真・恋姫†BASARA 革命 劉旗の大望を創世する東照   作:武者ジバニャン

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駄文と勝手なオリジナル要素が含まれています。ご注意ください。
恋姫主人公である北郷一刀はでません、出しません。

それと当作品のバサラ武将たちはかなり無双してしまいますが、どうかご理解くださいますよう宜しくお願い致します。
オリジナルのBASARA武将が登場したり、オリジナルの恋姫キャラも出すことがあります。
恋姫キャラとBASARA武将とのカップリング描写などあります。



イメージOP『Thunderclap』戦国BASARA Judge end

イメージED『黄昏』戦国BASARA3宴


第十四章 黄巾討伐

その一報を受けて以来、平原は大騒ぎとなっていた。

 

桃香「ね、ねぇ...ご主人様。中郎将さまをお迎えする時の式次第って、これでいいんだっけ?」

家康「桃香落ち着つくんだ。公孫瓚なら、礼儀作法に詳しいはずだ」

 

家康たちがこうも忙しくなってるのに理由がある。青州に追い込んだ黄巾党を討伐するため、官軍の中郎将を務める皇甫嵩が率いる軍が今平原に派遣されたらしく、それに迎え入れ協力しろと態々朝廷から知らせが来たのだ。

丁寧だが最低限の内容が書かれた書状が公孫瓚の所に来た所までは、桃香たちは大変だな...っとのんきに構えていた。

しかし家康と稟はきっと自分たちも来るのではと案じていたが、予想通り家康たちにもその要請に協力しろとのことであった。

 

公孫瓚「何でもかんでも私を頼られても困るぞ....趙雲、何とかならないか?」

趙雲「やれやれ。江湖の流儀ならいざしらず、私に求めるものでもあるまいに。

何よりここで一番偉いのは、州牧殿でしょう」

桃香「そうだよ。頼りにしてるんだからね、白蓮ちゃん」

 

今回の官軍が派遣されるに対し、迎える為に公孫瓚が趙雲を伴って来てくれたのだ。

都からくる官軍本隊との合流地点はこの平原である。

そのうえ桃香も討伐隊に同行するようにと依頼まで付け加えられていて、対岸の火事が家康たちにまで飛び火したわけだ。

 

桃香「この、書状に書いてある『出迎えは簡単で構わない』も怖いよね....」

公孫瓚「それな....」

 

溜息をつく二人。来る側である者たちからそう畏まって迎えなくていいと書かれているらしいが、迎える側である自分たちからしたら『簡単な出迎え』と言われても分からない。

 

公孫瓚「うぅ、趙雲だけじゃなく、都の礼法に詳しい奴とか、もっと連れてくればよかった....」

家康「それよりも。そもそもな話だが、中郎将というのはどのくらいの官位なんだ」

桃香「わたしもあんまり...」

稟「禁城の警備兵や、天子様の近衛部隊を率いる武官の立場を指します」

家康「そうなのか」

桃香「でもそれって、青州まで遠征するようなお役目なの?天子様の近衛なんだよね?」

 

桃香の疑問はもっともであろう。本来中郎将は、近衛軍に属する指揮官で、平時においては宮殿や皇帝の身辺を守る地位である。

 

趙雲「その近衛が出張るほどの事態ゆえ、伯珪殿がこの有様なのでは?」

家康「なるほど。分かりやすいな」

公孫瓚「皇甫嵩殿も、公明正大な武官って噂くらいは知ってるけど、会ったことがあるわけじゃないから何とも言えないなぁ。

基本、雲の上の人だし」

趙雲「ふむ...その公明正大という謳い文句からして、眉に唾を付けるべき目安のようなものですからな」

 

趙雲が言うのも、分からんでもない。公明正大というのが、桃香や公孫瓚での程度なのか、『都の将にしては』という但し書きが付く程度なのか、単に噂が一人歩きしてるだけなのか。

それが全くもって彼らを悩ませるが、だが官軍を出迎えをしなければ失礼にあたるのは明白。

 

公孫瓚「禁城は、権謀渦巻く魑魅魍魎の巣って噂だし....私もよっぽどの用事がある時しか行かないしな」

家康「それほどなのか...」

稟「はい。民の為のまともな政など機能しているとは思えません...」

公孫瓚「そんな中で仕事するなんて、よっぽどの優秀な人間でないとやっていけないよ」

 

所謂エリートと呼ばれる。だとしたら公明正大と言っても、やはり賄賂の要求あったり、庶民には分からない妙な地雷を持ってたりするかもしれない。

そのような話を聞いていると桃香の顔が不安になっていく。

 

桃香「....なんか、話を聞いたらもっと不安になって来たよ。

失礼なことしないように、注意しないと」

家康「万全の準備はしておこう」

桃香「そうだね...」

 

 

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執務室で話を一応の取り決めを付け、家康は稟を伴って廊下を歩いていると、向かい側に愛紗と雷々と電々が何やら不安げな表情で話し合っている。

すると愛紗が家康に気付いた。

 

愛紗「ああ....ご主人様」

家康「どうした?三人とも。そんな顔して...何かあったのか?」

電々「....この間、青州にいったでしょ?」

雷々「それで、雷々たちが通った頃よりずっと大変なことになってたから...」

家康「ああ...そうか」

 

雷々と電々は青州のすぐ南の、徐州の出身だったと家康は思い出す。いま色々あって幽州や平原まで来ているが、青州のあの状況を見れば確かに故郷が心配にもなろう。

この間徐州まで行ってた馬超にも色々話を聞いていたくらいだ。

 

家康「とりあえず青州の黄巾を討伐するために、都からくる軍と協力することになった。

もし気になるなら、そのまま徐州の様子を見に行くの手さ」

雷々「うぅ....でも、おっきいことをするまで、帰らないって決めたし....」

電々「.....だよねぇ」

愛紗「....というわけでなのですよ。私もこういった助言は、得意ではなくて」

稟「お辛いはずです。故郷がいまどんなことになってるか...」

 

雷々「.....うぅぅ」

電々「.....うみゅぅ」

 

不安そうな二人の頭を軽く撫でてみても、いつもと違って二人の表情は晴れないまま。

皇甫嵩がどのような人物なのか分からないが、二人の為にも青州遠征、無事に成功させなければ...家康はそう固く誓う。

 

 

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皇甫嵩「ああ...不安がらせてしまったみたいで、ごめんなさい」

 

それからしばらく経って。

その言葉と共に家康たちにペコリと頭を下げたのは、平原を訪れた中朗将である皇甫嵩本人であった。

彼女の謝罪に皆、慌ててしまう。

 

公孫瓚「え、あ、あの!頭を上げてください、皇甫嵩殿!」

皇甫嵩「出迎えは不要ときちんと書いておけば良かったわね。余計な気を回せてしまったわ」

桃香「す....すみません...」

皇甫嵩「いいのよ。私ももともと西涼の出だし、堅苦しいのは苦手なのよ」

家康「西涼....もしや、馬超と同郷なのか?」

皇甫嵩「ええ。馬騰殿は私の盟友だし...この前の旅の帰りにも、都に寄ってくれてね」

皇甫嵩「幽州の話は、その時に翠さんから聞いていたの。

だから、翠さんと同じように接してくれたので構わないからね?」

桃香「そのお名前....馬超さんの真名ですか?」

皇甫嵩「そうだけれど....ああ、そうか。

あの子が一番上だから、鶸ちゃんと蒲公英ちゃんも真名で呼ばれないものね」

 

この世界の人間は真名が当たり前だから、呼ばなかったり呼び分けたりが自然に出てくる。

別世界の家康からすると、これが中々に難しい。

 

皇甫嵩「まぁ、あの子の話は改めさせてもらうとして、あなたたちには、書状を預かっているの」

 

皇甫嵩はクスリと微笑むと、懐から紙に包まれた一通の書状を取り出した。

 

公孫瓚「署名は....董仲頴殿?この作戦の責任者殿か。

こんな書状をわざわざくれるなんて、丁寧な人だな」

桃香「もう一つは....風鈴先生のお手紙だ!」

家康「確か、桃香と公孫瓚の恩師だったな?」

桃香「うん♪」

公孫瓚「皇甫嵩殿をお待たせしてるんだから、急いで読むぞ、桃香」

桃香「う...うん」

 

強張りながら手紙を読もうとする桃香に、皇甫嵩は微笑みながら口にする。

 

皇甫嵩「ふふっ。そこまで慌てなくてもいいわよ」

皇甫嵩「....ふぅ、お茶が美味しい」

 

2人に責任者と恩師の手紙を先に読むよう促して、皇甫嵩はのんびりと茶を楽しんでいる。

 

家康「皇甫嵩殿...良いのか?急がなくて」

皇甫嵩「作戦は急ぎたけれど、こんな顔合わせの時まで急かすつもりはまいわよ。

たまには息抜きもしないとね」

家康「そうなのか....」

皇甫嵩「....どうかしました?天の御使い殿」

 

そう笑みを浮かべて家康に声を掛ける皇甫嵩。

 

家康「あ、いや。それも馬超から聞いておられるのか?」

 

朝廷付き武官の印象と全く違うと言いかけそうだが、それ失礼だと無難な話題に振り直す。

 

皇甫嵩「それもあるけどね....。噂は色々な所から伝わってくるもの。

あなたも劉備さんも、自分たちが思っているよりずっと有名人なのよ?」

家康「....そうなのか」

皇甫嵩「自己評価と他人からの印象なんて、嚙み合わないのは世の常」

皇甫嵩「それに、天の御使い――徳川家康は凄まじい武人であるとも聞いているわ」

 

皇甫嵩からの自分の高い評価されてることに痒い気持ちになってしまう家康。皇甫嵩はそんな彼に微笑みを浮かべて言葉を紡ぐ。

 

皇甫嵩「私だって、大層な肩書はあるけど、実際には見ての通りただの人よ。

想像していた中郎将とは印象が違ってでしょう?」

家康「....あ、いや」

皇甫嵩「顔に書いてあったわよ。

あなたは、噓をつくのが嫌いな所があるのね、フフフ」

 

こういう所、やはり謀略の巣窟で暮らしてるだけあり、それを指摘されて嫌な顔せずにならないあたり不思議な御仁だと思える。

 

皇甫嵩「まぁ....私も月さんも、そんなに上手なわけでもないけどね」

家康「ご同僚の?」

皇甫嵩「ええ。さっきの手紙のもう一人の主で、この作戦の責任者を引き受けている子よ。

董仲頴....董卓というのだけど」

家康「と、董卓!?」

皇甫嵩「あら?知り合い?」

家康「あ、いや、名前を知っているので....」

 

董卓と言えば霊帝死後の政治的混乱に乗じて政治の実権を握り、少帝を廃して献帝を擁立し、一時は宮廷で権勢をほしいままにした奸雄。

だが、諸侯や他の朝臣らの反感を買い、最期は側近で養子になっていた呂布に殺された。

 

皇甫嵩「彼女は優しくてとても誠実な子よ。私としては...今後の朝廷を背負って立つのは、あの子だと思っているわ」

家康「そ、そう、なのか...」

 

家康の知識にある董卓の印象が違っていく。だがよくよく考えると黄巾党の首魁である張角も、この世界ではただの歌を愛する旅芸人の美少女。

ならばあの奸雄・董卓も女の子の可能性だってある。

 

皇甫嵩「だから、そういう意味でも今回の作戦は失敗できないの」

家康「...」

 

皇甫嵩がこれだけ信頼して力になりたいと思ってるという事は、所謂権力側で好き勝手にしてるわけではないらしい。

家康が皇甫嵩とそんなやり取りをしてると、桃香と公孫瓚は手紙を読み終わったようで皇甫嵩に話しかける。

 

公孫瓚「....申し訳ありません。話を中座させてしまって、風鈴先生、今は中朗将をなさっているんですね」

桃香「董卓さんのお手紙も、青州やわたしたちの事をすごく気遣ってくれてました。

....優しい方なんですね」

皇甫嵩「ええ。二人には、私もとてもお世話になっているわ」

 

ゆっくりしていいと言われつつ、二通の手紙を慌てて読み終えた二人に苦笑しながら、皇甫嵩は茶の椀を置いてみせる。

 

家康「二人とも、手紙とかのやり取りしてたと聞いたが....盧植殿のこと、知らなかったのか?」

公孫瓚「先生、自分の仕事のことはほとんど書かないんだよ。

私的な近況とか、わたしたちへの助言は書いてくれるけど」

皇甫嵩「中朗将だと外では出来ない話も多いし....そもそも自分の官職を誇るような方でもないものね」

 

朝廷に近しいと機密事項にも触れている以上、外に漏らすわけにはいかない為、手紙などに官職に関わることを迂闊書くなど法度なのは仕方ないと言える。

 

公孫瓚「先生も応援してくれるし、頑張らないとな、桃香」

桃香「うん!よろしくお願いします、皇甫嵩さん」

皇甫嵩「こちらこそ。なら....本題に入りましょうか」

 

そう穏やかに微笑む彼女だったが、眼鏡の奥でキラリと光る瞳は、確かに優秀な武人に相応しい底知れぬ輝きを秘めている。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

家康「はぁああああーーっ!!」

 

元親「うぉおおおおらああああああああーっ!!」

 

 

家康たちは出兵を始めた。公孫瓚の力も及ばない、青州の中央部...この間救援に訪れた斉を過ぎて、時折見つかる賊たちを払いながら....。

その中で皇甫嵩は....。

 

皇甫嵩「これは...凄い、わね...」

 

皇甫嵩・公孫瓚との合同で軍を進行するが、家康と元親が先頭に立って進む形で行軍するので2人が真っ先に賊を一蹴してしまう。

その為、行軍する彼女らの兵士たちに損害は出なかった。

目の前で見る家康と元親、婆沙羅者たちの尋常じゃない武を見て啞然としてしまう。

彼女の気持ちが分かると、桃香たちは察してしまう。

 

桃香「あはは...。お気持ちは分かります」

愛紗「確かにご主人様たちは、お強いですから...」

公孫瓚「本当ならおかしいけどな」

稟「ほんとです」

 

鈴々「ぶぅー、鈴々もお兄ちゃんと一緒に暴れたいのだ!」

趙雲「いつか、手合わせしたいものだな」

 

などとそれぞれ口にする中で、家康と元親は皆の下へと戻る。

 

元親「家康。鈍ってねぇよだな」

家康「元親も、腕は落ちてないな」

元親「おうよ!」

 

愛紗「ご主人様...あまり無茶はしなでくださいと...」

稟「家康さまはほんと軍師泣かせです」

 

愛紗と稟はジト目で家康の行いを糾弾するように口ずさみ、それを受ける家康としては言い返し難いので苦笑いを見せるしかなかった。

 

家康「いやぁ、ははは...」

 

皇甫嵩「家康殿たちは本当にお強い...。でも劉備さんたちの話で、状況は把握していたつもりだけどまさかこれほど青州も酷いとは...」

 

皇甫嵩は厳しい表情へ変わる...放棄されたままの県令の城に、賊に荒らされた田畑。

そんな有り様の斉を過ぎて、青州の奥へ進んでいくごとに...。

その荒れようは、家康たちの想像さえ超えていく。

 

趙雲「地獄というものが本当にあるのなら、ここはその入り口やもしれませぬな」

元親「地獄への入り口...確かにここの民草とって、その通りかもなぁ」

 

愛紗「趙雲はこの辺りのことは知っていたのか?」

趙雲「あの城にいた頃、子義や他の食客から聞きかじった程度だがな....。

とはいえ、今はそれよりも悪くなっているのやもしれん」

 

あの斉での戦いの後、各地の軍の反撃を受けて、散り散りになった黄巾の残党たちは青州に逃げ込むようになったらしい。

 

稟「...家康さま」

家康「ん?」

 

稟は家康の傍らに近寄って耳元で囁くように口ずさむ。

 

稟「...一番に大きいのは、天和さんたちが黄巾党の前から居なくなったのもあるかもしれません」

家康「...それもあるかもな」

 

稟の指摘も当たっている。黄巾共たちにとって象徴である天和たち三姉妹が、居なくなり士気がかなり落ち込んでしまい追い込まれてしまった。

彼らの中には今も三姉妹を探す者たちは居るようだが、しかしそんな余裕など官軍や各州の軍が許すはずもなく追討している。

 

愛紗「青州の牧は、今なおお決まっていないと聞きますが....州牧とは、それほどになり手のいないものなのですか?」

趙雲「この惨状を見て、牧を引き受けようという物好きもおるまい」

鈴々「本当に誰もいないの?おねえちゃんだったら、やるって言いそうだけど」

趙雲「玄徳殿が正真正銘の物好きなのは間違いないが、今の立場から一足飛びに牧というのも難しかろうな」

皇甫嵩「そうね...。なかなかね、難しいのよ」

 

皇甫嵩の一言は、桃香が州牧になるのはと言う意味だけでなく、他の意味での『難しい』を束にしたようなものであろう。

そんな重みを家康は感じる。恐らく朝廷では、官職・利権の売買など、泥沼の派閥争いとか、そのようなことがとっくに始まってるのだろう。

 

皇甫嵩「次の州牧が決まるのは恐らく、この黄巾の騒ぎが落ち着いた後になるでしょうね」

趙雲「誰かが雑草を払い、田畑に種を撒き終えてからか。いや....実がなってからの方が旨味があるか」

愛紗「趙雲。口がすぎるぞ」

 

睨むように趙雲に指摘する愛紗だが、趙雲は何処吹く風とばかりに気にせず言葉を続ける。

 

趙雲「言うだろう。人の口に戸は立てられぬと」

皇甫嵩「私としては耳が痛い話だけど、言うでしょ?口は禍の元と」

趙雲「....心得ておきましょう」

 

鈴々「うぅ...口の話してたらお腹すいてきたのだ」

愛紗「昼ならさっき済ませたばかりではないか」

元親「ははは!鈴々は食いしん坊だなぁ!」

家康「まぁまぁ。災いの門にするより、何か食べてるくらいがいいさ」

鈴々「じゃあ...」

 

腹がへった鈴々は家康に期待するように瞳を輝かせて見つめる。

 

家康「行軍中は夕飯まで頑張れとしか言えんがな」

鈴々「えええええ...」

 

皇甫嵩「....ふふっ。それにしても、賑やかねぇ」

 

分かり切った結果に落ち込んでしまう鈴々。そんな今行軍中だと言うのに似つかない陽気な雰囲気に、つい笑みを溢す皇甫嵩。

 

愛紗「不調法な者ばかりで申し訳ありません」

皇甫嵩「いいのよ。このくらいの方が、私としては気楽でいいわ」

 

彼女としてはこういう雰囲気は珍しいものなのであろう。っとその時である、雷々と電々が新たな知らせを持ってきた。

 

雷々「ご主人様!皇甫嵩さん!」

電々「いま斥候に送った兵士さんたちが、黄巾の大部隊を見つけたって!」

 

家康「わかった!」

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

公孫瓚「....なるほど。これは確かに」

 

作戦の為に建てられた天幕の中。

報告のあった部隊は、今までの黄巾の賊とは明らかに規模が違っていた。

 

皇甫嵩「こちらの偵察では、他の州に比べてかなりの規模だと言うのが分かったわ。恐らくこれが本隊の可能性もあるわ」

桃香「なら...この部隊を倒したら、黄巾党との戦いは落ち着くんですか?」

皇甫嵩「そこまで単純ではないだろうけど...。でも最近黄巾党が妙なことになっているのは確かよ」

趙雲「妙なこと?」

 

皇甫嵩は眼鏡を押さえながら答える。

 

皇甫嵩「張角が、どこかの戦場で死んだか...または行方を暗まして逃げたとも話よ」

桃香「そ、そうなんですか...!」

 

皇甫嵩の話に桃香は動揺する気持ちを抑えて口にする。黄巾党の首魁である天和が現在、家康の名の下保護を受けているのは秘密となっている。

それ故に今回三姉妹は官軍に気づかれないようにしている。因みに三人は平原の街で留守番となっている。

 

桃香「それより、作戦なんですけど....本当にこれ何ですか?」

 

天和たちの話から切り替えるとの名目もあるが、作戦のことも気になっていた桃香が皇甫嵩に問いかける。

すると皇甫嵩は答える。

 

皇甫嵩「....ええ。天子様の軍隊に、これ以外はありえないわ」

 

公孫瓚「....」

桃香「...」

愛紗「....」

 

家康「....」

元親「....はぁ」

 

静かに断言する皇甫嵩の言葉に、溜息を吐く元親を除き皆黙ってしまう。

 

趙雲「....まさか、正面からのぶつかり合いとは」

 

そう。官軍側の提案した策は、作戦も何もない、正面からの激突であった。

これに対し軍師である稟は不快感を露にする表情を浮かべる。

 

稟「....言い分としてはわかりますが、分が悪いのは理解していますか?」

桃香「稟さんの言う通り....何か作戦がないと、わたしたちの被害も...」

皇甫嵩「わかってはいるけどね....。

今の朝廷の軍に、小細工は許さないのよ。何とか、聞き入れてもらえない?」

 

元親「そのために自分の兵隊どもに、死ね、っと...?」

家康「元親...」

 

元親としてもこの話に納得できないものである。わざわざ自軍にとって被害が大きくなるはずなのに、それを敢えて選ぶなど愚策よりも質が悪い。

 

皇甫嵩「確かにあなたたちの言いたいことはわかるわ。だけどそこをお願い...」

 

皇甫嵩は必死な想いで頭を下げてしまう、それを見た桃香たちが慌ててやめさせる。

 

桃香「あ、頭を上げてください!」

 

彼女らの様子に元親も居づらい気持ちになってしまう。彼としても別に皇甫嵩を責めたいわけではない、ただこれでは余りにも自分たちにも大きい痛手を被り、人死を無駄に増やしてまで手に入れるべきなのかと思ってしまったのだ。

ここまでの道中にあった村を襲ってる賊とか、追い剝ぎを行っていた連中を蹴散らすのとは訳が違う。

しかし作戦を遂行する官軍や皇甫嵩の立場...家康たちとは違うのもまたそうなのだろう。

 

家康「....ならば」

稟「家康さま?」

皇甫嵩「なにかあるの?」

 

家康「策と言う訳ではないが、官軍はともかく...ワシら幽州軍は、不調法な田舎者ということだったな?稟」

稟「え...?あ、はい」

家康「ならばなのだが....」

 

家康が口にする提案とは....。その一方....

 

 

 

 

 

彼らがいる場所から離れた場所の道にて....。

 

 

「.....!」

 

巨大な螺旋状の槍を持つ巨大な影が立っていた....。




今回はここまで。

正直、北郷一刀は出来れば出して欲しかった

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