ハリーポッターと白銀のチート主人公   作:神崎八雲

16 / 24
トリックアンドトリート

お菓子やるからイタズラさせろ!


ハロウィーン 前編

 

 それから1週間たった朝、ハリーとレイラには大コノハズク6羽が運ぶ、大きな包みが送られてきた。そしてその後、もう1羽ずつが飛んできて、レイラには2通、ハリーには1通の手紙を届けた。レイラは手紙をあけた。1通はマクゴナガル先生、もう1通はエリシャからだった。

 

 

 

 《包みをここで開けないように。

 

  中身はあなたのシルバーレイです。

 

  ハリーには新品のニンバス2000を届けました。

 

  あなた方が箒を持ったと知れると、皆が欲しがるので、気づかれないように。

 

  今日の夜7時ウッドとアンジェリーナ・ジョンソン、ケイティ・ベルがクィディッチ競技場で待っています。

 

  最初の練習です。

 

                           M・マクゴナガル教授》

 

 

 

手紙を読み終えたレイラは2通目の手紙を開いた。

 

 

 

 《お嬢様、先日マクゴナガル教授よりご連絡がありました。

 

  寮の代表選手に選ばれたとのことで、おめでとうございます。

 

  お嬢様のシルバーレイは私が毎週手入れしておりましたので、ご安心ください。

 

                                   エリシャ》 

 

 

 

「ニンバス2000だって!僕、触ったことすらないよ」

 

 

 

 

 

 ロンの声が聞こえた。

 

 

 

「レイラの箒は……シルバーレイ?何か、レイラのための箒みた……」

 

 

手紙を読み進めていたハリーが何気なくレイラに話しかけると、それを聞いたロンが愕然とした顔をした。

 

 

 

 「シ、シ、シ、シルバーレイ!?レ、レイラ、なんであれが!?乗りこなせるの!?」

 

 

 

 え?ちょ、落ち着け、ロン。

 

 

 

 「私の愛用の箒なのですよ」

 

 「ってことはあの箒を本当にのりこなせるんだ!すごい!すごい!すごい!」

 

 

 

 そう、これは「シルバーレイに乗っている」と言った時のちょっとでも箒に詳しい人なら一般的な反応だ。なにしろ、「呪われし箒」「乗り手殺し」「銀の死神」などと呼ばれているのだ。

 

 

いや、たかが箒に物騒な名前つけすぎだろ。

 

 

最初それを聞いたときは呆れてものも言えなかった。それほどに事故を起こしまくった物凄い箒。だから、それを乗りこなせる人はめちゃくちゃ尊敬される。

 

 

なぜか私は一発で乗りこなせたのだが。

 

 

そんな感じの説明をすると、2人はキラキラした目でこっちを見てくる。

 

 

こ、これは尊敬されてんのかな?

 

 

 

  

 

 

 

 1時間目が始まる前に2人で箒を見ようとハリーとロンが出て行くと、ハーマイオニーがやってきた。箒と手紙を見せると、ハーマイオニーは笑顔になって言った。

 

 

 

 「おめでとう、レイラ。グリフィンドールの代表選手だなんて、すごいじゃない。しかもハリーみたいに校則を破ったのじゃなく、人を助けて手に入れるなんて、素晴らしいわ」

 

 「まあ1年生が箒を持つこと自体、本来は校則違反なんですがね」

 

 

 

 それからしばらく話した後、ハーマイオニーはまた後で、と出て行った。レイラもしばらくして朝食を終え、寮に箒を置いてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハリーは一日中上の空で、箒のことばかり考えているのが隣でいてよく分かった。変身術のクラスでマクゴナガル先生は明らかにそのことに気づいていたが、何も言わなかった。レイラも久しぶりにシルバーレイに乗れることが嬉しくて、授業中そわそわとしていた。

 

 

 

 

 

 

 夕食後、レイラはハリーとロンと一緒に寮へかけ戻り、箒の包みを開けた。エリシャの仕事は完璧だった。シルバーレイはぴかぴかに磨き上げられ、新品のように美しかった。ロンとハリーはニンバス2000をひとしきり見た後、レイラのシルバーレイに視線を移し、絶句した。この箒のもつ禍々しさを感じ取ったのだろう。実際にこの箒で何人か事故死しているらしい。この箒は、幸せを呼び寄せると言われているセコイアの木を使っているのだがな。

 

 

 

 7時近く、夕暮れの薄明かりの中、ハリーと2人で城を出て、クィディッチ競技場へ向かった。まだウッド達はきておらず、ハリーと2人で飛び始めた。

 

 

 シルバーレイはその評判に恥じない力を発揮した。ニンバス2000も素晴らしい箒だが、これに勝つにはおそらくファイアボルトあたりを持ってこないと厳しいだろう。今はまだ存在しないが、早く作ってほしいものだ。

 

 

 

 「おーい!2人とも、おりてこい!」

 

 

 

 オリバー・ウッドがやって来た。見てみると、2人の女子生徒が一緒だ。アンジェリーナとケイティだろう。

 

 

 

 2人でウッドのすぐ隣にピタリと着陸した。

 

 

 

 「お見事。ん?レイラ、まさかそれは……」

 

 「シルバーレイ、私の愛用の箒です」

 

 「何ぃ!シルバーレイだとお!そっそれは…………いや、何でもない。マクゴナガルの言ってた意味が良くわかった。君らはまさしく生まれつきの才能がある。ハリー、今夜はルールを教えよう。レイラ、君はチェイサーとしての実力を見させてもらう」

 

 

 

 そう言ってウッドはアンジェリーナ・ジョンソンとケイティ・ベルを紹介してきた。レイラはウッドからクアッフルを受け取り、彼女達と箒に乗ってパス回しやシュートの練習を始めた。2人からは即戦力になるとのお墨付きをうけ、飛行技術を誉められた。やがてウッドはハリーへの説明を終え、ゴルフボールを使って練習し始め、レイラ達3人はそれを見物した。ウッドが次々にほうるボールを薄暮の中すべてキャッチしたハリーを見て、アンジェリーナが口を開いた。

 

 

 

 「すごいわね、彼。あなた、あれできる?」

 

 「いえ、出来ないと思います」

 

 

レイラは即答した。

 

 練習が終わった後、ウッドはとても上機嫌だった。あのままタップダンスを踊り出すんじゃないだろうか、とレイラは思った。

 

 

 毎日大量の宿題が出る上、週3の練習のせいでますます忙しくなった。毎日があっという間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハロウィンの朝は、レイラはお菓子の焼ける良いにおいで目が覚めた。香ばしく、とても美味しそうだった。

 

 

 

今度作り方を教えてもらおう、とレイラが思っていたとき、「妖精の魔法」のフリットウィック先生がそろそろ物を飛ばす練習をしましょうと言った。皆は歓声をあげた。

 

 

 レイラはハリーと、ロンはハーマイオニーと組むことになった。ロンがハリーを恨めしげに見て、二人ともカンカンだった。

 

 

「いいですか皆さん。ビューン、ヒョイですよ。やって見ましょう。」

 

 

 

 フリットウィック先生がキーキー声で言って、実技が始まった。

 

 

「ウインガーディアム レヴィオーサ!」

 

ハリーが呪文を唱えたが何も起こらない。

 

 

「ハリー、惜しいですが、ウィンの部分が少し違います。こうですよ、ウィンガーディアム レヴィオーサ(浮遊せよ)

 

 

 

 レイラが呪文を唱え、杖を振ると、羽は机を離れ、頭上1・2メートルに浮いた。

 

 

 

「オーッ!よくできました!皆さん、見てください!ユオハーゼさんがやりました!」

 

 

 

 先生が拍手をして叫んだ。皆も自分も成功させるべくやる気を出し始めた。

 

 

 

「ウィンガディアム レヴィオーサ!」

 

 

長い腕を風車のように振り回してロンが叫んでいる。

 

 

「言い方が間違ってるわ。ウィン・ガー・ディアム・レヴィ・オー・サ。『ガー』と長ーくきれいにいわなくちゃ」

 

  

 

 このとんがった声はハーマイオニーだ。間違ったことは言っていないがそこまで頭ごなしに言われれば、ロンもむかつくだろう。

 

 

 

「そんなに良くご存知なら、君がやってみろよ」

 

と、ロンが怒鳴っている。

 

ウィンガーディアム レヴィオーサ(浮遊せよ)!」

 

 

 

 ハーマイオニーも成功し、フリットウィックに二人でそれぞれ5点ずつもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 クラスが終わったとき、ロンは最悪の機嫌だった。

 

 

 

 「だから、誰だってあいつには我慢できないって言うんだ。まったく、悪夢みたいなヤツさ。レイラよりも出来ないくせに調子にのっちゃって」

 

 

 

 ロンが廊下を歩きながらこぼし、レイラがあまりの言い様にとがめようとした時、ハーマイオニーが隣を歩いていたハリーにぶつかった。いそいで追い越していくその顔を見ると、泣いているのが見えた。

 

 

 

「今の、聞こえたみたい」

 

ハリーが言う。

 

「それがどうした?」

 

ロンも少しは気にしているが、フンッとそっぽを向いた。

 

 

 

 

 

 しかし、ハーマイオニーを放ってはおけない。

 

 

 

 「すみません、2人とも。先に行っててください」

 

 

 

 そう言ってハーマイオニーを追いかける。だが人ごみのなかで、あっという間に見失っていた。わかっているのはどこかの女子トイレということだけだから、片っ端から探す。一時間以上探していると、パーパティーとラベンダーが歩いてくるのにすれ違った。

 

 

 

 「ハーマイオニーを見ませんでしたか?」

 

 

 

 尋ねると、2人は暗い顔をした。

 

 

 

 「この先の女子トイレの個室で泣いてるわ。一人にして欲しいって。一体どうしたのかし…………」

 

 

 

 最後まで聞かないうちにレイラは走り出した。その女子トイレに着くと、個室の1つから、すすり泣く声が聞こえた。間違いない。

 

 

 「ハーマイオニー、私です。レイラです。大丈夫ですか?」

 

 「ごめん……レイラ、一人にしてもらえないかしら」

 

 「そうですか……」

 

 

 

 レイラは何も言えなかった。

 

こんな時は何て声をかけるべきだろうか。散々考えたが1つも名案は浮かんでこない。そのうち、自分の無力さに腹が立った。何が『生き延びた女の子』だ。何が天才だ。何が100年ぶりの1年生のチェイサーだ。何が魔力も体術も完璧に出来る、だよ。友達の一人が泣いているときに慰めることも、声をかけることも出来ないなんてただのバカじゃないか。非力で腹が立つ。無力で腹が立つ。

 

 

 

 

「──────ーっごめんなさい、ハーマイオニー」

 

 

とっさに出た声は震えていた。目からは涙が零れ落ちてくる。

 

「私、友達が泣いているのに…………何も出来ないよ…………」

 

 

視界が涙でにじんだ。

 

 

 

「ごめんなさい……ハーマイオニー。ごめんなさい……」

 

 

肩が震える。

 

 

「私…………調子にのっていました。自分の才能にうぬぼれていました。自分が何でもできるつもりになっていました。一人じゃ何も出来ないくせに…………友達が悲しんでいる時、慰めてやることも1つ出来ないくせに……」

 

 

 

 そこまで言うと、突然個室の戸が開き、真っ赤な目をしたハーマイオニーが出てきた。

 

 

 

 「レイラ…………私こそ調子にのっていたわ。他人のことを、考えていなかった。……私は何て最低なの。嫌われるのも、当たり前よね…………そんな私でも、友達って言ってくれて、ありがとう、レイラ」

 

 

 

 私たちは抱き合って泣き出した。お互い、自己嫌悪に苛まれながら。これまでの行いを、心の底から後悔しながら。そこにいるのは、ただ、2人の11歳の少女が失敗し、悔やんで泣いている姿だった。

 

 

 

 やがて泣き止むと、ハーマイオニーは真っ赤に泣きはらした目をして、言った。

 

 

 

 「私…………グリフィンドールのみんなに謝ってくる。許してもらわなきゃ。」 

 

 

 

 「私も謝らなくてはなりませんね。もう晩御飯の時間です。行きましょ………………」

 

 と、その時、トイレのドアが開いた。入ってきたのは…………

 

 

 

 「トロール……」

 

 

 

 そう、レイラの頭からすっかり消えていたトロールが、そこにはいた。 

 

 

 

 




次はトロールと戦いO(≧∇≦)O
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。