鬼よ、己が道を往け   作:息吹

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 デザイン力が欲しい今日この頃。

 主人公のヒーローコスを考えてたけど、結局決まらないまま書き始めました。
 取り敢えず戦闘訓練の話ですが、今回の注意事項として。
 ・視点切り替えが多い上に間隔が短い
 ・主人公の作戦がガバガバ(重要)
 ・主人公と耳郎を際立たせすぎたかもしれない
 となっていますので、苦手な方、嫌いな方は読み飛ばすことをお勧めします。
 これといって重要な設定明かしとかも無い筈ですので、特に問題はないかと思います。

 それではどうぞ。


戦闘訓練

 いくら天下の雄英高校、さらに言えばヒーロー科と言えど、必修科目等の他の高校や普通科でもやっているような授業内容自体はそう他と大差ないだろう。つまりは、普通。

 敢えて言えば、授業レベルは他校と比べて高いのかもしれない。

 午前中はそう言った座学で時間が過ぎていく。

 昼になれば、殆どの生徒が食堂へと向かうのだろう。

 クックヒーロー、ランチラッシュの料理を安価で頂けることもあって、お昼時の食堂は大変混雑する。他科の生徒も一堂に会するので、その混雑具合は想像を絶する。それを見越した上での食堂の広さなのだろうが、確かに食事自体は容易なのだ、座席も十分量ある。ただカウンター付近の待機列となると話は別。多すぎて二度と並びたくなくなった。でも飯は美味いんだよなあ。

 いいよね、白米。

 そして、午後。

 

「わーたーしーがー……!」

「来っ」

「普通にドアから来た!!」

 

 うーん変化球。

 

「オールマイトだ……! すげえや、本当に先生やってるんだな……!」

「あれ、銀時代(シルバーエイジ)のコスチュームね……!」

「画風違い過ぎて鳥肌が……」

 

 今年の春からこの雄英に就任したというオールマイト。教師としてのナンバーワンヒーローの登場に教室内がざわめく。

 改めて間近に相対すると分かる存在感。尾白の言う通り、なんだか一人だけアメリカンな気がする。

 ちなみに、座席は出席番号順となり、二個前に耳郎、前は瀬呂と名乗った男子生徒、隣に切島だ。後ろは常闇という烏みたいな奴。

 

「私の担当はヒーロー基礎学。ヒーローの素地を作るため、様々な訓練を行う科目だ。単位数も最も多いぞ」

 

 ヒーロー基礎学。ヒーロー科特有の授業。

 ざっと調べた限りでは、救助訓練や戦闘訓練と言った、まさしくヒーローとして活動するための訓練をする授業らしい。身体を鍛えたり、動きを学んだり。

 雄英が雄英たらしめる大きな要因の一つが、このヒーロー基礎学なんだろうな。

 

「早速だが、今日はコレ! 戦闘訓練! そしてそいつに伴って……こちら!」

 

 『BATTLE』と書かれたカードを取り出したオールマイトが、今度は黒板横の壁を指差す。

 ……あ、逆の手でなんかリモコン的なの弄ってら。

 駆動音と共に飛び出してくる壁。中には番号が割り振れらた鞄のようなもの。20まであったってことは、クラスの出席番号か?

 

「入学前に送ってもらった『個性届』と『要望』に沿って誂えた――戦闘服(コスチューム)!」

『おおお!!』

「着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!」

『はーい!!』

 

 成程、コスチューム。あんなとこに仕舞われてるのね。

 出席番号順に手渡しされるその重みを手に、なんとなく、力が入った。

 

 

 

 被服控除というものがある。

 入学前に『個性届』や『身体情報』、希望の『デザイン』といったものを提出すると、学校専属のサポート会社が最新鋭のコスチュームを用意してくれるという制度だ。

 個性とはその名の通り千差万別、人それぞれ。弱点を補う為、強みをさらに伸ばす為、ヒーローはそれぞれにコスチュームがある。それがそのヒーローのイメージに直結してることも珍しくない。

 そしてそんなものを、一般人が準備するのは酷く難しい。技術的、金銭的な意味でだ。殆どのプロヒーローだって、自分のコスチュームはサポート会社に任せていることが多いと聞く。

 雄英高校は、そんなコスチュームを学校側が用意してくれるというのだ。使わない手はないだろう。

 俺の場合、あまりデザイン等のセンスはないという自覚はあるので、要望だけ出してデザインは母に任せた。一応目を通してあるから、突拍子の無いデザインになることはない。

 俺の個性も別に何か放出したりする訳ではないから、耐久性や動きやすさを重視してもらったしな。

 

「うっわ、オメーすっげえデザインだな……」

「……否定はせん」

 

 場所は更衣室。自らのコスチュームを広げると、やはり他と比べて布の量が多い多い。

 基本にあるのは和服。袴は馬乗り袴。分かり易く言うとズボンタイプの袴だ。ただ形の関係上、ただ立っているだけでは、なんならある程度なら足を広げてもそうと分かることはないだろう。剣道とかで使われている袴を想像してもらえればいい。

 スキットルボトルを携帯する用のポーチを含めてデザインしてもらったので、それを身に着けても全体として違和感はない。

 袴だから動きにくいかと思うかもしれないが、意外とそうでもない。丈の長さだって多少は調整してる。そりゃ初めて着たら裾とか踏みそうだが、俺は別に初めてじゃないし。

 何故こんなデザインになったのか。それは単に、『母親が本気を出した』の一言に尽きる。

 どうも個性を使ってまでして考えたらしく、俺もこれを格好いいと思ってしまったし、結局これで決まってしまった。何で時間効率めちゃくちゃ悪いのにこれだけの為に二時間近く費やすかね……。

 色は黒が主体。全体的に暗めの色ばかりで、諸所に金や赤といった組み合わせとして噛み合った色が存在する程度。

 正直片マントは必要ないと思うんだが……まあ、折角母親が無駄に凝ってくれたんだ。装着してやろうじゃないか。

 最後にポーチにボトルが十分量入っているのを確認して、更衣室を後にする。

 

「先に行ってるぞ、緑谷」

「あ、う、うん! 僕もすぐに準備するよ!」

 

 どうしても構造上着替えに時間が掛かる。慣れれば短縮できるかな?

 ともかく、なぜか一向に着替える様子の無かった緑谷を置いて、やや小走りで先に出ていた他の男子達に追いつく。

 ふむ。やはりこう見ると、皆それぞれの個性に見合ったデザインを提出してるんだろうな。多分。俺なんかは外見上は多少派手でも、要はただの増強系と大差ない。見た目重視のコスチュームだぜい。

 途中、出入口へと続く通路で女子組とも合流。

 

「あっ、相間……って、うっわ」

「ケッ。嗤いたきゃ嗤いやがれ。これでも大分大人しくなったんだぞ」

 

 このコスが割と突飛だという自覚はある。そもそもヒーローコスは個性と同じく千差万別。これも見慣れれば気にならなくなるのだろうが、初見でのインパクトはそれなりにあるのだろう。

 でもホントにこれでも落ち着かせたんだぜ? 初期案には、俺の個性イメージなのか、鬼をモチーフにした肩当てとかもあったくらいだ。

 にししと笑っていた彼女も、出入口が近付けば自然と顔が引き締まる。初めての戦闘訓練。初めて個性を使っての実地訓練だ。緊張もするだろうし、期待もするだろうさ。

 

「良いじゃないか皆。カッコイイぜ!」

 

 オールマイトの声が届く。

 快活な笑い声が響く。

 ああ、否応なしに、俺も高揚してしまう。自然と口角が上がってしまう。

 走って近付いてくる足音は緑谷か。オールマイトも、それで全員が揃ったのを確認したのか、高らかに宣言した。

 

「さあ、始めようか、有精卵共!!」

 

 

 

 

「先生! ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか!?」

 

 フルアーマーなコスの眼鏡君こと飯田が手を挙げ質問する。

 あれは動きにくくないのか、個性との相性は悪くないのかとか思ったが、聞いたところによると、彼の個性は脹脛のエンジン器官さえ封じられなければ大丈夫且つ、それはそれとして補助するような仕組みになっているらしい。アーマー自体も軽量で、殆ど気にならないのだとか。

 まあ見た目の動きにくさだけで言えば俺もどっこいどっこいだわな。

 

「いいや、もう二歩先に踏み込む。屋内での対人戦闘訓練さ!」

 

 オールマイトからの回答は、ピースサイン……いや、『2』のハンドサインと一緒にだった。

 

「敵退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪敵出現率は高いんだ。監禁、軟禁、裏商売……このヒーロー飽和社会ゲフン……真に賢しい敵は屋内(やみ)に潜む!」

 

 屋外の方が派手になりがちだったり野次馬が多かったりで目立つが、実際に凶悪な犯罪ってのは人目に付かないから所でこそ行われるってもんだ。

 そりゃ誰だって、白昼堂々、衆人環視の中悪事の予定を組もうとなんてしない。

 

「君らにはこれから、『敵組』と『ヒーロー組』に分かれて二対二の屋内戦を行ってもらう!」

「基礎訓練も無しに?」

「その基礎を知る為の実践さ! ただし、今度はブッ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」

 

 成程なあ。

 誰も他人に向けて個性なんて使ったことないような奴等ばっかりだろうけど、自分がどの程度動けるのか、どう個性を使うのが有効かを知るのに、実戦形式ってのは手っ取り早いかもな。

 なんとなく場当たり的にも思えるがきっと気のせいだろう。

 

「勝敗のシステムはどうなります?」

「ブッ飛ばしてもいいんスか」

「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」

「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか」

「このマントヤバくない?」

「んんん~、聖徳太子ィィ!」

 

 八百万を筆頭に、爆轟や麗日、飯田が次々に質問する。しかし青山、お前はなんか違うな?

 オールマイトもいくら超人とは言え人は人。一気に話しかけられては答えることも出来ない。聖徳太子は一度に複数人の話を聞き、理解できたらしいが、そういうことだろうか?

 

「いいかい!?」

 

 あ、カンペ。

 オールマイトが今回の訓練の状況設定の説明を始める。

 敵側は屋内のどこかに『核兵器』を隠していて、ヒーロー側は制限時間内にそれを確保するか、敵を捕まえること。敵側は逆に「核兵器」を制限時間まで守り切るか、ヒーローを捕まえること、とのこと。

 コンビと対戦相手はくじで決めるらしい。

 結果、

 A 緑谷&麗日

 B 轟&障子

 C 八百万&峰田

 D 飯田&爆豪

 E 芦戸&青山

 F 俺、そして口田

 G 耳郎&上鳴

 H 蛙吹&常闇

 I 尾白&葉隠

 J 切島&瀬呂

 ……となった。

 最初の対戦の組み合わせはAとD。それ以外の奴等は訓練で使うビルの地下にあるモニタールームで観戦だと。

 んじゃ、身体が鈍らないように適宜準備運動は挟みつつ、出番まで待つとしよう。それに、他の奴等の個性も改めて見たい。

 

 

 

 

     ◇◆◇◆

 

 

 

 …………これは。

 最初の戦闘訓練。緑谷&麗日チーム対飯田&爆豪チーム。それぞれ前者がヒーロー側、後者が敵側だ。

 結局は戦闘と言えども訓練は訓練。マトモに戦ったことなどないだろう学生のものだと思っていたが……いやはや、これは。

 モニターに映される戦闘訓練の様子に、俺はただ感心していた。

 特に爆豪。アイツ、個人で特訓でもしていたのか、それとも天賦の才能か、めちゃくちゃに戦闘センスがいい。個性、動き、ともに高水準なのではなかろうか。素人目にみても、優れているのは分かる。

 ただ、別カメラに映る飯田の慌てようを見るに、爆豪これ、独断専行してるのか……?

 そしてそれに相対する緑谷も中々だ。

 威力の高い爆豪の個性相手に引けを取らずに相手できている。

 綺麗な背負い投げが決まった時は思わず声を漏らしたよ。

 けど、それも序盤のみ。

 今はもう訓練も終盤に差し掛かっているだろう。麗日は『核兵器』を守る飯田と相対し、緑谷と爆豪もまた、二度目となる対峙。

 爆豪はもう緑谷の動きに慣れたのか、個性を巧みに使った空中機動で翻弄し、彼を逆に叩き付けている。

 それに、その前。

 腕に装着した手榴弾のような籠手から発射された爆発は、建物ごと吹き飛ばす程の高火力。建物の破壊そのものは敵にとっても褒められたものではないが、脅威としては十分だ。

 オールマイトが止めていたが、そこで即座に訓練中止にしない辺り、何か思う所があるのかもしれない。

 ……お、緑谷と爆豪が同時に飛び出した。

 爆豪は右手に小規模の爆発を生みながら。緑谷は右の拳を大きく振りかぶって。

 そして。

 

 

 

 総評。

 八百万の言葉を借りれば、

 爆豪……私怨丸出しの独断、加えて、屋内での大規模攻撃。

 緑谷……同上。それに、受けたダメージを鑑みても、あの作戦は愚策。

 麗日……中盤の気の緩み。及び最後の攻撃が乱暴に過ぎた。

 とのこと。俺も概ね同意見だ。

 あの後緑谷は爆豪の動きを読んでいたのか、左腕で爆発を防ぎ、彼の超パワーの個性で上の階をぶち抜いた。その瓦礫を麗日が柱を無重力にして野球のバットのように振ることで打ち出し、飯田が対応に遅れている中、隙を突いて核に触れて回収……となった訳だが。うん。雑!

 逆に飯田は一番状況設定に応じた動きを取れていた。今回のベストは彼だというオールマイトの言葉にも肯ける。

 じゃあ敵チームはどうするのが正解だったか。

 

「機動力に優れる飯田が奇襲を掛ける、爆豪が初撃で決める……決めれなかった場合は一撃離脱で精神的に追い詰めるか。核の移動も視野に入れとくべきなのかな? 二人してヒーローチームを攻めるのは流石に愚策だな。だが、深追いせず、一撃で片方を落としさえすれば逆にアドバンテージになるかもな……やはり大事なのは初撃。あそこで避けれたのは運が良かっただけ、個性がバレていたからこその動きだったもんなァ……」

「何ボソボソ言ってるの……ちょっと不気味」

「おおうグッサリいくね? いや何、今回のベストは飯田だが、じゃあどうすれば敵側は勝てたのかってのを考えてた」

 

 言葉にするのは意外と大事だ。考えが纏まる。

 結局は後からならどうとでも言えるってやつなのであまり意味はないが、馬鹿ほど真面目な飯田なら話を聞いてくれそうだ。面倒なことになりそうだからしないけど。

 さァて、俺の番はまっだかなー。

 

 

 

 

「んで結局最終戦かあ……まあいいさ。よろしくな、口田」

 

 握手を求めると、無言ながらも握手に応じてくれた。

 柔和な表情、少しコミュニケーションを図ってみた感じ、単なる口下手なだけで冷淡な訳ではなさそうだ。

 今回俺らは敵チーム。相手は耳郎と上鳴のGチーム。何かと耳郎と縁があるな。

 互いの個性は既に紹介済み。相手の個性も共有済みだ。特に耳郎の方は入学試験の時にも見た。それなりに知ってる。

 作戦も既に立てているし、準備も終わっている。オールマイトにも了承を得ているし、アレも終わった。口田の方から何か作戦はあるか訊いたが、首を横に振り、俺の作戦に協力してくれるそうな。

 まあ屋内戦じゃ彼の『生き物ボイス』という個性はあまり使えない。精々が潜む鼠等の小動物に斥候を頼んだり、外の鳥に見回りしてもらう程度。いや十分だけどな。

 だが今回の作戦じゃ、屋内の斥候はあまり意味を為さない。一応鳥を介してどこから侵入されたかくらいは教えてもらうが、その程度。個性とは別に体格故のパワーもある程度はあるそうなので、核の防衛に専念してもらうとしよう。

 ……そろそろかな。

 建物内のスピーカーから、オールマイトの声が響き渡る。

 

『それでは最終戦! ヒーロー側がGチーム、敵側がFチーム! 張り切って――スタート!!」

「……そんじゃ、行ってくるよ」

 

 ひらひらと手を振ると、小さく手を振って見送ってくれた。心配そうな顔をしてたけど、まあ大丈夫だって。

 

 

 

〈ヒーローサイド〉

 

「……相手さん、どんな感じ?」

「――二階に二人ともいる。だけど片方は動かず、片方はこっちに向かって来てる。多分、動いてる方が相間」

「入試二位だっけ。かーっ、俺らも俺らでツイてねえなあ!」

 

 爆豪や轟とやり合うよりはマシだろうが、それでも入試二位で、恐らくクラスで一番単純な身体能力が高い人物。それが相間或鬼という男だ。

 耳郎にとって、入試の時に見せた戦闘センスもあってか、今回最も相手をしたくない相手であった。確かに爆豪や轟も凄かったが、もっと間近で彼の強さを見せつけられていたからか、彼らよりもよっぽど想像しやすい相手だった。

 どうやら上鳴も同じ会場に居たようだが、彼の強さを直には見ていない。だからだろうか、言動に少し余裕があるように感じてしまうのは。

 ――いや、自分が緊張し過ぎているだけか。

 深呼吸を挟み、二階に続く階段へと向かう。もう片方のメンバーである口田が二階にいる以上、核は二回にあるのだろう。

 一歩を踏み出した直後。

 

『――――ラッシャアアアアァァァァッ!!」

 

 叫び声、そして、崩壊音。

 

「うわっ!?」

「くっ、何!?」

 

 揺れるビル。パラパラと振ってくる埃や小さな瓦礫。集音していなくてよかった。タイミングがもう少し早ければ、耳をやられていたかもしれない。

 

「おいおい……大規模な破壊行為ってのは大幅減点じゃねえのかよ……」

「その筈だけど……それを相間が分かってないとは思えないし……」

「そりゃァお前、意味のある破壊活動なら別にいいだろォが」

 

 足音。

 そして声。

 暗がりの中、カツカツと足音を鳴らして近付いてくるその影の正体は。

 

「よう。見ィつけた、だな。お二人さん」

 

 相間或鬼。

 一回り程大きくなった角。獰猛に歪む口元。

 堂々と彼は、二人の目の前に現れた。

 

 

 

〈敵サイド〉

 

 口田からの情報により、相手チームが普通に入口から入ってきたことは分かった。そもそも増強系の個性じゃない二人だ。二階より上から入ってくるのは難しいし、わざわざ閉まっている窓を割ってまで変な所から侵入するよりも正面突破の方がまだいいとの判断だろう。

 まあいい。大事なのは一階からの侵入という、俺の予想通りだったこと。

 もし敵ならば、周辺のヒーローの個性くらい調べるだろう。だから相手の個性ありきの予測や動きは、敵側ならばそれほど問題じゃない。はず。

 さァてまずは一発、どかんと決めますかね。

 目的の場所で、大きく腕を振り上げて――!

 

 そして俺はまず、()()を破壊した。

 

 そりゃそうだ。エレベーターはまず止めるのは当然。となると上に行くには階段かエスカレーターを使うしかない。だがこのビルにエスカレーターはないので、必然的に階段を使うしかない。

 つまり、どう足掻こうとそこは〈必ず通る道〉になる。

 ならそこをまず壊すのは定石だよなァ? 俺なら口田を抱えて屋上から飛び降りても無傷でいられる自信がある。こっちは使う必要はなく、向こうは使わざるを得ない。となるとまずそこを潰す。

 八百万あたりなら罠を張ったりするのだろうが、生憎、今回こっちにそういったことができる奴はいない。

 まあ多少の減点はあるかもしれないけど……先にオールマイトに訊いて了承は得ているから、きっと大丈夫!

 壊した階段を飛び降り、わざと足音を鳴らしながら入口へと向かう。

 本来敵としては白兵戦は愚策なのだろうが、今回の主目的は核の護衛。俺は捕まりさえしなければいいし、最悪捕まるとしても時間稼ぎくらいはする。

 隠密は俺の得意とするところじゃないし、そもそも索敵という点において耳郎は有能過ぎる。

 だったら、下手に奇襲を仕掛けるよりはこうして姿を晒した方が俺としてもやりやすい。

 さあ、まずは俺を越えるところからだ。

 二人の姿を確認し、俺はゆっくりと近付いた。

 

「よう。見ィつけた、だな。お二人さん」

 

 ああ、ああ――愉しみで仕方ない。

 

 

 

〈ヒーローサイド〉

 

「初っ端から正面戦闘かよ……嘘だろオイ」

「向こうにウチの個性がバレてる以上、こうなるかもとは思ってたけど、やっぱキツイなあ……っ」

「かはははは! さァてさて、どうするよヒーロー? 俺を越えなきゃ先には進めないぜ?」

 

 まだ分かれ道すらない。入口からすぐの、一直線の廊下。

 取れる選択肢は――

 

「チックショウ! これしかねえだろ!」

「あっ、馬鹿!」

「だよなァ! そう来なくっちゃなァ! 俺はそォいうのを待ってたンだよ!」

 

 上鳴による突撃。

 彼の個性『帯電』は方向性を調整できないので、無闇に放てば味方である耳郎にも当たってしまう。

 故に突撃。相間に触れた状態での放電ならば、耳郎に当たる心配もない。

 駆け出す上鳴に対し、相間が取った対応は、

 

「行くぜ電撃! 気絶程度に弱めてやんよ!」

「ああ来てみろ!」

 

 正面から受け止めることだった。

 耳郎にとっても、上鳴とっても予想外過ぎるその対応に思わず目を見開くも、本当に相間は動く気配を見せない。不敵な笑みを湛えたまま、その場に立っている。

 上鳴が手を伸ばし、相間に触れた瞬間、あたりに電撃による轟音と光が溢れるも、その笑みは崩れなかった。

 そう、弱めたとは言え、電撃の中でも。

 

「はあ!?」

「フン、こんなもンかよ、ヒーロー」

「ッ。なら、もっと上げてくぜえええ!!」

 

 バチバチとさらに威力を上げたのか、音と光が大きくなる。

 だが、それでも彼の笑みは崩れなかった。

 

「な、に……」

「んじゃまァ取り敢えず一人かー、なっと!」

 

 腕を伸ばし、上鳴の胸倉を掴むと、そのまま彼は背中から上鳴を叩き付けた。

 

「ぐはっ!?」

 

 上鳴の個性が止まる。

 しかし相間の攻撃はこれで終わらなかった。

 今度は上鳴の腕を掴むと、そのまま壁へと投げ飛ばしたのだ。

 増強系に近しい相間のパワーだ。大雑把に投げつけられただけなのに、壁に罅が入っていた。いや、入試のあの力を見れば、これでも大分手加減しているのは分かる。

 

「そんじゃァ最後に――?」

 

 彼が拳を握った所で、ようやく身体が動いた。

 咄嗟にブーツに仕込んだスピーカーに片方のプラグを挿し、心音を爆音として放つ。

 相間の動きが一瞬止まった隙にもう片方のプラグを伸ばし、上鳴の腕に巻き付け、回収する。と言っても、持ち上げることは出来ず、殆ど引き摺る形だ。

 

「ほォ……?」

 

 失神寸前の上鳴を支えながら、耳郎は取り敢えず外に逃げ出すことを選んだ。

 態勢の立て直しと言えば聞こえはいいが、要は敗走である。

 ここまでの経過時間、僅か三分。

 振り向いた先では、相間がスキットルボトルを傾けていた。

 

 

 

〈モニタールーム〉

 

 必死に外へと脱出するヒーローチームの様子を、カメラが捉えていた。

 

「何でアイツ、電撃に爆音と連続で食らってケロッとしてるんだよ!?」

「耐久性能が高い個性なのかしら。なんにせよ、脅威ね」

「階段の破壊は減点対象じゃないのでしょうか!」

「いや、通路の破壊自体は別に普通だ。ただ、乱暴なやり方ではあるけどな」

「うわあ。笑顔なのに怖い……」

「オイオイ上鳴の奴大丈夫かよ……思いっ切り投げられてたぞ……」

 

 思い思いの感想を溢す生徒達。

 教師であるオールマイトもまた、相間の個性に驚きを禁じ得なかった。

 

(確かに個性には高い耐久力とはあるが、まさか電撃と爆音をほぼノータイムで受けても無傷とは! 攻撃、防御、速度、おおよそ戦闘行為において、彼は間違いなくトップクラスの適性を持っている)

 

 パワーも、それに付随するスピードも、そして今しがた見せたディフェンスにおいても、彼は自己完結した強個性と言えるだろう。

 個性による避けられないデメリット、制限が無ければ、彼はもっと化けていたかもしれない。

 

(上鳴少年、耳郎少女。彼は大きな壁だぞ……どう攻略する!?)

 

 

 

 

〈ヒーローサイド〉

 

 息も絶え絶えになんとか脱出し、気絶寸前だった上鳴は直接音を流し込んで無理矢理目を覚まさせる。

 逃げることしか出来なかった自分に、嫌気が差す。

 

(違う。今のはこうするしかなかった。ウチは最善策を取った。その筈!)

 

 元々自分一人では彼に立ち向かうなんて無謀の一言に尽きる。

 だから、そう、これは。

 間違ってなど、いない筈。

 

「はっ……はあっ……どうなったんだ、耳郎?」

「……逃げ出した。ここは外。早く突破口を見つけないと、時間が……」

 

 彼との相対が開始直後だったのは幸いだっただろう。まだ時間はなんとか残されている。

 

「取り敢えず、作戦を立て直さなきゃ」

 

 本来なら耳郎の個性で相手の位置を把握し、あわよくば会話を盗み聞きして核の位置を知る。上鳴の個性で足止め、確保しつつ、核を探すか近付いて触れる、というのが大まかな作戦としてあった。

 だが、蓋を開けてみればどうだ。

 初っ端から一番恐れていた相間との対峙。上鳴の個性も効かず、こうして逃げるしかなかった。

 ……悔しい。

 分かっていた。分かってはいたが、思考とは別に、感情が暴れ出す。

 ……何も、出来なかった。

 何かが出来ると自惚れていたつもりはなかった。でも、何か傷跡ぐらい残せると思っていた。だというのに彼は平然とそこに立っていた。

 これが悔しくなくて、なんだと言うのだ。

 だからせめて一矢報いたい。

 

「上鳴、見取り図出して」

「お、おう……ほい」

「サンキュ」

 

 ビル内の見取り図を広げ、上鳴と一緒に覗き込む。

 

「音の方向、今聞こえる足音から察するに、最初の破壊音の正体はココ。階段だと思う」

「でもよ、そしたら相間も上に行けなくないか? もう一人が上で動いていないっていうなら、核は上に在るんだろ? これじゃ守りに行けないじゃねえか」

「多分相間なら一回分の高さくらい普通にジャンプで届くよ。下りるにしても、口田を抱えて飛び降りれるだろうから、向こうにとって階段はあってもなくても一緒なんだと思う」

「俺らが上に来られないようにするためだけってか。厭らしいな」

 

 でも。

 

「逆に、ほぼ確実に上に核がありますよってことだよな」

「だと思う」

「問題はどうやって上に行くか、だけど……」

 

 中から進むか。そもそも階段も無いのにどうやって上に行こうと言うのか。それに相間もいる以上、一番現実的じゃない。

 となると選択肢は一つ。外からどうにか中に侵入するしかない訳だが、残念ながら二人共、それができるような個性ではない。

 イヤホンジャックで相間の位置を把握しつつ、何か使えそうなものはないかとビルの周囲を探る。

 そして、入口とは反対方面にそれはあった。

 

「「これだ!」」

 

 

 

 

〈敵サイド〉

 

 ン。気付いたか。

 個性の出力をさらに上げ、強化した聴力が、二人分の足音が階段を上っていくのを感知した。

 だが一階と二階を繋ぐ階段はついさっき破壊した。

 ではどこか。

 音は外。コンクリートにしては甲高い音。

 まあつまるところ。

 

「外の非常階段。それしかねェよなァ」

 

 外から中に侵入、そして二階以上に行くには、彼らではそれを使うしかない。

 たとえそれがこちらの思惑通りだとしても。

 だってそうだよなァ? わざわざ中の階段を壊してんのに、外の非常階段を壊さない筈ねェもんなァ。なら何で残すか。勿論罠だ。トラップというか、誘い込みというのが正しいかもな。

 階段を使った以上、上へと向かった以上、アイツらは核は上にあると思っている。

 うむ。その思考は正しい。

 これ見よがしに口田を一切動かさずに配置してるんだ。耳郎ならそれも分かっているだろうし、俺の位置もすぐに分かる以上、真っ先にそこに向かうのが普通だ。俺が来る前にケリを付けたい筈だからな。

 だから俺も、そっちに向かう。

 だってそれが普通なのだから。

 

 

 

 壊した階段の方に向かい、二階へと続く穴へ跳ぶ。

 こうして俺なら階段なんてなくても階の移動が出来るからこそ破壊したのだしな。

 途中、ドアを蹴破る音がしたが、アイツら自分達の索敵能力にかまけてやることが大雑把になってないか?

 まあいいさ。俺のスピードならアイツらが到着するよりも前に口田の所に辿り着ける。それが可能な部屋を選んだし、そうなるよう一階の巡回もルートを選んだ。

 俺の位置はバレていると思っていいだろう。もしバレていなくても、既に二階にいることは気付いている筈。そうなると口田のいる部屋に向かうってのはあっちも予想できるだろうから、どのみち相対は避けられないものだと気付く筈だ。

 部屋に入ると、やはりまだ二人は来ていない様子。それじゃあここで迎え撃つとしましょうか。

 およそ一分後。訓練開始から半分くらい経ったのだろうか。

 俺らのいる部屋の扉が開け放たれた。

 

 

 

 

〈ヒーローサイド〉

 

「この部屋! 多分二人共いるから気を付けて! 開幕放電もダメだかんね!?」

「わぁってるよ! こっちは触れれば勝ちなんだし、どうにか隙を見つけるしか方法ねえって!」

「そうなんだけどさあ!」

 

 語気は荒いが音量は小さく。

 一度部屋の前で止まり、中の音を聞く。やはり二人分の呼吸音。敵チームは両者この部屋に集まっているらしい。

 互いに頷き、一息に扉を開ける。

 

「…………は?」

「…………え?」

「っ! ―――っ!」

 

 素っ頓狂な声を上げたのはヒーローチーム。声になっていない声を上げたのは口田。

 耳郎と上鳴の視界には、あるべき物がなかった。

 いや、あると思っていた物が無かったと言うべきか。

 

「……核、ねえじゃねえか!?」

 

 そう広くもない部屋。柱や瓦礫など、視界の妨げになりそうな物はいくつかあるものの、どれもあの核を隠すには大きさが足りていない。

 だと言うのに、どれだけ見渡そうとも、それらしいものはどこにもなかった。

 そこにあったのは、ただ口田と相間。

 たった二人だけしか、そこにはなかった。

 

「動かないものの位置の把握は難しいよなァ。自ら音を発しないからな。特にハリボテとは言え無機物なら尚更だ。だからお前さん達は俺らの位置から核の場所を推測するしかなかった。それが一番確実なのだから」

「っ。マズい上鳴! すぐに撤退を――!」

「一回目は温情だ。二回目はねェよ」

 

 踵を返し部屋を出ようとした瞬間には、後ろに引っ張られる感覚があった。

 どうやら襟部分を掴まれているのか、服が引っ張られ、首が締まるような感覚。

 直後に、浮遊感。

 

「口田ァ! 上鳴と耳郎は離れさせるな! 耳郎の方はプラグ部分を掴んどけ! ただし、挿されないように注意してな!」

「っ!!」

 

 コクコクと何度も頷く口田が視界に映る。

 上鳴は自分が近くにいると無闇に個性を使えない。自分の個性への対策も大雑把とはいえ考慮されてある。

 どうする。どうすればいい。

 口田に確保されるまでのおよそ数秒。過去最高速なまでに思考が加速する。

 どうにか軌道を修正して避けられるか? いや、そんな手段は持ち合わせていないし、よしんば思いついたとしてもその時にはもう手遅れだろう。

 上鳴だけでも逃がすか? 結局上鳴の個性が効いてなかった以上、索敵能力のない彼では相間に狩られる。

 では自分が? 上鳴と同じ。自分の場合は直接戦闘能力が相間と比べて圧倒的に不足している以上、狩られる。逃げるにしてもやがて追い付かれそうだ。

 口田をやり過ごして、後ろの窓から脱出するか? 投げつけられた時点で対策は考えられていた。難しいだろう。

 

「――ッ。ごめん上鳴!」

「え!? あっ、うぇええええい!?」

 

 だから、プラグを伸ばして()()()()()()()()()()()()()()()

 

「電撃!」

「っ! なァる程なァ!」

「良く分からんけど分かった!」

 

 空中だったから不安定になったが、逆に空中だからこそ、それ程の力を込めずとも互いのスピードの調節が可能だった。

 反動でこちらは若干の失速。上鳴の方は自分より僅かに先に口田のもとへ。

 そこで彼も気付いたのだろう。得心がいった顔で個性を解放した。

 

「食らえ! 無差別放電!」

 

 音、そして光。

 部屋中に満ちるそれらに、相間も耳郎も巻き込まれた。

 だが、それでも威力は弱めたのだろう。多少痺れた程度で済みはしたが、一番間近で直撃した口田の方は、

 

「――――」

 

 案の定、目を回していた。

 

「う、うぇい……」

 

 ……そして何故か、上鳴の方も微妙に限界そうだった。

 

「かはは! 咄嗟の判断にしては中々。だけどまァ……一人を犠牲にしてようやく一人か。味方にも被害を出してるし、もうちょっと細かい調整が必要だったかもなァ」

「……嘘でしょ」

「残念リアルだ。今ので俺を止められなかった、耳郎の方を止めてしまったってのはまァ、悪手だったなァ……」

 

 微妙に痺れたままの耳郎を、平然としたままの相間は捕縛テープでぐるぐる巻きにした。

 これで耳郎はもう失格だ。

 そして限界っぽい上鳴の方も。

 スピーカーからオールマイトの声が響く。

 

『敵チーム――WIIIIIIN!!」

 

 

 

 

 講評。

 

「まァ今回のMVPは耳郎だろうなァ……」

「その通りだな相間少年。君ならそれが何故か、きちんと分かってるんじゃないかな?」

 

 そりゃ勿論。

 

「今回俺は口田の個性を活かし切れなかった。殆どが俺一人でやったことばっかだったしな。自分の個性に物言わせた力押しの作戦だったてのもある。もうちょっとスマートなやり方があっただろうな。ヒーロー側が俺らの予想通りに動いたからって、核の防衛を疎かにしたのも減点かなあ。口田自身は殆ど動かせなかったせいで、評価のしようがねえだろ」

「うんうん。それじゃあ、ヒーローチームの方は?」

「上鳴は突撃からの個性使用って言うワンパターンなことしか出来なかったのが辛いな。核がある以上、無闇な放電はできなかったとは言え、階段を壊した時点で俺の個性が増強系に近しいってのはたとえ初見でも分かる筈。それなのに俺相手に近接はあまり褒められた手段ではないな」

 

 だからヒーローチームの最も避けたい状況が、俺との直接戦闘だっただろう。

 

「耳郎は何だろうなあ。俺を恐れすぎか? 一番堅実なやり方は出来ていたし、自分にできることをしっかりやっていたとは思うが、俺を極端に重要視し過ぎな印象を受けたな。俺にどう対応するかよりも、俺とどう鉢合わせしないかを考えるべきだったのかもな」

「……結局、核ってどこにあったの?」

「ん? そういや明かしてなかったか」

 

 核がある部屋を映したモニターを指差す。

 その部屋は少なくとも、俺と口田が待ち構えていた部屋ではない。造りが違う。

 

「あそこな。あれ、二階のあの部屋の真下だ」

「真下……てことは、一階!?」

「ああ。階段を壊せば普通なら上に何かあると思うだろ? わざわざ非常階段を残したのも、思考誘導の意味合いが強い。ああそうだ。その件も、もう少し考えてから使うべきだったな」

 

 その点で言えば、あの時二人がすぐに外への脱出を選んだのは敵側としては幸いであったし、若干の不安要素でもあった。

 外からバレるような位置に核を設置はしていないが、偶然でもその部屋を引き当てる可能性もあった。

 二人が素直に非常階段を使ってくれたのも運が良かったな。精神的に追い詰められていた、俺と言うインパクトが強すぎた所為だろうか。ちょっと考えれば罠だと分かっただろうのにな。

 一応窓から侵入されようと迎撃できるようにはしていたけど……やっぱ十五分はちょっと短いぜい。全部時間の所為にしてやる。

 非常階段を使わずとも、口田の位置が分かれば、その真下にある部屋に行ってみると言う選択肢が生まれた可能性はある。少なくとも俺なら一度考慮する。

 偶然でも引き当てられる可能性があるくらいなら、確実に迎撃できる部屋にってことで真下の部屋に核を置いておいたが……まあ無駄ではなかったと思うことにしよう。

 

「うん。概ねその通りだよ、相間少年。口田少年も、上鳴少年も、耳郎少女も、これを糧にして次に繋げて欲しい。……ちなみに、どうすればヒーローチームが勝てたと思う?」

「ンー……耳郎は索敵に専念して、離れた場所で上鳴に指示を飛ばし続ける。上鳴はそれを元に探索ルート構築と修正。俺との接敵を避けて核を探す、ってのが一番勝率が高いのかな?」

「その時に口田少年を確保できていれば一気にヒーローチームに有利になっただろうね――よし! これで全チーム戦闘訓練終了だ! 取り敢えず皆、出入口のゲート前に集合!」

 

 はい! という各々の返事を耳に、俺はスキットルボトルを傾けた。

 あァ……暴れ足りねえなァ……。




 ツッコミどころ満載。

 自分で読んでていやそこはそうするべき、とか、そこはそうしないだろ、とか思う所は多々あります。それに何だか主人公がやけに上から目線な印象が……。
 アニメでは多分、EvsFっぽいんですが、どうせ原作でも曖昧だからと、勝手にFvsGにしました。
 っていうか主人公の個性強くしすぎ……?……他の方のssではもっと強い個性だってありますし、きっとそうでもない筈。そういう風に思いこむことにする。
 明確な苦手ってのもありますし、強個性どまりの筈です。多分。きっと。めいびー。

 それでは、次回も読んでいただけることを願いつつ、ここらで終わりとさせていただきます。

 委員長決めは軽く流して、とっととUSJ編ですかね。流石にUSJ編は何分割かにしましょうかね。
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