翌日。目が覚めると、まだ外は暗く、時計を見るとまだ4時だった。
レイラはトンッと音を立てずにベッドからおりた。
「皆さん、お久しぶりですね。元気にしていましたか?」
禁じられた森に着くと、早速集まってきた動物たちにレイラは声をかけた。
「ニフラーは子供が?すっかりパパになりましたね。
ボウトラックル新しい木を見つけたんですね?
デミガイズはイタズラが上手になりましたね」
レイラは久しぶりということもあって、まず近況報告をした。他にも、ケンタウルスの新しい群れに出会ったり、年老いたセストラルが亡くなっていたり、ケルピーが水魔と喧嘩をしていたり、オーグリーが梅雨の日に泣き叫びまくったり……
「え?あっちにとても綺麗な場所がある?是非行きましょう!」
はたから見れば、ヒステリックな女の子だろうが、彼女は開心術を使って動物たちの思考を読み、会話しているので、ヒステリックではない。
「わぁ、本当に綺麗ですね……!」
動物達に連れられてやって来たこの場所は花畑の真ん中に小さな泉が湧いており、木漏れ日に程よく反射しているとても綺麗な場所だった。
まるで桃源郷のようだ。
レイラはそう思いながらそっと泉に近づいた。透明な水が光に反射してキラキラ光っている。
ふと横を見ると、
(
じっと見つめあっていると、向こうから近づいてきて、レイラの側に座った。恐る恐る手を伸ばすと逃げもせずにレイラに撫でられる。
「…………人懐っこいですね」
さらさらとした綺麗な銀色のたてがみが、美しく輝いている。そのうち他の動物達もやって来て、思い思いに寝転んだり、遊んだりし始めた。
そんな和やかな一時が過ぎていたとき、
ピクッ
何匹かの動物が何かの気配を察知した。遠くで遊んでいた動物達も怯えるようにレイラの近くにやってくる。その気配はレイラも感じていた。
(目くらまし呪文をかけ、さらに箒も使わずに空を飛ぶことができる人と言えば…………)
はぁ、とため息をついたレイラは、空を見上げて挨拶をした。
「ダンブルドア先生、おはようございます」
「…ほぉ、わしの気配を察するとは…」
そう言いながら、ダンブルドアが呪文を解いた。
「私の警戒網は最大で500m圏内ですので」
ダンブルドアがゆっくり地面に降りてくる。レイラは動物達が彼を威嚇するのをたしなめた。
「ここは静かでいいのぉ」
「………………はい」
退学かなぁ…………。せっかくの憧れのホグワーツに来て1日で退学かぁ。
少し遠い目をして返事をしたレイラを見て、ダンブルドアは笑った。
「安心せい、流石に退学にはせんぞ。わしも時々来とるしの」
閉心術を使っているのに、ダンブルドアはレイラの考えを読んだ。
「ダンブルドア先生も…………」
ダンブルドアは近くにいたニフラーに手を近づけたが、するりと逃げられた。
「まだまだ触らしてはくれんがのぉ」
そう言って、ダンブルドアはまた微笑んだ。
「レイラはこの森が、動物達が好きなのか?」
レイラを護るように立っている動物達や、彼女の肩に乗っている動物を見てダンブルドアが言った。
「………分かりません。でも、自由で生き生きとしているこの生き方に引かれたのかもしれません。…………それに私、人間よりは動物の方が好きなんです。私、優しい人間が苦手なんです」
「なぜじゃ?」
ゆっくりと
「優しい人間は、傷ついた私を見て傷つくから。動物は心配はしても傷つきはしないから、動物がいいんです」
レイラの頭に乗ったボウトラックルが彼女の銀髪の髪で遊んでいる。
「・・・・・・・ですが、もうそろそろ帰った方がいいですよね、6時近いですから」
そう言ってレイラは動物達を体からおろして立ち上がった。
「では、ダンブルドア先生」
「また学校でのぉ」
微笑んだダンブルドアが空に浮かび上がって消えた。
「では、また会いに来ますよ」
名残惜しそうにこちらを潤んだ目で見てくる動物達に、後ろ髪を引かれながらレイラは禁じられた森を後にした。
夏休みが終わるので更新が遅くなります
すみません