TSしたらなんか相棒たちがいるんですけど・・・ 作:コジマ汚染患者
わかるとは思いますけど念のため。
……まぁ、大分投稿遅れてるからそんなの関係なく話分かんないだろうケド!(泣)
ドンカラスたちとの戦闘から数時間。現在うみは、警部の所属する警察署にて軟禁されていた。
ポケモン事案へ警察と協力者が対応している中、突然現場に現れたうみは、諸々の罪の疑いもあって取り調べの必要があるのだった。
なぜか大学内に侵入していた。当然、これは不法侵入。更には、大学は騒動が起き警察が封鎖措置を行っていた。そんな場所への侵入、警察の仕事の邪魔、捉え方によれば公務執行妨害も考えられる。
うみが連行されたのも当然であった。
逮捕とはいかないまでも、補導したいのが警察側の心情だがうみの保護者を呼ぼうにも大陸と海を挟んだ向こう側で呼びつけることなど無理。と言うよりも、呼びつける人についてもうみから話を聞かねばならないという事に。
突然発生したという雷鳴と閃光の件についても関連性が疑われており、そうした懸念からうみの身柄は取調室にて、それはもう厳重に保護さてているのだった。
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『……おい、教授はまだか』
『もう少ししたら、こちらに着くとのことです。何分、病院からここは少々距離がありますから』
『チッ。妙な子どもがいるとは思ったが、まさか日本人だとはな。しかもこちらの言葉が通じん。……シロナと言いこの子どもと言い、ポケモンに関係する奴らは女や子どもじゃなきゃいけない決まりでもあるのか?』
(やべぇ、何言ってるのか知らんけどこのおじさん機嫌悪そう……)
ど、どうしよう……。まさかシロナさんがぶっ倒れるなんて思わなかった。というか、さっと助けてさっと逃げる予定だったのになんでこんな事に……。英語分かんねぇ、日本語でおkってこういう事なのか……?
ライ達相棒やボールも没収され……てはない。というか、俺がポケモンを持っているとはまだバレてない。この建物へと連行される中、持ち物検査の直前に隙を見てライにボールを高速で持って逃げてもらったし、手持ちの中でもクロとミカはすでにボールの外だった。
『しかし、なんであの場所にこんな少女が?』
『知らん。それを今から取り調べるんだろうが』
『そうですねぇ……お、警部。ナナカマド教授が来られたそうです』
『通せ。通訳がおらんと話にもならん』
シロナさんが証言すれば俺のてもちについてもバレるだろうけど、俺が連行される中でも意識が戻った様子は無かったし、まだ大丈夫なんだろう。どうにかして手早く取り調べを終わってもらえれば良いんだけどな。
……シロナさん、大丈夫だろうか。外傷は死ぬようなものじゃなかったとは思うけど、ぶっ倒れたのは気がかりだ。
警察の人達が何を話しているのかわからないからと、そんなことを考えつつ話をしているのを眺めていた。すると、急に彼らが話すのをやめて連絡を取り始める。その数十秒後に部屋の扉が開き、見知った人が入ってきた。
「ナナカマド教授!」
「うみ君!大事ないかね?」
「いや、もうこの状況がすでに大事ですけど?」
「ははは、違いない」
先程現場で別れたナナカマド教授が取調室へ現れ、歓喜から思わず立ち上がる。どうやら教授はあの後、シロナさんの付き添いで病院に行っていたらしい。
若干呑気な発言をする教授へとジト目を向けるが、乾いた笑みを浮かべている。……ここに教授が来るってことは、少なくともシロナさんの命に別状はないんだろうか。そうだと嬉しいんだけどな……。
すると、俺たちの様子を見ていた警察のおじさんが我慢ならないといった様子で声をかけてくる。
『感動の再会に喜び合うのはいいが、さっさと取り調べを終わらせたいんだが?今回の事件の事後処理もあるんだが???』
『おっと、すまない警部。彼女が緊張している様子だったのでつい雑談に興じてしまった。まぁ少しでも落ち着かせた方が話もしやすいだろう?』
『……まぁいい』
教授はおじさんと話をしてから、表情を変えて椅子に座った。背後の方では、別の警察の人がメモを取っている。
「さて、うみ君。君は、今の自分の状況については理解できているかな?」
「まぁ、はい。俺があそこにいた理由とかを疑われているってのは分かってますけど……」
「ふむ、よろしい」
そこまで話したところで、教授が背後に立っているおじさんへと振り向く。
『警部、何から聞き出すかね?この娘は聡い、聞きたいことはとりあえずぶつけても良いだろう』
『なんだっていい、話ができるならな。ならばまずは……』
何度か会話を交わし、教授が俺の方にまた顔を向ける。……質問内容の相談でもしてたのかな?
「待たせたね」
「いえ、大丈夫です。こたえられる物なら、どんな質問でもどんとこい、です」
「フッ、良い返事だ」
さて、ここからが問題だ。ここで俺の立ち位置や持ってる情報……多分ポケモン関連ばっかりだろうけど、それを提示してでも乗り切る。
それで、この国の警察や教授の手を借りる事が出来れば良し。そうじゃなければ、おそらく強制的に日本へ送還されたり、拘束されるだろうなぁ。
俺のこの国での行動の自由を確保するためにも、俺の目的でもあるうみとしての母親捜索の手がかりを得るためも。頑張らないと!
……これ以上キョウさんに怒られないようにするために!!
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「お疲れ様です」
「……ん、おう」
取り調べを終え、レストルームで煙草をふかしていると、部下の一人が声をかけてくる。先ほど、取調室で書記をしていた奴だ。
「隣失礼します。……あれ、そう言えば警部、煙草やめたんじゃ……」
「煙吸ってなきゃやってられるかっての、化け物相手なんざ」
そう言って新しい一本を取り出していると、笑い声が隣から聞こえてくる。
そう、化け物相手。ぽけ……なんだったか、とりあえず略してポケモンというらしいそいつらが現れてから、俺の警察としての仕事がものすごい勢いで変化していった。
娘のために減らし始めていた煙草の本数が戻ってしまうのも当然だろう。……流石に家では吸わんが。
「まぁ、分かりますけどねその気持ち。俺だって、警官として働いてきたのに何故か妙な生物の相手させられたりするようになるとは思いもよらなかったですし」
「まったくだ、おまけにその化け物どもを従えた子どもや一般市民を指揮して対応させられるわ、そのうちの一人がケガするわ、散々だよ。この後も始末書や保護者への説明やらであっちこっちだよ」
一番くそったれなのはここだ。市民を
しかも、ただの戦力ではない。未だ謎も多い化け物であるポケモンを保有・使役する一般市民だ。いったいどこら辺が一般的なのか教えてくれ。
その中でも、ひときわ厄介だったのがシロナ。現在治療のため入院している今回の功労者だ。
化け物どもが発生した最初期に、偶然フィールドワークの最中ポケモンを発見、それを保護し進化までさせた、確認できている中でも世界初の人物、とされている。それが彼女だ。
「それにしても、あのシロナちゃんと……ガバイト?でしたっけ?あの2人は大したものですよねぇ。まさか、
「どうだか。むしろ、ここで負けていればよかったんだ。辛勝するよりも」
「うわ、ひっでぇ。自分としては、彼女らは良くやってる方だと思いますよ?」
「……」
部下の呟きを否定し、今一度思考の海へ意識を戻す。そう、
管理番号001がまだ小さかったころから、常に他の保有者の一歩先を行くように事件を解決していく。
そんな彼女の活躍は最近ではニュースで取り上げられることもあるほどに、注目を集めているのだ。
先程の少女の取り調べでは、事件の顛末についてを中心に話を聞いた。
そこでの話を信じるのなら、結果はいつもと変わらない。彼女が解決した、怪我はしたし気絶するほど追い込まれていたがそれでも勝った。
この事実もこの後の報告を見た上が、メディアが面白おかしく脚色して英雄の様に祭り上げられるのだろう。
……それが個人的にひどく我慢ならない。
「このままあの女に期待を寄せ続けてりゃ、いつか潰れる。どこかで折れて、負けて。そうして周囲からの期待が減らないとダメなんだろうが」
「言いたいことは分かりますけど……でも、実際のところここまで何の問題もなく解決してますし、彼女の相棒も進化?ってのをしてからさらに強くなってるじゃないですか。俺としては、このまま何事もなく強くなった方が良いと思うんですけどね。個人的にも応援してますし」
(だからそれがダメだって言ってるんだろうが……!)
部下の楽観的過ぎる言葉に、心の中で怒りの言葉をこぼす。さすがにレストルームで騒ぐほど分別の無い歳でもないので、ため息とにらみを一つくれてやりつつ立ち上がる。
そろそろ休憩が終わる。まだ、事件の顛末しかあの少女から聞き出せていない。
「ったく、英語くらいできるようになってから来いっての……取り調べの進みが悪い」
どうか、この妙な状況を打開できるような、画期的な情報を持っていないものか。
そんな自分の考えに自嘲の笑いをこみ上げさせつつ、取調室へと戻る。長いこと警察として生きているんだ、そこまで情報が簡単に手に入ることなどありえないのは分かっているだろうにと自分に言い聞かせながら。
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「えっと、ポケモンについてですよね?知ってますよ、情報」
「……は?」
『おい、何と言ってるんだ教授』
『いや、その……ポケモンについての情報を持っている、と』
『』
「……教授、スマホ持ってません?」
「む?持ってはいるが……ここでは使えんぞ」
「じゃあ、警察の人に伝えてください。ポケモンに関する、俺の持ってる情報を可能な限り渡します。日本の俺の上司の許可を仰ぐことにはなりますけど、必要なら先程の事件で暴れてたポケモンについても教えます、と」
「う、うむ。分かった」
「それと、これも頼んでほしいんですけど……」
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意識を取り戻して最初に見たのは、真っ白な天井だった。
「……ここは?」
「あ!シロナさん!起きましたか?教授ー!シロナさん起きましたよー!」
声のした方へと顔を向けると、看護師がパタパタと足音を鳴らしながら離れていくのが見えた。
……病院?なんで?
今日は大学に……
いや、うみちゃんとショッピング……
違う、そうじゃない。
確か、仕事が……。
そうだ、大学で仕事……
たしかガバイトと、ポケモンの群れを。
「…………っっ!!ガバイト!っつぅ……!?」
「ああ、動かないでください!?外傷が酷くないとは言っても、打ち身や青あざなどで痛みがあるはずですよ!」
思い出すと同時に飛び起きる。でも、その次の瞬間には激痛に身をよじってしまい、近くにいた医師に止められそっとベッドへと寝かされる。
ガバイトは、私は一体。いや、そこじゃない。
「ふむ、シロナくん。調子はどうかね?」
「教授……まぁ、生きてはいますね」
「それは重畳」
私が寝かされていると、ナースに連れられて病室へと見知った顔がやってくる。その人―――ナナカマド教授は、かぶっていた帽子と羽織っていたコートを片手にベッドへとやってくる。
教授の登場に一度落ち着いた私は、ベッドにおとなしく寝る。実はさっきから、飛び起きた反動でやってきた痛みが辛いのだ。
「教授、大学の方は……?それに、ガバイトは無事なんですか!?」
「安心したまえ、無事復旧しているよ。一部校舎の壁などは修繕する必要があるがね。ガバイトも大丈夫だ、今は治療のために別棟で隔離されているようだがね」
「そう……ですか……」
教授の言葉にほう、とため息をつく。大学には思い出の場所や知り合いの大事なものもあった。自身の過ごしてきた大学を守りきれた事実は素直にうれしい。
そして、ガバイトが―――相棒があれほどの蹂躙を受けて生きながらえてくれたことが、それよりさらに嬉しい。
「しかし、君も随分と無茶をしたようだね?大学にあった電線を集めて漏電させ、群れを一網打尽にしたと聞いたぞ」
「……え?」
な、何のこと……?そんなことはした記憶がない。
「きょ、教授。それは一体何のことなんです?あの群れを倒したのは……」
「ふぅむ?……現場でうみちゃんが保護されたのだが、もしや彼女が?」
「?え、ええ。それが何で私がしたことに?というか、そのうみちゃんは……」
「ああ、それなんだがね……ふむ、どうやら私の感じていた違和感は解決したよ。まったくあの子は、重要なことをなぜ隠すのか……というか、隠せると思っていたのかね……」
「え?え?」
「いや、すまない。大丈夫、悪いようにはされないだろう。彼女も一応は無事だ。全く、あの場で大嘘をついてくれるとはな……」
「???」
だ、ダメだ。教授が何を納得しているのかわからない。うぅ、一体何を言ったのようみちゃん……!?
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どうにか取り調べを乗り越えた後、俺は復旧作業中の大学内へとやってきていた。取り調べでは、俺の、身分というか、日本での所属について明かし、ヤミカラス達のポケモンとしての情報の提供、現場での様子についてもしっかりと説明したことでどうにかお咎めなしを勝ち取ることができた。
……まぁ、監視つきの自由だけど。どうやら俺の肩書きの中でも、日本のポケモン対応に動く組織の所属というのが大分衝撃的だったらしい。
何とも言えない表情の警察のおじさんに見送られながらの出所と相なった。情報提供の代わりに条件として色々と無茶をのんでもらったし、その一環で俺の母親について警察の方でも調べてもらっている。
俺一人で街を回るより、警察のデータベースで調べてもらった方がずっといいしね。肝心の母親の情報については、過去に見た記憶をもとに似顔絵を描いて警察の人へ渡した。割と会心の出来だから、すぐに見つかるとは思うんだけど……。
そんなわけで自由の身となった俺は、当初の予定通りナナカマド教授の研究室や大学の見学に行くことになったのだが、残念ながら教授は用事があるというので俺一人で大学を見学することになってしまった。
ふふふ、まさかごまかすためについたでっち上げのウソが、普通に通るとは。完璧な誤魔化しだったみたいで、俺が解決したとはバレてないみたいだ。教授が用事を済ませたら、シロナさんのところへ口止めに行かないとな。
「にしても、ひっろいなぁ……大学ってのは、やっぱり学ぶことが多いから施設も多いのかな」
背後の少し離れたとこで監視する警察の人を気にしながら大学を回っているんだが、どうにも広すぎる。ナナカマド教授の研究室で待つよう言われてたんだけど、マップ見ても分からん!
事件の後そんなに時間も経ってないから、登校してきてる人とかも少ないみたいだ、まるで人が通らない。
……あれ、待てよ?よくよく考えたら、俺英語喋れないよな?人に聞こうにも、ここはイギリス……日本語、通じない……。
「う、うわぁぁぁやらかしたあ……。教授についていくんだったぁ……!」
頭を抱えてうずくまる。そうだよ、ここに来てから教授やシロナさんにすぐ会ったから、日本語が通じないことすっかり忘れてた……!簡単な単語だけで、道とか聞けるのか!?
うごごご、英語わかんねぇぇぇ!と唸っていると、不意に気配を感じる。顔を上げると男性が一人、こちらを心配げに見下ろしていた。
『――――――?』
「あ、あー、その……アイキャントスピークイングリッシュ?」
『???』
(し、しにてぇぇぇ!?いや死にたくはないけど穴があったら入りてぇぇぇ!!)
は、恥ずかしい……!顔に血が上るのが分かる、多分今顔真っ赤だ。俯いていると、頭の上からクスリと笑い声がした。
「おや、日本人だったのかい。すまないね、だれか教員の娘でも来ているのかと思ったよ」
「え?日本語?」
キョトンとした表情で見上げると、男性と目が合う。俺のとはまた少し違う青の瞳に、八割がた白髪の金髪。服装はナナカマド教授に似ていて、年齢的にもここの教授や教員の一人だと分かる。
男性は人当たりの良い笑みを浮かべながら会釈をしてきた。
「過大な評価だが、これでも世界中で講演をするくらいには顔が広いからね。日本にも何度か訪れているんだよ。おかげで日本語もこの通り、という訳だよ」
そう言ってウインクする男性は、大人びた雰囲気のままに、どこか子どもっぽくも見える。慌てて頭を下げつつ自己紹介をした。
「あ、その、俺、うみっていいます。ここには、ナナカマド教授の縁で来たんです。ただ、研究室に行きたかったんですけどどこにあるかわからなくて……」
俺の言葉に、男性は驚愕の表情を浮かべる。次いで少し嬉しそうに手を差し伸べてきた。
「そうなのかい!?ナナカマドくんは私の友人だよ!いやぁ、彼にこんなかわいい孫がいるなんて知らなかったなぁ!」
「あ、いえ俺は教授の孫とかじゃないんです」
「ふむ?では娘……?いや、流石に歳が……おっと、自己紹介も抜きに詮索などするもんじゃないね」
差し出された手に思わず俺も手を出し、握手をする。男性は何かを思案していたようだったが、我に返ってまた人当たりの良い笑顔を浮かべた。
「初めまして、私はアダム。ここで教授をしているものだよ。専攻しているのは生物学だ、まぁ各国で講演ができる程度の、しがない大学教授さ」
「い、いや世界中で講演するような人はしがなくは無いんじゃ……?」
はっはっは、と笑いながら腕をブンブン振ってくる教授。お、俺は大学とか行ったことないんだけどこの人、ひょっとして滅茶苦茶すごい人?
ほら、背後の監視の人もなんか驚いた表情してるし。
「おおそうだ、ナナカマドくんの研究室に行きたいんだったね。いいよ、送ってあげよう」
「えっ、でもアダムさ……教授は仕事があるんじゃ……」
「いやいや、さっきまで色々あったんでね。もう今日は流石に仕事も講義も無いんだよ。私はただ忘れ物を取りに来て、ちょっと大学内の様子を見に来ただけだから暇さ。それと、呼び方は呼びやすいものでいいよ」
「でも、いや、うぅん」
どうしよう、いいのかな。いや、日本語のわかる大学に詳しい人っていう超絶運のいい出会いなんだけど。……なんだか、胸の奥が、ざわつく、ような……?
「いいよいいよ、忘れ物についてももう取りに行ったし、見周りだって絶対必要なことでもないしね。それに、うみくんだってこのまま大学内をさまようよりはずっといいだろう?」
「ぐっ、そ、そうですね……」
ま、まぁこのままよりは。胸のざわつきはまだあるけど、まぁ気のせい、だよね?
そうしておれは、さっきからある胸の引っ掛かりのような何かを無視して、男性―――アダム教授についていくのだった。
「アダム教授、よろしくお願いします」
「まぁ、実は結構近くまでは来ているんだけどね。案内は私が提案したものだし、責任もって任されるとしよう。これは確定事項だ」
「ははは、そんなに堅苦しくしなくても……」
「いやいや、実はこの廊下のつきあたりに、猛毒生物を飼っている飼育ケースが……」
「え、は!?」
「嘘だよ?」
「……」
「ははは、ごめんごめん。ちょっと揶揄っただけだよ」
……この人、苦手だ!
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うみがアダム教授と出会っているころ。イギリスへとやってきていたワタルは、どうにかこうにか大学へとやって来たのだった。
「ここが、うみちゃんのパソコンの検索履歴にあったっていう大学か……」
(生物学に強いって触れ込みみたいだが。ポケモン関連の何かがあってやって来たのか?いや、そんな履歴は無かったらしいし……)
「まぁいいか、とりあえず……入ってもいいのか?なんか慌ただしいけど……」
そう呟きながらも、ソロソロと構内へ入るワタル。周囲に大学生らしい人は少なく、警察の装いをした人ばかりが目に付く。
「なんか事件でもあったのか?……お?」
中庭に出たところで、ふとワタルは、巨大な焦げ跡のある場所を見かける。そこには大勢の警察が集まって何やらしているようで、大学生や教諭らしき人々が遠巻きに見物している。
ボヤ騒ぎか何かかな、そう思いながらも何となく惹かれたワタルは野次馬に混ざってそっと現場を見て見る。
「うっわ、ヤミカラス……?」
焦げ跡の中では、手ひどくとされたと見えるポケモン、ヤミカラスが数匹転がっていた。見える範囲以外にもまだいるようで、どうやら警察は彼らを捕まえて移動させているようだった。
「随分と倒してるんだ、なぁ?」
ふと、一番近くに転がっていたヤミカラスを見てワタルは固まった。そのヤミカラスは、全身が焦げているのとは別に、どこか痺れているかのように足をけいれんさせていた。―――まるで、雷にでも打たれたかのように。
(雷……大群……外傷、見た感じあまりないみたいだし、一撃。見える範囲の個体は全部同じか。一発のわざか何かでまとめて倒されたのか。それほどの実力のある、でんきタイプのポケモン……)
「まさかの、一発で当たり引いたかな……?」
ワタルはそう言って、野次馬から離れ歩き出すのだった。
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あア、あタマがいたイ――――――。
しコうが、さだマラナイ――――――。
なにモ、かんがエガマトまラない――――――。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――。
――――――――――――――――――。
――――――――――――。
――――――――。
―。
どうでも良い。
考えなどいらない。
破壊
はかい
ハカイ
はカい
ハかイ
壊す崩す倒す蹂躙する殲滅する滅ぼす――――――。
――――――――――――コロス
うみ:ごまかせてる!ヨシ!
警部&ナナカマド:何か怪しい、隠し事あるな!ヨシ!
シロナ:またしても何も知らないシロナさん(JD)
ワタル:うみちゃんの痕跡ヨシ!
アダム:何だか分からんが迷子の案内!ヨシ!
???:とりあえずヨシ!