ヒュンッヒュンッ
真夜中の中庭。レイラは魔法で作った木刀で素振りしていた。剣先がぶれないように、意識して同じ軌道をなぞる。
「……ッハア、ハア……」
百回くらい素振りした後、一度休憩するために地面に寝転んだ。
(…………星、綺麗だなぁ)
ホグワーツの光は全部消えていて、そのお陰で星がキラキラ光って見えた。
「…………ん?」
じっと目を凝らすと、そのうちの1つの星がどんどん近づいてきた。画面いっぱいに白が広がる。
ガツンッ
「────────っ!」
ホーホー
落ちてきたのはレイラのふくろうのルナだった。そのくちばしが、ちょうどレイラの眉間に当たる。
「────っ!?あ、何だルナか」
ホー
「あなたは人の嫌がることをするのが上手ですね……」
苦笑しながら、レイラはルナを抱える。すると、ルナの足に1つの手紙がくくりつけられているのに気がついた。
「…………
その手紙は、マルフォイ家からのクリスマスパーティーへのお誘いだった。
「まぁ、いいですか。楽しそうですし。それに私がいない間は何とかしてくれるでしょう?ダンブルドア先生?」
レイラは、暗闇に向かって声をかけた。ついでにニコリと微笑みかける。
「…………ほう、わしに気づいとったか」
暗闇からダンブルドアがスッと現れた。
「それで、これに行ってきてもよろしいでしょうか?」
「わしは別にいいと思うが、君がいない間ウィーズリーの双子が意気消沈するのが想像できるぞ」
レイラは想像して苦笑いした。お葬式状態のなって、ハリーとロンが困りそうだ。
「ダンブルドア先生、どうにかしてくださいよ」
「かわいい生徒の頼みじゃ、
「ありがとうございます」
どうにか、のところが引っ掛かったが、まぁ大丈夫だろう。
「では、鍛練もほどほどにして早く寝るのじゃぞ」
「はい、ではおやすみなさい」
ダンブルドアは現れた時と同じように、スッと暗闇に消えた。
翌日の夕方。レイラは姿あらわしをしてマルフォイ家に行った。今日の格好はドラコとお揃いの黒いタキシードだ。
「よく来たね!レイ!」
家のベル鳴らすと、ドラコが満面の笑みで迎え出てくれた。
「久しぶりだな、ドラコ」
レイラも笑顔で挨拶する。ドラコの案内で、レイラはパーティー会場に向かった。
キラキラと輝いているツリーに、とても大きなシャンデリア。目がチカチカするほど、見える光景全てが光輝いていた。思わず目を細めてしまう。
「どうした?」
それに気づいたドラコが声をかけてきた。
「いや、前来たときよりも輝いている、と思ってな」
レイラがそう言うと、ドラコは苦笑した。
「クリスマスだからな」
「ああ、なるほど」
クリスマスは輝くためにあるのか、とレイラは思った。パーティー会場にいるほとんどの人(主に女性)の服はあらゆる場所が輝いており、アクセサリーとしているのか、重そうな宝石がキラキラと光に反射している。
「じゃあ、子供達の輪に入ろうか」
ちょうど目が痛くなってきたところで、ドラコが声をかけてくれた。歩き始めたドラコについていくために足を速める。
「あ、ドラコ!どこ行ってたんだよ・・・って、ユオハーゼ殿!?」
1番始めにセオドール・ノットが気づいた。
「やぁ、セオドール。3年ぶりかな?」
「は、はい!」
ノットの裏返った声に、他の子供達もレイラに気づいた。
「ユオハーゼ殿!?お、お久しぶりです!」
「久しいな、ブレーズ」
「レイ様!お元気でしたか?」
(レ、レイ様?)
「ああ、僕は元気だ。君達はどうだ?」
「「「「元気です!」」」」
子供達のほとんどがレイラに声をかけてきた。3年前に会ったことがある人や、新しく知り合った人もいる。
(でもなぁ・・・・・)
「なぁ、ドラコ。レイ様って何だ?様付け?」
「僕も分からないよ。ホントに何だろうね」
ドラコは、『ドラコ様』と呼ばれるのに慣れているのか、苦笑で済ましている。流石は名家の息子だ。
と、そこへルシウスがやって来た。
「お久しぶりです、ユオハーゼ殿。このパーティーにご出席いただき、本当にありがとうございます」
そう言って深く礼をしたルシウスに、レイラは言葉を返した。
「いや、こちらこそ誘ってくれてありがとう」
レイラも会釈をする。
「ところで、ルシウス殿。少し、
【死喰い人】についての。
最後の文は口パクで伝えたレイラの言葉に、ルシウスの顔には一気に緊張が走った。
「・・・あちらで話しましょう」
「分かった」
ルシウスについて歩くと、ベランダに出た。
周りに気配を配って、誰もいないことを確認する。
「それで、話とは・・・」
「ああ、すまない。大したことではないのだが」
レイラはスッと目を細めた。
「私の家を燃やし、叔父様を殺したのは貴様の命令か?ルシウス」
2つの緋色の瞳がルシウスをじっと見つめる。その瞬間、周りの木々がザワザワと揺れ始めた。
「────────ーっ!」
たった1人の少女の視線に、ルシウスは動きを制された。まるで、何かがルシウスの体にのしかかっているくるようだ。紅く光る瞳が、全てを見透かすように細まる。
「さぁ、貴様の口から語れ。真実を」
ゴクリとルシウスは唾を飲み込んだ。
「あ、あれは・・・私の命令では、ありません」
「・・・そうか」
フッとルシウスにかかっていた重しが消えた。それと同時に険しかったレイラの顔が元の笑顔に戻る。
「すまない、疑ってしまって。私は真実が知りたかっただけなのだ。だが、またからぶってしまったな」
レイラは苦笑しながらそう言う。
「
「ああ、何人かの【死喰い人】にもさっきと同じような事をしたのだが・・・。全て違っていてな」
すまない、ともう一度レイラは謝る。その顔には暗い影が降りていた。
レイラが子供達の輪に戻ると、女の子達が何か話をしていた。
「・・・あの、レイ様と同じ名字のグリフィンドール、あの子ウザいわよね」
「同じ名字なのが羨ましい!」
「今度──────」
そこまで聞いたところで、女の子達はレイラが帰ってきている事に気がついた。
「お帰りなさいませ、レイ様!ルシウス様と何を話されていたのですか?」
「あ、ああ。少し、な。ところで、先程話していたことは・・・」
「レイ様には関係ないことです。それよりもあちらで私と踊りませんか?」
はぐらかされた。
「いや、遠慮しとくよ。僕はドラコと話がしたいから」
「そうですか、残念です」
早々に話を切り上げ、レイラはドラコの方へ歩いた。あの女の子達との会話には慣れない。いつも何かを企んでいるような感じがする・・・。
レイラ「さぁ、真実を語れ!お前が私のプリンを食べたのだろう!」
ルシウス「いや、違いますけど」
レイラ「なっ、何だと!?じゃあ、誰が・・・」
ダンブルドア「わしだ」
レイラ&ルシウス「お前か!!!」
いぇい