俺は言ったからな!!
その時、私は家にいなかった。
何故いなかったのだろう。今さら悔やんでももう遅い。
────────私はまた家族を失ってしまった。
2時間前
「叔父様は純血主義ですか?」
ふと、レイラは口にした。
「私か?そうだな、、、、、、」
叔父は考え込むように眉間に手を当てた。
ユオハーゼ家の癖なのだろう。レイラも考え込むときは眉間に手を当てている。
十分考え込んだ後、叔父は答えた。
「いや、私は純血主義ではない。お前の父親よりだよ」
それを聞いてレイラは安心した。
「よかったです」
「何故だ?」
「私も純血主義でありませんから」
そう言うと叔父は驚いた表情をした。
「では何故マルフォイ家のパーティーに行ったんだ?」
「表向きは ”純血主義” ですから。それと、闇の
「確かにな、、、」
────────この会話が災いを呼んだ。
あの会話の後、レイラは修行の一貫で山へ走りに行っていた。エリシャを連れて。
そして、帰ってきたときには、、、、、、
「家が、、、、、、」
8年前と同じような光景が眼前に広がっている。
家は修復が不可能なほど燃え、近くの木にも飛び火が移っている。
レイラはさっきから気配の量が多い、家の裏口側へ走った。
嫌な気配だ。まるで、、、、闇に染まっているような。
「エリー!ダンブルドア先生に報告に行って下さい!多分これは【死喰い人】の仕業です!」
すぐさまエリシャに指示を出す。
「ですが、お嬢様は、、、、?」
「私は叔父を探してくる。手遅れにならないうちに」
そう言うがエリシャはなかなか行こうとしない。
「、、、、でっですが、、、」
「早く行け!」
「──────ッ分かりました」
バシッ
エリシャが姿くらましをした。
これでエリシャだけでも助かるだろう。
一応杖を構えながら走ったその先には、、、
「アバダ・ケダブラ《息絶えよ》」
緑の閃光が闇の集団の真ん中にいた人に当たる。
その人物は、レイラのよく知る人だった。
「お、、、、じ、さま、、、?」
全てがスローモーションで見える。
ドサッ
「フンッ、純血の身でありながら【闇の帝王】様に逆らうからだ」
音が全身に戻ってくる。
「あ、ぁああ、、、」
心臓があり得ないくらい速く動く。
レイラの手から杖が滑り落ちた。
「ぅ、ああ、、、、、、」
ユオハーゼ家特有の白い肌は、ほとんど外傷がない。長い睫毛で縁取られた瞼はぴくりともしない。乱れた髪が額や頬にへばりつき、顔色を失った死に顔は驚くほど安らかだった。
「ぅああ、、、、ぁぁああ、ああ、、、」
掠れた声が自分から絞り出されたものだと、レイラは意識できずにいた。心が死んでいくようだった。音も視覚も何もかもが失われていく。これ以上見てはいけないと叫ぶのに、目をそらせなかった。
護れなかった。その事実がレイラの心を引き裂いた。
「む?貴様はユオハーゼ家の当主、レイラ殿ではないか、こんなとこで何を、、、」
グチャッ
レイラに近付いた【死喰い人】の1人から、魔法ではあり得ない音がする。
白く透き通るような小さい腕が【死喰い人】の体を貫通していた。突き出た腕は真っ赤に染まり、ぐちゃりと背筋の凍るような音を立てているのは臓物だろう。
「なっ何を、、、、」
ズボッ
【死喰い人】の体から手が抜かれる。その【死喰い人】はヒューヒューっと浅く呼吸をしながら倒れて息絶えた。
「貴様ァ!」
別の【死喰い人】が魔法で攻撃してくるが、その呪文を唱える前にその【死喰い人】は首をはねられた。
その時、周りにいた【死喰い人】達は見た。
10歳にも満たない少女が【死喰い人】《なかま》を殺しているときの顔を。
レイラの顔には狂喜に心酔する笑顔が張り付いているのだ。目はかっ開ぴらいて瞳孔は開き、にたりと無理やり上げられた頰の筋肉はビキビキ鳴った。
「う、うわぁぁぁぁ!!」
我先へと逃げ出す【死喰い人】達。それは当然だ。まだ幼い少女が人を苦しめて、殺して、そして狂喜の笑みを浮かべているのだから。魔法ではあり得ない苦しみを与えているのだから。
グチャッ
視界が真っ赤に染まった。
次回、ダンブルドア先生の登場です