竜使いの姉(双子)と…   作:寿垣遥生

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いよいよ最終回です。読んでくださった皆様にはここまでお付き合いいただきありがとうございました!

今回はかなり長めとなっております。最後の最後までどうぞお付き合いくださいませ…


綾野姉弟の答え、無限の未来へ…

side珪太

 

 今週も土曜日となり、いよいよ運命の日を迎えた。俺がこねえに想いを伝える日である…これで上手く伝わるかどうか、伝わらなかったらこのようなデートは二度とできないだろう。

 

「こねえ、準備できた?」

 

「ちょっと待ってて!後は袖を通すだけだから…」

 

 こねえは部屋の中で依然として着替え中だ。身だしなみは既に整えているらしいが、どんな感じなのかは確認できない。(部屋に入ることができないので…)

 

「お待たせ!どう…かな?」

 

 しばらくして、こねえがようやく部屋から出てくる。赤のミニスカートに白のブラウス、そこにリボンをあしらうといういつもよりもおしゃれなスタイルで髪型はいつものツインテールではなく長い髪を下ろす感じになっていた。雰囲気もいつもより大人びていて思わず見とれてしまう…

 

「うん、凄く可愛いよ…特に、いつもと違って髪を下ろしてるのが新鮮でいいね。」

 

「ありがとう!たまにはこういうのもいいかなって思ったんだ。そう言う珪太もかっこいいよ♪」

 

「そう?照れるな…」

 

 こねえから褒められて思わず照れてしまう。俺のは黄色のパーカーにジーパンとこねえとは違いシンプルで目に入った服を着ただけなのだが、それで褒められるのは嬉しい反面少し恥ずかしい。

 

「とにかく、早く行かないと電車に遅れるよ…色々と回りたいからね。」

 

「そうだね!久しぶりのお出かけだから楽しもう♪」

 

 俺は照れ隠しとして出発を促した。これにはこねえも乗り気だったのですんなりと聞き入れてくれたのはラッキーと言えよう…まあ、色々と園内を回りたいというのはあながち間違いではないが。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

『ようこそ、ワンダフルランドへ!』

 

 東京駅から電車で移動すること15分、目的地であるワンダフルランドへとたどり着く。二人で来たのはこれが初めてだが、小さい時に俺達は家族で行ったことがある…その時のことはあまり鮮明に覚えていないが、家族みんなで写真を撮ったり、パレードを見たりしたことは僅かながら覚えている。

 

「お二人ですね…どうぞお楽しみくださいませ。」

 

 チケットを受付の係の人に見せて、俺達は園内へと足を踏み入れる。そこには辺り一面に人が沢山いて、アトラクションもバラエティー豊富である。この光景は最後に来た時からほとんど変わっておらず(アトラクション自体は変わってるのもあるけど…)、どこか懐かしさを感じた。

 

「久しぶりのワンダフルランドだね…俺達って最後に行ったのはいつ以来かこねえは覚えてる?」

 

「覚えてるよ。確か、5歳ぐらいだったかな?あの時の珪太はジェットコースターに乗りたいって泣いてたね…それで、アイスクリームをお母さんが買ってくれたら泣き止んで、本当に可愛かったな~。」

 

「それは頼むから忘れてくれ…」

 

 こねえは最後に来た時の思い出を語るのだが、全くロクでもない思い出だ…言われてから思い出し、恥ずかしい想いをする破目に。

 

「まあ、それよりもジェットコースターに乗ろうよ。遊園地に来たらまずはこれでしょ!」

 

「そうだね。珪太の行きたい場所だったらどこでもいいよ♪」

 

 恥ずかしさを誤魔化そうとして俺はジェットコースターのある場所へとこねえを連れていく。

 

(なんて誤魔化せたのはいいけど、俺…ジェットコースターに乗るのはなんだかんだで初めてなんだよな。)

 

 こねえはSAOサバイバーの仲間同士で遊園地に行ったことがあるので、ジェットコースターの経験があるものの俺に至ってはあれ以来遊園地に行ったことがないのだ…いくらジェットコースターに乗りたいと生意気言ってた時期があったとしても怖いものは怖い。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「ああ~、楽しかった~!ねっ、珪太?」

 

「はっ、はははっ…」

 

 俺達はそれからジェットコースターに乗った訳だが、俺に至っては恐怖しか感じなかった。空に近い高いところまで上がっては地上に叩きつけられるかのような勢いで真っ逆さまに落ちるあの感覚はトラウマと言えようか…理想と現実が違うというのはまさにこのことだ。

 

「ねえ、次はお化け屋敷行こうよ!私、リニューアルしたお化け屋敷に行ってみたいと思ってたんだ。」

 

「ま、待って!俺は…」

 

「まさか、お化けが怖いの?珪太は本当に変わってないね。あの時もお化けを見て泣いていたし、もしかしたら今も…」

 

「そんな訳ないだろ!俺はもうお化けなんて怖くないさ…あんな作り物、どこからでもかかってきやがれってたんだい!!」

 

 なんて強がるのだが、本当はお化けがめちゃくちゃ怖い。こねえも昔はお化けとかそういう類いは苦手だったのだが、SAOから戻ってきて以降は全然平気へっちゃら状態である。あっちでホラー以上の恐怖体験をしたのだろうか?

 

「それじゃあ、行こう♪」

 

「はい…」

 

 こうして、俺達はリニューアルして話題沸騰中のお化け屋敷にダイブするのだが…

 

『うらめしや~!』

 

「ギャアアアアア!?」

 

『私ですか?』

 

「ヒエエエエエエ!!」

 

 言うまでもなく、俺だけが悲鳴を上げるという結末でお化け屋敷探検は終幕を迎える。こねえの方は楽しそうにしてたし、むしろ悲鳴を上げる俺を見て笑っていたのだ…かっこいいところを見せるどころか最悪な醜態を晒してしまう。

 

(今日はこねえに告白する為にかっこよく決めようとしてるのに、どうしてこんな目に遭ってばかりなんだ…)

 

「ん~、楽しかった!珪太ったら、叫んでばかりでもう面白かったよ…やっぱり、昔と全然変わんないね!」

 

「ま、まあ…それよりもお腹空かない?そろそろお昼ごはんにしようか。」

 

「そうだね。もうすぐ12時だし、ひとまずお昼ごはんにしよう!まだまだパレードまで時間がある訳だし…」

 

やっと俺の恐怖体験は一段落し、午後からのパレードに向けて平穏な時間が訪れるようだ。

 

「そこのお嬢さん…」

 

 すると、聞き覚えのある低い声が耳に入る。あんまり名前を出したくはないが言うまでもなくアイツだ…

 

「友亮、お前何してるんだ?」

 

「げっ!?何でチビ太もいるんだよ…」

 

 そう、俺の一応の友達の友亮である。どうしてここにいるのか本当に謎としか言いようがない…

 

「だから、チビ太と呼ぶなって言っただろ…それと、インターハイ予選前の練習はどうした?」

 

「ああ、それがな…キャプテンがなんとなく休みたいって言うから休みになっちまったんだよ。それで、ちょうど暇だったからワンダフルランドでナンパって訳さ…」

 

 本当に友亮の所属するラグビー部は大丈夫なのだろうか?今はインターハイ予選前の時期だけに練習をしないといけないはず…なのに、なんとなくで休んでいるようでは強くなれる訳がない。元アスリートの立場としてラグビー部に喝を入れたいぐらいだ…

 

「君が友亮くんかな?」

 

「ええ、そうっすけど…」

 

「はじめまして…私は綾野珪子、いつも弟がお世話になってます。」

 

「こちらこそお世話になってますよ…それにしても、珪子さんとこうして会うのは初めてっすよね?」

 

「そうだね。それよりも、今日はデートだったと珪太から聞いてるけど…」

 

 ヤバい、このままだと俺が直葉さんからペアチケットを貰ったことがバレてしまう!そうなるとあの時のように最悪な事態に…そう考えると心臓がドキドキするばかりだ。

 

「俺がデート?まあ、あながち間違いじゃないっすよ…相手をこれから探してラブラブデートするつもりです。だから、珪子さん…こんなアホはほっといて俺とデートしませんか?」

 

 どうやら嘘だということはバレていないものの友亮は開き直って人の姉を(弟の俺を目の前にして)堂々とデートに誘おうとする。

 

「ごめんね。今は珪太と一緒に遊んでるから…でも、気持ちは凄く嬉しいよ。ありがとう!」

 

「えっ…?」

 

「それじゃあ、お昼食べに行こうか!友亮くん、またね♪」

 

「は、はい…」

 

 そんなこんなでひとまずこの場は逃れることができた。しかし、本当に俺の嘘はバレていないのだろうか?そこが不安で仕方ない…

 

「ねえ、珪太…ちょっと話したいことがあるけど。いいかな?」

 

「えっ、うん…」

 

 俺は必死にバレるなと祈っていたが、その祈りはむなしくもバレてしまった。こねえの顔は笑顔でも目は笑っておらず万事休すだ…

 

「なるほど、剣道の練習試合で来ていた直葉さんに出会ってお兄さんである和人さんと一緒に行く予定だったワンダフルランドのペアチケットを譲ってもらったということなんだね…」

 

「間違いありません。(…っていうか、キリトさんの本名って和人っていうんだな。)」

 

 俺はこねえに事実関係を話せる範囲のみ話した。流石にこねえに告白したいという目的で相談したということは言えないけど、これで多少は許してくれるだろう。

 

「まったく、素直にそう言えばいいのに…罰として今回のお昼ごはんと買い物は珪太の奢りだね!今回はそれで許してあげる。」

 

「ありがとうございます…」

 

 こうして、俺は昼ごはんを奢らされては買い物にも振り回される羽目に…財布へのダメージは大きかったが、それでもこねえが喜んでくれて俺も嬉しい。その後にマスコット達によるパレードも行われ、俺達は1日楽しい時間を過ごすことができたのだ。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 空は日が暮れて、アトラクションを満喫した俺達はワンダフルランドを後にする。トラブルも途中にあったかもしれないが、なかなか充実したひとときを過ごせたのではなかろうか?

 

「今日は楽しかったね!珪太も楽しかった?」

 

「うん、久しぶりにこねえと二人でお出かけできて俺も楽しかった。またどこかで遊べたらいいね…」

 

「そうだね。」

 

 今日の出来事を振り返る俺達…しかし、こうもしていられない。今の熱が冷めないうちでないと俺の気持ちは伝わらないだろう。そして、俺は禁断の一歩へと踏み込んだ…

 

「あのさ、こねえ!」

 

「どうしたの、早くしないと電車が来ちゃうよ?」

 

「俺、ずっとこねえに伝えたかったことがあるんだ。今しか言えないことだから…聞き逃さないで。」

 

「う、うん…」

 

 もう覚悟は決めたんだ。迷わなくてもいい、これが俺の出した答えなのだから。そう思い俺は口を開く…

 

「俺、ずっと前からこねえのことが好きだったんだ!お姉ちゃんとしても、一人の女の子としても…この気持ちは俺を何度も助けてくれた小さい頃から変わっていない。だから…」

 

「もういいよ。珪太の言いたいことは分かるから…ありがとう、これ以上は言わないで。」

 

 俺が先を言おうとしたその時、こねえが抱きついてきて『もういいよ』と言わせないかのように遮る。

 

「私もね、珪太のことが好きだったんだ。弟としてだけじゃなくて男の子としても…だけど、私達は姉弟だからそういう関係にはなれない。そのつもりで今まで我慢してきたのに…これじゃあ我慢できないよ!」

 

 そのこねえの目には涙が浮かんでいた。そして、声を荒げては自分の本音をぶちまけるのである…どうやらこねえも俺と同じ気持ちだったようだ。

 

「いいんだよ。たとえ姉弟で結婚できなくても、俺達はずっと一緒だから…だけど、お互いに結婚して離れるまでは『恋人』として一緒にいてほしいんだ。それが、俺がこれまでの中で生み出した答えさ…」

 

「珪太…でも、姉弟で付き合ってるのを知られたらみんなからいじめられるんだよ?その覚悟はできてるの?」

 

「大丈夫、たとえ俺は周りからいじめられようがこねえを愛することに変わりはないから。どんな運命になろうとも一緒にいたいと俺は決めたんだ…それが姉弟だろうが誰だろうが俺はその姿勢を変えるつもりはないよ。」

 

「珪太…私もそんな珪太が大好き!だから、これからもずっと私のそばにいてね?」

 

「ああ、約束する…」

 

 そして、俺はこねえとその場で口づけを交わすのであった。いたずら半分で頬にキスしたことは何度かあるけど、こうやって唇同士で触れるのはこれが初めてだ…涙の味がして少ししょっぱかったのだが、この口づけには安心感、約束…あらゆる感情がこもっていて特別なファーストキスとなった。

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

 それから数日経ったある日のこと…あの後から俺達は周りには内緒ながら正式に付き合うようになった訳だが、このような関係になってから毎晩添い寝するようになったこと以外はいつもと変わらぬ日常を過ごしていた。

 

「おはよう、珪太…」

 

「おはよう、こねえ。ぐっすり眠れた?」

 

「そうだね…ちょっと珪太の寝相が悪かったから少し寝不足だったかも。私のことを抱きしめるのならいいけど、顔まで近づけるから緊張しちゃうよ…」

 

「まだ慣れないのか…俺達、何度もキスしてるのに?」

 

「何度もって…それは珪太から勝手にしてくるからでしょ!?」

 

「まあまあ、それよりも朝ごはんが出来上がったよ。今日はスクランブルエッグとソーセージ、ご飯は自分のお好みで注いでくれ!」

 

「ありがとう!珪太のいつも作る朝ごはんはとっても美味しいよ♪」

 

「こねえのだって負けてないよ…っと食べるその前に、えい!」

 

「ちょっ…珪太!?」

 

 俺は部屋のソファーにこねえを押し倒しては今すぐでもキスができるように覆い被さる。

 

「まずはこねえのことをいただこうかな?俺も朝のごちそうを我慢されちゃたまらないからね…」

 

「う、うん…でも、その前にお願いしたいことがあるの。」

 

「お願い?」

 

「その、二人の時だけは『珪子』って呼んで…私、珪太とこういう関係になったからには名前で呼ばれたいの。だから…」

 

「分かったよ、珪子。大好きだ…」

 

「私も…」

 

 そして、俺達が熱い口づけを交わそうとしたその時だった…

 

「ただいま~。久しぶりに当直続きが終わったわ~…って、嘘!?」

 

「全く、ママと途中で出会うとかおいはどげん運が良かとね…って、何しよるん?」

 

「「えっ!?」」

 

 なんと、運が悪いことに母さんの典子(のりこ)と親父である珪輔(けいすけ)が何の前振りもなく自宅に帰ってきたのだ。それも、これからこねえ…珪子とキスしようというタイミングとちう最悪なタイミングである。

 

「あんた達、姉弟でしていいこととしちゃダメなことがあるでしょ?」

 

「ううん、大丈夫…何でもないよ!」

 

「そうそう!俺は単にこねえの熱を測ろうとしておでこを差し出しただけであって…」

 

「だったら、体温計で測ればいいじゃない…そんな嘘をつく必要はないわよ?」

 

「このバカチン共がああああああ!!」

 

「「ヒエエエエエエ!?」」

 

 こうして、俺達はこっぴどく両親から怒られるのであった…お互いに好きだという気持ちを伝えて無事に結ばれたまではいいのだが、この調子だと先がどうなるのか不安が山積みである。そんな俺達はこれから幸せな生活を過ごせたかどうか…それはまた別のお話。

 

Complete the story.




…ということで、クオリティーは少し低かったかもしれませんが無事に完結できました!

珪太と珪子ちゃんは色々とありましたけど、無事に結ばれてハッピーエンド!まあ、最後がちょっとドタバタの極みで付き合うまでの過程が霞みつつありますけど書きたいものが書けたのは僕としても満足です。

ただ、珪子ちゃんのパートナーであるピナを出せなかったのは唯一の悔やみですね…実際にピナはアリシゼーションとWOUでは珪子ちゃんと共にほぼ出番はないどころか下手すれば出番ゼロだったので、僕もピナの存在を薄々忘れていたのでしょう。本当に申し訳ありません…

もしも、ピナが出ていないことに不満な方の意見が多い場合はストーリーの中身を変えない程度にピナが出てこられるように後日調整したいと思います。そこはどうぞご理解ください…

さて、SAOヒロイン恋愛シリーズの次のヒロインですが…僕が二番目に推している直葉ちゃんとの恋愛物語を書いていきたいと思います。物語の時間軸並びに設定、タイトルは投稿の目処が立ち次第お知らせさせていただくので、それまでもうしばらくお待ちください!

それでは、また次回作でお会いいたしましょう♪
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