麦わらの男は旅をする   作:大明神覇王

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二旅

 

 コビーが海軍に入隊出来るよう、海軍基地のあるシェルズタウンへと向かったルフィはその町を実質支配し横暴を働いていたモーガン大佐を倒した。

 

 それによってモーガンは本部の者が送られてくるまで投獄される事となり、ルフィはモーガンを倒した事で基地の者、町の人達から英雄として持て囃されていた。

 

 

 

「ルフィ、おれの名前はロロノア・ゾロだ」

 

 そんな中で『海賊狩り』として有名な賞金稼ぎのゾロは海軍に捕われた時に没収された刀を三本とも、返してもらいルフィに感謝を告げて名前を名乗った。

 

 彼の夢は今は亡き、幼馴染の少女であるくいなと誓った『世界一の剣豪』になる事である。

 

 その夢のためにある男を探して海を出た結果、自分の村に帰れず、海賊船を襲って生活費を稼いでいると賞金稼ぎになってしまっていた。

 

「こっちも改めて言う。おれはモンキー・D・ルフィだ」

 

 そう名乗り合うと二人は握手を交わす。

 

 

「なぁ、おれをお前の仲間にしてくれないか?」

 

「良いぞ。旅は一人より大人数でする方が楽しいしな」

 

 ゾロの問いに二つ返事で応えた。

 

「ありがとよ。それでもう一つだけ頼みがあるんだ」

 

 次にゾロは刀に軽く手で触れながら、ルフィに頼みごとをした。それは手合わせをしてほしいというものであった。

 

 ルフィの計り知れない強さを感じ取ることで、それを指標にして更に強さを目指す事が出来るようになるからだ。

 

 結果としてルフィは自分の想像より遥かに強かった。勝負にすらならなかったがそれでも彼は自分に付き合ってくれた為、手合わせは鍛錬となってその中で色々と言葉で交わすよりも多くのコミュニケーションも取った。

 

 だから……。

 

 

 

 

「ルフィ、おれはお前の剣になる」

 

「なら、おれはお前が納まるに相応しい鞘になれるよう頑張るとするよ」

 

 夜、飲食店で酒を飲み交わして二人は誓い合ったのだった……。

 

 

 

 シェルズタウンに来た翌日、その町の港でルフィはゾロと共に旅立とうとしていた。

 

 船は、海軍が礼として提供してくれた小隊用の中型船である。潜入用、偵察用のものなので大砲は無かったが海軍本部などに連絡できる雷伝虫は備え付けられていた。

 

 更に少しの食料と水、詳しい海図(ルフィは一人だとこれが無しでも気にはしないのだが、仲間が出来た今では必要なので用意してもらった)までも提供してもらっている。

 

 

 

「ルフィさん。色々とお世話になりました」

 

「困ったときはお互い様だ。この借りはいつか、出世払いで返してくれれば良いからな」

 

 港にて二人の見送りに町の人々や海兵達が集結している中、コビーはルフィと言葉を交わす。

 

「はい。絶対に返します。それとルフィさんの旅が良い物になる様、祈っています」

 

「ありがとよ。それじゃあ、行ってくる」

 

『行ってらっしゃい!!』、『ありがとう!!』等と町の人からは手を振りながらの歓声を、海軍の者とコビーからは敬礼を貰いつつルフィとゾロは旅に出たのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オルガン諸島にあるオレンジの町の酒場の屋上で大人数が賑わいの気配を見せていた。

 

「野郎ども、いよいよおれたちは『偉大なる航路(グランドライン)』に入る。準備は良いな?」

 

 

『おおっ!!』

 

 赤く大きい鼻が特徴的な男、船長のバギーからの言葉に船員たちは勢い良く返事をした。彼らが次にやろうとしているのは大掛かりな事になるので今は英気を養おうとしているのである。

 

 もっとも、海賊であるためこの町を襲って金品も奪うのだが……。

 

「(うん、良い具合に隙だらけね。これなら……)」

 

 バギー海賊団の様子を陰から観察しているオレンジ色の髪、容姿もスタイルも良い美少女は満足して行動に出ようとしていた。

 

 彼女は海賊から宝を盗む海賊専門の泥棒なのである。

 

 

 

「お前たちがバギー海賊団だな?」

 

「あぁ、誰だテメェ?」

 

 少女が行動に出ようとした時、バギーらの元へルフィとゾロが姿を現した。町に海賊船があった事でこの町が危機に陥っていると判断し、町を出歩きつつ、避難所を探していると海賊を警戒しながらもシュシュという犬にエサをやりに来た町長であるブードルと出会い、情報提供をしてもらった。

 

 

 

 そして、すぐさまバギー海賊団の元へと向かったのである。

 

「おれはルフィ。世界を知るために旅をしている者だ。国や町、色んなものをじっくりと見て回りながらな……だから、お前たちにこの町を荒らされるのは困るんだ」

 

『ぐっ!!』

 

 バギー海賊団はルフィより発せられた気配に動けなくなった。下手に動けば確実に死ぬ事を理解させられてしまったからである。それにルフィの隣にいるゾロも又、刀に手をかけつつ、威圧している。

 

「(う、嘘だろ。こ、このガキ……覇王色の覇気をもってやがるのか)」

 

 そして、ルフィより発せられる気配の正体をバギーは直感的に理解した。

 

 覇気とは俗に意思の力で言い表され、発現できれば常人を超える能力を発揮することが出来るもの。

 

 そして、覇王色の覇気とは覇気の種類の中でも数百万人に一人しか使えないものであり、力量差がある相手を気絶させたり、従えさせたりすることの出来る王の力と言い換えても遜色のないものである。

 

「大人しく退いてくれるなら何もしないが、退かないなら力尽くでやらせてもらう」

 

「(ぐっ、やべぇ、こいつ、なんて目をしてやがるんだ)」

 

 警告するルフィより発せられる覇気はさらに強まり、威圧されたバギーは内心でまだルフィが本気で無い事、戦えば確実に自分が蹂躙される事を理解させられ、しかも命乞いなどの余地も無い事を理解した。

 

 

 

 なので……。

 

「へ、へへ……仕方ねぇな」

 

 バギーは薄笑いながら、武器を取り出し……。

 

「あばよぉぉぉぉっ!!」

 

 次の瞬間、脱兎の如く全力での逃亡を実行したのだった……。

 

 

 

 

 

『えええええええっ!?』

 

 呆気にとられ、バギーの部下たちは悲鳴にも似た声を上げる。

 

「追って良いぞ」

 

『あ、ありがとうございます。待って下さいよぉぉぉ、バギー船長!!』

 

 親指でジェスチャーしつつ、ルフィが告げると頭を下げながらバギーの部下たちはバギーを追ったのであった……。

 

 

 

 

「何やったか知らないけど、バギーたちを追い払うなんて凄いじゃないあんた」

 

 一部始終を見ていたナミはルフィ達に近寄る事で姿を現す。

 

「お褒めの言葉、どうも。おれはルフィだ」

 

「おれはゾロだ」

 

「ゾロって……『海賊狩り』の……私はナミ、海賊からお宝を盗む泥棒よ」

 

 ナミは二人に自己紹介をした。

 

「声をかけてきたって事は俺たちの力を利用したいのか?」

 

「話が早いわね、その通りよ。勿論、その代わりにルフィ達にも大儲けさせてあげるわ」

 

「良いぞ。旅をするのに金は必要だからな……個人的にもナミみたいな美女と旅できるってのは悪くない」

 

「あら、ありがとう。それじゃあ取引成立ね」

 

「ああ」

 

 ルフィとナミは握手を交わした事で組んで行動する事が決定したのであった……。

 


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