真・恋姫†BASARA 革命 劉旗の大望を創世する東照   作:武者ジバニャン

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駄文と勝手なオリジナル要素が含まれています。それを許容できない方々はブラウザーバックを推奨します。
恋姫主人公である北郷一刀はでません、出しません。

それと当作品のバサラ武将たちはかなりの無双を行うと思いますが、どうかご理解くださいますよう宜しくお願い致します。
オリジナルのBASARA武将が登場したり、オリジナルの恋姫キャラも出すことがあります。
恋姫キャラとBASARA武将とのカップリング描写などあります。
ご理解の程、宜しくお願いいたします。


第五章 積荷の奪還

町の復興など徐々に尽力しようとする家康たち一行。

その彼らの下にようやく役人の協力が来てくれることになった、そこで役人の協力に来てくれていた戯志才から、幽州にいる州牧・公孫瓚と会ってほしいということで向かってる途中、黄巾党に襲われている隊商の一団があると聞きつけた家康たちはこれを救出する。

 

話はそこから繋がるのだった。

 

糜竺「えーっと、雷々は麋竺だよ!東の徐州から来ました~!」

糜芳「電々は、麋芳って言いまぁす。よろしくお願いしまーす♪」

糜竺と糜芳「「助けてくれて、ありがとうございましたー!」」

 

家康「あ、嗚呼...」

何とも快活でとても先ほど襲われた少女たちとは思えない、その陽気っぷりに家康は呆気に取られる。

その日の夜。合同の陣地を張った家康たちは、改めて隊商の指揮を勤めていたとされる糜竺と糜芳の二人から自己紹介を受けていた。

 

今風の若者で言うと、オレンジのロングヘアーが糜芳でショートヘアーをしているのが糜竺と紹介を受けてはいるが....

 

桃香「ええっと、糜竺ちゃんと糜芳ちゃんはよく似てるけど.....双子?それとも姉妹?」

 

糜竺「えーっ。全然似てないよ、ねぇ」

糜芳「そうだよ。元気な方が雷々で、可愛い方が電々だよ♪」

 

愛紗「いや...そう言われても、我々の目からすればな....」

全く見分けなど一見で判別はつかない程に、二人の容姿はよく似ている。

 

糜芳「ひどーい!」

糜竺「そうだよ!こんなに違うのに!」

二人「「ねーっ?」」

っと言うが、家康たちにはどちらとも元気でどちらとも可愛いと、見ても区別が付かない。

 

家康「こ、これは困ったなぁ...」

 

家康も困ったかみたく後ろ髪を掻いてみせる。

 

鈴々「自分で自分なんて見えないから、そっくりなのにわかってないのだ」

確かに鈴々の正論である。

 

戯志才「.....しかし徐州の糜家と言えば、千にも及ぶ食客を抱える豪商の一族。

そのご息女が、どうしてこんな所に?」

戯志才は博識に語る。因みに正史の歴史では、はじめは二人共に陶謙に仕え、次いで劉備に仕えた。劉備が曹操を頼った際に曹操から彭城国の相に任命された。

しかし、劉備が曹操から離反するとそれに従ったされ、劉備に仕えた後、呉にも仕えたとされる。

 

馬岱「ふええ。戯志才さん、詳しいねぇ」

戯志才「徐州にも滞在した事がありますので...」

 

すると糜竺たちが理由を話始めた。

 

糜竺「えーっとね。雷々たち、ご先祖さまみたいに、どかーん!って大きいことをしようと思ってお家を出てきたんだけど....」

糜芳「ここまで来た所で、賊に襲われちゃったんだー」

糜竺「たぶん、山の向こうにいるって聞いた奴らだと思うんだけど...」

 

家康「なるほどなぁ...」

どうやら家康が仕留めたのは一団にすぎない模様。更に問題がある様子で...

 

愛紗「荷車なら取り返したが、あれだけではないのか?」

 

愛紗の問いに二人は首を横に振り、それだけではないと答える。

 

糜竺「全然だよー。旅先で売ろうと思った荷物や食料も、もっともっといっぱいあったんだからぁ」

糜芳「お金もね」

どうやらまだ奪われた物が山程ある様子。

 

糜竺「あの軍資金で....ご先祖さまみたくおっきな事をしようと思ったのに....」

糜芳「七光りとかって言われたくないしね~」

今回のことは相当キテるのか、二人は真剣に困ってると見て分かる通りの顔を見せる。

すると二人は....

 

糜竺「劉備お姉ちゃんたち、お役人さまなんでしょ?取られた荷物を取り返すの、手伝って!」

糜芳「関羽お姉ちゃんたちにも、お礼はちゃんとするから!....取り返したお金からだけど」

 

愛紗「むぅ...」

桃香「ねぇ、愛紗ちゃん...鈴々ちゃん」

愛紗「...そうですね」

鈴々「鈴々も。悪いヤツは、放っておけないのだ」

桃香は義妹たちの顔を見て微笑み、二人もそれに頷き決意する。

家康自身も彼女の性格上からすれば、困ってる者に助けを求められてイヤとは言わないのは知ってる。

 

だが.....

 

戯志才「反対です」

 

短くも、それでいてぴしゃりとそういい放つ戯志才である。

 

桃香「戯志才さん....!?」

 

家康「....」

 

余りの言葉に桃香たち三人や糜竺と糜芳は驚愕する中、家康だけは冷静に腕を組ながらそれを静観する。

 

戯志才「賊の討伐は、この辺りに駐留する幽州軍に任せるべきでしょう。

我々が優先すべきは、薊への到着のはず」

 

糜芳「そんなぁ...!」

 

桃香「でも、さっきは兵を貸してくれたじゃないですか!」

戯志才「あれは目の前で起きていたためで、行軍のための障害を排除が目的だったからです...まぁ家康殿が賊を一人で片付けたから無為になりましたが」

 

等と冷静に言う彼女に桃香は納得出来ずくってかかる。

 

桃香「それがどう違うのですか!

目の前で、二人が困ってるんですよ!?」

 

桃香からすれば当然の反論であろうが、戯志才はそれでも何食わぬと様相で尚も返す。

 

戯志才「助けないとは言ってません。

ただ、我々のすべき事を見失うなと言っているだけです」

そう。本来桃香たちが街道を沿って移動している目的は、幽州の薊に向けての旅路。

それを戯志才は指摘しているのだ、それに家康は....

 

家康「薊までの道のり半ば、ただずっと同じことを続ける訳には...いかん、か」

愛紗「ご主人様...!」

戯志才「そうです。薊までの旅路で同じ事を続けていては、いつまで経っても目的を果たす事は出来ませんよ」

 

確かに彼女の言う通り。こんなことがこの先二度三度起きて、それを同じ繰り返しみたく人助けしていては前に進む処か、反って疲弊し目的自体の話ではないのは明白。

 

桃香「.....そ、それは」

正論でしかないので、間違ってはいない。それ故に桃香は何も言い返すことも覆すことも出来ない。

 

戯志才「幽州州牧の名代として口添えは用意できますし、それに徐州の糜家の名を使えば駐留軍も邪険には扱うことはないでしょ」

 

現実的かつ合理的な解決法の説明に誰も口を挟めない。だが糜竺と糜芳は理解はしていても納得はしてない様子で....

 

糜竺「うぅぅ....」

糜芳「戯志才さんのバカー!!」

冷淡な戯志才の言葉に糜竺と糜芳は泣きながら走り去ってしまう。

 

戯志才「....ふむ、まぁ、仕方ありませんね。

それでは失礼します。明日も早いですから、皆さんも早目に休んでください」

 

彼女は悪びれもなくその場を後にする。

 

戯志才「馬岱殿」

馬岱「え、ええっと...その....ごめんね」

 

戯志才は表情一つ変えることなく、ばつが悪そうな馬岱を連れて自分たちの天幕へ去っていく。

そして残された家康たちの周囲には寂しい空気が流れる。

 

愛紗「.....むぅ」

鈴々「うー。.....なんだか、もやもやするのだ」

何とも言えない、やりきれないとばかりな面持ちの三人。家康はそんな三人とは違って真剣な顔を崩していない。

そんな彼に鈴々が自分たちは間違っているのか、問いかけてきた。

 

鈴々「ねぇ、お兄ちゃん。鈴々たち...間違ってるの?」

家康「そう言う訳ではないんだ鈴々。物事は色々と複雑に出来てる」

愛紗「ご主人様は先ほど、戯志才殿の言葉に何故賛同するような....」

家康「確かに救いを求める手を掬い上げること、悪いことではないし正しい行いだ。

だがそれの全てを是としすぎて、自分の為すことを忘れてはいけないのも事実だ」

桃香「.....」

愛紗「.....それは」

 

そう。全てを是とし過ぎると自分本来の進む道というのが険しくなるのは当然である。

何事も限度や塩梅というのがある。

 

桃香「....ご主人様」

家康「ん?」

桃香「....ごめん。ご主人様。ちょっと.....一人で考えごとしてくるね?」

家康「....そうか」

 

結局、彼ら四人も誰ともなしに解散となって宛がわれた天幕に入ることに。

家康はそのまま座して天井を眺める。

家康からしても戯志才が言うこと、正しいとわかっているし理解している。

物事とはそうなのだ。

 

家康「彼女の言う通り、昼間はワシの力で何とかなったものだから、な....」

 

力という言葉に家康の顔が歪む。

 

家康「.....力、か」

 

 

 

 

 

力こそ全て!!

 

 

 

 

やはりだ・・・この国は弱い!!

 

 

 

 

この日ノ本を、在るべき形に・・・!

   我が統べる・・・剛き国に!!

 

 

 

 

 

それは嘗て家康が忘れてはならぬ記憶....己が背負うべき物....何よりも己の身に、そして拳にもハッキリと"あの時の"感覚が残っている。

 

家康「....」

 

桃香「ご主人様.....起きてる?」

 

突然天幕の外から桃香の声が聞こえてきた。

 

家康「ん?桃香?」

 

天幕を開けると申し訳なさそうにして桃香がそこにいた。

 

家康「どうしたんだ?」

桃香「すこしお話しても、いいかなって....」

ばつが悪そうにしながらも誘う桃香に、家康は笑いながらも応じる。

 

家康「かまわんさ」

桃香「....ありがとう」

二人は夜中、陣中を歩きながら話こむこと。

 

桃香「さっきは、その....ごめんね」

不寝番の兵士たちがちらほらと見えるだけの陣中、家康と桃香は互いにどこに行くともなしにその中をぶらつく。

その最中、家康は桃香に申し訳ないように口を開いた。

 

家康「桃香....。先ほどは戯志才殿の件では何も言わずですまない」  

桃香「....ご主人様」

 

二人の間に微妙な空気が流れる。

 

桃香「昼間戯志才さんが言っていたよね。力なき思想に意味はないって」

家康「そうだな」

桃香「わたしは大陸を平和にしたいって思ってて、ご主人様や愛紗ちゃん、鈴々ちゃんが力を貸してくれて。

それで力も揃ってるって思ってたけど....」

 

だが彼女はそれが足りないと気づいたのだろう、申し訳ないとばかりに苦笑して見せた。

 

桃香「....まだまだ、全然足りないんだなって」

そう。今現状四人居る状況というだけで、その中で家康が特出した強さを持っているだけな為に戯志才の言葉に逆らい動くことや、糜竺と糜芳を救うこともろくに出来るかも定かではない。

 

家康「....ならばどうする?薊に急ぐか?」

桃香「頭じゃ、それが一番だってわかってるんだよ。でも....」

割りきれるくらいならば、彼女自身ここまでは悩んではいない。

 

家康「....力が、欲しいか?桃香」

桃香「....うん。困ってる人を助けられる力は、欲しいよ」

家康「そうか」

 

そんなやり取りの中でふと二人の視界に、糜竺と糜芳が生き残った隊商の面々と何やら作業をしている様子。

 

糜竺「ほら、準備急いで~!」

糜芳「夜明けまでにいくよ!」

 

桃香「って、どうしたの?!二人とも」

糜竺「あっ、劉備お姉ちゃんと家康お兄ちゃん!」

家康「これは、一体...」

糜芳「あのね、電々たちでね、盗られた荷物取り返しにいくの」

桃香「取り返しにって、その数で!?」

二人と共にいる護衛の兵士たち数はもう、そほど多くはない。

賊のアジトを攻略するとして余りに不十分な戦力で不安すぎる。

そんなの焼け石に水でしかなく、どうにもならない。

 

糜芳「その数でもなんでもだよ」

糜竺「商人とって、商品は命の次に大事だもん!」

 

家康「....」

商人としての維持か。しかしそこに賭けようとする二人の手が互いに握りあっている、そこに家康の言う絆が存在している。

絆を重んじる家康にとってそれは何より替えがたき物、ならばと家康は桃香を見ると彼女は決意したように頷き見せる。

 

桃香「ご主人様」

 

家康「うん」

 

すると...

 

鈴々「こっちの荷物、全部まとめたのだ!」

愛紗「武具も確認、終わったぞ」

 

桃香「ふえっ!?愛紗ちゃん....鈴々ちゃん.....」

愛紗「と、桃香さま!」

鈴々「お兄ちゃん....!」

家康「二人ともどうした...」

 

そこに糜竺たちの手伝いをしている愛紗たちがいた。

 

愛紗「あの....これは、その.....我々の旅にも資金は必要だと思いまして...ですが、糜竺たちの謝礼が想像よりも大きなだったもので」

鈴々「それに、お姉ちゃんはいつも言ってたのだ。困ってる人は見捨ててられないって。だから....ね?」

桃香「....ふふっ」

っとしどろもどろで言い訳を始める二人を前に、桃香は思わず笑いだすだけ。

 

愛紗「と....桃香さま!?」

家康「はははっ」

愛紗「ご主人様も?!」

家康「いや、なに。ワシたちは怒ってなどいないさ、な?桃香」

桃香「うん。わたしこそごめんね。こういう時は、わたしが最初に言わなくちゃいけなかったのに」

 

桃香はやはり糜芳たちを放って行くとはできなかったようで、初めからそのつもりだったようだ。

当然家康もそうである。

 

家康「よし!ならば急いで出発するとしよ。戯志才殿たちに見つかれば面倒だ」

 

桃香「うん♪」

愛紗「はい!」

鈴々、糜芳、糜竺「「「おーっ!」」」

 

結局家康たちは賊が根城にしているであろう、場所へと向かうのだった。

それをやはりと戯志才と馬岱は見ていたのだった。

 

馬岱「戯志才さーん。

劉備さんたち、こっそり賊の退治に行っちゃったけど....良かったの?」

戯志才「もちろんです。我々には我々の、彼女たちには彼女たちの都合がありますし...あの人たちが、どう動くか興味がありましたから」

 

戯志才はニコリと語る。馬岱からしたらそれは質が悪いような物で拗ねるには丁度いい。

 

馬岱「それって、わざと意地悪したってこと?そういうの、たんぽぽまで巻き込まないで欲しいんだけどー」

戯志才「ちゃんと馬岱殿の挽回の機会は用意しますよ。

少し経ったら起こしますから、仮眠でも取ってください」

馬岱「戯志才さんだけ悪者っていうのも、それはそれで後味悪いんだけどねぇ。

....まぁいいや。たんぽぽ、ちょっと寝てくるよ」

戯志才「はい。では、私は出陣の用意を進めておきますので」

 

馬岱が天幕に入り、仮眠に入るのを確かめた戯志才は一人口を開いた。

 

戯志才「...それに。私自身、あの御仁ーー家康殿を見定めたいので....あの漂う覇気、もしあの人が私の求める方なら...」

 

 

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糜竺と糜芳の案内に従って、険しい山道を進む一行。

そのあったのは、道を塞ぐように建てられた古い砦だった。

 

家康「こんな所に砦があるとは...」

 

愛紗「昔の関所のようですね。

街道が変わりでもして、使われなくなったのでしょう」

見ていて殺風景、砦の至るところに古い傷や補修したとされるが乱雑になっている箇所が見受けられる。

まともに人が使うにしても環境が古く、衛生上よろしいとは思えない。

すると糜竺が何か気付き指を指した。

糜竺「あっ、あの旗だよ!賊が立てた旗!」

糜芳「外には電々たちの荷車も捨ててある....」

 

黄色でボロボロ、汚れなどで付いて如何にもな旗印が見つかり、更には糜竺たち隊商から奪った証である荷車も置かれている。

 

家康「うむ、間違いはないな」

桃香「そうだね!」

愛紗「それで、どうしますか?」

家康「うむ...」

作戦と呼べる代物を考える余裕がこの状況にあるかと思うと、正直心許ない。

これだけの要塞となると家康一人でと考えるが...

 

愛紗「まさか、またお一人で....などと、考えているのですか?ご主人様?」

家康「え?あ、あーっ。いやそんなことは...」

鈴々「ズルいのだ!鈴々も賊をやっつけたいのだ!」

 

愛紗には睨まれ鈴々にはムスっとされる家康。そんな彼に糜芳と糜竺は家康の実力を見ているので実はこの状況で一番期待している。

 

糜竺「家康お兄ちゃん、とっても強いし!」

糜芳「うん!行けるよ!」

家康「はははっ。ワシ一人で何とか出来るとは全て思っておらんさ....こんな時、忠勝も居れば心強いのだがな」

今この場に居らず、そして自分と同じように何処かに居るであろう徳川第一の絆にして家康に過ぎたる者ーー戦国最強・本多忠勝。

もし忠勝が居れば自分と二人で、あの賊の砦を制圧することなど造作もないだろう。

 

桃香「ただ、かつ?」

家康「ん?嗚呼、忠勝というのはワシの家臣のことさ」

愛紗「そうなのですか?!」

桃香「え?!」

家臣と言う言葉を聞いた桃香と愛紗は驚く。まさか家康は自分たちが想像していたより偉い立場の人間なのではと...。

因みに鈴々は難しいことにはさっぱりなので、ぼけっとしている。

 

桃香「ご主人様、もしかして....天の人で一番偉い人、なの?」

家康「あ、あーっ。いやそんな偉いというほどは....」

糜竺「ふぇっ!?お兄さん天の人なの?すごーい!」

糜芳「だからそんなカッコいい格好してるんだ。

それ、天の国の服なんだよね?いいなー、電々もそういうの着てみたーい」

家康「は、ははっ...」

 

彼のフード付の羽織、胴当て、手甲、草摺、袴、具足、それらを眺めながら羨ましがる二人。

そんな彼女らに苦笑する家康だが、こうしていては埒が空かないので策を練り始めて、辺りにあった小石を拾い地面にざっくりとした図を書いて見せる。

 

家康「さて....関所ということだが、向こうにも当然門はあるな?」

愛紗「恐らく」

家康が書いているのは街道と、関所としてそれを塞ぐ東西二つの門。

そして自分たちの居る辺りに、現在地を示す丸。

 

家康「とりあえずワシが考える策としては、崖より奇襲し中の賊たちを向こうに押し出すというものだ」

桃香「え?でもそうなったら、向こうの....東門を開けて賊が逃げちゃわない?」

 

桃香の懸念は確かにその通り。ここは関所、こちら側と向こう側に門があればそうなるが、家康の狙い目としてそこである。

土に描かれている図面にある東側の門を開けると、そこに敵を示す大きな矢印を一つ書いて見せる。

 

家康「今回ワシらの目的は奪われた荷物だ。敵を砦から追い出した後で、東門を閉じる」

愛紗「.....なるほど。そうすれば、賊は関所に戻れなくなりますね」

家康「そうだ。ワシたちは荷物を回収して、反対側の西門から悠々と帰ればいい。

残った賊は、地元の駐留軍に任すとしよう」

即興で考えたにしては中々だと愛紗は家康に感嘆な思いを抱く。

 

愛紗「流石はご主人様です....それで配置はいかがしますか?」

家康「ワシらで城壁の上の確保し奇襲する。ちょうどここからあの...」

 

家康が指さした先にはあの砦の城壁に繋がる横路があるのを見つける。

 

家康「あの崖道から城壁に行けるようだ。あそこから行こう...その騒ぎに乗じて愛紗たちは中庭に向かい、ワシらの逃走経路の西門の確保と敵を追い出す東門の確保だ」

愛紗「わかりました!」

鈴々「ガッテンなのだ!」

 

糜竺「お兄さん、すごーい!あたまいいー!」

桃香「ご主人様ってホント頼もしいよ♪」

糜芳「うん、カッコいい...」

皆家康を称賛する。が、本人はその称賛を受けながらも、既に徳川軍総大将たる男ーー一軍を束ねる歴戦の戦人の顔となっている。

敵との戦力に比べて家康たちは寡兵、つまりは敵と比較すると部隊数が少ない。

今はまだ夜だが何れは夜が明けてしまう。奇襲の為にこのまま進むことを皆に指示する家康。

 

家康「では動こう!間もなく夜が明ける....奇襲向いたこの夜半こそ、ワシらの勝負時だ!」

 

桃香「だったらみんな.....」

 

糜竺と糜芳「「作戦、開始ー!!」」

 

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作戦は開始された。家康たちは砦の城壁上に通じる横の崖を慎重に登り、気付かれないように砦の奇襲ポイントをたどり着いた。

 

家康「では行くぞ!」

桃香「うん!」

 

「「「「「「うおおおおー!!」」」」」

 

家康の合図で桃香、糜芳と糜芳、連れてきた隊商の兵士たちは横から雪崩れるように賊に見事奇襲せしめることに成功す。

思わぬことに何が何だか分からない敵はあれよあれよと、攻撃されるのだった。

 

「な、なんだ!?テメェらどっからここに!?」

 

糜芳「横の崖を登ってきたんだよ~」

 

突如のことに賊たちは混乱する。その間、愛紗と鈴々は門がある中庭に向かう。

 

「こ、こんな!?」

 

「ど、どうすんだ!?」

 

愛紗「今だ!押し出せ!」

鈴々「突撃!粉砕!勝利なのだ!」

 

糜竺「電々、行くよ!」

糜芳「うん!」

 

二人はそれぞれ得意の武器で賊を蹴散らしていく。

 

糜竺「はぁぁー!」

 

「ぐはっ!」

 

糜芳「てえーい!」

 

「ぐふっ!」

 

隊商が襲われてた時はピンチであった二人や護衛の兵士たちだったが、今回は大活躍である。

それほど明るくもない月明かりの中。

息の合った動きで舞うような攻撃を仕掛ける二人、それは戦ってるというよりかは舞踊る一種の戦舞の如くに家康は見えた。

 

家康「二人揃うと何倍にも強いということか...あれも絆、だな」

 

 

彼女らは兵士たちと共に同時に賊を討ち取りを行う。

 

「こ、こいつら!?」

 

愛紗「はあああー!!我が偃月刀の錆にしてくれる!!」

 

愛紗は自身が青龍偃月刀を巧み操りながら迫る賊徒どもを、叩き切り伏せる。

賊たちは彼女が振るう武に怖れるがそれを関羽雲長、決して容赦しないとか弱き者たちを搾取してきた敵を片っ端から斬り続ける。

 

鈴々「鈴々も!どんどん暴れるのだー!」

 

鈴々も自分よりも長い蛇矛を力一杯大人が顔負けにするほど、強く凪ぎ払って賊を潰していく。

まさか敵もこんな華奢な身体で小さな子供相手にボロボロにされるなど、夢にも思わないだろ。

だが鈴々はそんなお構い無しに相手を倒していく。

そんな二人に守られながらも桃香も剣を握り、自分の身を守って戦っている。

 

桃香「くっ!」

 

「こいつだけ弱いぜ!へへっ」

 

「俺たちが可愛がって...ぶべらっ!!」

 

桃香「え?ご、ご主人様!ありがとう!」

桃香の未熟な剣を見てあわよくば下衆なことをしようと、蜜にたかり躙り寄る蟲の如く近寄る賊たちを家康の剛拳によって骸に変わる。

 

家康「桃香!合図の為、鏑矢の用意を頼む!」

桃香「うん!」

 

家康「よし!さぁ!みんなワシに続け!」

 

「「「「「うおおおおー!!」」」」」

 

勢いに乗る家康率いる勢力に賊は浮き足立ち、もうまともな判断が出来ない。

それに.....

 

家康「ワシの拳、とくとその身で感じろ!!」

両の拳から成る普通の人間では目で追う処か、捌くことなんてのも無理な連続ラッシュ。

そこから腕の捻りを加えた強大な突き攻撃で、目に映る敵勢を残さず屠っていく。

 

家康「うおおおおー!!」

 

一番この中で敵を軒並み潰しているのは、間違いなく断トツに家康であるの明白。

家康の拳による蹂躙はもう歯止めが利かないのでは?思わんばかりに力を溜めた拳を地に叩きつけ、衝撃波で敵を吹き飛ばす技ーー陽岩割りにて巻き込まれた何100人の敵兵達が人形のように宙を飛び、ボロボロと雨みたく落ちてそこから起き上がらず事切れて動かない。

 

余りに人外すぎる強さに敵は恐れ戦き、味方は士気が高なり意気揚々と上気する。

 

愛紗「ご主人様....なんという」

鈴々「やっぱりお兄ちゃん....とーっても強いのだ!」

桃香「ご主人様....」

 

糜竺「お兄さん。ホント強い....!」

糜芳「うん!奇襲も凄いけど、今なんかもっと凄いよね~!」

 

戦闘そのものは圧倒的に寡兵であるはずの家康たちの優勢....最早心配ない展開なのだが。

 

家康「ん?」 

ここで家康、敵の様子に違和感を感じとる。

 

糜竺「どうしたの?」

糜芳「このまま行けば勝てるよ?」

 

家康「いや....連中、門を開けて何故逃げようしない...?」

 

賊たちは、東門を背中にして愛紗たちの攻撃を防いでる。

それが門を開ける為の時間稼ぎ....とは思えず、奴らは一向に誰も開ける気配を見せない。

 

家康「まさか、討ち死に覚悟で立ち往生する気か?」

 

だがその原因が直ぐにわかった。

 

糜竺「あーっ!お兄さん!壁の外、大きな岩が沢山転がってるよ!!」

家康「なんだと!?」

糜竺の言葉に外側を見れば、城門前には無数の大岩が転がり落ち...巨大な門扉を押し潰しているように塞いでいたのだ。

 

家康「まさか、この関所が使われなくなった理由は...!」

 

糜竺「お兄さんどうしよ...?」

糜芳「でもこのままなら、全部やっけられそうだよ!」

家康「いやそれでも手勢が少ないワシらにも限界はくる...!」

 

家康自身、これには盲点であった。この世界において未だ地形の把握や状況など分かっていなかったのは理解していたが、ここに来てそれが仇になるとは不味い焦る。

 

家康「(偵察を行っておれば....!)」

口惜しそうにする家康だが、その時である。

後方から外の警戒を頼み、鏑矢を上げるよう指示しておいた桃香からの合図である。

 

一本は敵が向こうの門を開けた時。

二本は敵にまだ増援が存在しそれを家康たちに知らせる時。

なのだが、突如三本目が空に放たれた。

 

家康「三本目の鏑矢は、段取りにはないはずだ」

 

糜芳「お兄さん、あっち!あっちに明かりが見える!」

 

彼女が指し示したのは、家康たちの背中側....。

荷物を奪還した際に退却する予定の西門の先。

まだ夜を残すそちら側に、糜芳の言う通り、松明らしき明かりがいくつも揺れていた。

 

家康「明かりが...まさか!」

家康は悟る。これが敵のではないとなると残される可能性は一つしかない、なればと....。

 

家康「愛紗!東門の外側が岩で塞がっている!西門を開けるんだ!」

 

愛紗「よろしいのですか?!」

東門が使えない状態だと知り驚く愛紗だが、更に西門を開放せよとの命令にも驚く。

この状況下で賊を追い詰めてる以上、下がり西門を開けるのはそう難しくはない。

だが懸念としては開けた西門を見て、残った敵が殺到してしまうということ。

だが家康は賭けることにする。

 

家康「ああ、かまわない!二人とも無理はするな!流れに乗って出るんだ!」

鈴々「わかったのだ!」

愛紗「私が先行する!背中は任せたぞ!鈴々」

鈴々「おう!なのだ!」

 

愛紗たちは賊どもを追い込んで来たばかりの通路を引き返して、西門へと走り出す。

 

家康「ワシらも反対側まで急ぐぞ!糜竺、糜芳!」

糜竺「うん!」

糜芳「まかせて!」

 

 

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とうとう夜が明け始める。西門の扉が開くのを待っていたのは、兵士たちを連れて馬に乗っている馬岱であった。

 

馬岱「おー。ホントに開いた....えーっと、あっちが関羽さんで、こっちが賊か。

たんぽぽたちは賊を叩けばいいんだよね」

っと彼女は手にしている槍を構え直して、気合いをいれる。

 

馬岱「ならみんな!一番良いところ、わたしたちでぜーんぶ持ってっちゃうよ!総員、突撃ぃー!」

 

「「「「「うおおおおー!!」」」」」

彼女の号令と共に西門から出てきた賊たちは、一人残らず全滅されることとなった。

これにより今回の戦闘はこれで終息する。

 

家康「桃香、馬岱殿」

朝日がもう登り、谷間の関所に太陽の光が差し込む頃。

家康は外にいた桃香たちと合流する。

 

桃香「ご主人様、良かった....!みんなは?」

家康「糜竺たちは荷物の確認をしてる所だ。愛紗はその護衛を任せてある。鈴々は....」

そう言って家康は二人に背中に見せる...彼の大きな背中におんぶをして貰ってグッスリと寝ている鈴々に、二人は苦笑してみせる。

 

鈴々「くー.....むにゃむにゃ、お兄ちゃん」

桃香「ふふっ。夜通し戦ってたもんね」

家康「だが、馬岱殿が応援に来てくれて助かった。

これは....戯士才殿の差し金だろう?」

家康はフワリと微笑みを浮かべて訪ねる。それに対して桃香と馬岱はえ?驚きながら口にする。

 

桃香「戯士才さんが?!そうなの?」

馬岱「へぇぇ、凄い気づいてたんだ」

家康「あれだけの出立の準備すれば、気づくさ。

それに戯士才殿は旅慣れてるとも言っていたからな、もしかしたらここの関所の事情も検討ついていたのではないか?」

馬岱「みたいだよ。で、たんぽぽに助けに行ってあげろってさ。

素直じゃないよねぇ」

拗ねたように愚痴を漏らす馬岱。だが家康は首を横にふる。

 

家康「そうでもない。相手を信じ優れた軍師さ、彼女は......だろ?戯士才殿」

戯士才「家康殿は、分かっていらっしゃいますね。あと馬岱殿、素直じゃなくて悪かったですね」

 

馬岱「げっ、来た」

聞かれたとバツが悪そうに口漏らす馬岱を横目に見る戯士才は、名に食わぬ顔で話す。

 

戯士才「既に出立の予定は過ぎていましたから」

家康「戯士才殿....お陰で助かった。ありがとう」

戯士才「いえ、あなた方を無事に薊までお連れするのが、私の役目ですのですか。

ここで皆さんに何かあると困りますので....それに」

 

戯士才が細目で家康をチラリと見つめる。

 

家康「ん?」

戯士才「.....私としては、今回家康殿を知れて良かったと思います。貴方は武人でありながらも将としても優れた御方なのだと....」

家康「いや、ワシは....」

戯士才「貴方にならば.....私はこの才を....と」

家康「それは一体....」

意味深な彼女の言葉の途中、糜竺たちが駆け寄ってきた。

 

糜芳「劉備お姉ちゃん、お兄さん!」

桃香「糜竺ちゃん、糜芳ちゃん!荷物は無事だった?」

糜竺「うん!ぜーんぶ大丈夫だった!」

どうやら彼女たちの大事な荷物は無事取り戻せた様子。二人は桃香の手を取り、感謝述べた。

 

糜芳「みんな劉備お姉ちゃんたちのおかげだよ!本当にありがとうね!」

そんな満面な笑みを見せてくれた二人だったが、家康の側にいた戯士才と目が合った途端....。

 

糜竺と糜芳「「べーっ!」」

家康「こらこら、戯士才殿だってワシらを助けてくれたのだぞ。そんな顔をしちゃいけない」

糜竺「えーっ。だったら最初っから協力してくれたら良かったのに!」

糜芳「けちー!」

戯士才「ケチで結構です!」

糜芳と糜竺「「ぶー!」」

嫌みも悪態もクールに受け流す戯士才を相手に、二人はしばらく頬を膨らましていた。

だが....。

 

糜竺「そうだ!それでね、劉備お姉ちゃん」

糜芳「電々たち、お姉ちゃんたちに付いていこうと思うんだ!」

桃香「......えっ!?」

家康「ん?」

 

突然のことに飲み込めていない桃香と家康だが、糜竺たちはニコニコとその訳を話す。

 

糜竺「雷々たちだけで頑張るより、お姉ちゃんたちと一緒のほうが、もーっとでっかい事が出来るかなーって」

糜芳「ねぇ、いいでしょー?」

桃香「えええええ.....良いのかなぁ」

戯士才「....良いのではありませんか?資金や兵士も一緒に、という事なのでしょう?」

糜竺「けちんぼ戯士才さんには言ってないもん!そうだけど!」

 

戯士才にまだトゲトゲしい糜竺から代わって、糜芳が家康の傍らに近寄ってきた。

 

糜芳「ねぇ、お兄さん。

お兄さんも電々たちが一緒の方が嬉しいよね?ね?」

家康「まぁ、確かに。賑やか良いことだ」

 

家康としても、戯士才が言うように資金や戦力が増えるのは状況面からするとありがたいと感じるのは禁じ得ない。

だがそれ以上に.....

 

家康「絆がふえるのも良いこと、だな」

戯士才「家康殿...」

桃香「ご主人様....ならいいか。だったら、これからよろしくね、糜竺ちゃん、糜芳ちゃん」

糜竺「うん!雷々のこと、これからは真名の雷々って呼んでいいからね!」

糜芳「電々の真名も呼んでいいよ!」

桃香「わかったよ。なら、わたしも桃香でいいからね」

 

戯士才「......」

三人のやり取りをただ平静に見つめる戯士才...そんな彼女を見て家康は「やはり」かと悟る。

戯士才は恐らく雷々と電々がこうなるとまで計算の内に入れて、わざと嫌われ役を担っただと...。

 

戯士才「....家康殿。どうかしましたか?」

家康「いや....戯士才殿は良き軍師になると、そう思っただけだ」

戯士才「....や、やめてください///」

微笑む家康からの賞賛の言葉に思わず顔をそっぽ向いてしまうが、彼女の頬は赤くそまっているのが分かる。

 

馬岱「なになに?家康さん、戯士才にそんな目で?やーらしー♪」

家康「え?!あ、いや!ワシはただなぁ....!」

桃香「ご主人様ぁ.....??」

 

馬岱の言葉に釣られたのか、桃香の顔がムッとなって家康を見つめる。

そんな中、雷々と電々は....。

 

雷々「あっ、そうか。桃香ちゃんの仲間になるなら、お兄さんのこともご主人様って呼ばないとだね!」

電々「電々、強くてカッコいいご主人になら.....やらしーのもアリな気がするなー♪」

桃香「ご主人様ぁ.....!!」

まさに火に油とばかりに桃香の顔が怒り始める。これは家康からすると飛び火以外の何物でもないのだが....。

 

家康「ま、待ってくれ!ワシは何も!」

鈴々「むにゃ.....お兄ちゃん、やらしーのだ?」

何とも間が悪いところに家康におんぶされてる鈴々が起きたのだった。

だがそれだけでなく....。

 

愛紗「.....ご主人様?」

家康「?!...あ、愛紗?」

 

振り向くとそこには、笑顔で背後には般若が聳え立ってそうな気を纏っている愛紗がそこにいたのだった....。

 

 

愛紗「どういうことか...詳しくお聞かせください、ね?」

家康「あ、いや....ワシは、その....は、はい」

 

この後、何故か愛紗と桃香にこってり絞られた家康だった....。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまで。

正直、北郷一刀は出来れば出して欲しかった

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