バンドリ短編集   作:黄緑のしゃもじ

5 / 8
香澄に振り回される話

 

やまぶきベーカリーの前で。

 

香澄「じゃあ、外で待ってるねー」

沙綾「うん、お願い。スティック取ってきたらすぐ戻るから」

香澄「行ってらっしゃーい」

 

沙綾「スティック持ったしこれで……、あっそうだ。パンも持って行こ! えっと、これと、これと……、最新作のチョココロネも持って。りみりん喜ぶかなー」

 

沙綾「……よし、これでいいね。香澄も待ってるし早く行かないと……あれ? ん? 日菜さん……かな? 走って行ったけど……なんだろ。まあいっか、香澄ー、お待たせー」

香澄「……」

沙綾「ん? 香澄?」

香澄「あっ、さーや!」

沙綾「ごめん、割と待たせちゃったね」

香澄「うーうん、全然待ってないよ」

沙綾「そう? じゃあ蔵に行こっか」

香澄「うん! あっ、さーやその荷物持とうか?」

沙綾「え? いーよ別に、そんなに重くないし」

香澄「ううん、持つよ。貸して?」

沙綾「いーよ、いーよ。そんなっ……あっ」

香澄「やっぱ重いじゃん」

沙綾「うん……ありがと」

香澄「じゃ、行こー」

 

 

香澄「えー、ミッシェルが!?」

沙綾「うん、ミッシェルがその時にね。りみちゃんには指一本触れさせない! って言って」

香澄「へー、……あっ、さーやそっち側危ないしこっち側歩いて?」

沙綾「え? あ、うん」

香澄「で、ミッシェルがそんなこと言って?」

沙綾「う、うん。……でね、りみりんキュンってしちゃって。あれは目がハートになってたね」

香澄「りみりんもミッシェル好きだもんねー、……あ、さーやそこ躓くと危ないし気をつけてね」

沙綾「え? あっ……!? っ!!」

香澄「おっと、……さーや、大丈夫?」

沙綾「う、うん。ありがと香澄」

香澄「大丈夫ならよかった。で、そのあとどうなったの?」

沙綾「え、えっと、ミッシェルが悪者をやっつけてそこにたまたま歩いて来た、おたえがりみりんを連れ去って行って……」

香澄「それでそれで!」

沙綾「それにりみりんの目が点になって……ん?」

香澄「……? どうしたのさーや?」

沙綾「いや、あれ? 香澄、今日いつもと道違うよね? ちょっと遠回り?」

香澄「……あ、ごめんね。気づいちゃった?」

沙綾「気づいたって……え?」

香澄「えーっと、そういう事なんだけど……」

沙綾「……どういうこと?」

香澄「だって、仕方ないもん……」

沙綾「……え?」

香澄「えっと……、さーや……!」

沙綾「……え? か、香澄? どうしたの……ちょっと、ちか……」

香澄「……えっと、ねっ!」

沙綾「っ!?」

沙綾(か、壁ドン!?)

香澄「今日のさーや、可愛すぎるから」

沙綾「……か、香澄!?」

香澄「少しでも、長くいたいなーって思って」

沙綾「ちょ、ちょっと……」

香澄「久しぶりの2人きりだもんね」

沙綾「っ!? きゅ、急にどうしたの!?」

香澄「せっかくの時間だしね」

沙綾「ちょっと、香澄……!?」

香澄「……あれ? さーや顔赤いよ?」

沙綾「い、いやだって……、い、いつもより近い……」

香澄「さーや、いつも可愛いけど近くで見るともっと可愛いね」

沙綾「っ!?」

香澄「うん。可愛いっ」

沙綾「香澄!? ちょ、ちょっとどうしたの!? おかしいよ!?」

香澄「そうかなぁ? いつもの私だよ?」

沙綾「ち、違うと思うけど……」

香澄「ほら、顔見て」

沙綾「どうし……」

香澄「さーや、どこ向いてるの?」

沙綾「いや、だって……」

香澄「……こっち向いて」

沙綾「……ぁ」

香澄「さーや……」

沙綾「ちょ、ちょっと待って……! っえ!?」

香澄「あっ……、さーや、いやだった?」

沙綾「い、いやって……。だ、ダメだよ……! 

だって私達……」

香澄「大丈夫だよ。私さーやのこと大好きだもん」

沙綾「っ!!」

香澄「だから、ねっ?」

沙綾「あっ…………」

香澄「さーや……」

沙綾「……やっ」

香澄「……」

沙綾「やっぱ、だめぇーー!」

香澄「……あ、さーや! え、ちょっと、ちょっと待ってぇ!」

沙綾(や、やばい! やばいって! 今、香澄、き、キスしようと……して……わぁぁぁ!)

 

これはみんなが香澄に振り回される話

 

有咲「おっせーな、あいつら」

りみ「さーやちゃんと香澄ちゃんは日直で、おたえちゃんは……何してるんだろ?」

有咲「……はあ。せっかく今日は生徒会の仕事を無しにしてもらったのに……」

りみ「だよね……」

有咲「……ったく、香澄が今日は重大発表があるから早く来いって言ったのに。その本人が遅いとか……」

りみ「有咲ちゃん……」

有咲「はあ、いつものことだけ……」

沙綾「!! はあ、はあ、……み、みんな!!」

有咲「っ!! 沙綾!?」

りみ「っ!! さ、さーやちゃん!?」

沙綾「た、たい、大変なの!!」

有咲「ど、どうした! そんなに息切らして!」

沙綾「えっと、えっと……」

りみ「さーやちゃん、落ち着いて」

有咲「沙綾がこんなに焦ってるのは珍しいな……」

沙綾「か、か……」

有咲、りみ「……か?」

沙綾「か、香澄が……」

有咲「香澄? 香澄がどうした?」

沙綾「香澄が……おかしくて……」

有咲「? 香澄がおかしいのはいつものことだろ?」

りみ「有咲ちゃん……」

沙綾「ち、違うの。いつもの香澄じゃなくて……」

有咲「? いつもの香澄じゃなくて……?」

沙綾「いつもの香澄じゃなくて……っ!」

香澄「!! さーや!!」

沙綾「……っ!? か、香澄……!?」

有紗「香澄!」

りみ「香澄ちゃん!」

香澄「さーや……なんで、走って行っちゃったの!?」

沙綾「だ、だって……」

有咲「おい、香澄! おせーぞ!」

香澄「あっ! 有咲!!」

有咲「お前が早く集まれって行ったから用事を明日にしたのに、なんでお前がおせーんだよ!」

りみ「あ、有咲ちゃん……」

香澄「ごめんね、有咲」

有咲「ごめんで済んだら警察はいらねーんだっつーの」

香澄「……」

りみ「香澄ちゃん。有咲ちゃんね、大分待ってて……」

香澄「……遅くなったことは謝るよ。ごめんね?」

有咲「?? お、おう……」

りみ「……あれ?」

有咲「ど、どうした? 今日はやけに素直だな」

香澄「うん。だって、こんな可愛い有咲が怒るなんて絶対私が悪いでしょ?」

りみ「え、ええ!?!?」

沙綾「あぁぁ……」

有咲「は、はあ!?!?」

香澄「うん、絶対に私が悪い……ん? どうしたの?」

有咲「……い、今なんつった?」

香澄「? こんなに可愛い有咲が怒るなんて絶対私が悪い?」

有咲「っ!!! な、な、なっ!」

香澄「?? どうしたの有咲? あっ、その顔も可愛いね? いつも可愛いけど、今日は一段と可愛いよ?」

有咲「な、な、な! ちょっ! お、お前……何いって……」

香澄「何って? 有咲が可愛いこと?」

有咲「なぁーーーー!?」

香澄「さーやも可愛いけど、有咲も可愛いなー」

有咲「ちょっ、お前! どどど、どうしたっ!」

香澄「有咲、いつもありがとねっ」

有咲「な、なんだよ……」

香澄「有咲、大好きだよ」

有咲「っ!!!」

りみ「さーやちゃん、これ……」

沙綾「う、うん。これが、今日の香澄……私だけにじゃなかったんだ……」

りみ「……いつもの香澄ちゃんのスキンシップと、違う……」

有咲「か、香澄。お前……どうしたんだよ……」

香澄「……? 有咲もさーやと同じ事言うね? いつも通りだと思うけど?」

有咲「いつも通りって……自覚ねぇん……、ちょっと香澄、ゆっくり近づいてくんなって!」

香澄「? どうして? 有咲逃げないでよ」

有咲「……ちょっと待て! かす……っ!」

香澄「ふふっ、壁だねって。あっ、もう、有咲! 逃げないでってっ!」

有咲「っ!!」

りみ「っ! 股ドン!?」

沙綾「はわわわわ……」

香澄「有咲。もう逃げられないよ?」

有咲「ちょっ、ちょっと待て香澄!」

香澄「だーめ、もう待てない」

有咲「ちょっ! ちょっま、まっ……!」

香澄「有咲……っ」

有咲「っ!!!」

りみ「か、壁ドン!?」

沙綾「はわわわわ……」

有咲「か、香澄……おま……ち……か……」

香澄「有咲、可愛いよ……」

有咲「な、な、な……っ!」

香澄「……ねぇ、だめ?」

有咲「……あ……ぅ……」

香澄「いいよね、有咲。私たちの中だもんね」

有咲「か、かす……み……」

沙綾「はわわわわ……」

りみ「有紗ちゃん……」

香澄「有咲……」

有咲「ぁ……っ……」

香澄「あり……」

りみ「か、香澄ちゃん!!」

香澄「……っ? あっ、りみりん!」

有咲「っ!!」

りみ「香澄ちゃん、ちょっと待って! ど、どうしたの……?」

香澄「……っ!?」

りみ「今日、ちょっとおかし……」

香澄「た、大変……」

りみ「……えっ? なに……」

香澄「……りみりみんもすっごく可愛い!!」

りみ「ふぇ!?」

香澄「大変! 大変だよ! りみりんちょー可愛い!!」

りみ「ちょっ、香澄ちゃん!?」

有咲「あっ……かすみ……」

香澄「うん、どうしよう。だめ、これはだめ! 我慢できなくなっちゃう」

りみ「えっ、えっ!? 香澄ちゃんなんでこっちに……」

香澄「いつもりみりんは可愛すぎるけど、こんなに可愛いりみりん久しぶり」

りみ「香澄ちゃん!?」

香澄「うん……りみりんも、わかるよねこの気持ち」

りみ「えっ……ぁっ」

香澄「あ、ソファーに座るの? 私も座る」

りみ「えっ……、ちょっ……」

香澄「ふふ、りみりん顔赤ーい」

りみ「っ!!!」

沙綾「はわわわわ……」

香澄「ねぇ、りみりん」

りみ「香澄ちゃん、近い、よ……ぁっ」

香澄「ふふっ、可愛いりみりんっ!」

りみ「ううっ……」

香澄「このままギュってしたくなっちゃう」

りみ「香澄ちゃん……」

香澄「ねぇ、りみりん。いいよね? 大好きだよ?」

りみ「……ぁ、ぅ……」

香澄「ふふっ、りみりん始めてだもんね。大丈夫、私に任せてくれたら……」

りみ「……ぅ、うん……」

沙綾「えっ、えっ……り……」

有咲「……」

香澄「素直なりみりん。可愛いっ」

りみ「……かす……み……ちゃ……」

香澄「りみりん……目、つぶって?」

りみ「……う……ん……」

沙綾「はわわわわ……」

香澄「りみり……」

有咲「か、香澄ぃー!!!!」

香澄「!? ありっ!? ……ぎゃっ!!」

沙綾「あ、有咲!?」

りみ「有咲ちゃん!?」

有咲「あ、あぶねーとこだった! 大丈夫かりみりん! 香澄ー! お前! 私だけって思ったらりみにまで……じゃ、なくて! 何してんだよ! やっぱおかしーぞお前!!」

香澄「……」

有咲「こんなの、いつもの香澄じゃねー! お前はそこまで……」

香澄「……」

有咲「……おい、香澄?」

りみ「香澄ちゃん!?」

沙綾「香澄……。き、気絶してる……」

有咲「……ま、まじかよ! 香澄ぃ!!!!」

 

 

たえ「オッちゃん、オッちゃん、オーッちゃんー。どうして君は真っ白いー。どうして君はまん丸でー。どうして君はもっちもちー。みんなーお疲れーー……って、あれ?」

沙綾「あ、おたえ……」

りみ「おたえちゃん……」

たえ「?? みんな、どうしたの?」

沙綾「いや、えっと……」

有咲「香澄ぃーー!!!」

りみ「……はは」

たえ「……いつも通りだねー」

沙綾「……そう言えるの、おたえだけだよ……」

たえ「……??」

有咲「香澄ぃー、香澄ぃー! 起きろー! 香澄ぃー!」

りみ「えっとね、香澄ちゃんがね……」

たえ「あれ? 香澄が倒れてる? 香澄ー?」

有咲「!? おたえ!?」

たえ「香澄! どうしたのー、起きてー」

香澄「……」

たえ「ねえ、香澄どうしちゃったの?」

有咲「……いや、ちょっとな……」

たえ「??」

りみ「……えっとね。うう、恥ずかしくて……」

沙綾「りみりん……。えっとね、おたえ。かくかくしかじかで……」

たえ「……うーん? なるほど? いつもの香澄っぽいけど……?」

有咲「ちーげー! あれはいつもの香澄じゃねー!」

沙綾「うんうん」

りみ「そ、そうだね。あの香澄ちゃんはちょっと、強引ていうか……ね……」

たえ「ふーん。まっ、とにかく香澄ー、起きてー」

香澄「……」

有咲「いや、無理だろ。頭打ってたし。私のせいだけど……」

沙綾「いや、有咲だけのせいじゃないよ」

りみ「う、うん。有咲ちゃんのせいじゃないよ。私も香澄ちゃんに流されちゃったし……」

沙綾「……りみりん」

たえ「ふーん。全然わかんないね」

沙綾「はは……」

有咲「あっ、ちょっと待て……、もしかしたら頭打ったから、起きたら治ってるんじゃねーか!?」

沙綾「あ、あるかも?」

りみ「うん。そうかも」

たえ「? 私は見てないから見てみたいけどなー」

沙綾「おたえ……それは、遠慮した方が……」

香澄「……ぅ……」

有咲「!!」

沙綾「香澄!?」

りみ「香澄ちゃん!?」

たえ「あっ、香澄! 起きた?」

香澄「……ん……おたえ?」

たえ「おはよー」

有咲「香澄大丈夫か!?」

りみ「大丈夫?」

沙綾「香澄?」

香澄「……」

たえ「ん? どうしたのかす……っ!!」

香澄「おたえ……」

沙綾「えっ、えっ!?」

りみ「あ、あごくい!?」

有咲「な、なっ!」

たえ「ちょっ、と……」

香澄「……可愛いね、おたえ」

たえ「っ!? あ、ありがと……でも、どうしたの香澄? 私のあごなんか持って?」

香澄「え? そりゃ、起きたらすごく可愛いおたえが目の前にいたら思わず、ね?」

たえ「へー、そうなんだ。ありがと」

りみ「……あ、あれ?」

香澄「うん。あっ、いつも思ってたけどこう近くで見ると、おたえってすごく髪が綺麗だよね。サラサラで艶があって。それに黒髪ってすごくお淑やかに見えるし」

たえ「ホント? ありがと。今日の香澄の髪も良い耳してるよ!」

香澄「え! ありがと! そう言われると嬉しいなー!」

有咲「……あれ?」

たえ「うん。いつもそれ大変そうだもんね。あっ、今度私にも教えてよ!」

香澄「うん! いいよ!」

たえ「やった! で、そろそろ手を離して欲しいんだけど。首が疲れてきた」

香澄「あっ、ごめんね」

たえ「うん」

沙綾「……あ、あれ?」

たえ「でね、今日の香澄はなんかいつもと違うって聞いたんだけど、おかしい?」

香澄「うーうん、おかしくないよ? みんなそう言うよね?」

たえ「だね。あまりおかしいところないけど?」

沙綾「……うそ、話が繋がってる?」

りみ「ほ、ホントだね……」

有咲「も、もしかして……治ったんじゃ……」

沙綾「……そうかも」

有咲「じゃ、じゃあ……」

香澄「だよね。違うと言えば、いつも以上にみんながすーごく可愛いぐらいかな? おたえも可愛いよ!」

たえ「ありがとー。香澄も可愛いよ!」

香澄「えー、ほんと。ありがとー!」

有咲「いや、おかしいままだった……」

りみ「う、うん……」

沙綾「そのままだね……」

有咲「あれか? おたえもおかしいのか?」

沙綾「いやー、おたえはいつも通りな気もするけど……」

りみ「そうだよね。おたえちゃんは変わってない気が」

有咲「じゃあどうする? このまま放っておくわけにもいかないよな。おたえに任せるか……?」

沙綾「おたえだけにって……解決しなさそうだけど」

有咲「だ、だよな……」

りみ「じゃあおたえちゃんにもわかってもらわないと。香澄ちゃんがおかしいってこと」

沙綾「だね。じゃあ……」

有咲「ああ。一旦おたえとしっかり話さないとな。……香澄! おたえ!」

香澄「でねー……ん? あ、有咲! もーさっきは痛かったよー」

有咲「ご、ごめん。でも、あれは仕方なかっただろ……」

香澄「うん。そうだね、仕方なかったよね」

有咲「だ、だろー。で、ちょっとおたえに……」

香澄「だって、有咲もそう思ってくれてたんだってわかったから」

有咲「……へ?」

香澄「あれって、ヤキモチ焼いてくれたんだよねー?」

有咲「は、はあ!?」

香澄「あーりさーー!!」

有咲「っ!!! ちょっ、香澄!!」

香澄「もう有咲ー、遠慮しないでいいってー」

有咲「ちょま、まっ!」

香澄「有咲は恥ずかしがり屋なんだからー」

有咲「っ!! やめっ……!!」

香澄「やめないっ! もう、ここまでされたら我慢できないよ」

有咲「な、な、なっ! 待て! 待ってって、香澄!」

香澄「待てない! 有咲が悪いんだよ? ずっと私にお預けしてたんだよ? もう待てない!!」

有咲「まじかよ……香澄、ちょっ、ちか……」

香澄「有咲、目を閉じて……」

沙綾「はわわわわ……」

りみ「ま、また……」

たえ「お、おーー」

沙綾「……おたえ、これが今の香澄だよ」

たえ「なるほど。いつもの香澄っぽいけど、りみりんが言う通りちょっと違うね」

りみ「う、うん」

沙綾「これはどうにかしないと、でしょ……?」

たえ「だね。ちょっと私止めてくる。香澄ー!!」

香澄「有咲……大好き……」

有咲「……ぅ……ぁ……」

香澄「あり……」

たえ「香澄こっち向い、てっ!」

香澄「ぅ、え!? おたえ!? ……っえ、あっ!!」

たえ「えっ!? 勢いが……って、わぁ!?」

有咲「えっ、ちょっ、香澄! おたえ!!」

りみ「香澄ちゃん!! おたえちゃん!!」

沙綾「!? ふたりとも……!!」

香澄「いたた……おたえ、大丈夫?」

たえ「いたたたた……うん、だいじょ……っ」

香澄「よかった、大丈夫そうだね。……? おたえ?」

たえ「……ぅ、……か、香澄。ちょっと……」

香澄「……ふふ、近いね」

たえ「……っ! う、うん……」

有咲「な、なっ……」

りみ「ゆ、床ドン……!?」

沙綾「はわわわわ……」

香澄「……へー。おたえが赤くなるの初めて見たかも」

たえ「さ、流石にこれは、恥ずかしいよ」

香澄「ふふっ。そんなおたえも可愛いっ」

たえ「っ!!」

香澄「恥ずかしがらなくてもいいよ。そのままで……」

たえ「! ……か、香澄。退いてくれると助かるんだけど……」

香澄「……いーや」

たえ「……」

香澄「嫌だよ。せっかくだもん。おたえ…………むぐっ」

たえ「流石にそれはダメだよ」

香澄「むえっ?」

たえ「だって今日の香澄はいつもと違うから」

香澄「……?」

たえ「やっぱり香澄はいつもの香澄じゃない、とっ!」

香澄「えっ!? 急に立た……うぇっ!!」

たえ「香澄も立って」

沙綾「えっうそ……おたえ、あの香澄に狼狽えてない……!?」

有咲「うそだろ……」

りみ「おたえちゃん……すごい」

たえ「でね、私は思ったんだけど、逆はどうかなーっと」

香澄「えっ? おたえ……?」

たえ「だから、今の香澄は……」

香澄「ちょっと、何す……」

たえ「……こうする」

香澄「……えっ、ちょっとまっ……! わぁぁっ!?」

有咲「な、なっ!」

沙綾「お、おお……」

りみ「わわわ……」

香澄「……っ!!」

沙綾「まさか、逆におたえが抱きつくとは……」

有咲「か、香澄が……」

たえ「香澄はいつも抱きつくのは慣れてるけど、逆は慣れてないでしょ?」

香澄「お、おたえ……、んっ!!」

たえ「ダメ、逃がさないよ」

りみ「はわわわわ……!」

香澄「……ぅ……」

たえ「この反応は……ふっ、予想通りだね」

沙綾「お、おたえが……。逆転してる……」

有咲「おたえ……」

香澄「……ちょっとおたえ、はな……んっ!!」

たえ「ダメだよ香澄。どう? 逃げられる?」

香澄「うっ……」

有咲「ま、まじかよ……」

沙綾「香澄が……動けない……?」

りみ「わわわ……」

たえ「そんな香澄も可愛いね」

香澄「っ!?!?」

たえ「ふふっ、もう離さないよ」

香澄「あっ……おた……」

たえ「……だって、こうするからね」

香澄「……えっ?」

たえ「有咲ー! 何か縛るもの持ってきてー!」

香澄「ええええっ!!」

有咲「……お、おう!」

沙綾「な、なるほど……そういうこと。有咲私も手伝う!」

りみ「えっ、えっ!?」

香澄「えっ、ちょっ、みんな!?」

たえ「さーて香澄。もう、お縄に着く時間だね」

香澄「え、おたえ……」

有咲「おたえ、これでいいか!!」

たえ「うん、完璧」

香澄「ちょっと、まっ……」

たえ「いーや、待たない」

沙綾「おたえ手伝うよ」

香澄「な、なに……どうする、の……」

たえ「ふっ、香澄。確保ーー!!」

香澄「……っ!! わあぁぁぁ!!」

 

 

有咲「っで、これからどうする?」

沙綾「そうだね。この香澄をどうにかしないとね」

香澄「有咲ー、りみりーん、さーやー、おたえー」

りみ「そうだよね。香澄ちゃんを早く治さないと」

たえ「だね。何か手がかりがあればいいんだけど」

有咲、りみ、沙綾「うーん……」

沙綾「あっ! そういえば!」

有咲「どうしたさーや?」

沙綾「私が一番最初にあの香澄と会ったんだよね」

有咲「? そうだろ? さーやが最初に香澄がおかしいって駆け込んできたじゃん?」

沙綾「だよね。じゃあ、あの間に何かあったわけだよね……」

りみ「どうしたの?」

沙綾「あのね。今日香澄と学校から一緒だったんだけど、蔵に行く前に私が家にスティックとパンを取りに帰ったんだけど」

りみ「うん」

沙綾「それまでは何も変わらない、いつもの香澄だったんだ」

有咲「そこまではいつもの香澄だったわけか」

たえ「なるほど。私も学校で香澄と話してた時も変わってなかったね」

りみ「私もそうだよ。そう言うとみんなもだよね」

有咲「ん、そうだな」

沙綾「だよね。で。そのあと、私がスティックとパンを持って出た時に、日菜さんが走って行ったんだけど」

有咲「……え?」

りみ「日菜さんが?」

たえ「……なんで?」

沙綾「なんでかはわからないけど。でも、その後から香澄がおかしくなったんだよね」

有咲「……じゃ、じゃあ」

りみ「日菜さんが何か知ってるんじゃ……」

沙綾「その可能性が高いんじゃないかな?」

たえ「じゃあ日菜さんに聞くのが早いね」

有咲「誰か連絡取れないか?」

りみ「うん……私は知らないよ。さーやちゃんは?」

沙綾「……うん、私も知らない。おたえは?」

たえ「知らないなー。ん? 有咲誰に電話してるの?」

有咲「ん? ああ、羽沢さんに電話したんだけど出なかった」

沙綾「あー、生徒会だもんね」

たえ「うーん、他に誰かいないかなー?」

りみ「うーん……」

香澄「有咲ー、りみりーん、さーやー、おたえー」

有咲「うるさいぞ、香澄ー」

たえ「かす……みのむし」

有咲「ぶふぅーー!! あははははっ! みのむしって! あははははっ!」

りみ「あ、有咲ちゃん」

沙綾「有咲笑いすぎ」

有咲「だ、だって、みのむしって……あははははっ!」

香澄「わぁぁっ、有咲ぁー」

有咲「ごめんごめん。まっ、とにかく行こーぜ」

たえ「うん、まずは日菜さんが居るところだね!」

沙綾「だね!」

りみ「うん! 早く香澄ちゃんを治しにね!」

たえ「さて、香澄。ごめんだけど、このまま連れて行くよ」

香澄「いーやーだーー! 流石にこの格好は、恥ずかしすぎる……」

たえ「うーん、ダメかな。今の香澄は色々と危ないからね」

香澄「えーーー」

有咲「そうだぞ香澄! 今のお前は危なすぎるからな」

香澄「……有咲までー」

有咲「……かすみのむし……ぶっ!!」

香澄「うわぁぁっーー! 有咲ぁーー!」

有咲「あははははっ!」

沙綾「……有咲、色々と溜まってたのかな?」

りみ「有咲ちゃん……」

たえ「みんな行くよー! 出発進行ーー!!」

有咲「……かすみのむし」

香澄「わぁぁぁぁっ!」

 

 

おわり

 

 




日菜に続く
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。