真・恋姫†BASARA 革命 劉旗の大望を創世する東照   作:武者ジバニャン

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駄文と勝手なオリジナル要素が含まれています。ご注意ください。
恋姫主人公である北郷一刀はでません、出しません。

それと当作品のバサラ武将たちはかなり無双してしまいますが、どうかご理解くださいますよう宜しくお願い致します。
オリジナルのBASARA武将が登場したり、オリジナルの恋姫キャラも出すことがあります。
恋姫キャラとBASARA武将とのカップリング描写などあります。



イメージOP『Thunderclap』戦国BASARA Judge end

イメージED『黄昏』戦国BASARA3宴


第十七章 伏龍・鳳雛

前回、愛紗たちの前に現れた徳川の第一の絆にして戦国最強・本多忠勝。

その名に違わず圧倒的な力を以て、黄巾党を殲滅せしめた。

戦いの後、忠勝との再会を果たした家康はそこで彼と行動を共にしていた徐晃を仲間にするのだった。

 

戦いを終えた家康たちは天幕にて話し合っていた。

 

皇甫嵩「此度の戦ではこちらの被害は意外なことに軽微だったわ」

公孫瓚「それはこちらも嬉しい話ですね」

皇甫嵩「ええ。でも敵の残党もまだ少し残って、戦場から逃げたのを確認しているわ。

これを追撃して早々にこの戦いを終わらせないと....」

 

黄巾党本隊総数の約大半を本多忠勝の手によって、完全に殲滅されたのだが残った敵は直ぐに逃げたようだ。

 

稟「こちらが放った斥候の情報ではこの先から一里離れた先に、砦があるようです」

趙雲「それが奴らの根城か。ならば本気で行かねばな」

電々「なら、あとはやっつけるだけだね~」

雷々「楽勝!楽勝!」

鈴々「今度こそやっつけるのだ!」

 

稟の報告に武将たちは意気揚々となっている。

 

徐晃「シャンも参加する」

桃香「いいの?香風ちゃん」

香風「うん、お兄ちゃんと一緒にいく」

 

徐晃――香風も戦に参戦することに桃香が問いかける。香風としては前回、忠勝に言われて参戦は出来なかった、なので今度こそ参加したいと願っている。

 

元親「いいじゃねぇか。それに家康や俺、そして本多もいるんだ。負ける戦じゃねぇよ」

忠勝「...!」

 

元親の言葉に忠勝は機械音を高々にあげて戦意が高い姿勢を見せる。そんな戦国最強の姿に桃香は「頼もしい」と口走りながら笑みを浮かべる。

 

桃香「そうだね!忠勝さんもいるんだし、きっと大丈夫!ね?ご主人様!」

家康「ああ!次はワシも前線に出るし、忠勝と共に励もう!」

 

愛紗「っ!?」

稟「家康さまもですか?」

 

家康「ああ。なぁに大丈夫だ...砦の攻略するのはワシらだ」

稟「確かに、そうですが....」

 

桃香「ご主人様...無理は...」

家康「大丈夫さ。それにワシも出ればその分被害も少なくて済む」

桃香「そう、だね....でも!無理はしないでね!」

家康「ああ。約束だ」

 

桃香と稟としては家康には本陣にて構えていて、前線は忠勝や元親を中心で事に当たって欲しいというのが本音だ。

しかし家康もまた強力な武人でもあるのも事実、彼が加わればそれこそ味方の被害もかなり減じれる。

家康は忠勝と元親に共に戦働きを励もうと告げる。

 

家康「二人とも、よろしく頼む」

元親「おうよ!俺ら三人でかかりゃあ楽勝よぉ!」

忠勝「.....!!」

 

愛紗「....」

 

そんな三人のやり取りを愛紗は複雑な表情で見つめる。彼女が家康を見つめる中、鈴々が家康の腹に抱きついてきて頬を膨らませて抗議する。

 

鈴々「むぅ!!お兄ちゃん!鈴々も一緒にいくのだ!」

家康「ああ!鈴々も、あてにしてるぞ」

雷々・電々「「はいはいはーい!」」

家康「勿論雷々・電々も忘れてないさ」

 

家康に言われて三人は大いに無邪気な顔で喜びを見せる。家康は今度の砦の攻略には稟に策を講じて貰う為に指示する。

 

家康「稟、砦の攻略の為の策を頼む」

稟「は!かしこまりました!」

 

主から求められ稟は喜びの顔で了解した。彼女の心の内では今、天にも登るような歓喜に満ちていることであろう。

 

稟「(ようやく家康さまの為に働ける...嬉しい、はぁはぁ)」

家康「進軍は明日。今日はここで陣を布き、休息としよう」

桃香「うん!」

公孫瓚「ああ!」

皇甫嵩「ええ」

 

 

 

愛紗「....私は見回りに行って参ります」

 

皆が意気込みを高める中で、言葉を残して愛紗は一足早く天幕から出ていくのだった。

 

桃香「愛紗ちゃん...?」

家康「どうしたんだ?」

 

趙雲「....」

 

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

陣の周囲を見回りを始めた愛紗だが、彼女の顔は暗かった。理由は何故か?それは...

 

愛紗「本多殿がいれば、最早楽な戦、か....」

 

彼女が抱いているもの――それは本多忠勝という戦国最強が見せた圧倒的な力。それを目の当たりにした彼女は家康の為に自分は役に立つのか?自分ではもう家康を守るなど不要なのでは?と今の愛紗の気持ちは、そのような暗い気持ちになってしまう。

戦いの前に元親が言っていたことを思い出す。

 

 

 

 

家康はな。思ってるよりもお前さんを期待してると思うぜ

 

あいつはな。日ノ本じゃあ自軍で頼れるのはいつも本多忠勝ぐらいだったから、ここに来てあんたたちと出会ってからそれが嬉しいのだろうよ

 

 

 

 

愛紗「....」

 

今まで自分は家康を桃香と同じく大切な主として敬い、命を賭けて守るために己の武を捧げると決めた。

だが家康には忠勝という最強の家臣が存在している、自分ではもう家康を守って戦うことはもうダメなのかと思ってしまっている。

 

愛紗「.....ご主人様」

 

「随分と暗い顔だな」

 

愛紗「...なんだ、趙雲」

 

彼女の背後から趙雲が現れ、愛紗に話しかけてきた。

 

趙雲「なにやら、思い詰めたようなものだったぞ」

 

愛紗「お前には関係ない。明日にはまた戦だ、休んだらどうだ」

 

そのまま歩こうとした際、趙雲が口開く。

 

趙雲「戦国最強...確かに強かったな」

愛紗「...っ」

趙雲「お主、本多殿がいれば家康殿にあてにされないと思っているのか?」

愛紗「....」

趙雲「関羽...お主」

 

っと趙雲が何かを言おうとした際...

 

 

???「あ、あのー!」

 

愛紗「ん?」

趙雲「なんだ?」

 

振り向けば二人の少女がいた。少女のうち、一人は頭にベレー帽のようなものをかぶっている少女。

もう一人は頭に魔女のようなとんがり帽子をかぶっていた。

どうしてこの陣地に子供が?っと不思議になる二人ではあったが、趙雲が二人に声をかける。

 

趙雲「どうしたんだ?」

 

ベレー帽の少女「ええっと、わたくしたちは...」

とんがり帽子の少女「わたくしたちは、その....り、りゅうびしゃまに...!...ええっと、はぅぅ」

 

しかし随分と緊張している。

だが愛紗たちから見ても悪意があるようには見えないので、キツイ追い払うという考えは出さなかった。

 

愛紗「賊に村を追われた子か?」

趙雲「そうかもな。確か南に避難所が設けられていると皇甫嵩殿が言っていたぞ」

 

愛紗たちが少女らを避難所に向かわせようと話し合っている中、少女らは何やらもじもじと言いたそうな態度を見せるが、しかしそれを口にする勇気がないのか何も言えず。

 

愛紗「怖がらなくていいんだ。もう大丈夫だからな」

 

とんがり帽子の少女「はぅぅ...」

 

とんがり帽子を被る少女に何気なしに手を差し伸ばすが、その子は倒れそうになるともう一人の少女に慌てて支えられる。

ベレー帽の少女「ひ、雛里ちゃん、しっかりして...!」

 

愛紗「だ、大丈夫か!?」

趙雲「お主が急に近寄るからであろう?仕方ない...誰か、この子達を避難所に連れて行ってやってくれ」

 

「はっ!でしたら二人とも、こちらへ」

 

ベレー帽の少女「はぅぅ...そうじゃなくて...」

 

二人は兵士によって手を引かれて、そのまま避難所の方へと行ってしまった。再び趙雲と二人に戻った愛紗ではあるが、見回りを再開すべく歩き始めた。

 

愛紗「ではな、趙雲」

 

趙雲「一つ言っておく」

 

愛紗「....なんだ?」

 

趙雲「家康殿は、誰かおいそれと天秤にかけて、蔑ろにするような御仁ではないぞ」

 

愛紗「....」

 

趙雲「私はそう思うがな」

 

愛紗「....お前に言われずとも、ご主人様はそのような方ではない」

 

それだけを言い残し、愛紗は趙雲の下から離れていくのであった...。その愛紗の背中は哀愁漂う悲しくもそして寂しい。

 

趙雲「やれやれ...心根弱いやつだな」

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

一方、避難所...。

 

ベレー帽の少女「はわわ...」

とんがり帽子の少女「あわわ...」」

 

兵士によって避難所に案内された先ほどの少女たち、彼女たちはしどろもどろになってこれからどうすべきかと悩んでいる様子。

 

ベレー帽の少女「うぅ....どうしてこんなことに」

とんがり帽子の少女「し、仕方ないよ。

緊張しちゃって、ちゃんと言えなかった私たちも悪いんだし」

 

二人には目的があるようでそれを逃してしまったようだ。

 

ベレー帽の少女「そうだね...。明日こそがんばろう」

とんがり帽子の少女「うんっ」

 

彼女たちは明日に期待をしその夜は就寝した。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

その翌日、事態は急変した。天幕内では皆思い詰めた顔で今の状況を整理すべく、話し合っている。

 

家康「....稟。状況を整理しよう」

稟「はい、家康さま...。では状況をご説明いたします」

 

彼女はそこで解説を始めた。その内容は家康たちが追い詰めた黄巾党本隊の残党が、昨夜の内に砦から抜け出してそこから少し離れた所にある街に急襲し、そこに立てこもりを始めてしまった。

街の様子は突然の襲来によって街の外観は、あちこち壁が崩れており、街を守っていたと思われる自警団の死体が街の門前に散乱していた。

何とか街から逃げ切れた者たちもいるようだが、被害者は少なくはない。

 

この報告内容に皆驚愕し、急いで現場となっている街へと急行したのだ。

 

家康「....まさか、連中がこのような行動にでるとはな」

稟「はい、迂闊でした」

桃香「街の人たちは辛うじて、避難してきたけど」

公孫瓚「...今はまず、この状況を何とかすべきだ」

皇甫嵩「ええ。それにあの街の外観を見る限り、侵入は容易そうだし、そこから攻めれば落ちるのはすぐのはず」

 

元親「なら話は決まりだな」

忠勝「...!」

徐晃「うん」

 

雷々「早く街の人たちを助けよ!」

電々「そうだよ!」

 

愛紗「今度こそ、終わらせる!」

趙雲「ああ...ん」

 

愛紗「ん?どうした?」

 

その時であった。天幕に愛紗たちと接触してきたあの少女たちがやってきた。

 

ベレー帽の少女「あ、あの....」

とんがり帽子の少女「りゅ、び...しゃまに」

 

愛紗「お前たち!何故ここに!?」

家康「また?どういうことだ?」

愛紗「はい...昨日趙雲と共に話しかけてきました。恐らく街から避難してきたものたちかと...」

 

愛紗がそう伝えると、ベレー帽の少女が居ても立っても居られないとばかりに声をあげる。

 

ベレー帽の少女「あ、あの!!わたしたち!!り、劉備さまにお会いたくて...き、きました!」

桃香「え?わたし?」

ベレー帽の少女「あ、あなたさまが、劉備さまですか...?」

桃香「うん、そうだよ。わたしが劉玄徳。はじめまして」

 

ベレー帽の少女「あ、は、はい!」

とんがり帽子の少女「り、劉備さま...!」

 

少女は上目遣いで尋ねると、桃香は優しい笑みでそうだと伝える。すると2人は目的の人物に会えたことに嬉しいのか、しどろもどろになってしまう。

 

ベレー帽の少女「わ....私、ううん、私たち...」

桃香「....ん?」

 

ベレー帽の少女「あなたに、おちゅかえしたくてきました!!」

 

愛紗「(噛んだ)」

趙雲「(噛んだな)」

稟「(嚙みましたね)」

鈴々「(嚙んだのだ)」

香風「嚙んでる)」

 

桃香「.....ふえっ!?ど、どうしよ!ご主人様!!」

 

見事に噛んでしまったようだが、桃香は彼女が自分に仕官したいと願いでたことに驚愕してしまう。

桃香はどう反応すべきか分からず、家康に助け舟を求める。

その間鈴々や雷々、電々が少女たちを珍しそうに見ていた。

 

鈴々「こんなにちっちゃいのに仕えたいのだ?」

 

雷々「そうだよねぇ」

 

電々「桃香ちゃんにちゃんとお仕え出来るのかなぁ?」

 

愛紗「お前たちが言えた義理ではなかろう」

 

鈴々・雷々・電々「「「ブーブー!」」」

 

っと騒ぐ中、2人の少女たちは今一杯一杯で外野など目にも止めていない。ただ桃香を見て、一生懸命に背筋を伸ばしている。

 

家康「...2人とも。名は?」

 

ベレー帽の少女→諸葛亮「わ、私は、姓は諸葛、名は亮、字は孔明と申します。

玄徳さまのお噂と、こちらの雛里ちゃん.....鳳統からお話を聞いて、ぜひお力になれればと...」

 

家康「(しょ!?)」

元親「(諸葛亮だぁ!?)」

忠勝「....!?」

 

日ノ本の三人は彼女の名を聞いて驚いてしまう。諸葛亮――それは蜀にとって稀代の名軍師にして丞相をも務め、蜀の為に尽力した名将である。

しかも隣のとんがり帽子の少女が、鳳雛と呼ばれし軍略家でもある鳳統であることにも驚愕する。

家康はいつか諸葛亮と会う可能性は考えていたが、まさかこんな機会でもって会うなど予想してなかった。

しかも鳳統と同時になど夢にも思わなかった、家康の元には既に魏において名軍師である郭嘉もいる。

これで劉備側に三国志において稀代の軍師が、勢力を超えて同じ轡を並ぶことになる。

 

愛紗「お話...?桃香さま。彼女、鳳統と会ったことがあるのですか?」

桃香「ううん。覚えがなくて.....」

鳳統「あ.....い、いえ。直接お会いしたことは、なくて....」

鳳統「水鏡先生の所で学問を修めてすぐの頃、世の中の事を勉強することになって、平原の町を治める役人の補佐として...」

桃香「平原の役人って....え。あなた、字は?」

鳳統「はい。士元...と申します」

 

桃香「え.....。あ――――――――――――!!」

鳳統「ひゃっ!?」

 

何かに気付き思わず声を上げる桃香、鳳統は驚きと共に悲鳴を溢してしまう。

 

桃香「ご主人様!」

家康「ああ。あの指南書の...!」

桃香「ちょっと待ってて!」

鳳統「え...?」

 

鳳統が首をかしげる。だが桃香は慌てて部屋の隅にいくと、置いてある荷物から何かを探し始めた。

 

趙雲「元平原の役人であれば、伯珪殿は面識があるのでは?」

公孫瓚「一年くらい前に一度だけだぞ。そこまで記憶力に自信はないよ」

 

趙雲がそう公孫瓚に問うが、そこまでのことなど覚えてないときっぱりと否定する。

すると桃香の胸元には、一冊の本が大事そうに抱えられていた。

 

桃香「....お待たせ!この本を書いてくれたの、あなただよね?」

鳳統「は、はい。私が書き留めたものを、程立さんが置いて帰るようにって」

稟「風が...」

 

桃香が持ってきたのは鳳統が執筆した本である。その本のおかげで、彼女は役人になったばかりではあったが何をすればいいかも、その本を基に市政を布くことで何とかなったのだ。

 

桃香「この本のおかげで、街の復興がどんどん良くなったんだよ!」

鳳統「そ....そうだったんですか。良かった....お役に立てたんですね」

桃香「うん。士元さんのおかげで、わたしがどれだけ助けられたか...本当に、本当にありがとう!」

 

桃香は自身の両手を、鳳統の両手を優しく包み込むようにしながら感謝を述べる。鳳統ははにかみながら頬を赤くして感謝の言葉に頷くのであった。

鳳統の才について桃香の話で分かった。だがまだ諸葛亮の能力が分からないと趙雲は、彼女が何を出来るのかと問いかける。

 

趙雲「して、鳳統殿はわかったが...孔明殿は何ができる?」

諸葛亮「出来るのは、策を考えることだけです」

稟「策、ですか...」

鳳統「私も兵法や軍略のお勉強はしてますが....朱里ちゃんは、もっとすごいです」

桃香「士元さんより、もっとすごい...」

稟「ほう...?」

 

鳳統よりも更に才があると聞き、固唾を飲んでしまう桃香。同じ軍師を志す稟としても諸葛亮の能力が気になるのか、押さえる眼鏡のレンズが光る。

 

公孫瓚「なら早速で悪いが、次の黄巾との戦いで使えそうな策はないか?」

諸葛亮「はい。でしたら、この辺りの地図はありますか?」

皇甫嵩「ええ。これでいい?敵味方の現状の位置は、こうよ」

 

もともとは軍議の最中である。皇甫嵩が広げてた地図の上に、敵と味方の位置と向きを示す駒を置き直してみせる。

 

公孫瓚「それで今の状況なんだが...」

 

皇甫嵩と公孫瓚の説明をふんふんと聞いていた諸葛亮は、やがて考えをまとめるように目を閉じてしまう。

その間、鈴々は自分と同じくらいの少女がそんな直ぐ策ができるものかと疑問視してしまう。

 

鈴々「でもそんなすぐに策って出来るの?」

愛紗「だな。一晩与えても構わんが...」

 

愛紗も孔明の才能に信じてないのか、鈴々に同調する。

 

元親「おいおい...」

稟「いえ。孔明殿はもう考えがまとまったようですよ」

 

諸葛亮「はい。説明させていただいて、よろしいでしょうか?」

桃香「もうできたの?!」

香風「はやい」

忠勝「...!?」

家康「おー!流石だ!」

 

それぞれ彼女に対して反応を見せる中、諸葛亮はなんてことはないと笑みを浮かべて説明を始める。

 

諸葛亮「大きな流れだけではありますが、ひととおり」

 

諸葛亮は、先ず促す皇甫嵩たちの様子を確かめて、そっと駒に手を伸ばす。

 

諸葛亮「では、まず....お味方の配置は、こうします」

稟「ほう...やはりですか」

 

愛紗「この配置は...おい!」

 

稟は何かを理解したように興味深く諸葛亮を見つめる。愛紗は稟とは違い、諸葛亮が提案する配置に対して思わず声をあげてしまう。

 

諸葛亮「ひゃっ...」

 

愛紗の声に思わず怯えてしまうが、家康がそんな諸葛亮の肩に手をおいて落ち着かせる。

 

家康「大丈夫だ、孔明」

諸葛亮「あ...は、はい」

家康「愛紗も威嚇してはだめだ。先ずは孔明の話を最後まで聞こう」

愛紗「....わかりました。ですが、この配置はどう見ても...」

 

しかし未だ納得できないのか、愛紗は機嫌が悪いままである。何せ、諸葛亮の示した味方の配置と駒の向きは愛紗が声を荒げるのも無理もないのだが、稟はそれでも何も反対するような発言はしなかった。

 

趙雲「郭嘉。お主、同じ軍師という立場でこの布陣に何か言いたいことは?」

稟「....いえ。この布陣、私はこれでいいと思います」

元親「でもよぉ、こいつは....」

 

冷静な稟を除き、家康たちは動揺する策...それは。

 

諸葛亮「はい。敵陣には、正々堂々、真っ正面からぶつかります」

 

一番最初に切り捨てた案だったからだ。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

愛紗「ご主人様。見回りですか?」

 

波乱含みの軍議を終えた後....その日の夜。陣地を歩いていた家康に声をかけてきたのは、愛紗だった。

 

家康「いやなに、少し眠れなくてな。愛紗も?」

愛紗「私は不寝番の指揮を執っていました。交代しましたので、もう寝ます」

家康「そうか」

 

職務に忠実な彼女だが家康はそんな愛紗の姿勢に敬う、しかし彼女の顔が歪む。

 

愛紗「ですが....本当に、あの諸葛亮の策を採用なさるのですか?」

家康「信用できないか?」

愛紗「あれは一番最初に否定したものです。なのに、それを採用するなどこちらの被害が間違いありません」

家康「ふむ」

 

彼女の危惧は間違いではないだろう。真っ正面からの衝突は策というよりも愚策と言える、なのにそれを稟と同じく軍師を志す諸葛亮が、そんな愚策を提案するなんて正気ではないと疑いを持ってしまう。

しかし採用すると決定した家康だった、その彼に何故と思ってしまう。

 

愛紗「ご主人様は...どうしてそこまで、あの者を信用なさるのですか?」

愛紗「いつもなら、早々に信用なさる桃香さまに釘をお刺しになるのはご主人様なのに」

 

愛紗からしたら至極当然な疑問である。家康は諸葛亮と鳳統が、劉備にとってなくてはならない名軍師であることを歴史書を見ているため知っているから、諸葛亮の案を採用したなどそれをおいそれと愛紗に告げるのは気が引ける。

 

家康「鳳統の推薦....というだけじゃ、ダメか?」

愛紗「鳳統の考えが優れているのはわかりますが....それと人を見る目は同じではありませんから」

 

心配を隠さない愛紗に家康は苦笑しながらも何とか諭そうとする。

 

家康「とりあえず、一度様子を見てほしい。何より、稟ですら賛成していたし...何より軍師が増えるのはいいことだ」

 

軍師が増えるのは確かによいことだ。稟にだけ負担を強いるのは良くないが、家康は元々前線で動くタイプなので頭で働かす者ではない。

公孫瓚も策を考えて弄する人間ではないし、皇甫嵩は官軍っていう縛りが在る。

 

愛紗「....はい」

家康「(しかし、諸葛亮が本当にあの諸葛亮なら、この先の桃香にとって、愛紗たちと同じくらい必要な人物になるはずだ)」

 

家康はそう今後の桃香の先行きを考える、彼女の理想には諸葛亮はどうしても必要なのだ。

 

家康「大丈夫だ。いざとなれば、ワシや元親、それに忠勝もいる!」

愛紗「....そう、ですね」

家康「ん?」

 

彼女の顔が暗くなったのにどうしてか気になってしまった。

 

家康「どうした?愛紗」

愛紗「.....いえ!何でもありません!」

家康「そうか?でもな愛紗」

愛紗「はい?」

家康「ワシは愛紗のことも頼りにしている」

愛紗「ご主人様...!」

 

家康のその一言に先ほどとは代わって表情が明るくなる。

 

家康「しかし余り気負いすぎないでくれ」

愛紗「ご主人様.....はい!」

家康「さぁ!明日もあるし、もう寝た方がいい」

愛紗「ご主人様、ありがとうございます.....その、おやすみなさい」

家康「ああ。おやすみ」

 

頬を赤く染めながら家康に別れを告げて、愛紗はそのまま天幕へと向かっていくのであった。

愛紗と別れ、少し離れた所で稟が夜空を眺めていた。

 

稟「家康さま...」

家康「まだ起きていたのか?稟」

稟「はい」

 

家康は自然に彼女の横に並ぶように立つ。

 

家康「そう言えば...稟はどうして諸葛亮の案を反対しなかった?皇甫嵩殿が最初に正面からの衝突には、反対の姿勢を見せていただろ」

稟「...諸葛亮殿はただ愚策を考える御仁ではないです」

家康「そうか」

稟「彼女は桃香さんの軍師になりたいようですので、そこまで彼女に気は引きません。私は家康さまの、家康さまだけの軍師ですから」

家康「そ、そうか」

 

苦笑交じりに稟の自分に対して忠実な姿勢に推し負けてしまう。同時に彼女のその自分に尽くす姿に、ある人物を思い出す。

 

家康「稟のそのワシに尽くす姿....ワシの家臣の一人に似ているな」

稟「忠勝殿では?」

家康「いや忠勝にも負けないぐらい、ワシへの忠義に強く生きる男がいるんだ」

稟「それほどですか...」

家康「今は義理の母にあたる女性の元に帰省して、戦で受けた傷の静養している」

稟「武官ですか?文官ですか?」

家康「武官だ。その実力は忠勝に並ぶほど、徳川の双璧と言われるぐらいで、赤備えという集団を率いる強き武人だ」

 

そう誇らしげに、そしてその家臣を思うように語る家康に、稟は羨ましいと感じている。

 

家康「じゃ、ワシは明日に備えて寝るよ。稟も早く寝るんだぞ?」

稟「はい、家康さま」

 

明日の戦に控え家康は稟と別れて、天幕に入り就寝についた。

 

 

▼▼▼▼▼▼▼▼

 

 

そして翌日....。

 

桃香「ご主人様!準備はいいよ!」

公孫瓚「こちらもいいぞ、家康」

 

家康「わかった!...愛紗!」

愛紗「はい!我らもいけます!」

趙雲「お任せを」

鈴々「頑張るのだ!」

雷々・電々「「任せてー!」」

 

家康は諸将を見渡しながら、準備のほどを確かめる。

 

家康「稟、諸葛亮と鳳統と共に臨機応変に頼む」

稟「はい!家康さま」

諸葛亮「は、はい!」

鳳統「が、頑張りましゅ!」

 

家康「元親、忠勝、香風!」

元親「おうよ!いけるぜ!家康!」

忠勝「...!!!」

香風「シャンも、お兄ちゃんと一緒に頑張る」

 

家康「皇甫嵩殿、こちらは準備よしだ!」

皇甫嵩「ええ。分かったわ!」

 

そして皇甫嵩が兵士たちの前に立ち、鼓舞する為に檄を飛ばす。

 

皇甫嵩「今回で長期間続いた黄巾党との戦に、終わりの楔を打ち込むっ!!全軍出撃!!」

 

「「「「うおおおおおおおっ!!!!」」」」

 

 




今回はここまで。引っ張ってすみません。

正直、北郷一刀は出来れば出して欲しかった

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