TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・   作:コジマ汚染患者

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       ヒューーーーⅢーーーーーーン
          

        −(´・ω・`)− スタッ


      三3  閑話


閑話 ポケモン達の日常 天獄編

ーバンギラス伝ー

 

うみ家。それは、最近とうとう万を超える登録者を得て配信者として有名人と言える域に至りつつある少女、うみの住む一軒家である。そこには、種も性別もタイプも違う様々なポケモン達がのほほんと過ごしていた。あるものはのんびりと縁側で眠り、またあるものは家から近い畑で老夫婦と一緒に畑で農作業をする。各々が家を壊したりうみを傷つけたりしない範囲で好きにやりたいように過ごしている。曰く、「魔境」・・・曰く、「世界で一番安全なシェルター」・・・。

 

そして、そんな平和な家に1人、いや1匹のポケモンがいた。

バンギラス。凶悪なポケモンであり、山すら簡単に砕くと言われる大型のポケモンである。実際にバンギラス自身、サナギラスから進化する前のことではあるが散々暴れ回ったものである。

 

「ガアァ!」

 

「ライ!」

 

しかしそんな暴君でも、勝てない存在がそこにいた。うみの手持ちポケモン達である。凶暴なポケモンであり、せいかく的にも戦いを好むバンギラスは、よくうみの手持ちポケモンへと勝負を挑む。そのほとんどは最もノリの良いライであり、たまに不機嫌な時のミロとも戦うこともあるが、その場合は大体水浸しで犬神家だ。

 

「チュゥ!」

 

「グァア!?」

 

そしてその日もいつものようにライへと勝負を挑み、いつものように痛烈な『かわらわり』によって吹き飛ばされる。いつもなら、それで勝負は終わりバンギラスは悔しそうに修行に向かう・・・。

 

「ガァァァ!!」

 

「!」

 

しかし、その日は違った。突然の殺気を感じ即座に背後へ飛んだライの目の前を豪腕が通り過ぎる。

 

「〜〜〜ッッ!?」

 

ライは回避したにも関わらず全身の毛をざわり、と逆立てた。先ほどの一撃で巻き込まれた背部の毛先が数本飛んでいく。

 

ーーーー当たってたら、ヤバかった。

 

これまで遊び半分に戦っていたライの目に明確な殺意が宿る。異様な雰囲気を感じ取った周囲のスピアーやゾロアが慌てて庭にある大きな木へと避難する。唯一、ミロは池から出ることなくけだるげに2匹を眺めている。ただし、その目はいつでも動けるよう臨戦体制の目だった。

ライと、そしてミロは感じ取った。バンギラスが・・・自分達に近づきつつあるということを。

 

バンギラスは、肌で感じるライの殺気にニヤリ、冷や汗を流しつつも嗤う。

 

ーーーーやっと本気を見せたな。

 

対するライも目のハイライトが消えてゆく。

 

ーーーーとうとう本気にさせたな?

 

言葉はない。しかし、両者ともにお互いの思考が何となく理解できた。

 

「・・・チュゥ!」

 

「!グッ」

 

先手はライだった。バンギラスの目の前から消えたかのごとき速さで稲妻のようなジグザグ走法で距離をつめる。反応はしたが反撃はできない、そう瞬時に判断したバンギラスが腕を交差させ防御しようとする。ギリギリで間に合った腕に突き刺さるライの飛び蹴り。倍以上の大きさがあるはずのバンギラスが一瞬宙に浮き、数歩分後ろへと押し戻される。

 

「ガァァァ!!」

 

「ライッ・・・チュゥゥゥ!!」

 

押し戻された分を無理やり踏み込みながら、バンギラスがその鋭い爪をきらめかせ「きりさく」で襲いかかる。ライはそれに対して電撃での応戦を選択、「10まんボルト」がバンギラスを包み込む。

 

「ライ!?」

 

「グルルルッ」

 

しかしバンギラスは、電撃を『あえて避けなかった』。全身を包み込む激痛と電気による痺れを感じつつ、バンギラスがライの体を鷲掴みにする。

 

「〜〜〜ッッ!!ガァァァ!!!」

 

気合の咆哮をあげながら、ライを空中へとぶん投げる。

 

『お前さんを見てると少し思うんじゃがな?』

 

空中で姿勢を制御しようとするライを睨むバンギラスは、そんな言葉を思い出していた。

 

『いや、ライちゃんと戦っとるようじゃが、お前さんの持ち味は多分硬さとぱわあじゃろ?』

 

静かに、一度目を瞑り腰を落とすバンギラス。それを見たライは、二シャア、と牙をむき電撃を纏う。

 

『それなのに、何をすばしっこいライちゃん相手ですぴいど勝負を挑むんじゃ』

 

記憶の中の年取った人間が、好戦的に笑う姿が見える。

ライは全身に電撃を纏ったまま、高速で落下していく。

「ボルテッカー」ーーーー

 

 

 

『競うな、持ち味を生かせッ』

 

 

 

「シャッッ!!」

 

ライが射程距離に入った、コンマ1秒ほどの間。その間に、バンギラスは動いた。

 

「ヂュ!?」

 

一瞬ライには、なにが起きたのか理解できなかった。次に状況を正確に把握したのは、腹部の激痛を感じてからだった。

 

「ガアッッ」

 

「チュゥ!」

 

追撃の爪を躱し距離を取るライ。痛みを堪えながら、ライは嫌そうに顔をしかめた。

 

ーーーー攻撃の時だけ、『自分より早くなった』。

 

言わずもがな、ライは速度においてバンギラスを優に超える。人から見ればまさに雷のよう、と言える速さを誇る。しかし先ほどの接触の瞬間、先に攻撃を当てたのはバンギラスだった。

ライはなぜバンギラスがその速さで動けたのか、その仕組みは分からなかった。故に、次にとった行動は完全に本能的なものであった。

 

「ライ!」

 

「!」

 

勝っているスピードでの撹乱。さらには「かげぶんしん」を織り混ぜることで、攻撃のタイミングや速度の緩急を読ませない。

 

「・・・」

 

それに対して、バンギラスもまた目を瞑り、構える。うみから聞いたとんでも修行(漫画由来)や、ガンテツへ師事して会得した格闘技の動き。それら全てが、バンギラスを新たなステージへと押し上げた。

 

「・・・ガァ!」

 

「ラッ!?」

 

ーーーー人間は、音を置き去りにできる。なら、自分にだってできる・・・!

 

・・・明らかに間違った人間への認識とともに。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おーい、みんなー。お昼だよー。あれ?バンギラス、お昼にいるなんて珍しいね・・・ってなんじゃこりゃぁぁ!?」

 

昼食の時間、食事を運んできたうみは庭の様子を見て愕然とした。

 

なぎ倒された木々、えぐれた足跡付きのクレーター、水が半分ほど減った池。スピアーの巣では、心なしかげっそりしたスピアーが大きな穴を塞いでいる。ミロはイラついた様子で目を回したゾロアを横に置き縁側にとぐろを巻いている。

 

「ライ!バンギラス!これお前らかよ!?」

 

うみの怒った声に、惨状と化した庭で寝転がっていた2匹がふらふらと立ち上がる。ライは見てすぐわかるほどにバテバテであり、所々に引っ掻き傷ができている。一方のバンギラスはもっと酷く、顔はズタボロ、からだは何故か焦げてブスブスと煙が立ち上っている。

 

「とっくんするのは良いけどさぁ、庭こんなにめちゃくちゃにするんじゃねーよ!他のポケモンにも迷惑でしょうが!」

 

(((((もっと言って下さい!!)))))

 

ポケモン達の意思が、統一された瞬間である。

結果だけを言うなら、勝者はライであった。持ち味である耐久性と一撃の火力、加えてガンテツとの修行で得た超反応を駆使してこれまでが嘘のような善戦をしたバンギラスであったが、そこまでであった。

単純な、スタミナ。持久力の差が出たのである。完全に疲れてはいるがそれでもまだ動けそうなライに対し、バンギラスは既にHP関係なしに戦闘不能なくらい疲れていた。

 

「とにかく、しばらくはお前ら庭でバトんのは禁止な!あと庭、直しとけよ?」

 

正座して説教を受けていた2匹に、メッとお叱りの言葉が降り注ぐ。そうして数分ほどの説教の後、2匹はボロボロの体に鞭打ち、オレンの実を齧りながら庭の穴を埋め立てるのであった。

 

 

 

 

庭の修復が完了した後。バトル禁止令をくらったバンギラスは、うみ家に隣接した森の中にやってきていた。ここはバンギラスのお気に入りの修行場であり、サンドバック用の大岩や、休憩用の水場がある。

早速大岩の前でいつものように祈り、突くという作業を始める。祈り、構え、突く。この工程をひたすら繰り返すバンギラス。

1時間ほど大岩の砕ける音だけが響く。すると突然、背後の水場が揺らぐ。

 

「・・・」

 

「グル・・・」

 

水面が音もなく盛り上がり、黒い不定形の影がいくつもの腕を伸ばす。バンギラスは修行に集中しており気づかなかった。

 

「・・・ガッ!?」

 

そして腕は一瞬でバンギラスを絡めとると、水場の中へと引きずり込もうとする。咄嗟に影を掴みひっぺがそうとするバンギラスだが、影は触れたところだけがはらり、とモヤになってしまい掴めなくなる。

 

「ガアアアア!」

 

ゾプン、バンギラスは抵抗虚しく水の中へと引き摺り込まれた。後には静かになった修行場と、小さな水面の波紋だけが残っていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「おーい、お夕飯だよー。・・・あれ?バンギラスは?」

 

その日の夕方。うみが晩ご飯を持って庭に出ると、そこにはバンギラスの姿だけがなかった。他のポケモンたちに聞いてみるも、全員居場所は知らないようで首を横に振る。

 

「おっかしいな・・・怒りすぎたのかな」

 

少し罪悪感を感じ、探してみようかなとサンダルを履き庭から繋がっている森へと向かう。

 

「バンギラスー?おーい」

 

「ラーイ」

 

「・・・フーゥ」

 

横をトコトコとついてくるライ(「私は庭を壊しました」看板付き)とミロも一緒に呼びかけるが、返事も姿も無い。

 

「何かあったのかな・・・ライ、スピアーにも応援をたの・・・うわっ!?」

 

頭数があれば見つかるか、とスピアーへの伝言を頼もうとすたその時だった。後ろを振り返ったうみは、水辺の近くで大の字に倒れるバンギラスを見つけた。

 

「バンギラス!?大丈夫か?」

 

「・・・グゥ」

 

声をかけると辛うじて返事が返ってくる。昼ごろにもボロボロだったが、今の姿はさらに酷かった。所々というより、もはや全身火だるまにでもなったのではないかと思うくらい焦げた体に、顔面がアニメや漫画かと言いたくなるくらいに腫れている。返事はしたが意識があるのか判断に困るレベルだった。

 

「ライ、きのみ、それと残ってるくすり系のやつありったけ取ってきて!ミロは運ぶの手伝ってくれ!」

 

「ライ!」

 

「フゥ」

 

うみの指示を聞き、ライは最後に残った貴重なくすりを持ってくるために即座に家へと走りミロがバンギラスを尻尾で出来るだけ傷に触らないよう持ち上げる。ゆっくりと運んでもらう途中何度もバンギラスに声をかけたが、彼は結局なぜボロボロだったのかは話すことはなかった。

 

バンギラスをいそいそと運んでいくうみ達の背後で、水面が風もないのに波立っているのに気づく者はいなかった。

 

 

 

 

「・・・」

 

「・・・」

 

バンギラスは、状況を必死に理解しようとしていた。

いつもの修練場で突きを繰り返していたはず。それなのに今いるのは、嫌に生き物の気配がない世界だった。

 

「・・・」

 

「・・・グッ」

 

そして何故かこちらをじっと見つめ佇む、気配が読めない化け物を見上げてバンギラスは嫌な汗を流していた。相手はポケモンだろうということは流石にわかったが、逆に言えばそれ以外は全くの未知であった。

 

「・・・」

 

「グルルルル・・・!」

 

正体は不明、力量も・・・おそらく自分より上だが・・・不明。自分を引き摺り込んだ元凶であろうその化け物と正対したバンギラスは、必死に思考する。

・・・というか、ぶっちゃけ殴るか殴らないかの判断で迷っていた。

 

「グラァァ!」

 

「・・・」

 

「ゴッ・・・!?」

 

一向に動く気配のない化け物に、先制攻撃を仕掛ける。全力で放ったライにすら届いた拳。しかしその結果は、全く見えないカウンターという形でバンギラスを吹き飛ばした。

 

「グッ、ガァァァ!!」

 

痛みと怒りで視界が真っ白になる中、バンギラスは吼えた。目の前のデカブツがなんであれ、『ヤれる』なら『殺る』・・・!

 

「シャッッ!!」

 

「・・・GU」

 

化け物に対して無謀にも思える特攻を仕掛けるバンギラス。対する化け物は、その背中から生えている黒い触手のような羽を動かして攻撃する。

上下左右から遅いくるそれをバンギラスは最小限の動きで、文字通り必死の回避をしつつ接近する。やがて、彼我の距離がバンギラスの射程範囲へと入る。

 

「ガァ!」

 

「GUGYUGAAA!」

 

拳を構えたバンギラスに対して、化け物が雄叫びを上げる。その勢いは凄まじく、一瞬動きが止まったバンギラスに強烈な尻尾の一撃が与えられ、またしても吹き飛ばされる。それだけではなく、今度は遠距離からのブレスが降り注ぎ、近づかせないように周囲を破壊する。

 

「グルアアア!!」

 

「GARUGYUAーーーー!!」

 

バンギラスはブレスの直撃を受けないよう必死に走り回り、化け物はそれを追いかけつつブレスで攻め立てる。この一方にだけ地獄のような鬼ごっこは、うみがバンギラスを探して修練場に来るまで続いたのだった。

 

 

 

 

そして翌日。

 

「おーい、朝ごはん・・・バンギラス?」

 

朝食を持ってくたうみとライ(『私はつまみ食いをしました』看板付き)だったが、またしてもバンギラスが見当たらない。

 

「またか・・・全く、昨日から一体どうしたっていうんだあいつ・・・」

 

怒り2割、心配8割といった表情のうみがブツブツ言いながら縁側に座る。その横で数週間ぶりに起きて食事をとっていたジラーチは、そんなうみを見上げ、なんとなく魔がさしてバンギラスの今いる位置を不思議な力を使い遠視する。

 

「・・・!?」

 

「うお、大丈夫か?ちょっと入れすぎたねー、大丈夫だぞー?」

 

突如、驚いて食べていた食事を吹き出すジラーチ。うみがよしよし、とティッシュで顔を拭いている間、遠視したバンギラスと一緒にいるポケモンに絶句していた。

 

(・・・アイエエエ!?ナンデ!?)

 

その後も、バンギラスは時折消えては全身ズタボロで帰ってくる日々が続いたのだった。

 

 

 

 

 

 

「おーい、うみちゃんや。これをあの緑のクマみたいなのに与えてやってくれんか?」

 

「・・・何これ?」

 

「砂糖水じゃ。果糖を使っておる。酷使した体にこれであいつも復活するじゃろうて」

 

「どういうこと・・・?」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーMy Partnerー

 

初めて出会ったのは、生まれた時。タマゴから光とともにピチューとして出現した時だった。

 

「きみの なまえは ライ だ!」

 

ライ。自分の名前。「ピチュー」ではない、自分だけの、自分を示す名前。目の前のヒトは、自分をそう名付けたのだ。

 

「たんぱんこぞうの 〇〇に 勝った!」

「エリートトレーナーの 〇〇に 勝った!」

「ジムリーダーの 〇〇に 勝った!」

「チャンピオンの 〇〇に 勝った!」

「タワータイクーンの 〇〇に 勝った!」

 

様々な冒険をした。ヒトは・・・●●はあまり多くを喋りはしなかったが、それでも与えられるポロックや、ポフィン、連れ歩き、そしてバトル。自身への愛情のようなものはあらゆる面から感じていた。

 

嬉しかった。自分を大切に思ってくれるパートナーの存在に、自分と同じように育てられ、強くなっていく仲間に出会えた。そのことをライは何よりも嬉しく思った。

 

ある日、ボールに入ったライは機械へと納められた。

 

なぜ?どうして?と、最初は慌てた。まさかもう出れないのか、そう思い悲しくなった。だが、ふと自身のいる場所、ボックスの名前を見た。

 

『あいぼうせんよう』

 

言葉の意味はわからなかった。だが、そこに次々と入れられていく仲間のメンツを見て、その後すぐに取り出されたことから考えて、ライはそこが、パートナーの大切な存在を入れるところだと感じ取った。

 

また、じんわりと嬉しくなった。その後も何度かそこへ入れられることはあったが、もう悲しくはなくなった。直ぐにまた会える。あのヒトは、●●は自分の・・・

 

 

 

 

 

 

 

10日経った。ライ達はボックスに入ったきり、10日間出されることはなかった。最初の3日は、●●の心配をしていた。次の3日で忘れたのかと怒った。また3日、今度は不安がこみ上げてきた。そして今。

 

(・・・忘れたの?もういらないの?・・・ボクは、ここだよ・・・?)

 

 

 

もう、月日は数えられないほどすぎていった。●●は、まだ帰ってこない。ライの目から、そっと涙が落ちた。

会いたい。置いていかれたとか、捨てられたとか、そんなことを思うよりもただ、今は会いたいーーー。

 

その思いを胸に、ライは眠り続けた。

 

 

POーーーN

 

 

「!?」

 

突然の音に、ライは驚く。暫くぶりの感覚に思わず目を瞑り耳を動かして何が起きたのかを知ろうとする。

 

「・・・?」

 

目が見えてきて、周囲を見渡すと首を傾げる。

 

(・・・いつもの場所じゃない?)

 

いつもボックスに入る時に見えていた場所・・・ポケモンセンターでは無いことに気づく。畳や掛け軸、そして外に続く縁側。日本家屋という、見たことのないその空間に戸惑うライ。

 

「あ……ライチュウ?」

 

「・・・!」

 

突然、後ろから声がする。恐る恐るふりかえったそこには、布団の上でポカンと口を開けた少女がいた。

 

 

「……」

 

「……」

 

2人の間に静寂が訪れる。一体目の前の少女は何者か、ここは何処だ、とライは警戒しつつどう動くべきか迷っていた。

 

「おいで」

 

すると少女は、そっと正座してこちらに向き直り、手を伸ばしてきた。

 

(・・・逃げようかな)

 

少女は自分を呼ぶが、今はそれよりもせっかく自由になったのだ、●●を探そう。そう思い立ち、逃げ出そうとしたところでふと、少女から懐かしいという感情を受ける。

 

(あれ、どこかで・・・これって、●・・・!?!?)

 

次の瞬間、少女に全く似てもいないはずの男の子が重なる。引きつってはいるが微笑みながら手を伸ばす少女に、ライは飛びかかった。

 

 

「ラァイ!」

 

「ふぐっ!?」

 

「ライライライライ!」

 

「ちょ、まって、くすぐったいよ! あはははは!」

 

そうして、1人の少女と1匹のポケモンの、止まった時間が動き出したのだった。




バンギラス伝:最強のグラップラーへとひた走るバンギラスのある一つの物語。ぶっちゃけると書いてて楽しかった。
補足情報 Now ライ・ミロ→レベル100 バンギラス→レベル95
My Partner:ライがうみと初めてリアルに接触するまでのお話。過去ROMの宿命。ライ視点の話だが、ヤンデレミロの原因でもある。

次回は本編の方更新です。科学者VSアイドル・・・字面凄いな?

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