ハリー「キャラおかしいよ?」
消毒の匂いと背中に感じるシーツの感覚からどこにいるのか大体は予想がついた。
「………………」
首だけを回すと、脇のテーブルにはまるで菓子屋が何店も引っ越してきたように、甘いものやお菓子が積み上げられていた。
起き上がろうと力を入れたレイラは、強い痛みに襲われ顔をしかめる。
「まだ、動いたらダメですよ」
突然の声に驚いてそちらを見ると、マダム・ポンフリーが手に何かを持ってやって来た。
「左腕の骨折に、頭を切っている。肋骨も何本か折れている上に体中切り傷と打撲でいっぱい」
レイラは自分の体を見てみる。すると、マダムに言われた通り、左腕は三角巾で吊るしてあり、頭と体中に包帯を巻いていた。
レイラの隣に座ったマダム・ポンフリーが手に持っていた物、薬を手渡した。
「まったく、女の子なんだから少しは気にしてくださいよ」
「は、はい」
ゴクッ
マダムから貰った薬を口にしたレイラは苦さに顔をしかめた。
「苦い………………です………………」
「良薬は口に苦し、と言うでしょう」
涙目になりながらも、レイラは薬を飲む。その時、医務室の扉が開かれた。
「ダンブルドア校長先生!まだダメだと………………」
マダムが慌てて扉の方へ向かう。
「少しだけMs.ユオハーゼと話させてくれんか?5分で良いのじゃが」
「私も先生に聞きたいことがあるんですが…………」
ダンブルドアに続いてレイラがそう言うと、マダムに睨まれた。
「仕方ないわね。5分だけですよ?」
「ありがとう、ポッピー」
マダムが部屋から出ていくと、レイラはすぐにダンブルドアに聞いた。
「ハリーとロンとハーマイオニーは無事ですか!?私が不甲斐ないせいで彼らは怪我をしたりしていたら…………」
「大丈夫じゃよ、レイラ。3人とも怪我1つなく元気に過ごしておる」
焦ったように言うレイラにダンブルドアは優しく言った。
「よかった…………じゃあ、先生方が助けてくれたんだすね。私、トロールに殴られた後から何も覚えてなくて…………」
レイラはホッとしたような、悔しそうな顔をした。だが、すぐ笑顔に戻って、
「また、大切なものを失ってしまうところでした。先生、ありがとうございます」
と言って頭を下げた。
「いや、お礼ならセブルスに言った方が良い。彼がレイラも助けたようなものじゃからな」
「スネイプ先生が…………?」
「そうじゃよ。ああ、それと昨日はハロウィーンのパーティーに参加出来なかったらしいのぉ。そんなレイラにわしからのプレゼントじゃ」
そう言ったダンブルドアが、カボチャパイをどこかから取り出して、それをレイラに手渡した。
「わぁ、ありがとうございます!」
昨日、レイラはハーマイオニーを探すのと、トロールの事件で全くパーティーに参加できず、何も食べていなかったのだ。
嬉しそうな顔でカボチャパイにかぶりつくレイラを微笑みながら見ていたダンブルドアが、よっこらしょ、と立ち上がった。
「じゃあ、わしはこれでのぉ」
「はい、カボチャパイありがとうございます!」
笑顔でお礼を言ったレイラに、ニッコリと微笑んだダンブルドアは医務室から廊下に通じる扉に近づいた。そこでレイラは扉の前にたくさんの気配を感じた。ダンブルドアもそうだったのだろう。扉から離れた後、
「
と呪文を唱えた。
すると、次の瞬間・・・
「「「「「「わぁっ!!!!」」」」」」
開いた扉からハリー、ロン、ハーマイオニー、・・・だけでなく、フレッド、ジョージ、ネビル、ドラコ、マーカス、セドリック、チョウ・・・など、たくさんの人が倒れ込んできた。
「いてて・・・」
「何をしているのですか?」
1番先頭にいたハリー、ロン、ハーマイオニーがレイラの声にバッと顔を上げた。
「「「レイラッ!大丈夫!?」」」
見事に3人の声が重なる。
「え、ええ。大丈夫ですよ」
若干驚きながらもレイラが言った、その瞬間、
「何しているんですか!!出ていきなさい!彼女はまだ安静にしないといけないんです!!」
医務室にマダム・ポンフリーの声が響く。
あっという間に全員が追い出され、医務室はいつもの静かな状態に戻った。
「ほら、あなたはちゃんと休息をとって」
マダムがレイラをベッドに戻す。
「あの、マダム・ポンフリー。5分でいいからハリー達と・・・」
「いいえ。絶対にいけません」
「ダンブルドア先生は入れてくださったのに・・・」
「そりゃ、校長先生ですから、他とは違います。あなたには休息がとても大切なんです」
「私、ちゃんと休息を取ります。だからお願いします!」
「・・・しょうがないですね。でも、5分だけですよ。騒いだら今度こそ彼らには出ていってもらいます」
そして、先程のメンバーが医務室に入れてもらえた。
「「「レイラッ!!」」」
ハリーとロンとハーマイオニーが1番最初に医務室に飛び込んできた。
「ああ、こんなに怪我をして・・・私のせいだわ」
レイラの姿を見て、ハーマイオニーが顔を手でおおった。
「大丈夫ですよ。ハーマイオニーのせいではありません。私が無茶し過ぎただけです」
レイラは笑いながらハーマイオニーの手をとった。
「本当に大丈夫?レイラ」
「僕達何も聞かされてないんだよ」
フレッドとジョージが心配そうな顔をしながらも、ちゃっかりとお菓子の山から蛙チョコレートを取る。
「ええ、大丈夫です。実は私も何があったのかはよく分かっていなくて」
レイラも砂糖羽根ペンを手に取って包みを開けた。
「皆さんも食べて良いですよ。流石に1人で食べきれる量ではありませんので」
レイラの言葉に、ロンがバーティー・ボッツの百味ビーンズを手に取った。
「ほんと、元気そうで良かったよ」
ロンが口に百味ビーンズを放り込み、その途端顔をしかめた。
「芽キャベツだ」
「こんなにお菓子がたくさんあるところでこれを渡すのは申し訳ないけど、はい、レイラ。お見舞い」
チョウが紙袋をくれた。その中には、ドルーブルの風船ガムや、大鍋ケーキなどがたくさん入っていた。
「わぁ!ありがとうございます、チョウ!」
「喜んでもらえて嬉しいわ」
チョウが天使のような微笑みを見せた。
次にフレッドとジョージがニヤニヤと笑いながら、
「じゃあ、俺達からは」
「イタズラグッズをプレゼントだ!」
と、袋いっぱいのイタズラグッズをくれた。
「おとり爆弾とか、インスタント煙幕とか」
「新しく作っただまし杖とかもあるんだぜ!」
まるで小さい子供のように目を輝かせて説明する2人に、レイラは苦笑した。
「機会があれば使わせていただきますね」
他にも、マーカスが『クィディッチ今昔』という本をくれたり(どこからレイラがクィディッチをするという情報を仕入れたのだろう)、ネビルが大量の百味ビーンズをくれたり(お菓子の山をチラチラと見ていたので、その中から何個かをあげると、とても喜ばれた)、セドリックが色の変わる羽根ペンと羊皮紙、薬瓶をくれた(セドリックファンに殺されるかもしれない)。
楽しいひとときはあっという間に過ぎる。
「もう30分も経ちましたよ。さあ、出なさい」
そうマダムに言われた時は、みんな広げていた荷物を慌てて片付けた。
「じゃあな、レイラ」
「早く元気になってね」
1人ずつ、名残惜しそうに医務室から出ていく。レイラは、一生医務室から出られない訳じゃないのに、と思いながら手を振って、みんなを見送った。
みんなが出ていった後、最後にドラコが残った。
「どうしたのですか?」
レイラが声をかけると、
「これ、お見舞いだ」
と、真っ赤な顔で言われて、紙袋がベッドに飛んできた。
「わっ」
慌ててそれを受け止める。
「は、早く怪我治してよっ」
バタンッ
「・・・はい」
ドラコが走って医務室から出ていった。
「何をくれたのでしょうか?」
レイラが紙袋を開くと、そこにあったのは・・・
「わぁ、とてつもなく高そうだがセンスの良いマフラーが・・・」
はい、説明してくれましたね。
そこに入っていたのは、銀色と淡い水色の縞模様の高級そうなマフラー。その端の方には白色で紅い目の小さな兎が刺繍してあった。
「嬉しいです・・・ありがとうございます、ドラコ」
もうその本人はこの場に居ないが、レイラはお礼を言った。
レイラ「どうしよう・・・お菓子の山が無くならない」
マダム「大丈夫ですよ、最初の1/2は無くなっています。・・・まだまだたくさんありますが」
ドラコ良い奴、って頭の中でなってる