迫り来るティーチという名の死亡フラグ!
果たして彼は、無事に平穏な生活を取り戻すことが出来るのか!?

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もしも平凡な転生者がヤミヤミの実を食べてしまったら

「やっちまった……どうすりゃいいんだ」

 ハロハロー、こちらしがない一人の転生者です。

 死んだと思ったらなんか知らんが赤ん坊になっており、成長して新聞を読んでみたら白ひげやら悪魔の実やら海賊やらといった字が踊っていたことでこの世界がONE PIECEだとようやく気づいた愚か者でござい。

 最初は二度目の生をくれた神様とやらにお前良いとこあるじゃねぇか! と上から目線で感謝したもんだが、海賊跋扈する超危険な世界と知ってからはそんな気も起こらなくなった。

 

 だってこの世界モブの命がめっちゃ軽いんだもん……

 メインキャラはむしろお前そこで死んどけよってレベルで生命力が逞しいが、モブは能力者や海賊の戦いの余波だけで何人死んでんだよってくらい一山いくらの命でしかない。海軍、海賊、“偉大なる航路(グランドライン)”の民間人当たりはぶっちゃけいつ死んでもおかしくないほど死亡フラグ塗れだ。ここらの職業には絶対に就きたくない所存である。

 

 一度死んだ身としては生き残ることを人生の目標に定めたことも当然のことだろう。

 いや、本当はめちゃくちゃやりたいことあるよ? 

 原作キャラのピンチに駆けつける強キャラムーブもかましてみたいし、ロマン溢れるこの世界を旅もしてみたい。

 可愛いヒロインとチョメチョメもしてみたいし、なんなら財宝でも見つけて酒池肉林の限りを尽くしてもみたい。

 

 でもまあそれは贅沢ってもんだ。

 神様にチートを与えてもらったわけでもなし、分を弁えた生活を送るのが俺にとっての最善だろう。

 

 というわけで最低限生き残るために、独学で鍛え始めてみたがまあ上手くいかない。

 一応原作知識で六式や覇気という存在を知ってるんだからちょっとは効率の良いトレーニングができると思ってたんだが全然ダメだった。

 まあ知ってるだけで強くなれるもんじゃないのは当たり前の話なんだが、一番の問題は俺自身だった。

 一度死を知って痛みを嫌うようになったからかあるいは元々の性質だったのか、俺は自分を極限まで追い込んで修行するということができなかったのだ。

 才能溢れるルフィ達原作キャラですら何度も修羅場を乗り越えることでようやく強くなれるってのに、才能があるかすら分からない俺がそんな心持ちじゃそりゃ強くなれるわけもないわな。

 

 というわけで、こりゃダメだとサクッと六式や覇気チートを諦めた俺だったが、かといって座して待ってたらいずれならず者に襲われて即御陀仏になるのは目に見えてたので方針を変えることにした。

 

 そう、ONE PIECE世界のもう一つのロマン、悪魔の実を探すことにしたのだ! 

 

 ……いや、言いたいことは分かる。

 お前楽して強くなりたいだけじゃんとか、探して見つかるなら誰も苦労しねーよクソボケとかそういうことでしょ? 

 

 後から考えれば俺も、なんで修行より悪魔の実探しを優先してんだよバカだろ俺もっと堅実に強くなれよ! と思えるんだが、あの時の俺は現実逃避していたのだ。

 鍛えても鍛えても強くなれない……なら鍛える時間を悪魔の実探しに費やした方が良いのでは? (名案)という風に。

 

 そして厄介なことに、その方法で俺は本当に悪魔の実を見つけてしまったのだ。

 見つけた時は思わず小躍りしてしまったね。サンキュー神様とテノヒラクルーすらした。ちょっと見覚えがあるような実の形だが気にもしなかった。悪魔の実なんてどれも果物の形をしてるもんだし。

 

 この実を売って当座の金を作ることもちらっと考えたが、何の力も持たない俺が金だけあったってそんなの奪ってくださいと言ってるようなもんだ。

 

 というわけで迷うことなく食べることを決めた俺は実のゲロマズさに耐えながらなんとか完食し、さあ何の能力かとワクワクしながら意識を右手に集中させた。

 不思議なものでそれが能力発動の条件だと、頭ではなく身体で理解していた。

 そして俺の手に出てきたのはなんか黒い物体。

 

 ……あれ、おかしいな。目がおかしくなっちゃったかな? 

 

 目を何度も擦ってみても結果は変わらない。何もかも吸い込む闇のような禍々しい色合いの不思議物質が俺の右手を覆っている。

 俺が知る限りこんな能力を持つ悪魔の実は一つしかない。

 

「ヤミヤミの実じゃねーかコレ⁉︎」

 

 ここで冒頭に戻る。

 

 

 

 ヤミヤミの実。

 自然系(ロギア)の能力の一つで、歴史上最も凶悪な能力とされている。

 その能力者は、闇の引力によってあらゆるものを引きずり込み押し潰すことができる。使い方によってはかなりの破壊力を持つだろう。

 だがその能力よりも重要なのは、悪魔の力を引きずり込み、無効化することができるということだ。普通の攻撃が通らない自然系の能力者にとっては正に天敵のような能力だし、超人系や動物系の能力者に対しても防御不能の攻撃力をもつことができる。

 武装色の覇気でも能力者に攻撃を通すことは出来るが、あちらは同じ覇気によって相殺することができる。その点、ヤミヤミの能力は絶対に防御不能という大きなアドバンテージがあるのだ。

 例を挙げるなら、海軍の三大将が分かりやすいだろうか。

 彼らは自然系能力者でありながら覇気も相当なもので、頂上決戦時には白ひげ海賊団の中で船長の白ひげ以外、覇気を用いてすら有効打を与えることが出来なかった。

 しかしヤミヤミの能力を得た黒ひげならば、彼らにダメージを与えることは容易かっただろう(実際に勝てるかどうかは別として)。

 このように上手く使えば、あらゆる能力者に対して有利を取ることができるのだ。

 

 あと一つ、考察として挙げられる能力があるのだが、今は不確かなので省略する。

 

 ここまで書くとめちゃくちゃ当たりの能力だ。俺がまるでハズレの能力のような反応をしてるのが不思議な人もいるだろう。

 

 というわけでここからはヤミヤミの能力のデメリット。

 

 能力自体のデメリットとして一番大きいのは自然系の能力の癖に敵の攻撃を受け流すことが出来ないというものだ。自然系の能力は普通、弱点の属性を突かれたり覇気を使われないことにはまず物理攻撃を食らったりしない。なので銃を打たれようが剣で切られようが、まるで問題が無いのである。

 まず生き残ることを第一と考えている俺としては、もし幸運にも自然系の能力を得ることが出来たら覇気使いの少ない海に行ってのんびり暮らすつもりであった。

 だが自然系は自然系でもヤミヤミの能力を得てしまった俺は、モブの放った銃弾一発すら気をつけながら暮らしていかないといけないことになってしまった。

 しかもヤミヤミの能力で痛みすら常人以上に引き込んでしまうのだから、痛みの耐性が無い俺としてはもう踏んだり蹴ったりである。

 異常なまでのタフネスを持つ人物であればこの実の能力を最大限に引き出すことは出来るだろうが、俺はそれとは正に対極の存在なのだ。

 

 そして次、これが最大最悪のデメリットであるのだが、俺は原作ラスボス候補に命を狙われることが確定してしまった。

 

 その男の名は「黒ひげ」マーシャル・D・ティーチ。

 ヤミヤミの実が手に入る可能性が最も高いというだけで世界最大の海賊である白ひげの船に何十年もいた、というほどヤミヤミの実に異常な執着心を抱く男である。

 同じ実の能力者は同時に二人以上存在し得ないということを考えると、もし俺がヤミヤミの実を食べたことをティーチが知れば、奴は間違いなく俺を殺しにくる。新聞を読む限り今は原作開始十年前といったところだから、ティーチがいない、あるいは死んでいるということは期待できない。

 つまりティーチは、俺にとって死亡フラグそのものなのである。後に四皇となるほどの人物に命を狙われるとか、それはもう死んだも同然だ。

 なので俺はヤミヤミの能力を得たことを黒ひげに知られてはならない、もしくはよしんば知られても守ってもらえるほど強力な後ろ盾を見つけなければならない。

 

 ……えっ、俺が自衛すればいいじゃんって? 

 絶対無理だよ!! タフネスさのない俺にはヤミヤミの能力を使いこなせないし、六式も覇気も使える気配がない。

 そこらの雑魚海賊すら倒せるようになれるかも怪しいってのに、ティーチ相手に生き延びられるわけがない。

 

 というわけで俺はどうすれば生き残る確率が最も高いのか必死で考え始めたのだった……

 

 

 

「そっちの棚も早く動かしてくれ新入り」

「はい、ただいま!」

 

 二年後、そこには海軍で雑用する立派な転生者の姿が! 

 

 というわけでどうも、あれほど死亡フラグ塗れだとディスってた海軍のお世話になってる俺です……

 勿論これには理由があって、黒ひげが手を出せなさそうなのが海軍しか無かったというだけの話だ。

 あれから二年、コソコソとヤミヤミの能力の練習をしてたけど、この前遂に人に見られてしまったのである。いくら世界を股にかける白ひげ海賊団の情報網と言えどすぐに俺に辿り着ける訳もないが、念には念を入れて即座に海軍の入隊試験を受けに行ったのだ。

 一応六式修行のために体も鍛え続けてたこともあってなんとか見習いで合格することが出来たのだが、いざという時ただの見習いを海軍という大組織が助けてくれるはずもないので、今は己の有用性を示す機会を模索している。

 一応これが成功すれば俺は海軍に重用されるに違いない、という策はあるのだが、それには能力者の敵(ただし俺の生命を脅かさないほどの強さ)と、俺の処遇を一存で決められるほどの権力者(具体的には中将以上)とのコネが必要なのだ。

 まあこれは俺にとって都合の良い、最もリスクの少ない選択肢というだけで、命をベットにしさえすればいくらでも手はある。

 

 例えば俺が自然系能力者ということを海軍に明かせば、すぐにでも本部に呼ばれて将校としてエリートコースに乗れることは間違いない。

 最低でも佐官、上手くすれば将官にもなれる夢のような未来だ。

 そうすれば独学の修行を続ける必要もなく、俺が希望すれば覇気や六式すら師匠付きで教えてもらえるだろう。

 ただ単純に強くなるだけならこのルートが一番楽だ。

 

 でもそれだと力を示せば示すほどより強い海賊と戦わなくちゃいけなくなるんだよなぁ……

 俺がヤミヤミの実を食べちゃったことで、黒ひげの白ひげ海賊団脱退に端を発する白ひげvs海軍の頂上決戦が起こるかは怪しくなったが、それでも海軍に所属する限り大きな戦に巻き込まれることはまず間違いない。

 力を得ても結果的に命を賭ける回数が増えてしまっては本末転倒だ。

 この選択肢を取るのは、黒ひげが俺の存在を察知して殺しに来るといった、のっぴきならない状況に追い込まれた時だけだろう。

 

 あくまでも「いのちをだいじに」が俺の基本戦略。

 策を実行できる機会が巡ってくるか黒ひげが俺の存在に気付くまで、命の危険のある海賊との戦いをしなくてすむよう見習いとしてヘコヘコ頭を下げ続けるつもりである。

 

 

 

 

 

 

 海軍元帥センゴクは、中将ガープとの対談に臨もうとしていた。

 ガープとは同期に入隊して以来の仲で、親友とも言える間柄だ。なのでガープとはよく司令室に呼び出して雑談もしているのだが、今回は少々いつもとは趣が違った。

 ガープの方から正式にアポを取り、見習い一人を伴って対談の許可を取りに来たのである。

 あの自由人のガープが海軍の決まりに素直に従っているというだけで驚天動地なのに、その上元帥である自分に会いに来るということはどう考えても厄介事の匂いしかしない。

 十中八九供にしているその見習いが話の焦点であろう。

 

 一体どんな話の流れになるのか……

 その優れた智謀を活かしてセンゴクが何通りもの推測を立てだした丁度その時、ドアのノックされる音がした。

 

「入れ」

 センゴクが許可を出してすぐ、無遠慮にドアが開かれる。

 

「失礼するぞセンゴク!」

「お前の言動に失礼でなかった時などないがな、ガープ」

「ぶわっはっはっはっは!! いつにもまして辛辣じゃのう!」

「お前が正式な面会の約束など取り付けるからだ! こんな珍事、明日は槍が降ってもまるで驚きもせんわ!!」

 

 会って早々激しい言葉の応酬。

 ガープの後に続いて緊張したように一人の若者が入ってきていたが、これを見て呆気にとられているようだ。

 それに気づいたセンゴクは切り替えるように一つ息をついた。

 

「コホン……見苦しい所を見せてすまないな。改めてようこそ、正義の君臨する場所、海軍本部へ」

 

 若者も元帥であるセンゴクに声をかけられ、不敬があってはならないと慌てて応答する。その手にはなにか布に被せた大きな物を抱えていて、不恰好な敬礼になってしまっていたが。

 

「お、お初にお目にかかります! かの高名なセンゴク殿にお会いできて光栄であります!」

 

 センゴクは若者の言葉に意外だと言わんばかりに眉をひそめた。

 

「どうしたガープ? お前の関係者にしては随分と礼儀正しいではないか」

「まあ此奴と出会ってまだ一ヶ月といったところじゃからのう。まだまだはっちゃけるというわけにはいかんじゃろうて」

 

 ますます眉をひそめるセンゴク。

 

(会って一ヶ月の青年のためにあのガープがわざわざ私に相談しに来る? 事はそこまで大きいというのか……?)

 

「ふむ……早速事情を話せガープ。どんな話が出てきてもとりあえずは私の胸にしまっておくと約束しよう」

 

(おそらくガープは私にこの青年と、その手に持たれた物について相談しに来た。正式な面会を要望したということは、それが誰にも聞かれたくない話だという証左、そして中将としての権限ではどうにもならないから元帥としての私を求めた、ということだろう)

 

 センゴクは一瞬でガープの目的を見抜いた。これこそがセンゴクを元帥にまで押し上げた智謀である。まあ、ガープの行動があまりにも直截で読みやすいだけかもしれないが。

 

「わっはっは! 話が早くて助かるのう! ほれ、長話になるし、せんべいと茶の用意でもせんか!」

 

 あっという間に傍若無人に振る舞うガープ。バリバリとせんべいを噛み砕く彼を見て、センゴクはまたため息をつくのだった。

 

 

 

「さて、何から話せばよいものやら……この前滞在した島に海賊が来たところからかのう」

 

「ああ、それでいい。お前に要点を絞って話せなどとは言うまいよ」

 

「じゃあそこからじゃ。その海賊はまあ懸賞金も三千万と低く、ワシ自らこれしきのことで出張るのも現地の海軍に悪いかと思って最初は大人しくしておった。だが一隻の海軍船が帰ってきて、その海賊の船長が悪魔の実の能力者だから援軍を頼むと伝えられてはジッとしておられん。

 能力によっては被害も大きくなるし、ましてや自然系の能力者なら最悪全滅する可能性もあったからのう。

 そこで意気揚々と海賊狩りに出かけた訳じゃが……儂が着いた時にはすでに海賊が全滅しておったのじゃ!」

 

「ほう……」

 

 これだけで大体センゴクには話の流れに察しがついた。

 

「察するに、そちらの若者がそれを成したというわけか」

 

「か──っ、勝手に人の台詞を取るではないわ! そんなに話の結論を急ぐならワシはもう喋らんぞい!」

 

「子供か貴様は! 分かった、もう口を挟まんからさっさと続きを言え!」

 

 分かればええんじゃと朗らかに笑うガープ。正に子供のようだが、この明るい性格故に多くの海兵に慕われているというのがガープの厄介なところだ。

 

「で、どこまで話したんじゃっけ……そう、この一人の見習い海兵が能力者有する海賊団を全滅させていたのじゃ! 

 もうそれだけでビックリじゃが、ここからが話の本題なんじゃ! 

 ワシが見たとき、丁度その船長を倒したところのようでのう……初めての戦いだったのか、遠目にも分かるほど手が震えておったわ。とにかくこの勇敢な青年を労ってやろうと船を近づけていったが、そこで此奴は妙なことをし始めてたんじゃ」

 

「妙なこと?」

 

 相槌を打つ。ここに来てセンゴクにも分からない方向に話が転がり始めていた。

 

「そう。その亡くなった船長に大きな黒い布を被せ、自らもその中に入っていきおった。あまりの奇妙さに、ワシらは近づいていく船の上から声をかけることもせずにジッと見ておった。そしてしばらくして、彼はあるものを手にその布から出てきたんじゃ。その物体があまりにもあり得なかったがために、ワシはしばらく自分の目を信じることが出来んかったし、ワシの船の者にも箝口令を敷いた。そうして急いでお前さんに相談しに来た、というわけじゃ」

 

 これがそのあり得ざる物よ、と言いながら、ガープは横の若者に持たせていた物を受け取る。布を取るとひと抱えほどの宝箱が現れ、ガープが持っていた鍵で開ける。その中から出てきた物を見ると流石のセンゴクも驚いた。

 

 それは一見するとただの果物。

 だがその皮に浮かぶ特徴的なグルグル模様だけは誤魔化しようがない。

 海軍元帥であるセンゴクですら、己の食べたものを含めて数える程しか見たことのない、正真正銘の『()()()()』だ。

 

「これを……海賊船の中にいたそこの青年が持っていた、と?」

 

「驚くのはまだ早いわい。念のためこの悪魔の実を図鑑で調べたところ、運良く載っていたんじゃ。そしてその能力は……例の船長が有していたものと同じだった!」

 

「なんだと!?」

 

 悪魔の実は、同時期に二つ以上同じものが存在することはない。なのである能力者が死ねば、その能力を持った悪魔の実が世界のどこかに新しく生まれる、というのが常識であった。

 なのに一人の能力者が死に、その能力者と同じ船に同じ悪魔の実が生まれるだと? 

 

 断言する、()()()()()

 

 センゴクは海軍を治めるものとして悪魔の実の研究成果を逐一報告されている。そんな彼だからこそ、この事態がどれだけ異常なのかを感じることが出来ていた。

 

 だが、もしもこの異常事態を狙って起こせる人物がいるならば。

 これまでの常識を覆し、悪魔の実を狙って手に入れられる人物がいるならば。

 それは確かに、中将程度では手に負えない、下手をすれば元帥である自分にすら手に余る出来事だと、センゴクは混乱に襲われた頭でも冷静に捉えることが出来ていた。

 

「ホレ、そろそろお前も話さんかい。約束通りセンゴクに会わせてやったし、どういう理屈でこの悪魔の実を手に入れたのかとっとと説明するんじゃ」

 

「……分かりました。自分としても、そこを説明しないと始まらないので」

 

 ようやく口を開く青年。

 ガープの言葉を聞く限り、この青年には自分に何か要求したいことがあるから今まで己のことを誰にも話さなかったのだとセンゴクにはすぐに分かった。

 

 なにせこんな能力があるなら、さっさと海軍の誰かに話してしまえばいい。それが彼にしか出来ないことか、あるいは誰にでも出来ることなのかは分からないが、こんな大発見をしたのなら海軍で粗雑に扱われるはずがないのだ。

 彼が未だ見習いの身分であること、中将であるガープが近くにいる時に初めてその能力を見せたことを合わせて考えれば、彼は最短距離で

 元帥である自分に辿り着きたかったのだとすぐに分かる。

 

(中々考えて行動しているようだ……さて、一体何を求められるやら)

 

 センゴクは気を引き締めなおす。

 今この時だけは、彼を年若い見習い海兵として扱わず、対等な取引をする好敵手として見るために。

 

 

「まず言いたいのは、自分がヤミヤミの実の能力者だということです。図鑑にも載っていますが、これは自然系の能力の一つで、色んな物を引き寄せることが出来ます。それが例え物であろうと、人であろうと……そして、悪魔の能力だろうと。

 そうして引き寄せられた能力者は、私が触れている限りその能力を使うことは出来ません」

 

「それは……凄まじい力だな」

 

 センゴクは素直に感心する。

 自然系は特別強力ではあるが、悪魔の実の能力それ自体に干渉するとは、中々に異質な力だ。

 

「ええ。まあ戦闘ではそのように使うのですが、重要なのはその後です。もし能力者が死んだ場合、死後間もなくであれば……このヤミヤミの力でその能力を引き出すことが出来るのです! 

 そのようにして私はあの海賊から悪魔の実を奪い取ることが出来ました」

 

 絶句する。

 他人の能力を奪うことが出来る能力だと? 

 そんなもの……まさに反則ではないか! 

 

「とはいえ、悪魔の実を取り出したところで自分で食べることは出来ませんから、売るか誰かに食べさせるかくらいしか使い道は有りません。もしかしたら、図鑑にこの奪う能力のことが書かれていないのはそのせいかもしれませんね」

 

 確かに、実際に奪い取る所を見てなければ俄かには信じられないだろう。悪魔の実を売るのも、仲間が悪魔の実を食べるのも、この『偉大なる航路』では容易く起こり得ることだ。図鑑製作者がこの能力を知らなかったのも無理はない。

 

 センゴクはそう捉え、この青年が嘘を述べているわけではないと信じることにした。

 なにしろ、そうでもなければ目の前の人物が悪魔の実を手に入れたことの説明がつかない。

 こんなとんでもな事態を起こしたのは同じ悪魔の実の能力によるものだというのは、むしろ納得のいく話であった。

 

 

「ああ、あと私が倒したのは能力者の海賊一人のみ。他の海賊は私の先輩方が倒してくれていました」

 

 まあそれはヤミヤミの実の話と比べればどちらでもいい話だ。

 それでも言わずにいられなかったのは、海軍の仲間達の名誉を慮ってだろうか。

 少なくともその誠実さに、センゴクは好感を抱いた。

 

「話は分かった。君の話を信じることにして、二つ質問に答えてもらおう。

 何故、見習いとはいえ海兵である君がそれを今まで海軍に隠してきたのか。

 そして、その能力を明かした今、君は何を求めているのか。

 これに答えられれば、恐らく私は君の期待に応えられるだろう。

 逆に黙秘する場合……君は、この部屋を生きて出ることは出来ない」

 

 他人の能力を奪う能力なんて、その使い道はいくらでもある。

 上手く使えば海軍にとってこの上なく益になるだろうが、逆に海賊に彼の身が渡れば、彼は最悪の害になるだろう。

 

 だからこそ虚偽は許さないとばかりに、センゴクは彼を睨め付けるのだった。

 

 

 

 

 うおぉー! 遂にここまで来たぜぃ! 

 ガープが近くの町にまで来ていると聞いた時、これぞ千載一遇のチャンスだと踏んで無理して海賊に挑んだ甲斐があったわ。

 三千万ベリーの海賊とか正直勝てる気がしなかったけど、色々と運が良かったのだ。

 見習いだからお前は船で待っとけと言われ、こっそり戦況を眺めていたら、ほとんどの雑魚敵達は海兵の皆さんが倒してくれてた。

 そして相手の能力者船長さんだけが孤軍奮闘して海兵の皆を蹴散らしてるのを見て、今こそ俺の出番だと悟った。

 なにせ銃弾一発で死ぬ俺だから、認識出来ないところから撃たれたらその時点でジ、エンド。

 だからタイマンじゃないと俺は戦場に出る気は無かったし、もしタイマンだとしても、相手が能力無しでも強そうなら(なんなら武器を持ってるだけでも)逃げる気満々であった。

 幸いその海賊は、俺に触れられて能力が使えなくなると唖然とする愚か者だったので、俺でもあっさり勝てた。

 まあもし駄目だったら近くまで来てたガープに任せればいいやという心の余裕が俺の身体を軽くしたのかもしれない。

 だがどんな理由であろうと、初めての鉄火場だというのにちゃんと格上の能力者を倒すことが出来たのだから、俺にしては上出来が過ぎる。

 

 

 

 そして他人の能力を奪うっていうのが出来るかは正直ぶっつけ本番だったが、勝算がないでも無かった。

 

 まず一つ目、ヤミヤミの能力で他人の能力を奪うことが出来るのか? 

 

 原作では明言されてなかったし、黒ひげのオンリーワンな能力な可能性もあったが、黒ひげが何十年もヤミヤミの実に執着してるのを考えるとこういう力があったからだと考えた方がむしろ納得がいく。

 一応理屈としても、『ヤミヤミの能力は、悪魔の力さえ引き寄せることが出来る』と言われてたから筋は通らなくもない。

 なにより、能力者の死体を目の前に、なんか出来そうという感覚があったことが一番の決め手となった。

 

 次に二つ目、どういう形で悪魔の力を引き寄せるのか? 

 

 これは原作で黒ひげが『能力者狩り』をして、仲間にその能力を与えていたことから殆ど分かっていた。

 つまり、能力を悪魔の実という形で取り出し、それを仲間に食べさせたのだろうということは予測が付いていたのだ。

 もしそんな描写がなければ、黒ひげのような異形の身体を持たない俺が二つ以上の能力を得ることなど出来るはずもないので、試すことすら考えなかった。

 悪魔の実として取り出すのでなければ、図鑑にこの奪う能力について書かれてなかったことも納得がいくしな……黒ひげ以外は二つ以上能力を得られないのだから、実質意味の無い能力だから書く必要がないってことだし。

 だが奪い取った能力を他人に分けることが出来る、そんな風に原作で説明されていたからこそ、奪った力が俺にすぐさま宿って爆発四散することはないと安心できたのだ。

 

 こういった理由で、能力者の海賊と戦うというリスクを冒してでも能力を奪う実験をするだけの価値があると踏んだ。

 この能力の最も重要な部分は、「敵と戦う」以外にも悪魔の能力を活かすことが出来るというところだ。

 普通の悪魔の実を食べたところで、その能力は大抵戦闘にしか使えない。自衛をするという意味ではそれで十分かもしれないが、戦闘に巻き込まれてしまうのならいつかは不覚を取って死ぬ日も来るだろう。

 だが、死なないことが目標の俺としては、たとえどれだけ強くなれたとしても戦闘そのものが避けるべきものだ。

 そういう意味では、戦闘以外に活路を見出せるヤミヤミの能力は俺にうってつけだったとも言える。

 そのためならば、黒ひげに命を狙われるというのも必要なリスクだったと思え……思……やっぱ思えねーよ! 

 やっぱり普通の能力で『東の海(イーストブルー)』あたりでノンビリ無双したかったわ! 

 

 ……まあ、上を見ればキリがない。

 ヤミヤミの実を食べたのも、海軍に入ったのも、これから海兵としてこき使われるのも甚だ不本意だが、これが今俺に出来るベストだったと信じよう。

 後はセンゴクさんの問いに間違えた答えを返さなければ、待っているのは悠々自適な海兵生活だぜ! 

 

 

「何故今まで隠していたか、ですか。正直、言うメリットが無かったからです」

 

「メリット、だと? 海軍での栄達はメリットになり得ないと言うつもりか?」

 

 これは罠だな。肯定すれば海軍に協力する意識が薄いと取られる。

 

「いえ、まさか! ただこの実の能力には致命的な弱点があるんです。ヤミヤミの能力は、自然系としては珍しいことに攻撃を受け流すことが出来ません。

 センゴク殿にはお分かりでしょうが、私自身の身体能力は下の中といったところなので、まるでヤミヤミの能力を活かすことができないのです。

 戦場に出たところであっさりとやられることは目に見えているのに、能力者であることを明かしてしまえば海賊と戦わないなどという我が儘は通じないでしょう。

 だからこそ、私は私のために、黙っておくしかなかったのです」

 

「ふむ……だが、その能力を奪う力はどうなのだ? 

 これを明かしてしまえば、海軍が君を命の危険のある場所には行かせるはずがないことなど分かっているだろうに」

 

 これは実際その通りで、最初は俺のいた島の海軍支部で最も偉い人に明かそうかとも考えた。だが……

 

「不思議なことに、私は自分の能力をまるで理解していませんでした。能力者の死体を目の前にして初めて、もしかしたら能力を奪えるかもしれないと感じたのです。それまで私はヤミヤミの能力を、対能力者特効の力だとおもっていました」

 

 一応嘘ではない。

 原作には黒ひげの能力を奪う方法は原作で明示されていなかったから、ヤミヤミの能力がそれだったのだと俺自身実際に体感するまでは確信が持てなかった。ただ予想はしてたから実験する気になったというだけである。

 

 そしてこれは言わないが、海軍支部に伝えたとしたらそこからセンゴクの所まで情報が届くのに何人経由するか分からなかったというのが一番大きな理由である。

 多くの人に知られれば知られるほど、黒ひげにまで情報が届く可能性が高くなるのだ。

 俺がそこまで黒ひげを警戒してる理由を聞かれてもこの世界の人には理解できないので、言うわけにはいかない。

 

 精々言うとしても、「海賊にヤミヤミの能力を知られる危険性を減らすため」くらいだろうか。

 まあそれはそれでお前は海軍の仲間を信じてないのか、となるのでやっぱり言うわけにはいかない。

 

 そういう意味で、センゴクと伝手を持ち、部下に箝口令を敷けるほど慕われているガープは俺の能力を教えるのには最適だった。

 

 彼が来ていなければ、そもそも海賊に挑もうとすら思わなかったし、ガープは俺の人生の恩人と言っても過言ではない。

 

「ほぅ……まあ、いいだろう。では二つ目の質問に答えてもらおう」

 

 あ、あれ? 俺なんかミスっちゃったか? 

 なんかひっかかりを覚えてるみたいなんだけど……

 まあとりあえず見逃されたみたいだし、さっさと答えてしまおう。

 

「私が求めるもの、ですか……先程の話を聞いてもらってお分かりでしょうが、私は自分の命が何よりも大事なのです。もちろん一人の海兵として一般市民を守りたいと思っていますが、自分の命を賭けてまで、となるとクビを傾げてしまうくらいの思いでしかありません。

 支部の方にもそれを見抜かれて、見習いのままだったのでしょう」

 

 ここはあえて正直に言う。小さいことなら誤魔化せるかもしれないが、俺の願い、俺という人間の芯に関わることを騙せるはずもない。

 

「そして今回のことで私は、自分の天命を知りました。

 聞けば、インペルダウンには多くの極悪な海賊達が囚われているとか。

 生死を問わず懸賞金をかけられた彼らが、何故監獄の中とはいえ生きながらえているのか……ずっと不思議でしたが、つまりこういうことでしょう? 

『使い方によっては悪逆の限りを尽くせる悪魔の実を外の世界に流出させないため』」

 

「……そうだ」

 

 重々しく頷くセンゴクを見て、俺は自分の推論が正しいことを知った。

 インペルダウンに囚われている囚人の多くはかなりの懸賞金をかけられており、捕まえるのに『デッドオアアライブ(生死を問わず)』とされているほどだ。

 当然それだけの悪逆非道を成すにはかなりの能力が必要で、そしてその多くは悪魔の実の能力によるものである。

 

 そんな奴らさっさと処刑しちゃえばいいじゃん、と思うが、そうすると不都合が出るのだ。

 

 そう、また世界のどこかに悪魔の実が生まれてしまう。

 

 この事実がある限り、インペルダウンの囚人を軽々しく処刑することは出来ない。

 インペルダウンで海楼石の手錠を掛けられてる限りその能力者は無力だが、外の世界に実が流出してしまえばまた非力な民が犠牲になる可能性が生まれてしまう。

 そんな悲しみの連鎖を、俺なら終わらせることが出来るのだ。

 

「私がいれば、そんな心配は無用です。処刑したばかりの囚人から、悪魔の実を取り出すことが出来る。

 そうして取り出した悪魔の実は、センゴクさんが管理するか、あるいは有望な海兵に与えるのもいい。

 それこそが私の天職なのだと直感しました。

 私は私の命を危険に晒すことなく、海軍にもこの上なく貢献出来る。

 これが私の最も求めるものです!」

 

 これぞ俺の考えた一世一代の策。

 ルフィ以前には侵入者を許したことのないインペルダウンなら俺はこの世で最も安全だと言えるだろうし、マゼランがいればもし黒ひげが侵入してきても勝ってくれるだろう。

 あと心配なのはシリュウくらいだが……まあ彼は囚われるまでは囚人しか殺してなかったし、それでも不安なら彼には俺の存在を伝えないようセンゴクに頼むのも良いかもしれない。

 

 さあどうだ! 

 センゴクさんも俺が万が一にも死ぬことは避けたいだろう。

 俺が生きてる限り、海賊側の能力者は減り続け、海軍の能力者は増え続けることになるんだからな! 

 これでダメなら、もう俺に平穏な生活を送るなんてことはできっこない。

 

「……よし、貴君の願いは分かった。

 貴君は私直属の部下として階級を与え、インペルダウンに出向してもらうことにしよう。特例ではあるが、おそらく先方も同意してくれるはずだ。

 そして君の秘密の任務を知っているのはここにいる3人に加え、インペルダウン署長のマゼランだけである。これで良いな?」

 

 さ、さすがセンゴクさんや……! 

 何も言わずとも、俺の能力を知る人物を限定してくれた。

 流石に世界政府には知らせなくちゃならないだろうが、この言い方ならそれが俺だとまでは言わないかもしれない。

 俺一生センゴクさんについて行きますわ! 

 

「寛大な処置、痛み入ります。精一杯、正義のために尽くさせていただきます!」

 

 思わず頭を下げてしまう。

 ずっと一人で抱えてきた計画だから、こうして実際に協力してくれる人に出会えると感動しちゃうよ。

 

「よし、いけ。とりあえずこの本部を見て回るといい。

 恐らくこれから何度も訪れるようになる場所だ」

 

「はっ、失礼します」

 

 俺は敬礼して退出する。

 

 ……やった──! これで俺の命は守られたも同然や──! 

 

 

 

 

 

「良かったのかセンゴク? ああもあっさりと許可を出しおって……

 まだ身辺調査すらしておらぬというのに」

 

「それで言うなら革命家を息子に持つお前を真っ先に除名せねばならんな」

 

「ぶわっはっはっはっは!! こりゃ一本取られたわい!」

 

「……まあ、数年見習いとは言え海軍で勤めることが出来たのだ。恐らくその性根は善なるものだろうさ。

 それにあの能力は手放すには余りにも惜しい。少々無理難題を言われても飲むつもりだっただけに、逆に拍子抜けしたほどだ。

 全く不安が無いとは言わないがな……」

 

「なんか歯切れが悪いのう? ホレ、その不安とやらを言うてみい」

 

「……二つある。

 一つは、あれほど死を疎んでいた彼が、何故例の海賊に挑む気になったかだ。

 能力者相手には滅法相性の良い能力を持っているとは言え、お前が近くの海にいたことは彼も知っていただろう。

 まるで、その海賊に挑む必要があったかのような……」

 

「……フム。そう言われると不自然ではあるのう。

 援軍が来るまで隅で震えている方が想像がつくわい」

 

「まあ、これはいい。恐らく何かを隠しているのだろうが、彼は嘘は言っていなかった。

 人間隠し事の一つや二つあるものだし、彼の己の命への執着と、海軍への貢献への想いは決して嘘ではなかった。つまり、私達が彼を保護する限り間違いなく彼は味方だ」

 

「なるほどのう。ならもう一つはなんじゃ?」

 

「……始めに言っておくがこれは私の信条にしか過ぎない。

 私は相手が海賊であっても、あるいはどんなに強大な相手でも、民の平和を守るために己の命を懸けられる者こそが真の海兵だと思っている。

 そういう観点では、彼は海兵として全く相応しくないとすら思ってしまう……

 だが海軍のため、ひいては全世界の人々のため、彼が海兵として貢献出来るのは確かだ。

 その矛盾がいつか、大きな問題を引き起こすのかもしれない。

 そんな漠然とした予感が頭を離れないのだよ」

 

「な──んじゃ、そんなことかしょうもない」

 

「ほう、ではガープ。なにか解決策でもあるのか」

 

「そんなの単純じゃ! 奴が海兵に相応しくないのなら、相応しくするまで! ワシ自ら、海兵魂を叩き込んでやるわい! わーはっはっはっは!!」

 

「……気の毒な若者だ。こうなったガープは私でも止められんぞ」

 

 彼が海賊との戦いより命の危険を感じるガープレッスンの存在を知るまで、あと三日。




なおガープさんによる海兵心得レッスンの成果
エース→海賊
ルフィ→海賊
これは……ギリギリいけるか?

あと言うまでもなく「黒ひげが悪魔の実の能力を奪えるのはヤミヤミの実のおかげ」というのは独自設定です。
ついでに何故インペルダウンの極悪な囚人達が処刑されずに済んでいるかについても独自設定です。
今回のネタを思いついて投稿するかは迷いましたが、近い未来黒ひげの謎についても明かされる日が来るんだろうなぁと思うと、誰にも知られずこのネタが消えていくのはなんか悲しくなったので投稿しておきます。
ぶっちゃけ供養のようなものです、ええ。


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