少年の誓い~魔法少女リリカルなのはO's~   作:さっき~

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――俺の夏休み。
――それは長期休暇とは名ばかりで、開始早々から大童だった。

――だがもう、今日からは違う。
――本日も太陽は影を濃くする位に眩しく、光線が地上を焼くように降り注いでいる。
――例年通り湿度も高く、日中は陽炎が漂う程の熱が篭もっていた。
――そんな中で俺は、自室の清掃をしている。
――今日はひなた園で年に数回行われる、『大掃除』の日なのだ。
――日頃から掃除は欠かしていないが、それは来客の多い礼拝堂が主であり、園内だとそう毎日も出来ない。
――そして瑞代家は大家族である為、どれだけ掃除しても追いつかない。
――やんちゃ盛りの子供達だから、汚れて帰ってくる事なんてザラだ。
――平太とかが特にな。

――なので、ひなた園全体を重点的に掃除する日を作る必要があった。
――この行事に参加するのは瑞代家全員、皆で楽しく掃除しようがモットー。
――園内を明菜と沙耶率いる弟妹軍団、礼拝堂を師父とシスターと俺が担当するのが暗黙の了解だ。
――まぁ手際の良い師父達だから、予定よりもずっと早く終わったしまった。
――そして園内を担当する弟妹達を手伝い、余った時間で自身の部屋の掃除をしているのだ。
――ベッドの布団は既に干し済み、フローリングの床を箒で掃いてから濡れ雑巾で拭いていく。
――簡単な掃除だが、それだけでも充分な効果がある。

《It seems to be happy.(楽しそうですよ)》

――普段の汚れをこうして落とせると言うのは、心が洗われるような感覚に陥る。
――窓を開けて尚室内に篭もる熱を、まるで気にも留めず手を動かし続けている時、頭にその声が響いてきた。
――よく分からないが、彼女の声も少しばかり楽しそうに聴こえる。

(そうか?)
《Yes,It's very.(えぇ、とても)》

――アッカレッツァンド、慈しみを込めた声。
――それはシスターの持つ優しい音色によく似ていて、聴く者を心地良くする不思議な音。
――母親のようだと、心の何処かで感じていた。

《Now......(所で――)》
(どうした?)

――突然、彼女の声色が変わった。
――その変化が何を意味しているのか、気付く間も無く

《Is magic used with me(魔法を使ってみたくはありませんか)?》
「…………は?」

――俺は間抜けな声を上げていた。



――それは、新たなる一歩。
――見えない壁に挑む、少年の姿。







№ⅩⅩⅧ「力の使い方」

 

 

 

 熱を孕んだ大気、深い闇、静謐に包まれる世界。

 周囲には暗い青々とした木々が立ち並び、自身の視界を照らすのは、天より降り注ぐ月光と人工的に造られた灯り。

 

 只今の時刻――――午後8時50分。

 現在地――――桜台登山道。

 昼間なら御老人達が散歩と称して出歩く事の多いこの場所に、珍しく俺は居た。

 いつものマラソンコースを逸れて海鳴の山岳方面へと足を運び、一定の条件に見合う場所を選んだ結果、此処に行き着いたのだ。

 だが走りながらの選別だった為、いつもより長い距離を行き余計に時間を掛けてしまったのは、ちょっとした不覚。

 それでも時折吹き込んでくる潮風が、全身に纏わりつく熱気を払ってくれて気持ちだけは清々しい。

 ――――さて、それじゃ

 

(そろそろ、始めるか?)

《It might be safe in this conduct oneself, and starts.(此処なら大丈夫でしょう、始めますね)》

(あぁ、頼む。アポクリファ)

 

 額から流れ落ちる汗を手で拭って、腹から深く息を吐く。

 依然として此方の抗議を聴こうともしない気温ではあるが、気に障る程ではない。

 心を静めて、頭に響いてくる声に耳を傾ける。

 

《First of all, though it is a problem when it conjures.(まず、魔法を使う際の問題ですが……)》

(あぁ)

《It is unnecessary to explain the mechanism again.(その仕組みについて、改めて説明するのは不要ですね)》

 

 魔法、それは空気中に存在する魔力素を操作して、作用を発生させる技法。

 術者の魔力を使用して3種の作用を調節し、術者の望む事象を生み出すプログラム。

 ハラオウン達の説明では、此方の世界の数学や物理等の理系知識がそのまま、魔法構築や制御に繋がっているとの事。

 

《However, you are not accustomed to the thing of still conjuring.(ですが貴方はまだ、魔法を使うという事に慣れていません)》

(まぁな、あの時の事なんて殆んど憶えてないし)

 

 あの日、俺が始めて異世界に出会った約2週間前。

 異形の怪物に満身創痍になりながらもぎ取った勝利は、知らぬ間に使っていた魔法という技術のお陰だった。

 だが俺は、どうやって魔法を使ったのかあまり憶えていない。

 

《Because having used it was magic that practiced easily most for you at that time, it was possible to do.(あの時は使用したのが、貴方にとって最も使い易い魔法だったから出来たのです)》

(使い易い魔法?)

《Yes, an original effect was able to be demonstrated unquestionably because it was suitable for your own characteristic.(はい、貴方自身の特性に合ったから、問題無く本来の効果を発揮する事が出来た)》

(つまり術者にはそれぞれ、使い易い魔法とそうでないものがあるって事か?)

《Yes, That's right.(その通りです)》

 

 置き換えると分かり易い、得意科目と苦手科目みたいなもんだろう。

 確かに魔法は多く分類されているようだから、そういった方向性が出来るのも当然かもしれない。

 遠近両方の攻撃魔法があり、防御とか結界とか他にも色々あると聴いた事がある。

 どれも平均以上にこなせるような魔導師は、そう簡単には出て来ないのだろう。

 魔法の才能が微妙に存在する俺にだって勿論あるだろうし、他の魔導師の人達だってその例に漏れない。

 

(じゃあハラオウン達にも、それぞれに得意なものと苦手なものがあるって事か)

《Of course. The low degree of the phylactic power is seen though Ms.Fate is good at a high-speed combat by adjacent.(勿論です。フェイトさんは近接による高速戦闘が得意ですが、防御力の低さが見られます)》

(はぁ……)

《And, Ms.Nanoha will be skillful oppositely in the bombardment in the distance and the strategy by the medium range by the guided missile, and magic corresponding to adjacent be assumed to be good.(そしてなのはさんは逆に、遠距離での砲撃や中距離による誘導弾による戦術を得意としており、近接に対応する魔法は苦手としている模様です)》

(へぇ……)

《And, because Ms.Hayate specializes in the large area in the rear side and support by remoteness, the single combat seems not to be assumed. The part might be reduced and be dropped by the thing with knights.(そしてはやてさんは、後方での広域・遠隔による支援に特化しているので、単独での戦闘は想定していないようです。騎士達が居る事で、その部分は削ぎ落としているのでしょう)》

(ふぅん……)

 

 脳内に滑々と並べられていく言葉に、そんな呆気に取られたような声しか漏れなかった。

 その声はまるで教師のように何の躊躇いも戸惑いも存在せず、毅然とした態度が滲み出ている。

 つーかお前、何でアイツ等に関してそんなに詳しいんだよ。

 俺だって全く聴いた事無いぞ、その辺りの話は……。

 そう突っ込みを入れると、間髪入れずに――

 

《It is a result of the dissemination received from their partner.(彼女達のパートナーから授かった情報提供の賜物です)》

 

 ――またも聴いた事の無い事実を語られた。

 コイツが言うには、再検査でハラオウンに付き添われた時、医務室でヴォルケンリッターの話を聴いていた時、高町からキルトの事情を教えて貰った時。

 それぞれでバルディッシュ、リインフォース、レイジングハートとその辺りの話をつけていたらしい。

 通りで普段から口煩い筈なのに、その時は物静かな状態で居た訳だ。

 

(っておい、ハラオウン達から許可は取ったのか?)

《It neatly acknowledged it for you. Though it doesn't know permission......(貴方の為ですから、問題無く了承してくれましたよ。許可は知りませんけど……)》

「無許可かよ!!」

 

 マスター達の許可も無く、此方にデータを提供したって言うのか?

 幾らなんでも無茶苦茶じゃないのか、しかも俺の為って……。

 全く理解出来ないその理由に、思わず声を張り上げて出してしまった。

 周囲に誰も居なかったのが、せめてもの救いだ。

 

《It kept silent recently because what even you seem to be able to use it from the acquired data was selected.(最近黙っていたのは、取得したデータから貴方でも使えそうなものを選別していた為です)》

(………それで、あったのか? 俺でも使えそうな魔法とやらは)

《The bombardment magic and the large area magic were deleted because it was difficult. Some are the defense magics in shooting.(砲撃や広域は難しいので削除しました。射撃の中で幾つかと防御魔法ですね)》

 

 最早何も言うまいとばかりに、話を進めていく俺達。

 データは提供される度に内容を見て選別、俺に合うと言うよりも、特別な知識やスキルを必要としない魔法を選んでいたらしい。

 何でもリインフォースからはあまりにも膨大だったようで、幾つかに分けて貰ったとの事。

 全データの90%以上を削除した結果、漸く彼女は一仕事を終えたのだとか……。

 

 そんな事を言われては、俺としても無碍には出来ない。

 俺の見ていない所でコイツはそんなにも頑張っていたのだ。

 感謝はしても、その行動に対して批判は出来ない。

 その無償の信頼感が、俺の心に強い力を与えてくれる。

 

(それじゃ、どうするんだ?)

《The movement of magic is set to the command type. Please put out the hand to previous, and say, 'Round Shield'.(魔法の発動はコマンド型に設定してあります。手を前に出して、『ラウンドシールド』と言って下さい)》

(分かった)

 

 彼女の丁寧な指示の一字一句を、彫刻のように脳に刻み込む。

 体に纏わりつく茹だる熱気を振り払って、思考をこれからの事へのみ専心を向ける。

 今のような意識を保ったままの状態で初めて、魔法という未知の技術を行使するのだ。

 

 以前は自分の持つ微妙な才能を知り、あまり期待も希望も持てずにいた。

 世の中はそんなもの、と己が身の非才に見向きもしなかった。

 だがそれでも、彼女達の背中を見て何も思わなかった訳じゃない。

 少年達が憧れて止まない技術の結晶を、同じような想いで見なかった訳じゃない。

 だから今こうして、此処に立つと決めたんだ。

 双眸をゆっくりと閉じて、大きく深呼吸を一つ。

 

「ハッ!!」

 

 胸と腹に目一杯吸い込んだ空気を、底に溜めた覇気を外界へと吐き出す。

 静まり返った空間にヒビを入れるように発せられたそれは、残響音を鳴らしながら微風に掻き消された。

 同時にこれから行う事への好奇心を静め、いつも通りの平静さを取り戻す。

 

 ――よし、心の準備は整った。

 改めて視界を開けば、そこには頼りない光源と漆黒の混じり合った世界。

 それは、これから進む俺自身の道に酷似していた。

 見えないその先へ右掌を掲げる。

 そして、その名を告げた。

 

「ラウンドシールド」

《Round Shield》

 

 淀みの無い気丈な声と内から響く信号のような音声が交じり合って、この世界でたった一つの音源となる。

 ――――そして掌から10センチ先、現われるのは直径1メートル程の真円形を模った灰色の鈍い輝き。

 円周部に見慣れない文字の羅列、中央には正方形と菱形が重なり、更にその中に外周部と同様の文字を描いた円形。

 魔法陣、見た瞬間の感想はシンプルなソレだった。

 そしてその存在は、俺にも魔法が使えるという他ならぬ証。

 瑞代聖が、ハラオウン達と同じ力を持っていたと言う確かなもの。

 だがその証明は……

 

「なっ!?」

 

 右手に掛かる重圧によって、跡形も無く吹っ飛んだ。

 地面に引き寄せられるとか、そんな生易しい感覚なんかじゃない。

 伸ばしていた腕に、突然100キロ以上の重みが加わえられたような衝撃に近い。

 あまりに急な展開、思考が遅れ馳せながら現状に追いつく。

 外れそうになる右肩関節を両腕の腕力で無理矢理引き上げて、何とか地面に落ちる前に耐えた。

 地面を両脚で踏ん張り、左手で右腕を押さえながら、俺は正体不明な荷重に抗っている。

 

「なっ、んだよ……これ!?」

《I doesn't understand. The shield is released in a hurry(分かりません。急いでシールドを解除します)!!》

 

 この事態に対応出来ていないのは俺だけじゃなく、アポクリファも同様のようだ。

 慌てた声の彼女を聴くのは、これが初めてではないだろうか?

 だがそんな悠長な事を考えてる間にも、俺の顔の歪みや右腕に掛かる負担が大きくなっていく。

 歯をギリギリと噛み締めながら、何とか耐えているが長時間は無理にも程がある。

 しかし、それを逸早く感じ取ったアポクリファの機転のお陰で、1秒後にはそれらは霧のように消え去った。

 今まで尋常じゃない力を受け続けていた右腕は、その瞬間に力無く垂れ下がる。

 

「はぁ、はぁ…………。ったく、何だってんだ一体」

 

 右腕に存在する途方も無い倦怠感と、予想外過ぎる展開による精神的ダメージ。

 荒れた呼吸と共に吐き出される悪態は弱く、同時に全身に込められていた力みが口から抜けていった。

 

《It's trying to find the cause now.(只今、原因を究明中です)》

 

 何度も深呼吸を繰り返しながら、彼女からの声に耳を傾ける。

 先程よりも言葉数が少なくなってる様子を見るに、演算装置を用いての魔法構築の見直しでもしてるのだろうか?

 魔法初心者の俺には分からない領域だから、変に突っ込むなんて野暮な真似はしない。

 今の俺がするべきは、呼吸を整えて心を静め、彼女の解答を待つだけなのだ。

 

「はぁ……はぁ…………ふぅ」

 

 深く、最後に一息吐いて、漸く暴れていた心臓が平静を取り戻した。

 原因究明に没頭してるのだろうアポクリファからの言葉は、まだ出て来ない。

 

 だから俺も、時間を無駄にしないように無い知恵を絞って色々と考えてみる事にした。

 突然の異変、アポクリファが対応出来ずにいた事を顧みると、異常事態というのは分かった。

 では一体、何が異常だったのか?

 

 魔法を構築するプログラム?

 いや、アポクリファの性格から考えてそれはないだろう。

 初心者に安全性が確立されてないものを使わせるとは思えない。

 そして何よりも、既にそれらは実戦に於いて活用されている状態のもの。

 レイジングハート達から受け取ったデータなのだ、変に改竄でもしない限りは有り得ない。

 

 それじゃ、俺自身の問題か?

 だがその場合、アポクリファが俺に魔法を使わせる事自体をしない筈だ。

 そして使った魔法は、特別な技能を必要とするものではない。

 彼女が厳選に厳選を重ねて選び抜いた、多くの魔導師が使用出来る汎用性の高い魔法だ。

 故に、その点も正しい解答ではないだろう。

 

「……」

 

 それじゃ、本当に何が原因なんだ?

 この手の技術の知識は皆無、今こうして考えている行動自体が無駄に等しい。

 だが、このまま手詰まりというのも後味が悪い。

 何もかもをアポクリファに任せるのも彼女に悪いし、かといって俺に処理出来る問題でもないだろう。

 しかし何も分からなくても、分からないなりに考える事は出来るのだから、俺はそれを突き詰める。

 解答に導くのはアポクリファの領分だ。

 自分に出来る事をする、その考えに至った俺は先程と同様に思考をフル回転させる。

 構築式も素質も原因に繋がらない、つまりは他の部分に歴とした理由が存在する筈だ。

 なら、それは何か……。

 

「そういえば……」

 

 その時、ある事を思い出した。

 俺が使った魔法はアポクリファが言うには名の如く『盾』の役割を持つ、ラウンドシールド。

 あらゆる攻性魔法、特に魔法弾系に対して有効な手段であり、汎用性の高い信頼ある魔法。

 だったらアレは、右腕に掛かる圧倒的な重圧は何だったんだ?

 本来盾とは掲げる物であり向ける物、無駄な重りなんて行動を阻害するものがある筈が無い。

 つまりあれは存在し得ない、存在してはならないもの。

 

(アポクリファ)

《There was no problem in the program. That pressure still......(プログラムに問題はありませんでした。やはりあの重みは……)》

 

 声を掛けると同時に彼女も己の仕事をやり終えたらしい。

 その言葉から察すると、俺と同じ結論に至ったようだ。

 

(右腕に掛かった変な重圧、魔法をきちんと理解してる訳じゃないけど、あれは明らかに異常だ)

《It is so. Because that is not effective in the program.(そうですね。あの効果はプログラムには入っていないものですから)》

(バグの類でなかったら、何が原因だって言うんだよ?)

《The cause is investigated from all the possibilities now.(現在、あらゆる可能性から原因を探っています)》

 

 だが頼みの綱である彼女でも、この状況は手に余るようだ。

 魔法を構築するプログラム内に存在しないソレは、しかし現実に於いて右腕を襲っている。

 デバイスであるアポクリファでさえ手探りの今、最早、俺だけの考えでは解決の糸口すら見付けられない。

 微温湯に浸かるような茹だる空気の中、溜息を一つ。

 

「何だかなぁ……」

 

 正直、有り得ない結果じゃなかった。

 希望を抜きにすれば、当然の如く先頭に立つ答えなのだと。

 俺にどのような素質があろうとも、使いこなせる器でなければ宝の持ち腐れだ。

 同い年のハラオウン達、自分より年下のアイレイン達、皆が当然のように使えるのなら自分だってもしかしたら……。

 

 でもそんな事は、現実には存在しなかったようだ。

 身を守る盾、魔法戦に於いて必須なソレすら俺には使えなかった。

 あまりに俺らしい結果は、自嘲的な笑みと「あぁ、そんなもんか」という呟きだけを生み出す。

 しかし、彼女は違った。

 

《There is a thing that tests. Is it good(試したい事があります。宜しいですか)?》

(試したい事?)

 

 アポクリファだけは、まだ納得いかないといった様子で続きを促す。

 

《Yes. Not the gotten program but the magic that had already been stored is practiced.(はい。頂いたプログラムではなく、既に格納されていた魔法を使ってみます)》

 

 つまりレイジングハート達から貰ったデータではなく、アポクリファ自身にある魔法を使用すると言う事か?

 だがそれは、ある条件を満たす事で可能な行動だ。

 

(お前は目覚めたばかりだろ? 何処にそんな魔法が……)

 

 そう、彼女は本格的な活動を開始したのは少し前の事だ。

 大して時の経っていない今、そんなものは何処にあると言うのか?

 アポクリファに言い返そうとして――――反射的に口を噤んだ。

 

(まさか、あの時の……)

 

 あった、確かにソレは存在する。

 目覚めたばかり、だがその目覚めた状況は、『力』による骨身の削り合いだった。

 自身の命すら削る異界で俺は、敵対する異形に『力』を以って打倒したのだ。

 相手を淘汰出来たその『力』こそが、魔法。

 

《Now please take a stance. It exercises at the will of power and you who beats the enemy and turned down.(さぁ、構えて下さい。奴を叩き伏せた力、貴方自身の意志で行使するのです)》

 

 今、その時の再現を起こそうとしている。

 淀みない声は、先程の失態を意識から拭い去っている。

 完璧な失敗を見せて尚、どうしてそんな自信に溢れた音を出せるのか。

 それ程までにアポクリファは俺に、信頼を寄せているのか?

 

(さっきのを見ただろ、所詮俺には魔法は向かない)

《How do you do in the fear of all due to a failure once? Will your virtue poor resignation?(一度の失敗で全てを恐れてどうするのですか? 諦めの悪さは、貴方の美徳でしょう?)》

 

 現実を突きつけても彼女は揺らがない。

 それ以上の意志を見せ付けて、俺を奮い立たせようとしている。

 何故そうまでして、俺に魔法を行使させようとするのか?

 彼女の考えは分からない。

 

 でも、それでも、俺に真っ直ぐな言葉を向けている。

 それから目を逸らしてしまって、本当にいいのか?

 

「……」

 

 そんな問い、考える前から決まっている。

 

(失敗しても知らねぇからな)

《It's perfect.(充分です)》

 

 ――コイツの考えに乗ってやるさ。

 無理矢理にでも続けようとする彼女の意地に、俺もキッチリ腹を決めた。

 体勢を正し、両足で地を踏む。

 右の拳を握り締め、曲げた肘を中天に突き刺すように高く上げた。

 左手は眼下に向けて軽く開き、その一点に狙いを定める。

 あの時は動く物体が標的だったが、今は動かない地面が的だ。

 

 ――これで失敗したら、更なる恥の上塗りだな。

 さっきの結果に苦笑しながら、右腕に2つの帯のような魔法陣と、纏わりつく流れを感じ始める。

 世界を包み込む大気、戦ぐ風が、時と共に堅牢な鋼へと変質していく。

 荒れ狂う暴風、抑えつけるだけでも精一杯のソレは、蛇のように腕に絡みついている。

 解き放たれる時を今か今かと待ち焦がれるその重みに、歯を食い縛って耐える。

 そして――

 

「はぁぁぁ!!」

《Geo Impact(ジオ・インパクト)》

 

 ――大地を砕かんばかりの一撃を、その覇気と共にぶち当てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、朝食後の穏やかな時間。

 夏の暑さと海側から吹く涼しい風を浴びながら、俺と数人の弟妹は居間で過ごしていた。

 他の皆は学校の方で植物に水遣りに行ったり、飼育動物の世話をしたり、平太や勇気はサッカーの自主練だそうだ。

 明菜は友達と遊びに行って、沙耶は図書館の方で夏休みの宿題に取り掛かっている。

 

 皆が皆、思い思いの夏休みを過ごしているようだ。

 それが嬉しいと言うか、羨ましいと言うか、微妙な感情を抱かずにはいられない。

 宿題は毎日ノルマをこなしているから、ペース的には8月上旬までに終わるだろう。

 遊び相手に関しては、瀬田達は部活で高杉は確実に地雷なので却下。

 ハラオウン達は長期休暇を利用して管理局の方に専念しているし、バニングスや月村は本人達の付き合いがあるだろう。

 家の手伝いに関しては、朝早い内に大体を終わらせてしまったから無い。

 

 故に俺は、暇を持て余している状態なのだ。

 傍らでテレビの夏休み特番を見ている皆を視界の隅に置き、暇潰しとばかりに色々と考えてみる事にした。

 内容は……昨日の事。

 

 

 

 アポクリファに格納されていた魔法、『ジオ・インパクト』。

 彼女の説明によれば、打撃魔法というカテゴリに分類されるものらしい。

 威力に関しては、地面に数メートルの網目状のヒビを入れた事を考えるとそれなりだろうか?

 元々硬い地面じゃないから、威力も幾分吸収されているだろうけど……。

 

 兎に角ソイツはきちんと発動したのだ。

 何の問題も無く、バグらしいものも発見されていない。

 つまり、あれこそが本当の魔法。

 それに引き換え、『ラウンドシールド』に関しては謎が多い。

 ジオが成功した為、今度こそともう一度挑戦したのだが……結果は同じだった。

 その後も何度か試してみたが、それでも結果は変わらずに失敗の連続。

 何が問題だったのかも分からず、アポクリファも最後には沈黙を決め込んでしまう始末。

 

 もしかして、防御魔法は俺の苦手分野だったのだろうか?

 確かに応用によっては幅広い使用方法を持ち、それ故に相応の技術が必須なのは聴いたが、俺の時は別に変わった使い方ではない。

 しかも盾自体はきちんと形を持って完成に至っている。

 だから余計に分からない、原因は一体何なのか。

 

 ……難儀なもんだな、俺の才能っていうのは。

 

「お兄ちゃ~ん」

 

 ソファに身を沈め、思考さえも奥深くに沈めようとしたその時、近くから声が掛かる。

 起きて見ると、それは我が弟の1人である一弥だった。

 最近は友達と遊ぶ事が多くなり、昔みたいに俺にくっ付いて回る事をしなくなった弟。

 その少年が、何処か不安そうな顔で俺を見ていた。

 

「どうした?」

「あれ見て」

 

 それを少しでも和らげるように優しく問い掛けると、一弥はある方向を指差した。

 それはこの家にある最大の情報媒体である、50インチの大型プラズマテレビ。

 世の中をよく知る為に毎日目を通しているその機械が、どうしたのだろうか?

 と、口に出すまでもなく、彼の言いたい事が分かった。

 

「映りが悪いな」

 

 ソファから立ち上がり、ソイツの許に近付いてみる。

 画面から発せられる光は幾分弱く、薄い黒幕が張ったような状態だった。

 リモコンを操作して明度を確認してみるが、別段弄った様子は見られない。

 中の配線、主に映像の出力部分の調子でも悪いのだろうか?

 

「急にこんなになっちゃって、どうしていいかわからなくて……」

 

 オロオロと視線を右往左往させる弟は、とてもか弱く見える。

 一緒に見ていた妹の芽衣達も同じようで、どうしたらいいのか現状に困り果てている様子だ。

 師父に伝えるべきか、しかし出来る事なんて修理に出す位だろう。

 それまでテレビ無しというのも可哀想だし、俺としても新聞だけじゃ困る場合もある。

 ……だからと言って俺に修理出来る訳でもない。

 だが何よりも問題なのは、一弥達は自分が悪いのだと思い込んでいる事だ。

 そんな結論を出してしまったら、小さいながらも罪悪感に圧されてしまう。

 だから、兄である俺が何とかしなくては……。

 

「大丈夫だ。きっと直るさ」

「ほんと?」

「あぁ、兄ちゃんに任せろ」

 

 一弥に、この場の皆にそう言い聞かせる。

 出来るだけ優しく、可能な限り頼もしく……。

 それだけで全員の表情は、ほんの少しだが和らいでくれた。

 完全に拭い去る事は出来なかったが、それだけでも充分と言っていい。

 それ程までに信頼してくれる兄弟達に胸中で感謝を述べて、さぁどうしようかと思い返す。

 

 先も言った通り、俺に特別な技能は無い。

 修理なんて大層な真似は出来ないし、間違った末の失敗では元も子もない。

 故に判断は慎重に、的確に行わなければいけない。

 

「さて、それじゃ……」

 

 しかし知識すら無い俺には、やる事なんて限られている。

 テレビの裏側に回り、配線の抜け具合を確認。

 一本一本丁寧に見て回り、異常無しと結論付けた。

 

 やはり内部の問題だろうか?

 そうなると俺では手の施しようが無いし、修理行き決定になってしまう。

 それだけは何とか避けたいんだが……。

 

「古典的だが、これしかないか」

 

 皆が見守る中、最初で最後の手段を使う事を決めた。

 力を抜いて、右手をテレビの裏側の斜め45度の方向に掲げる。

 出来るだけ乱暴にせず、悪化だけは防ぐのを意識して。

 ――――頼むから、直ってくれよ。

 

「とうっ」

 

 バン、と軽い音が響く。

 皆が黙視する中、空気中に残響音が泳いでいる。

 そして数秒後、一弥が叫ぶように声を上げた。

 

「なおったぁ!!」

 

 喜びや嬉しさというよりも、驚きの声。

 それに思わず「マジか!?」と似たような反応を返して、画面の方に顔を向ける。

 そこには、以前のようにクッキリと映像を映しているプラズマテレビの姿が……!!

 

「すごいや、お兄ちゃん!!」

 

 尊敬の眼差しを俺に向ける一弥達、芽衣は何故かソファで飛び上がるほど喜んでいる。

 他の皆もそこまで躍動していないが、似たような喜びの反応を振り撒く。

 だが俺はと言うと、その言葉に上手く反応出来ずにいた。

 いやだって、そうだろう?

 手段が無くて、悪足掻きとばかりに行った『斜め45度チョップ』なんていう古風な技をかまして、更には解決してしまったのだ。

 俺を信じてくれていた皆は兎も角、誰がそんな結果を予想しただろうか。

 寧ろ俺が一番予想出来ていなかったぞ、直って欲しいとは思ったが。

 皆が嬉々としてテレビに見入るこの状況で唯1人、自分だけが困惑から抜け出せずに居る。

 何だこの状況は……?

 いつだって自分が思い描く先を、簡単に覆す現実。

 その世の不条理さに対する不満を心で愚痴りながら、しかし表情は晴れていた。

 皆の笑顔が戻っただけ、儲けものだと思っておこう。

 半ば妥協したような結論だが、目の前にある笑みは偽りじゃない。

 だから今は、過程をとやかく言うのは止めておく。

 再び座っていたソファに腰を下ろし、皆の笑顔を見ながら穏やかな昼間を満喫するとしよう。

 終わり良ければ全て良し、釈然としないがそれでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だぁぁぁぁぁぁ!! 駄目だ駄目だ!!」

 

 夜空に木霊する雄叫び、迫り上がる不満を腹から吐き出す。

 近くのベンチに乱暴に腰を下ろして、闇に飾られる無数の光点に目を向ける。

 星空は綺麗だなぁ、なんて現実逃避をしたい衝動に駆られてしまうが、目の前の結果に変わりは無い。

 どうあっても、現実は俺に対して面倒事を置き去りにしていくらしい。

 何故なら……

 

「ラウンドシールド失敗回数、10回オーバー……」

 

 誰にも言えない、ある意味では偉業を達成してしまったからだ。

 人として、魔導師の資質を持つ者として、正直如何なものかと思わざるを得ない。

 まぁ、4回辺りからそんな気はしてたが……。

 それでも10回以上続けた自分は、案外未練がましいのかもしれない。

 だが結果はさっきの呟き通り、一度の成功も見る事無く今に至る。

 シールドの大きさを変えたり防御力を下げたりと、出力の面で色々と工夫はしたのだが、結局は何も分からずじまいの変わらずじまい。

 もう俺の心には、諦観の念が大半を埋めていた。

 

(今日はこの辺でいいよな?)

 

 これ以上は時間の無駄だし、出来ない事ばかり繰り返しても自分が惨めになるだけだ。

 その想いを込めた言葉を、未だ原因究明中のアポクリファに伝える。

 

《It's so. Let's return because slowness already.(そうですね。もう遅いですし、帰りましょう)》

 

 どうやら行き詰っているのは彼女も同じらしい。

 昨日のように別案を出す訳でもなく、従順に俺の言葉に同意した。

 

「よし、それじゃ――」

 

 帰るか、と続けようとした瞬間、ポケットの中の物が振動した。

 取り出してディスプレイを見れば、着信ランプと共に『師父』と書かれた文字の並びが目に入った。

 

「こんな時間に師父が……」

 

 それに対し、珍しいと心中で呟く。

 今まで師父が俺の携帯に掛けてくる事が殆んど無かったので当然だ。

 元々俺への緊急連絡用に持たせた物だし、それが無いに越した事は無い。

 故に掛かって来るのは用事を頼むシスターや、友人からだけ。

 

 ……だからこの師父の電話に対し、少し身構えてしまう。

 何かしてしまっただろうか、もしかして約束でもしていたか?

 だが考えても分からない以上、兎に角出ないと始まらない。

 数瞬の間を置き、通話ボタンを押す。

 

『聖か?』

「えぇ、どうかしましたか師父」

 

 そこから聴こえて来るのは聞き慣れた、でも機械越しからは殆んど耳にした事の無い声。

 穏やかで力強い、そんな温かい男性の渋声。

 ――だが、何か引っ掛かる。

 

『突然で悪いが、帰ってくるのはもう少し待ってくれないか?』

「えっ……」

 

 此方の返答を待たずに、矢継ぎ早に言葉を並べていく。

 淀み無いそれは何処か焦っているように思えて、小さな違和感を大きくした。

 いつもの師父らしさの中に、奇妙な音色が混じっている……。

 だが、電話越しではそれが何かまでは分からない。

 

『そうだな、後30分でいい。それまではゆっくり散歩してきなさい』

 

 此方に有無を言わさず告げるソレは、まるで命令のようだ。

 ゆっくり喋っているにも拘らず、端々に押し付けるような力を感じる。

 

『だが、家の周りには近付かない事』

「それはどうい――」

『――それだけだ』

 

 俺の問いすら、言い切る前に両断されてしまう。

 おかしい、明らかにいつもの師父じゃない。

 受話器の先に居る男性が、今までに見た事も聴いた事も無い態度で俺に話し掛けている。

 ……状況が上手く呑み込めない。

 

「師父、何があったんですか?」

『何も無い。お前には関係無い事だから、気にしなくていい』

 

 完全な拒絶、取り付く島も無いとはこの事だ。

 声にも焦りが表面に浮き上がっていくのが分かるし、俺との会話を打ち切りたそうな様子が伺える。

 どうやら追及しても答えてくれそうにない。

 

『それじゃあ、ゆっくり帰って来なさい。いつも焦り過ぎなのだから、偶にはいいだろう?』

「……分かりました」

 

 さっきまでの焦燥が嘘のように、急に普段の優しい声に戻った。

 俺を宥めるように穏やかで、言い聞かせるように……。

 だから俺には、そう答える以外になかった。

 最後にピッと電子音が鳴り、それっきり師父の声は聴こえなくなった。

 変わりに耳を通るのは、風で靡く木々の葉音だけだ。

 

「……」

 

 手の収められた携帯を見詰めながら、ゆっくり握り締める。

 何かおかしかった、明らかにいつもの師父じゃない。

 何処か焦っているような、緊張気味で上擦る声を無理矢理に抑えているような……。

 あの人のそんな姿は、今まで一度も見た事は無かった。

 ……胸の奥がざわめいている。

 

「行かなきゃ」

 

 気付けば走り出していた。

 満天の星空にはもう、目を向ける未練すら存在しない。

 緑豊かな散歩道を逆走しながら、この体は暗闇を突き進む。

 

《Is it good? Will 30 minutes have been said that it must not return?(宜しいのですか? 30分は戻ってくるなと言われていたでしょう?)》

(関係無い!!)

 

 アポクリファの言葉を、一刀の下に切り伏せる。

 胸中に感じるざわつきは止まらない、寧ろその波は段々大きくなっていく。

 纏わりつく熱を振り払うように腕を振り、脚を回す。

 少しでも早く家に着かないと、何か大変な事が起きてしまう気がする。

 師父の不可解な態度が、それを否応無しに物語っていたのだから。

 

「師父っ……!!」

 

 脚の回転率を更に上げる。

 増大し続ける不安を少しでも拭いたくて、前を睨みつけて衰えぬスピードを以って疾走する。

 

 何があるのか分からない、もしかしたら何も無いのかもしれない。

 でもこのまま背を向けていいと思えなかった事も、また事実だった。

 だから走り続ける、あの人の許へ……。

 自分の抱える不安が、邪推であって欲しいと願いながら。

 

 ――――天を彩る星の輝きが一つ、消えた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、見付けた。

 

『おや、随分と早かったようだ』

 

 俺の帰るべき場所、俺の居るべき場所。

 そこに悠然と佇む人影が、見えない笑みを浮かべている。

 

『それにしても、久し振りだね』

 

 合成され性別が判断出来ない声、人影がその異様な音を発する。

 だがそれに意識が向かない。

 俺の視線は、その姿を見付けた時から固定されたままだ。

 

 人影、その傍らで地に伏している――――師父の姿へ。

 

『12年振り、だったかな』

 

 息が出来ない。

 人影の声に、反応出来ない。

 目の前の光景が、テレビ越しの無機質なものに見える。

 だがどう思おうとも、これは紛れも無い現実だった。

 

『君をずっと探し続けていたよ』

 

 そこで改めて、俺に声を掛け続ける人影に視線が向いた。

 片手で杖を持ち、空いている方は俺へ差し出している。

 ――――紛れも無くアレはデバイスであり、魔導師だ。

 

『それでは行こうか』

 

 此方に歩み寄る。

 一歩一歩ゆっくりと、だが確実に俺へと近付いてくる。

 その人影が月明かりに照らされ、煙のような姿が完全に露になった。

 黒いフードに覆われた、全身黒尽くめの亡霊のような出で立ち。

 ソイツは俺を、誘うように手で招き寄せている。

 

 

 

『――――ハギオス・アンドレイル』

 

 

 

 

 

 

 この夜、俺は遂に出会ってしまった。

 俺の全てを知る者に――――

 この身に課せられた運命を握る者に――――

 誓いを阻む、1人の復讐心に――――

 

 

 

 ――――この時の俺はまだ、奴との出会いの意味を知らなかった。

 

 

 

 

 

 




どうも、おはこんばんちはです( ・ω・)ノシ
№ⅩⅩⅧをお読み下さり、ありがとうございます。

管理局への招集も終わり、漸く自分の生活へと戻った聖。
そしてアポクリファからの提案で始まった、自らの意志で魔法を使いました。
まぁ誰もそんな事するなんて思ってなかったので、クロノも彼に重要な事を伝えてませんよね。
それが今回の問題になった訳ですけど……。
そしてアポクリファの台詞の多さたるや、エキサイト先生が誤訳をかましまくるレベルです。
読者の皆さんは日本語の方だけ読んでれば大丈夫ですから、問題ありませんね(;・ω・)
突如現れた不審人物も遂に本編入りで、物語は急激に加速を始めます。
寧ろ中心人物にしてラスボスじゃね? って存在です。
…………リリなのキャラ、そういえば全く出てないよー(´・∀・)
どうなる次回!!(テキトーな締め
あ、でも次回は編集と修正に時間が掛かりそうなので、気長にお待ち下さい。

そういえば以前掲載時に、聖が無限書庫に行った事で「無限書庫に就職フラグが立ちましたね」と言われて、なるほどー( ・ω・)という事を思い出しました。

それとこれは本編全体に関係する事なのですが、この作品でキャラの服装に関する描写は殆んど無いと思って下さい。
作者としての力量不足と知識不足故の措置なので、皆さんのご想像にお任せします。
可愛くお洒落に想像してあげて下さい(´・∀・)INNOCENTは小学生ダシナー

今回はこれにて以上となります。
感想や意見、タグ関連やその他諸々は遠慮無くドシドシ書き込んで下さい。
皆さんからのお声が原動力なので、是非、是非、是非宜しくお願いします!!( ;Д;)
では、失礼します( ・ω・)ノシ


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