ありふれた神様転生の神様の前世の魔王様は異世界に放り込まれる   作:那由多 ユラ

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多分今年一番の手抜き回です。ごめんなさい。


姉妹転生 番外編の番外編

樹生りんごは弩が付くほどのお嬢様である。

 

樹生りんごは産まれた時からの樹生である。

 

樹生りんごは生まれた時からの禁忌である。

 

樹生りんごは禁忌をもたらすリンゴである。

 

 

 

 

 

 

樹生機関。近い言葉でタイムカプセル。身近なものでSDカード。つまるところ記憶媒体であり、樹生は世界のありとあらゆる情報を蒐集、保存し、次代へと受け継ぐ家系であり、世界の裏側に根付いた不可視。

 

 

 

 

 

 

 

樹生りんご。樹生家長女、樹生桜と樹生家三男、樹生金木犀の間に産まれた、樹生が嫌悪した樹生の集大成。人類三大タブーが一つ、近親相姦は樹生をして忌み嫌う禁忌であった。

 

故にリンゴ。禁忌の子であることの目印のように、禁断の果実の名を与えられた。

 

葡萄、桃、梨、檸檬。四人の兄と、蜜柑、いちじく、 柘榴。三人の妹と共にすくすくと育ち四年、りんごの異常性にようやっと、樹生は気づいた。既に、手遅れであった。

 

 

樹生りんごの精神の異常性。りんごの精神には《躊躇い》という概念が存在しない。我慢は出来る。許容も出来る。過去を振り返ることも出来るがしかし、後先を考えることが出来ない。

 

他人を傷つけることに躊躇いがない。

兄弟を陥れることに躊躇いがない。

両親を恐れることに躊躇いがない。

 

 

 

樹生りんごの頭脳の異常性。りんごの頭脳、思考は立体的であり、交差的であり、そして混沌としている。繋がっているが方向が定まらず導き出される結論は常軌を逸している。国語の問題を数式で解き、数学の問題を文章として読み解く。

 

りんごにとって《1+1=2》は文章であり、《色は匂へど散りぬるを》すらも数式である。無駄は多いが誰よりも正確で、誰よりも脳を使いこなしている。

 

 

 

樹生りんごの肉体の異常性。りんごの肉体は八歳を迎えた辺りで成長を拒絶するようになった。原因は近親相姦由来の遺伝子異常。事実上の不老ではあるが、時を経ると共に肉体が劣化していくため常人よりも寿命は短いと予想されている。

 

 

 

樹生の本文は観察と保存である。故に、樹生はりんごの異常性を観察するだけに留めた。

 

 

 

結果。りんごは両親を枯らし、兄弟姉妹を喰らい尽くし、樹生を切り崩した。六年間の放置の末、世界を裏から覗く都市伝説は当時小学四年生の幼女によって事実上絶滅した。

 

 

 

 

 

そして現在、りんごを当主とする樹生は拠点を千葉に移し、活動方針を急転させた。

ありとあらゆる情報を駆使し、古代から現代に至るまでの技術を再現し、未来に至る技術を誰よりも早く過去にした。世界中に蔓延る権力者に樹生の認識を改めさせず、観測者だと思わせたまま新たな樹生を築きあげた。

 

 

 

 

今、樹生を手中に収めるということは、世界を手中に収めることと同意義である。樹生こそが頂点であり、樹生こそが真実であり、樹生こそが唯一であり、樹生こそが世界である。

 

樹生はこれを予測していた。情報として知っていた。元々、樹生の血を継ぐ者は大小あれど才能に恵まれていた者が多かった。だからこそ、樹生は近親相姦を必要以上に嫌ったのである。濃い樹生は必要以上の異常を引き起こし、破滅を孕む。

 

 

 

 

赤色が人類最強であるように、狐面が人類最悪であるように、橙色が人類最終であるように、禁断は人類最新と言えよう。世界を超え、次元を超えた他所の概念。

 

禁忌の子。禁断の果実。知恵の実。そして今は反逆者である。

 

 

落ち無し

 

 

 

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