竜使いの姉(双子)と…   作:寿垣遥生

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今回は一部に恋愛小説として不適切な表現が含まれます。あしからずご了承ください…m(_ _)m


女性観

side珪太

 

 こねえを見送ってからしばらくして、俺は家を出て学校へとたどり着く。学校は家から歩いて5分程度の場所にあるので、遅刻する確率は0に等しいどころかそれ以前も風邪等の病気で休まない限りは無遅刻無欠席、これが唯一の自慢である。

 

(さて、今日は何枚来てるのやら…)

 

 俺がいつものように下駄箱を開けると山のように封筒が溢れ落ちる。これらは全部俺宛のラブレターだ…入学してから約1ヶ月、俺はとんでもないぐらいにあらゆる女子からモテているらしい。

 

「おっ…お前も相変わらずモテモテだな~!」

 

 すると、中学以来の親友である日高友亮が声をかけてくる。コイツこそが俺がモテる原因を作った張本人で、勝手にネット上に『綾野珪太ファンクラブ』というサイトを作っては俺の写真を無断に使い校内の女子を虜にしたのだ。あくまでも俺の自力ではない…

 

「友亮、お前のせいでこんなことになってるんだろうが…少しは反省しろよな?」

 

「いいじゃねえかよ!チビ太っていかにも女の子にモテそうなぐらいに童顔で爽やかなんだ、それを活かさずにどうする?お前の恋の手助けをしてやってんだから感謝しろっての♪」

 

「余計なお世話だよ…っていうか、チビ太はやめろ!」

 

 本当に友亮がこうも立ち回るとろくなことがない。ちなみに、『チビ太』というあだ名が示すように俺(とこねえ)は背が低いことを気にしている…最近では身長が伸びてはいるが、小学4年ぐらいまではこねえと全く同じ身長でさらに昔に遡ると髪の長さも一緒で同じ髪型で同じ服装にしたらどっちかどっちかがややこしくなるぐらいに俺達は何もかもが瓜二つだった。それも、ルポライターをやっている親父が『キ●タマがついてない方が珪子、ついてるのが珪太』と言ってたぐらいに…

 

「ハハハ…まあ、誰を選ぶのかはチビ太次第だ。お前の人生はお前で切り開けよ?」

 

「まあ、考えとくよ…ってか、チビ太言うなし!」

 

 しかし、こうも俺を好いてくれる人がいてくれるのは決して嫌ではない。俺の悩みはそこではなくてその後の話で、実はこねえ以外の女の子に好意を抱いたことがないのだ。

 

「私、綾野くんのことが好きです!だから…」

 

「すみません、付き合ってる人がいるんでお断りします…」

 

「えっ!?でもファンクラブには…フリーってありましたよ?」

 

「それは管理者の嘘です…貴方を騙すような形になってすみません。」

 

 このように俺は毎回のように先輩同級生関係なく告白してきた女子を誰だろうと簡単にお断りしてるように見えるが、実を言うと俺はこの数十秒のやり取りの中でこねえを比較対象として付き合うかどうかの判断をしている。確かに、こねえに匹敵するぐらいに可愛い人もいるのだが…それより先の決め手となる要素が見当たらない。もちろん、付き合っている人がいるのも逃げる為の嘘である。

 

(はぁ…恋って面倒くさいな。)

 

 それから、俺はこのやり取りをこの日だけで8回(8人)も繰り返すのであった。自分が好かれるのはいいことではあるが、こんな風に何の縁もなく唐突に告白されるのは迷惑だ…それに、俺の中での『女の子』は実の姉であるこねえしかいない。本当に俺の女性観は世間からすれば狂ってると言われても仕方ないだろうな…

 

 

 

 

~~~~~~~~

 

 

 

 

「へぇ~、8人の女の子から告白されたんだ…珪太はモテモテだね。」

 

 その日の夕食後(※こねえのプリンは美味しくいただきました♪)のこと、俺は今日の学校で起きたことをこねえに話す。ちなみに、この場にいるのは俺とこねえの二人だけ…親父はルポライターとして世界中を飛び回っており、母さんは看護師として当直が多い為家に帰ってこれる日があったとしても夜中に帰ってきてはまた翌朝には出勤という感じで休みも職場が大きな病院故に無に等しい。つまり、俺とこねえはほぼ二人きりという訳だ…

 

「うん…だけど、みんな断ったよ。」

 

「どうして?」

 

「俺と縁のない人ばかりだったからだよ…みんな友亮が勝手に作ったファンクラブのサイトを見て一目惚れした人ばかりだ。」

 

「ファンクラブってあの珪太の写真が沢山あったサイトだよね?」

 

「そうだけど…って、見たの!?」

 

「うん、珪太が凄くかっこよく写っててお姉ちゃんとして素敵だと思ったよ。」

 

 参ったな、まさかこねえにあのサイトを見られてしまったとはね。おまけに素敵と言われては照れてしまう…

 

「そ、そう…ところで、こねえって好きな人はいるの?」

 

「私!?今はいないかな…」

 

「今は?昔はいたってこと?」

 

「そ、それよりも珪太はどうなの?お姉ちゃんの私に教えてもいいんじゃない?」

 

 俺はこねえに好きな人がいるかを訊いたが、誤魔化されてしまい逆に尋ねてくる。好きな人か…俺も特にはいないけど、強いて言うのならこねえと俺は答えるだろう。しかし、俺とこねえは姉弟でお互いに好きだとしても恋人関係にはなれない。現実とは実に残酷なものだ…

 

「俺もいないかな…」

 

「そうなんだ。でも、いつかは珪太にも好きな人ができると思う…だって、珪太は優しくてかっこよくて面白いもん。誰よりも貴方を知ってる私が保証してあげる!」

 

 こねえは笑顔で俺を励ます。しかし、励まされている相手は俺にとってはただ一人の『女の子』だ…複雑な感情が渦巻く。

 

「ありがとう。それと、髪下ろしたこねえも可愛いな…部屋着も似合ってるよ。」

 

「えっ?珪太…」

 

「お、おやすみ!!」

 

 俺はこねえの部屋着姿を褒めてこの場から消え去る。普段のこねえはツインテールで幼さの残る感じではあるが、髪を下ろしたこねえは大人びていていつもの可愛さと共に美しさも兼ね備えているのだ…もしも、彼女が姉じゃなかったらこねえと付き合えていたことだろう。

 

(この気持ち、伝えられたらな…)

 

 そんなモヤモヤが残る中、自分の寝室にあるベッドに潜り込むのであった。こねえのことで頭が一杯だからどうせ寝れないだろうけど…

 

To be continued…




日高友亮(ひだかゆうすけ)

CV:小野大輔(声のイメージ:燃堂力)

身長:179センチ

体重:85キロ

誕生日:5月4日

年齢:16歳

解説
珪太とは中学1年からの親友(腐れ縁)、元ヤンで喧嘩に関しては地元では負け知らずという伝説を残す。今ではそういう悪行から足を洗って恵まれ(すぎ)た体格を活かし、ラグビーを始めた。

見た目は金髪鼻ピアスに強面で周りからはかなり恐れられてはいるが、実際の性格は義理堅く優しい。
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