真・恋姫†BASARA 革命 劉旗の大望を創世する東照 作:武者ジバニャン
恋姫主人公である北郷一刀はでません、出しません。
それと当作品のバサラ武将たちはかなり無双してしまいますが、どうかご理解くださいますよう宜しくお願い致します。
オリジナルのBASARA武将が登場したり、オリジナルの恋姫キャラも出すことがあります。
恋姫キャラとBASARA武将とのカップリング描写などあります。
今回は長文ではありますが、よろしくお願いいたします。
イメージOP『Thunderclap』戦国BASARA Judge end
イメージED『黄昏』戦国BASARA3宴
深夜、とある陣地にて何やら怪しげに動く三人の少女たち。一人は眼鏡をかけた紫色の髪の娘、水色のサイドテールの娘、そして桃色の黄色のリボンをつけたロングヘアの娘、彼女らは特徴的且つ可愛いらしい黄色の衣装を着込んでいる。
旅芸人の娘C「.....」
眼鏡をかけた娘が陣中の辺りを警戒しながら見渡している。辺りに自分たちしか居ないと分かったのか、彼女はあとの二人に合図する。
旅芸人の娘C「こっちよ、姉さんたち」
旅芸人の娘A「人和ちゃん、本当に大丈夫なの?」
桃色髪の娘は不安げにしながら問いかける。
旅芸人の娘C「大丈夫よ、天和姉さん。このまえ仕掛けてきた馬超って人のおかげで、警備もかなり手薄になってるし....逃げるなら、今しかないわ」
旅芸人の娘B「そっか。これで、ちぃたちも晴れて自由の身なのね...!」
などと嬉しそうにする水色髪の娘、何やら窮屈な思いをしていた様子。その為か深夜の陣地に彼女の声が少し響いてしまう。
旅芸人の娘C「ちぃ姉さん、声が大きい。
....気づかれたらおしまいなんだから、急いで」
旅芸人の娘B「はいはい」
旅芸人の娘C「はいは一回」
旅芸人の娘B「はーい」
旅芸人の娘A「人和ちゃんも十分声、おっきいよぅ....」
などと言うやり取りの中、三人の娘...張角・張宝・張梁...真名を天和・地和・人和の張三姉妹は、夜の闇の中に消えていくのだった。
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馬超「行け!西涼の勇者たちよ!
平原の賊共に、西涼兵の勇ましさと蹄の響き、徹底的に刻みこんでやれ!」
西涼兵たち「「「「うおおおおおおーっ!!」」」」
馬超「総員、突撃ぃいいいっ!!!」
馬超の号令により西涼騎馬兵らは賊徒の群れに対して勢い強い突撃を敢行、その様は正に疾風の如く速く、その勢いは怒涛の如く強かった。
敵は西涼の攻撃に怯み、反撃しようにも馬超ら西涼兵の機動力に追いつけず一方的にやられていく。
その光景を随行部隊として行動を共にしていた愛紗と雷々が見て感歎の声を漏らす。
雷々「....何度見てもかっこいいねー。馬超さんの突撃」
愛紗「ああ。槍働きで負けるとは思わんが.....あの騎馬での戦いぶりは、見事過ぎて参考にならん」
愛紗がそう口にする中、馬超は見事な騎馬術にて己の愛馬を巧に操りながら、得意の槍にて黄巾の雑兵を容赦なく間断ない攻めで次々に討ち取っていく。
愛紗「....っと、いつまでも見とれているわけにもいかんか。
雷々、我々も出るぞ!」
雷々「はーい!」
愛紗「歩兵部隊も前進!
西涼の猛者たちが蹴散らした賊どもに、トドメを刺してやれ!」
「「「「「うおおおおおおーっ!!」」」」
愛紗「攻撃開始ぃっ!!」
愛紗の号令により歩兵部隊が前進。愛紗と雷々が二つ部隊を指揮しながら騎馬隊に翻弄されている賊たちの左右側面から挟み込むように攻める。
その様子を家康と彼の軍師となった郭嘉が見ている。
家康「よし!上手くいったな」
郭嘉「はい。家康様」
今回黄巾党が現れたので、討伐の為に家康は馬超と協力してその遠征に来ていた。
此度の遠征には馬超・馬岱・馬休。愛紗と雷々、そして軍師として郭嘉と共に来ていた。
家康「ここまでくれば、ワシが出張ることはない、か」
郭嘉「ええ。馬超殿たち西涼の騎馬隊や愛紗さんたちが上手く動いてくれてます....それにこの程度相手に家康様自ら出張ることもないでしょう」
郭嘉...真名は稟。家康には真名を告げることを止められたが、桃香たちとは真名を預け合った。
家康から「これから共にする仲間となるのだから、互いに真名を預け合っても良いだろう」と後押しされたが故である。
因みに稟との間に不和があった雷々と電々とは、家康が仲立ちしてくれたお陰で和解している。
家康「だがワシ自身出なければ不味い時もあるだろう。そうなったらワシは進んで出て拳を振ろう」
郭嘉→稟「家康様...」
そう語りながら戦場を見据え両手を組む家康の横顔を見つめる稟。その瞳は先ほどの軍師として目ではなく何時の間にか自分でも気づかぬ間に、熱いときめくようなそれになってしまっている。
一方戦人として歴戦の将としての面構えになっている家康は、そんな乙女な気持ちで見つめてくる稟には気づかず、当の家康自身は戦いの成り行きを見守っているのだった....。
そして結果、戦いは家康たちの快勝で終わるのだった。馬超たちの協力もあったとはいえ、家康が前線に出ることなく終わったのは今回が初である。
彼らはそのまま帰路に着く。
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桃香「ご主人様...まだかなぁ」
一方、桃香は嘗て幽州に向かう前の青州・平原の町――家康と初めて出会ったあの町にいる。
この町に戻ってきた彼女は現在役人として地位に就き、この町の完全な復興や発展の為にと勉強しながら励んでいる。
今回家康は賊討伐の為に、一人で頑張っているが居る時は家康と共に稟の助力もあって何とかやっている。
因みに電々と鈴々は家康から町の守護と、並びに畑仕事や訓練などに勤めてほしいと言われているので平原の町に桃香共々留守番である。
だが何故彼女が平原の町に戻り、こうして役人の仕事に就いたのかというと....
桃香「....程立さんが役人の仕事を辞める?」
それは、いつものように薊周辺の賊を退治して、報告に戻った時のことであった。
突如平原の町にて、役人の仕事に就いていた稟の友人である程立から役人の仕事を辞するという内容だった。
因みにだが稟は既に程立に、自分が家康の下に仕えると報告は済ましているようで程立もこれを了承している。
家康「辞めると言う事は、まだ出発はしていないわけだな公孫瓚殿。何か問題でもあったのか?」
公孫瓚「実は、程立を紹介してくれた水鏡先生って方が荊州にお住まいなんだが、どうも病気らしくてな。
一度、暇が欲しいって事になったんだよ」
桃香「先生が病気に...」
医療や交通も戦国時代に比べて発達していないこの時代、病気の連絡というのは重いものがある。
特に長距離の相手となると、連絡の時点で手遅れと言うことも少なくない。
もっと言えば、見舞いに行って戻って来られる保証もない。
故に遠方に見舞いや看病に行くことは、このように仕事を辞める覚悟で向かうこともそう珍しくはないのだ。
桃香「ねぇ....白蓮ちゃん。わたしたちに、何かできることはないかな?」
公孫瓚「....ふむ」
桃香「水鏡先生が病気だなんて、他人事とは思えないし....。あの町の人なら、わたしも少しだけ知ってるから、きっと力になれると思うんだ」
そう語る桃香の切実で悲しげである。
桃香「もし風鈴先生が病気だっていう連絡が届いたら、わたしだって凄く心配だもん」
公孫瓚「なるほどなぁ。....程立の言った通りか」
家康「ん?」
公孫瓚「手紙には、桃香ならきっとそう言うだろうから、この後の町の事を任せたいって書いてあってな」
桃香「それって....えっ!?でも私、お役人の仕事なんてしたことないよ!?」
公孫瓚「そうは言うけど、風鈴先生の所じゃ学問の成績は良かっただろ?」
桃香「それは...」
公孫瓚「あの頃はみんな、桃香が一番に役人になるって思ってたんだぞ?」
桃香「それはそうかもだけど....」
いきなりのことに戸惑う桃香ではあるが、公孫瓚からあることを教えてくれた。
公孫瓚「あの町の人たちも、桃香が役人なって欲しいって言ってくれてるんだ」
桃香「町の人たちが...」
桃香がそう口にした後、何か考えるように少しだけ目を閉じて....
桃香「....わかったよ」
彼女は笑みを浮かべて承諾することに。何より他人から求められれば彼女は断ることはせず、純粋に助けになりたいと思いながらそれを成してきた...それが彼女の人として美しき姿である。
桃香「だからね、白蓮ちゃん。
程立さんには、町の事は心配しないで、すぐに先生の所に出発してってお返事して欲しいんだけど....」
公孫瓚「ああ。桃香ならそう言うだろうと思って、もう出発するように使いは出してあるんだ」
っと、そんなことがあり、桃香は家康たちと伴って平原に戻ってきたというわけと相成った。
桃香「うぅ~、ご主人様や稟さんが居ないとこうまで大変なんてぇ~....」
役人の仕事は比べるものにならないくらい多忙であった。桃香は毎日大騒ぎしながら過ごして頑張っている。
家康も見かねて稟や愛紗からこの時代での言語や字を学びながら、桃香の仕事の手伝いを積極的にしてくれていた。
稟も前述した通り助力してくれ、愛紗も訓練など合間に手伝ってくれている。
桃香「ご主人様って凄い...字が全く分からなかったのに、慣れるのが早くて....」
桃香は家康のことを考えていた。最初こっちの世界での字に対して当初苦戦していた家康ではあったが、愛紗や稟のおかげで直ぐに何とかなり、今では桃香の仕事の手伝いなどしてくれている。
桃香「ご主人様って...天の世界じゃ一体どんな人だったのかなぁ...」
彼女はふと思った。自分は未だ家康のことをまだ何も知らないのでは?と。
頼りなる年上の男性...そして。
桃香「ご主人様って...頼りなるし、それに.....」
何やら彼女の顔が赤くなっている。だが直ぐに自身の両頬をパンっと叩き気合いを入れる。
桃香「よし!!ご主人様たちが帰って来る前に頑張ってやろう!!」
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桃香「はふぅ....疲れたぁ」
そして、その日の面会と執務を終えた桃香は、机にぐったりと突っ伏していた。多忙な一日が終わり既に陽が沈み始めている最中である。
っと執務室の扉が開き、家康・稟・馬超・愛紗の四名が入ってきた。
家康「桃香、今戻った」
桃香「ご主人様!?ふぇっ!?」
馬超「なんだ、随分疲れてみたいだな」
稟「お疲れ様です、桃香さん」
愛紗「桃香さま....だらしないですよ」
桃香「あ、あぅぅ....恥ずかしい。鈴々ちゃんにご主人様が帰ってきたら、直ぐに知らせにきてって言ったのに....」
家康「ん?鈴々だったら、さっきまで昼寝していたぞ?」
桃香「そ、そんなぁ...」
家康「あー、それとだな...桃香」
桃香「どうしたの?ご主人様」
家康が苦笑交じりで何か言おうとしている。気になった桃香が問いかけたのだが、その理由が直ぐに分かった。
公孫瓚「わたしも来てるんだが」
突然幽州にいるはずの公孫瓚がそこにいた。
桃香「白蓮ちゃん!?なんで!?」
公孫瓚「いやなに、桃香がちゃんと仕事出来てるか気になってな。それに馬超が徐州や青州から戻って、この平原で家康たちと一緒に賊の討伐していたことも聞いたぞ」
徐州と青州を回った馬超が、旅の終わりに平原に寄ってくれたのはつい先日のこと。
更に愛紗たちに騎兵の運用を教えてくれる話になって、近辺の賊討伐を手伝ってくれることにもなったのだ。
馬超「ま、机の仕事が面倒なのは分かるけどな。
あたしも鶸に任せっきりだよ」
桃香「ふわぁ....馬超さんにも、苦手なことってあるんだ。
あ!そうだ!今回の賊討伐はどうだったの?」
馬超「ああ。言葉の訛りからしても、冀州から流れてきた連中だろうな。
数はそれなりにいたけど、関羽たちもいたし、楽させてもらったよ」
愛紗「こちらこそ、西涼の兵の勇猛さと機動力、恐れ入りました」
家康「今回ワシは活躍することはなかった」
桃香「え!?そうなの?」
意外とばかりに驚きを隠せない桃香。この平原の賊討伐には欠かさず家康の活躍が大きく、此度も彼がやってくれたのも大きいと思っていた。
稟「毎度毎度家康様が出張る必要はないのです」
愛紗「それに関しては同意だな。ご主人様は本来は大将です...その自覚をもっと持ってください」
家康「あ、ああ。そうだな、はは」
苦笑いで答える家康の横で公孫瓚が何か考える素振りを見せる。
公孫瓚「ふむ....冀州か」
冀州...青州の西端にある平原の更に西...内陸部にある州である。
馬超「あそこの民も重税に喘いでるって言うし、まぁそれでも州牧がいるぶん、青州よりはマシらしいけど」
家康「やはりここ青州はそんなに酷いのだな?」
馬超「徐州にいく途中に通ったけど、今まで見てきた中じゃ一番酷かったな。退治した賊も、またすぐに湧いて出ると思う」
家康「...そうか」
公孫瓚「馬超....後で、詳しく話を聞かせてもらえるか?」
公孫瓚からしてみれば態々この平原まで出てきたのは、この話を直に聞きたかったからであろう。
馬超「ああ。母様が、今のうちに色んな所を見て回れって言った理由がよくわかったよ」
納得したかのように語る馬超。一方桃香は真剣な顔で公孫瓚を見つめて口を開いた。
桃香「....白蓮ちゃん」
彼女の顔――現状の青州一帯の状況を看過できないと公孫瓚に力を貸してほしいと、桃香は彼女に見つめている。
しかし公孫瓚はこれに困ったような顔で語る。
公孫瓚「何とかしたいの山々なんだが、幽州もそこまで余裕があるわけじゃないしな」
桃香「そうなの?」
公孫瓚「北方もまたキナ臭くなってるし。正直、州の接してる辺りの面倒を見るだけで精一杯だよ」
家康「幽州でもか....」
州牧が管理していても現状の治安がそんなに良くはないというのは、酷い以上の問題だと感じる家康。
日ノ本でもここまで酷くはなかった。しかしここではその酷さが罷り通っているのに、険しい顔になってしまう。
公孫瓚「いち州牧に出来ることなんて、たかが知れてるってことだよ。悔しいけどな」
馬超「ま、公孫瓚も劉備も頑張ってると思うぜ。
それは、大陸を回ったあたしが保証するさ」
桃香「ありがとう。でも、みんなが助けてくれるおかげだよ」
馬超の称賛に桃香は嬉々として微笑むが謙遜を見せる。彼女からしてみれば、この平原の町でここまで役人の仕事をし続けるのは周りの助けとあるからこそと思っている。
馬超「それも人徳ってやつだよ。もっと自信を持ちなって」
家康「馬超の言う通りだ、桃香」
桃香「ご主人様...」
家康「桃香が頑張れているからこそ、この町の民は以前に比べて笑顔になっているではないか。
ワシはそう思っている...それに桃香も中々に仕事が慣れてきたじゃないか」
桃香「ご主人様....ありがとう」
愛紗「....むぅ」
稟「.....」
家康に言われると先ほどの馬超の称賛よりも嬉しくなり、頬を赤くなってしまう。
そんな家康に褒められる桃香が羨ましいと内心抱く愛紗と稟は、家康に物欲しそうな目でさり気なく送っていた。
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それから数日が過ぎた頃....。
桃香「.....斉国に黄巾党が?」
それは馬超たちが平原を後にしたことであった。いつものように賊討伐の報告....とはいつもと少し様子が違っていたのだ。
その報告をしてくれたのは一人の派手な露出、お腹や胸元が開いた服装をした褐色の美女――太史慈、字は子義。
彼女は自分が仕えている県令の武官なのだが、現在彼女が属する県令の城が黄巾の連中に攻撃を受けている模様だ。
敵の包囲網を突破し、平原相を務めていた劉備である桃香に救援要請の使者として赴いた。
斉国とは桃香たちがいる平原と同じく青州内部にある領土のひとつのことである。
太史慈「うん。私たちも想像もしてなかった規模の大軍でね、県令の城がすっかり囲まれちゃって....。
助けを呼ばなきゃってことで、私が連中の包囲を抜けて、何とかここまで来たんだけどさ」
公孫瓚「太史慈と言ったか。
県令の書状は本物のようだが....他の兵は?」
太史慈「最初から連れてきてないよ。
私一人で抜ける方が楽だったからね」
家康「敵陣を単身突破とは....また、無茶をする」
愛紗「....ご主人様」
家康がそう口に漏らすと、愛紗が咎めるようなジト目で見つめる。
家康「ん?」
愛紗「ご自身もよく単身で行かれますよね...?」
稟「ええ。よぉく、です」
家康「あ...あー、ははは」
稟も便乗して家康をジト目で見る。二人からの視線に何も言い訳出来ないと苦笑して見せる。
家康がよく率先し先導して賊討伐に乗り出して、彼の実力による討伐が多い。
婆沙羅な彼の戦ぶりには兵士たちは興奮し彼に続くように賊を討つが、しかし討伐において家康は大将を勤めているので、二人は何度も諌めること多々ある。
家康「...だが。青州の斉国は、平原の隣の隣だろ?遠くはないか?」
凛「はい、遠いです。更に向こうもかなり治安が荒れてるとも聞きます」
愛紗「しかし、どうして我々に?
斉国に属する県令なら....青州の州牧はいないにしても、斉の相に助けを求めるのが筋だろう」
この世界の県とは、日本や世界などの県と違って群や国の更に下の単位になる。
その県をまとめるのが国や群で、それをまとめるのが州。
州を治めるのが州牧で、国を治めるのが相であるのだ。
家康「(しかし、治めるべき者を流し、二つも向こうの平原の駆け出し役人に助けを求めるというのは....順番がおかしい)」
家康が疑問を抱く中、太史慈は落ち込むように話す。
太史慈「そりゃ、出来るならそうしてるけどね。
斉の相がダメでも、個人的に知り合いはいるし」
だが直ぐに彼女の目つきが鋭くなる。
太史慈「けど...知ってるでしょ?
今の青州は、どこも他を助けられる状況じゃないって」
桃香「.....」
彼女の言葉に桃香は落ち込む。馬超からも、公孫瓚からも聞かされていた。
州牧が今なお不在の青州は、何処も酷い有様であるのだ。
太史慈「で、いまこの辺りで一番強くて頼りになるのが、貴方....平原の劉玄徳って聞いたんだけど....」
太史慈はそこで言葉を止めると、席についた桃香の両脇――公孫瓚と愛紗を値踏みするように、何度か視線を行き来させている。
太史慈「.....ホントはどっちが劉玄徳?」
桃香「はい?」
太史慈「私みたいな怪しい使者を前に、警戒するのはわかるけどね。
面会に堂々と影武者を出すのは、流石に失礼じゃない?
書状が本物だってことは確認したよね?」
桃香「あ、あはは....」
家康「こ、これは....」
どうやら太史慈は目の前にいる桃香が、余所者を警戒して用意された影武者だと思われている模様である。
それだけまだ彼女が役人としてまだまだだと言うことなのだろう。
公孫瓚「桃香はまだまだ風格が足りないしなぁ」
太史慈「ってことは、そっちの髪が長いの、あんたが劉玄徳か!」
公孫瓚「私じゃないのかよ!この流れだと私だろ!」
などとボケとツッコミが流れ良くでる始末。
太史慈「....いや、あんたより髪が長いのの方が強そうだと思って」
公孫瓚「うぅ.....これでも、桃香よりだいぶ偉いんだぞ、私....」
そんな会話の状況を壁側で立って見ている家康と稟は、何とも言えないとばかりに見ている。
家康「これは、なんと....」
稟「正直、呆れますね」
二人が呟く中、愛紗も呆れるように太史慈に対して返答する。
愛紗「失礼な奴だな。私は桃香さま....劉玄徳ではない」
太史慈「え?そうなの?なら....」
太史慈の視線が家康に向けられる。
太史慈「....そっちのお兄さん?確かにお兄さん、凄い強そうだし、貴方が....」
家康「いや、ワシは劉玄徳ではない。本物の劉玄徳は、ちゃんとお主の目の前に座っている彼女だ」
太史慈「え?」
家康に言われ太史慈は桃香を視線を戻すと、目の前にいる桃香は苦笑交じえて申し訳なさげにしながら....。
桃香「すみません、影武者とかじゃなくて、私が本物の劉備です」
太史慈「え........っ」
間の抜けた声を漏らす太史慈。
桃香「で、こちらは、ちょうどわたしたちの様子を見に来てくれた、幽州州牧の公孫瓚さん」
公孫瓚「幽州州牧の公孫瓚だ。よろしく」
太史慈「あ....え、州牧....?なんで幽州州牧がこんな所に」
公孫瓚「桃香とは旧知の仲でな。今日は仕事ぶりを見に来ていたんだ」
そしてその最中に最初の面会相手が、太史慈だったわけだ。太史慈は完全に無礼を働いたと焦る表情を浮かべている。
太史慈「....そう、なんだ。なんていうか.....全体的に、ごめん」
使者でありながら、助けを求める相手に対して無礼を働いた己を恥じて落ち込む太史慈。
とはいえ、家康から見ても根は悪い人物ではないと感じる。
太史慈は桃香が恐縮するくらい、深々と頭を下げる。
桃香「あ、あのっ。強くないのは当たってますし、そんなに気にしないでください....頭をあげて」
愛紗「全く。なんと無礼な奴だ」
公孫瓚「野に下ってる連中なんて礼儀作法なんてこんなもんだよ。
お前たちも似たようなもんだったろ?腹を立てるだけ損だぞ」
愛紗「わ、わたしはここまで無法では....!!」
稟「鈴々さんだってこんもんじゃないでしょ?
愛紗「......ぐぬぬ」
公孫瓚と稟に言われ最早ぐうの音もでない愛紗。家康はそんな中、桃香にどうすべきか問いかける。
家康「....で、桃香、どうする?」
彼は太史慈の要請を聞き入れるのか知りたいのだ。
家康「城を攻めるほどの部隊が相手だろう。距離もあるし、かなりの遠征となるぞ」
凛「確かに。それに平原の中なら、移動するにも馬でせいぜい数日。現れる賊の規模も家康さまや、愛紗さんと馬超殿で制圧出来るくらいです」
実際は家康の異常な戦闘力でほとんど蹴散らし、そこを愛紗の率いる部隊で殲滅してる。
しかし家康たちの町も城代わりに屋敷があるぐらいの小さな町だ、襲ってきたのは賊の一軍程度のもある。
城攻めが出来る規模の黄巾党となると、正直今の彼らの率いる戦力では難しい。
愛紗「そもそも....その城は、まだ保ちそうか?」
太史慈「腕に覚えのある食客もかなりいるし、兵や糧食も揃ってるから、しばらくは大丈夫だと思うけどね」
桃香「食客がかなりって.....その県令さん、お金持ちなんですね」
太史慈「.....ああ、まあね」
太史慈は言葉を濁した辺り、向こうにも色々と事情がある様子。こういう時代、金銭がある理由は大体想像がつく。
公孫瓚「斉への遠征って事なら、私が引き受けてもいいが....今回は戦うつもりじゃなかったから、大して兵を連れてきてないんだよなぁ」
桃香「でも、これから幽州に戻って準備してたら、もっと時間がかかるでしょ?
だったら、わたしたちが兵を出した方が良いとおもう」
稟「ではこんなのはどうでしょうか。伯珪殿の兵を桃香さんの部隊に編入して合同軍といことにするのです」
軍師として案を飛ばす稟。それに公孫瓚は納得する。
公孫瓚「うん、それならいいか」
家康「糧食や物資は、距離をざっくりと見積もって用意してもらおう。
なるべく早くでるべきだ」
桃香「うん。お願い、ご主人様」
太史慈「....えええ」
家康たちのやり取りを眺めてた太史慈が漏らしたのは、さっきの桃香を間違えた時以上に引き気味の声であった。
公孫瓚「どうした?」
太史慈「いや、もう出兵の話をしてるからさ....」
公孫瓚「そりゃするだろ」
桃香「するよねえ?」
家康「まぁな」
揃って首を傾ける桃香たちと同じで、家康も太史慈が引いてる意味が分からなかった。
使者の前で軍事関係の話をすべきではなかったかと思ってしまうが、しかし太史慈は助けを求めて来た側なのだ、具体的な数に触れていないので情報というほどではないはずと考える。
太史慈「えーっと....そうじゃなくってさ」
桃香「でも、早く行かないとお城も落とされちゃうかもしれないし、急いだほうがいいでしょ?」
太史慈「......ああ、うん。まぁ、助かるからいいけど」
家康「?」
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一方、その同じく青州に存在する斉国の城にて一人の食客が屋根から黄巾党の群れを見下ろしていた。
食客「......ふっ。賊め、今日も動きだしたか。懲りん奴らだ。だが使者が平原に向かっていったのだ、平原の相である劉玄徳に会っているであろう...それに確か、拳で賊を打ち払う天の御使いと言われる男もいると聞くしな」
その食客の女....胸上部を露出し煽情的な格好、腿も晒し丈の短い着物、肩周りと脚は洋服のようにも見える。
そんな彼女に話しかける者が....。
天和「あのー!」
食客「....」
呼びかけるが食客の女には聞こえてないのだろうか、返答がない。
地和「....高い所だから聞こえないんじゃない?」
天和「そっか。おーい、おーい! そこの、屋根の上の人ー!」
食客「そう声を張らずともちゃんと聞こえている。何だ、娘!」
天和「あの、お食事を持って来たんですけど、いかがですか?」
食客「今は結構!それより....」
食客の女は食事を持ってきてくれた少女たち...天和と地和の二人を見つめる。
天和と地和――張角と張宝、そしてこの場に居ない張梁。この姉妹たちは先の夜に黄巾党の陣地から忍ぶように闇に紛れて逃げ出し、青州の斉国の城に正体がバレず入ることができた。
天和「.....ね、ねぇ、ちーちゃん。
なんであの人、おねえちゃんたちのこと、ずっと見つめてるのかな?」
地和「わ、わかんないわよ。
.....まさか、ちぃたちのこと....!」
食客「.....おぬしら、旅の芸人か?」
天和「あ....はい。そうですけど!」
食客「そうか...。ならば、戻って中の連中に伝えよ。
賊共が動きだしたとな」
二人に賊の動きを知らせるよう伝える食客。彼女の視界に映る黄巾党共の動きに、確かに変化があった。
どうやら再び攻め込む為の準備に入る模様。
天和「ふえ?わかりました。あなたは....?」
彼女がそう尋ねると食客の女は傍に置かれた龍の意匠を模った槍を手にし、賊を見据えながら答えた。
食客「私は連中の足止めに行ってくる!.....はぁっ!」
食客の女は槍を構え、高所から飛び降りる。その行為に二人は驚愕する。
天和「えー!?」
地和「ちょっと、あんな高い所から飛び降りるなんて.....何考えてるのよ!!」
しかし食客の女は軽々と着地して、すぐさま黄巾党に向かっていく。
地和「うわ.....もうあんな所を走ってる。信じられない....」
天和「おねえちゃん、あんな所から落ちたら、絶対死んじゃうよ」
地和「普通は死ぬってば。.....それより、賊が来たって伝えてきましょ!
急ぐわよ!姉さん!」
天和「あーっ、ちーちゃん、待ってよーっ!」
二人が去った後、それを眺める人影がひとつ。
???「....賊が動く、か。それにしても、拳で賊を....天の御使いか....家康、お前なのか?」
その男、錨のような鋭い大きな得物を悠々と担ぎながら口にしながらその場を後にするのだった。
今回はここまで。拙い長文となりましたが、お読みくださってありがとうございます。
次回にはBASARA武将を二人出します。多分タイミング的に此処でいいかなと思いました。
これに対しコメントありましたらどうぞ。正直此処以外に出す味方BASARA武将のタイミングが分からなかったので、申し訳ございません。
正直、北郷一刀は出来れば出して欲しかった
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はい
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いいえ