ようこそ才能至上主義の教室へ   作:ディメラ

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この世界は

 

 

 

 放課後の時間、僕と伊吹さんはカフェまでの道のりを一緒に移動していた。

 向かうカフェは昨日交渉に利用した店ではなく、また違った場所。人気がないというより、値段が高く、雰囲気が大人びている事から入りづらい隠れた名店と呼べるカフェだ。

 休日の暇潰しで散歩をしていたことからこの学校の敷地内にある全ての場所は把握している。

 入学してからそろそろ一年。人通りの少ない場所やそれっぽい雰囲気の店は知識として修めるには十分な時間があった。

 

「それにしても変な話よね、あんたのお兄さんが私の夢に出てくるなんて」

 

 入店して席に進めば、僕たちは向かい合って座る。飲み物を頼んでから一息ついた後、彼女は夢の話を始めた。

 僕たち以外にも客はいるが、距離と店内のBGMもあって声が届くことはない。気楽に話を進められる、店選びは正解だった。

 

「夢なんて非現実的なものでしょう?」

「まぁ、確かに。でも、知りもしない奴が明確な意識を持って話してたんだよ。あれって、私の妄想?」

「可能性はあります。僕に不満を持ったあなたがこうなって欲しいという願望が具現化した結果が……偶然、僕の兄とそっくりだった」

 

 僕は適当に話を合わせる。

 それが自分と同一人物で、おそらくこの世界を管理している人間とは言わない。

 そう言えば、余計な混乱を招くと理解している。

 

「なるほどね。でも、あんたのお兄さんとの会話、基本ノイズだらけで何言ってるかわからなかったんだよね」

「ノイズ?」

「うん、何か昔のテレビがザーッとなって映らなくなった感じ。後は……、世界の傍観者って名乗ってたかな」

 

 ノイズばかりの会話。世界の傍観者。

 言葉通りに受け取れば、日向創との会話はノイズばかりで聞き取れなかったこと。世界、すなわち新世界プログラムの管理者としてこの世界を見守っている可能性が浮上する。

 しかし、断定はできない。情報があまりに断片的すぎて、推測するにはピースが足りない。

 

「他には何を言っていましたか?」

「他は……うーん、あんたと仲直りしろとか、あんたを頼んだとか?」

「……あなた、僕を独占でもしたかったのですか?」

「はっ、はぁ!?」

「夢はある種の願望。話を聞く限り、あなたは僕を独占するために兄を妄想し、そこから籠絡しようとした。そんな少女漫画のような夢にしか思えないのですが」

 

 そう言えば、染まった頬の赤がさらに広がる。

 恋愛と言うか、性知識が幼い彼女には少し揶揄いが過ぎましたか。

 

「馬鹿言うな! 私は別にあんたを独占したいなんて思ってないわよ! むしろ、この夢見た時は無人島試験のこともあってあんたに不満タラタラだったわよ!」

 

 彼女は頬を染めて、金切り声を必死にあげた。

 やはり、接触した時期は夏休み最終日付近。既に5か月近く経過している。

 

「逞しい想像力ですね」

「うっさい! 人を痛いやつみたいに言いやがって!」

「それで、他にどんな事が印象に残っていますか?」

 

 伊吹さんはツンとした態度でこちらの顔を見ない。

 不貞腐れた表情は横からでも分かるので、僕は対処を進める。

 プリンを注文する。すれば、文句ありげな顔もだんだんと普段の無愛想な表情に変わっていく。

 

「……後は、夢から覚める時にあんたが龍園と喧嘩した時のような恐ろしい雰囲気をすっごい感じた」

 

 彼女は渋々と語りだす。

 龍園くんと喧嘩したのは入学してから1度だけ。

 その時の恐ろしい雰囲気と言えば、超高校級の絶望の才能。

 夢の中でこれを感じたとなれば、少々話が変わってくる。

 

「その雰囲気は僕の兄が放っていたのですか?」

「いや、何か女の笑い声が聞こえて、その女の雰囲気があんたの見せた雰囲気にそっくりだった。ドス黒い女って感じ。顔は分からないけど」

 

 キーワードが追加された。僕は出来の良い脳みそを高速回転させ、答えを推測する。

 絶望の雰囲気を持った女、笑い声だけで気の強い伊吹さんが恐れる女、そして日向創の存在。

 つまり、

 

 

 ────超高校級の絶望が、この世界に干渉している? 

 

 

 伊吹さんの言う女は超高校級の絶望、江ノ島盾子の可能性がある。

 彼女が伊吹さんの前に現れる理由は何だ。現れようとしたところに日向創がいたのは偶然か、それに彼はまだ江ノ島盾子と戦っているのか。

 そもそも、この世界は一体何を目的にして作られたのか。誰の、何に対するプログラムなのか。

 

 何より、どうして僕はこの世界に存在しているのか。

 

 その存在理由を説明していないのはなぜか。自分がアルターエゴならその使命も分かるはずだが、そんな記憶は見当たらない。

 不可解なことが多すぎる。

 だが現状、江ノ島が関わっていると仮定するならば、この世界に異常があることは間違いない。

 だから、僕がこの世界にいる説明がないのも、対応に追われている可能性がある。

 

「てかさ、なんでそんなに私の夢が気になる訳?」

 

 届いたプリンを口に運びながら彼女は問う。

 睨んでいるような鋭い目付きは潜み、柔和な態度へ変わってきた。分かりやすい性格だ。

 

「次の特別試験が開始するまでの約1か月、そこには何もない。だから、退屈しのぎにオモシロそうなことはとりあえず聞いてみているんですよ」

「あぁ、未知オタクが爆発しているってわけね」

 

 彼女は都合よく解釈してくれる。

 決して、僕の嘘に気付かないふりをしている訳ではない。

 そもそも彼女にそんな器用なことはできない。そこが彼女の長所でもある。

 

「他には何か気になったことはありますか?」

「後は特にないかな。かなり前の事だから、忘れちゃってる部分もあるしね」

 

 世界の調査をサボっていたつけが出た。

 こればかりは僕の責任。彼女を責めることはできない。

 

「時期は、夏休み最終日あたりですね」

「そ。というか、プールで遊んだ日の前日」

「なるほど、あなたが僕と話す覚悟が決まった裏には彼がいたのですね」

「……夢で覚悟を決まったのも変な話だけどな」

 

 伊吹さんは思い出に浸りながら感慨深い笑みを見せる。

 それでも、あの時の未知が見れたのだから僕としては満足だ。

 凡人の友人を獲得できた。そこは日向創に感謝しても良いかもしれない。

 

「ねぇ、この後映画に付き合ってよ」

「構いません」

 

 話が終わったことを感じ取った伊吹さんは僕を誘う。

 偶には暇潰しに彼女と時間を過ごしても良い。そう思えた。

 

 

 

 ──────

 

 

 

 翌日、僕は1人でケヤキモールに来ていた。

 僕のように部活に入っていない生徒の土日は休日、大抵は暇な時間を持て余している。

 僕も例外ではなく、課題は既に終わり、遊ぶ相手もいないので時間は自由に使える。

 だが、今はこの世界について調べるという目的がある。

 今日は普段の休日と違い、散歩をしたり、引きこもって才能の無駄遣いをしない。

 伊吹さんや櫛田さん、綾小路くんの父親という前例が現れた以上、他にも日向創に接触している人物やこの世界について知る人物がいてもおかしくはない。

 つまり、手がかりを少しでも増やすためには、様々な人との接触が重要だと判断できる。

 

(現状、ただの1人ショッピングになっていますが)

 

 ケヤキモールに来てから約1時間。

 徘徊するだけでは不審者なので、ショッピングを行っていた。

 購入した物品は複数の電子器具と解体道具。これらを買った理由はこの世界に干渉する道具を作るため。

 超高校級の発明家、メカニック、エンジニアの才能を使えば造作もない。

 今日だけで約10万ポイント飛ぶだろうが、これは必要な出費だ。

 

(もっとも、世界に干渉する道具が使用できる確率は良くて半分ですが)

 

 日向創が世界を治めている以上、兵器の類や殺傷に関することはセーフティが掛かっているはずだ。

 そのため、作った道具は完成しても正常に作動しない可能性がある。

 セーフティの解除に力を入れてもいいが、それは僕の才能が作ったプログラムを攻略する必要があるので時間がかかる。だから、この攻略は一旦後回しだ。

 そしてもし、この世界に干渉する道具を作って正常に作動できれば、それは状況が芳しくないサインだ。

 江ノ島盾子の存在が推測できた以上、日向創は彼女に手こずっていることが窺える。

 よって、その状況ならば僕は日向創、あるいは外の人間に接触する。

 

(道具が完成しようがしなかろうが僕の利益になる。なら、やらない理由はない)

 

 完成すれば接触、しなくても世界に危機がない事がとりあえず分かる。

 接触方法なんてそれこそ腐るほどあるので、気長に進めればいい。

 ツマラナイ絶望に協力する気はないので、今回は彼の力になってあげましょう。

 むしろ、この世界の被験者と思われるこの世界の住人の中には僕と関わった人間がいる。

 ならば、そちらの救助を優先するべきでしょう。

 

「やぁ、後輩」

 

 思考に耽りながら歩いていた僕を、聞き覚えのある声が呼ぶ。

 その声の方を向けば、案の定、2年Bクラスの鬼龍院楓花が堂々とした歩みで寄ってきていた。

 僕は以前のように逃げる姿勢を見せず、立ち止まる。

 

「久しいですね、先輩」

 

 凛とした雰囲気と特徴的なルビーのような赤い瞳。

 私服に身を包んだ彼女は、不敵な微笑みと共にこちらを観察する。

 

「本当に久しぶりだ。以前話したのは夏休み以来、その間に君は随分と有名になった」

 

 淑女には程遠いが、落ち着きのある雰囲気で彼女は告げる。

 有名になった要因は混合試験。話の切り出しにはちょうど良い話題だ。

 

「2年生の事情なんて僕からすればどうでもいい。全ては、敗北した南雲雅が悪い」

「フフ、やはり君は面白いな。あの時、強引にでも君を探求するべきだったと後悔している」

 

 探求。以前もこの言葉を使っていたが、ただの分析が大袈裟な言い方だ。

 

「立ち話もなんだ、少しお茶でもしないか?」

「構いません」

「おや? 今回はすんなりと誘いを受けてくれたな」

「今日は暇なので」

 

 僕たちは立ち話を止めて移動する。

 時間は昼時。カフェではなく、しっかりとした食事のある場所を提案する。

 彼女も同案らしく、行きつけのイタリアンに案内してくれた。

 店内は落ち着いた電球色の明かりが満たされ、優雅な雰囲気がありながらも非日常を演出している。

 洒落っ気がある内装から料理の値段が懸念となったが、メニューを見ればそれも収まる。

 行きつけにする理由は理解できた。

 

「ところで、君は2年が今どういう状況だか知っているか?」

 

 席について食事を頼んだ後、彼女は話題を提示する。

 

「南雲雅が停学してAクラスが一強ではなくなったことから膠着状態に変わった。それによって、下位クラスが躍起になっている」

「概ね正解だ。強いて言うならば、激しいクラス抗争が始まろうとしている。まさに、戦争の準備段階だ」

 

 混合試験終了後、南雲雅が多大な罰を受けたのは聞いた。

 僕の目的は生徒会から彼を排除すること。これによって、当分彼から僕たちに手を出せない。

 再統治のために必死に戦い、元の地位に返り咲くための準備に入る。

 そして、その後、もう一度僕に挑みに来るだろう。

 その時こそ彼からポイントを毟り取る機会。もしそうならなかったら……、それはそれでオモシロイ。

 

「僕には関係のない話です」

「いいや、君にも関係のある話さ。この現況を作った人物である君にはね」

 

 彼女は勿体ぶって告げる。

 

「この混乱した状況を喜ぶ者、憎む者。どちらもこれから君に接触してくると思わないか?」

 

 それは考慮している。特に、後者の方は必ず現れる。

 努力して1位の座を獲得していた2年Aクラス。しかし、たった1人の1年によって地獄へ引きずり落とされた。

 そこから生まれる恨みは凡人らしく八つ当たりの動機へと変わる。

 だが、何も問題ない。たとえこの八つ当たりがクラスに広がっても、今の龍園くんならば対処できる。

 

「喜ぶ者には会話を、憎む者には適切な対処をするだけです」

「では、私とは会話をしてくれるわけだ」

 

 自分を喜ぶ者として捉えている鬼龍院さん。

 彼女は2年Bクラスの生徒。南雲雅の罰によって2年Aクラスはクラスポイントを-300されたことで、Bクラスは大幅に差を縮められた。

 すなわち、Aクラスへ王手をかけている。

 

「何にもせずにAクラスへのチケットが手に入ったことで、私のクラスでは君への感謝が止まらなかったぞ」

「感謝は不要です。成り行きですから」

「それでもだ。南雲の支配に抵抗する者が増え、Bクラスの士気は最高潮。諦めた人間の顔を見るよりかはましだろう?」

 

 辛気臭い表情の人間よりは笑った人間の方が視界に入れて不愉快な気持ちにはならない。当然の理由だ。

 

「私としても、クラスが勝てば小遣いが増えるので嬉しいことしかない。改めて感謝するよ、後輩」

「そうですか。では、今日は先輩の奢りで良いですか?」

「フフ、この私にたかるか。良いぞ、ここは先輩として奢ってやろう」

 

 彼女は頼られることが存外嬉しいようで、すんなりと了承した。

 収入が上がったことで余裕があるのだろう。超高校級の妹の才能を使う必要はなかった。

 

「ところで、先輩。この写真を見てどう思いますか?」

 

 話に一区切りついたので、僕は話題を変える。

 携帯を取りだし、写真ホルダーにある一枚の写真を彼女に見せた。

 

「ふむ、白い髪をした君かな? 兄弟か?」

 

 見せたのは日向創の似顔絵。写真に収めて、いつでも見せれるように準備は済ませている。

 

「はい、僕の兄です。今、僕は彼のように白く髪を染めるか迷っているのですが、あなたの意見を1つの参考として聞きたくなりました」

 

 もちろん、髪を染めるというのは嘘。適当な話題提示に過ぎない。

 これに彼女が不審な反応をするかどうかが目的だ。

 

「言うまでもなく白だな。瞳の色も兄のように薄くすれば、私とお揃いだぞ?」

「あなたと一緒になりたい訳ではありません」

「照れるな。ペアルックを嫌がる必要はない」

「僕とあなたは恋人関係ではありません」

「フフ、冗談さ後輩。そんな冷たい目を向けないでくれ。怖いじゃないか」

 

 1mmも怖がっていないくせに、彼女はそう言う。

 ここまでの態度で彼女らしからぬことはない。今まで通り、自分よがりな性格が前面に出ている。

 このことから、鬼龍院楓花は白。この世界の事や日向創を知らない無関係な人間だ。

 

「しかし、後輩。私は冗談ではなく、本当に君のことを気に入ったぞ。堀北学や南雲など比べ物にならない実力、何より纏う空気が違うと私は感じた」

「それで?」

「私は君をもっと探求してみたいと感じた。もっと君のことを色々と教えて欲しい」

 

 鬼龍院さんは僕の頬へと手を伸ばす。

 僕の全てを知りたいという強欲を表情に出力し、決して掴めない希望へ指を当てる。

 人から生じる温もり。

 世界有数の研究者達が伸ばしていた手には、このような純粋な意志と慈愛なんてなかった。

 

「抵抗しないのか?」

「敵意を感じませんから」

 

 彼女は意外そうに笑い、手を引いた。

 悪ふざけがすぎた、そう謝罪を口にすれば、彼女はまた話題を変えた。

 

「今日は買い物をしていたようだが、何を買ったんだ?」

「電子器具を多少」

「電子器具を? これまた奇妙な買い物だな。何か工作でもするのか?」

「そんな所です。自作PCを組むくらいの認識をしてください」

 

 何を作るかは言わない。勘ぐられては面倒です。

 

「占いといい、工作といい、君は多才な人間だな。噂によれば、料理もできると聞くが?」

「その才能も持っています」

「……才能、か。努力によって調理を学び、技術を身につけたんじゃないのか?」

「そんなイメージが僕にあるのですか?」

 

 質問に質問で返せば、彼女はないと断言した後、上機嫌に笑う。

 

「だが、誰だって努力はする。才能を持っている人間もその才能を磨き、懸命な努力によって一流になる。違うか?」

「違いません。しかし、僕の人生に努力で磨いた跡は一つたりともありません」

「なるほど。それが事実なら、君はより高いレベルに手を伸ばせることになる」

「これ以上、僕の才能を昇華させる必要はありません」

 

 僕が冷たくあしらっても、彼女は一向に顔を顰めない。理性を先行した興味が僕という存在に向けられている。

 

「才能に愛された人間、君はこの言葉の代名詞のような人間という訳か。恵まれた両親の元で育ったのかな?」

「恵まれてはいたでしょうが、あくまで一般の延長だと思いますよ。両親に卓越した才能なんてありませんでしたから」

 

 日向創はカムクラプロジェクトを受けることを理由に予備学科に通えた。

 高すぎる予備学科の学費を簡単に支払える家庭ではなかった。

 

「すまない。無粋な質問だった。許してくれ。才能に恵まれた人間が突発的に現れるとは思えないタチなんだ」

「気にしていません」

 

 謝罪には誠意が籠っていた。

 傲慢な性格が目立つ彼女だが、高円寺くんと比べれば、慈悲深い為政者を連想させ、良心的な人間に思えた。

 

 この後も、彼女とくだらない雑談を続け、食事を楽しんだ。しっかりと奢ってもらった後、僕たちは解散した。

 

 

 

 

 

 

 

 鬼龍院さんと解散した後、僕は足早に自室に戻る。

 購入した工具と電子機器の山、これらをまず分解する作業。

 適切な施設や機械がなく、一般的な工具と手作業で分解と再構築を行わなければいけないので、流石に時間がかかる。

 そう予想していたからこそ、全開で才能を行使していく。

 完成図は頭にある。後は、黙々と作業していれば、いずれ完成する。

 失敗はしない。あらゆる才能が許してくれない。

 そのまま手を動かしていけば、1時間ほどで世界に干渉する道具は完成する。

 

「装飾は……必要ありませんか」

 

 その形は1m程のステッキ。かつてウサミが持っていたファンシーなステッキではなく、英国紳士が持つような黒いステッキだ。

 もちろん、“らーぶらーぶ”などと言わなくても世界に干渉できるように調整しました。

 

「さて」

 

 僕はステッキの先端を持ち、空中に向けてかざす。

 その体勢を5秒ほど続けるが変化はない。

 作りは完璧。動作チェックも正常に動いていた事から、セーフティに引っかかっていることを理解する。

 

 

「つまり、日向創は問題なくこの世界を運営できているという訳ですか」

 

 

 僕はステッキを地面につき、姿勢を崩す。

 無駄な浪費だったことに苛立ちはない。失敗したという事実がこれ以上ないほどにオモシロイ。

 また新しい方法を模索できる。その検証が続くことを楽しみにすらしていた。

 

 

 




伊吹とカムの絡みはchapter4.5でやりました。うわぁ、何年前だろう。
投稿再開して早速世界観に切り出してすみません。chapter9はこうやって日向くんの痕跡集めしてきながら原作キャラとちょっとだけ絡んできます。chapter9の文字数は平均6000字くらい。

カムクラ⇒主人公。なんで自分がこの世界に存在しているか不明。気付いたらこの学校の入学手続きが完了していて、流れるまま入学して、おもろいこと求めて学校生活中。世界の詳細なんて調べようと思えばいつでも調べられちゃうが、特別試験や学校生活をつまらんつまらん言いながらも優先している。で、やっとまとまった時間が取れたから調べ始めた。
原作のカムさんと比べて、だいぶ性格が柔らかい。(スーロン2終了後の状態なので、絶望より希望の方がおもろいってなってるのが大きい。こいつが初期状態のままなら伊吹と絡まないし、龍園に興味すら湧かない)
能力も世界観に合わせて弱体化。まぁ、それでも最強。綾小路くんとの戦闘によって散髪を余儀なくされたことで、ショートボブになってる。3年生編まで書けたら元に戻す。

鬼龍院⇒変人だけど、良識ある人。お嬢様だからかな。
原作と違って、綾小路のことはまだ認知してなく、カムクラが最大の興味対象。今まで満足に友人ができなかったため、初めて人に奢った経験ができてちょっと嬉しい。

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