血、血、血。
辺り一面がどす黒い血で染まっている。
ここは、元々大きな館が建っていた。だが、それは今、跡形もない。
かすかに残る燃えカスの臭いをも、全てを呑み込みそこにあるのはただ、死でしかない。
そんな場所にダンブルドアは来ていた。
視界を覆い尽くす鮮血。切り裂かれ原型を無くし、辺りに散らばった人体。肌を刺す様な寒気。鼻をつくような嫌な臭い。まさに、血の海という言葉がふさわしい場所。近づいてはいけないと、本能が警報を出していた。
「一体何があったんじゃ、、、」
あのダンブルドアも戦慄するような、まさに地獄のような光景がある。
「お嬢様、、、お嬢様は何処へ、、、?」
屋敷しもべ妖精のエリシャが震えながら自分の主、レイラ・ユオハーゼを探す。
見た目では判断できないような骸が散乱しているその場所。血の海の真ん中で1つの影が立ち尽くしていた。
「お嬢様、、、?」
一歩足を踏み出したエリシャは途端に、とてつもなく巨大な殺気に襲われた。
慌てて足を引っ込めるとその殺気は感じなくなる。
その時、立ち尽くしていた影が顔を上げ、エリシャとダンブルドアを見つめた。何も写していない虚ろな瞳で。
その少女の綺麗だった銀髪は今はどす黒い血に染まり、透き通るような白い腕は両方とも血を滴らしている。
その瞳は紅く、血の色をしていた。
「レイラ、、、」
ダンブルドアが歩き出した。その途端、虚ろだった瞳が殺気を帯びた "獲物を狩るもの" の目に変わる。
だが、次の瞬間その顔は、今にも泣き出しそうに歪んだ。
「まも、、、っれなっ、、、かった、、、。わたしは、、、つよく、、、な、んて、、、っなかった、、、どうしよう、、、っ、、、ころし、、、、っちゃったよ、、、ひとりに、、、なっちゃ、、、ったよぉ、、」
レイラの足元には綺麗なまま、叔父のレオンが横たわっている。
「ぅああ、、、っあああ、、、あぁああっ、、、」
まずい、心が壊れかけている。
そう思ったダンブルドアが焦って駆け寄ろうとした時だった。
「お嬢様!」
エリシャがダンブルドアよりも速く近付いて、レイラの手をとった。
「、、、っエリー、、、」
「大丈夫、大丈夫です、お嬢様」
優しく、血に濡れているレイラの手を撫でる。
「、、、ひっぐ、、、っく」
レイラの紅い瞳から雫が落ちる。
「大丈夫、大丈夫。お嬢様は一人ではありません」
「、、、っく、、、えっく、、、」
「私がいますから」
「う゛ん、、、エリーがい゛る」
でしょ?、と微笑んでそっと手を撫でるエリシャと、泣き止もうとするレイラ。まるで、母子だ。
その様子を見てホッとしたダンブルドア。どうやら、レイラは闇に染まらずに済んだようだ。
しかし、たった9歳の少女が素手で魔法を使う大人に勝ってしまうとは、、、
状況を把握するにつれ、ダンブルドアの顔は険しくなっていった。
腕が死ぬ。
神様、俺に文才を授けてくれ