コミュ障少年とコミュ力おばけ   作:深き森のペンギン

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息抜きに執筆するので、更新頻度は少ないですがご了承ください。


第1話 よく絡んでくるクラスメイト

俺の名前は結城壮真。

どこにでもいるような男子高校生だ。

俺は少し人と話すのが苦手だ。

 

新学期にクラス変えしてすぐのクラスではクラスメイトに話しかけられるが、慣れてくるとだいたい誰も話しかけて来なくなるようになる。

 

高校でもそうなのだろう、と思っていた。

でも、あいつは違った。

 

あいつはクラスでも人気があり、俺みたいなタイプとはほぼ対極にいるような奴だ。

だがなぜか俺に絡んでくる。

 

「……君!」

「あ?お前か」

「そんな露骨にガッカリしなくてもいいじゃん!」

 

噂をしたらなんとやら、だ。

またあいつが話しかけてきた。

 

「で、考え事してたみたいだけどさ、何考えてたの?私のことでも考えてた?」

「ああ」

「え!?ま、待って冗談でしょ?うぅ……」

「俺が冗談なんて言えると?」

 

なんだこいつ、自分で聞いてきて答えたら顔を隠してもわかるくらいには真っ赤になってやがる。

俺に絡んでくるってことで既に分かっていたが変な奴だな。

 

「結城君」

「なんだ?」

「放課後暇?もしよかったら」

「忙しい」

「最後まで聞いてよ!」

「悪かった」

「許してあげる!で、放課後一緒に喫茶店でも行かない?」

「それくらいならいいけど」

「本当に?やったぁ!それじゃあ結城君、放課後楽しみにしとくね!」

 

騒がしい奴だ。

放課後に喫茶店に行くくらい友達と行けばいいのに。

むしろ俺みたいなつまらない奴と行くより一人の方が楽まである。

 

まあ、俺からしてみれば悪い提案でも無いんだけどな。

あいつは結構な美少女だ。

俺みたいなコミュ障が美少女と喫茶店に行くなんて一生に一度あるかないか位の事だからな。

 

どうにかこのように感情を出せないだろうか。

まあ、だせればこんなこと考えないんだろうけど。

 

そして、約束の放課後がやって来た。

 

「結城君、行こ?」

「ああ」

 

俺達は校門で待ち合わせてから一緒に目的の喫茶店に向かった。

喫茶店って、この商店街にある店か。

たしか母さんがたまに友達と行ってるって言ってたな。

 

あいつが店のドアを開けると、店員の女の子に案内されて、俺達は席に着いた。

 

「結城君、何頼む?」

「何でもいいよ。お前と同じやつでいい」

「うん、分かった。それじゃあ、どれにしようかな~」

 

羽沢珈琲店のとある席で、二人の様子を見ている者達がいた。

 

「ねぇ、ひまりが好きなのってあいつなの?」

「ああ。同じクラスの結城だな」

「ひーちゃん、いっつも結城君に話しかけてるよね~」

「それにしても、ひまりちゃん、すっごく幸せそうだね」

 

二人の様子を見ているのは、ひまりの幼馴染みでバンドメンバーであるAfterglowの皆だった。

 

「さっきから、ほぼひまりしか喋ってないな」

「だね」

「教室でもだいたいあんな感じじゃない?結城君ってあんまり喋ったことないけど、大人しい人だから」

 

「ショートケーキ二つ、お持ちしました~」

 

どうやら、あいつはケーキを注文したらしい。

このケーキ、めちゃくちゃ美味しそうだ。

 

「美味いな、これ」

「でしょ~?私、ここのケーキ大好きなんだ!」

「そうなのか」

 

なんだこのケーキ、こんなケーキ今までに食べたこともない。

俺この店通うかもな。

 

「結城君って結構甘党?」

「ああ、結構どころじゃないけどな」

「なんか意外かも。結城君ってこういうのあんまり食べないと思ってた」

「そうか。確かに俺の見た目だとそう思うよな」

 

俺の見た目は、身長181センチで体重70キロで顔はたまに怖いと言われる位には強面だ。

その見た目のせいで、前に不良に絡まれたとき面白い出来事があった。

 

「おいぶつかったのに文句もなしかあぁ?」

「おい、やめとけ……。そいつは、ここらで最強の中津じゃないのか?」

「こいつが、あの中津……」

「「すみませんでした~!」」

 

違います結城です。

というか中津ってだれだよ。

まさか奥の席で満足げにケーキ食べてる大男じゃあないだろうな。

まあ、それはないか。

 

「どうやらあの二人、今のところ何も無いみたいだね」

「まあ、結城君もなんだかんだで楽しそうだし大丈夫だよね」

「そうだな」

「じゃあ今日はもう帰ろ~」

 

こうして、つぐみ以外のAfterglowのメンバー達は帰っていった。

 

「結城君、壮真君って呼んでいい?」

「いいけど」

「だからさ、私のことも名前で呼んでくれないかな」

「ああ、わかった。上原」

「ひまりって呼んでよ」

「上原」

「ひまり」

 

クソ、名前呼びってこんなにハードル高かったのか。

これまで友達の一人もいなかったので分からなかった。

俺にはキツすぎる。

こうなったら腹を括ろう。

 

「ひ、ひまり」

「合格だよ!壮真君」

「お、おう。そうか」

 

それから、少し話してから今日はお開きとなった。

 

「じゃあね!壮真君」

「また明日、ひまり」

 

名前呼びってやっぱりハードル高いな。

言う度に心臓がバクバクするもん。

 

さてと、コンビニでアイスでも買って帰ろう。

 

「はぁ~、壮真君やっぱりかっこよかったなぁ。でも、甘党って分かったって収穫はあったよね。これでこれからも誘える」

 

それから、私はスマホに保存してある壮真君との2ショットを一晩中眺めていて、一切眠れなかったのは内緒だ。

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