の相手が何者かは不明だが、どうやら此方のことも感づいている。

 

そこまで思考し、冷静に照準を合わせる男たち。しかし、2人ができたのはそこまでだった。

 

『・・・!?ーーーッ?』

 

『ーーーッ!ーーーーー・・・』

 

急激に意識が薄れていき、銃を構えるどころか、体を立たせていることすら不可能になってゆく。ほぼ同時に倒れ込み薄れゆく意識の中、路地の先から溢れてくる光に照らされた謎の男の横に立つ、蔓のようなものをくねらせた謎の生物を見るのだった。

 

 

 

 

 

「・・・まずは2人確保。師匠のためにも、この調子で頑張ろうね、フッシ」

 

「ダッネダネ!」




なんかお話の大まかな章分けとかしてたら、話数予定が120を超えたんですが・・・なっがぁ(´;・ω・)

かなり難産でした、おそらく原因はろくに法律とか制度とかも理解せずに色々ぶっ込んでるからですねこれは。
_:(´ཀ`」 ∠):
次回もお楽しみに

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