久しぶりの更新です!
すみません、投稿遅れて…何分、仕事にドラクエのイルルカ、ディスガイアリターン4とやりたいことが多すぎて投稿し忘れてしまいました…
まあ、それはさて置き、今回は模擬戦の続き!大輔VS簪です!
ついに始まった模擬戦。
最初の試合は、太一対楯無だ。
楯無の猛攻に、自身の経験を生かし一次移行まで時間をかせぎ追い詰めることまでできた太一だが、最後の楯無の反撃に対応できず、お互いにシールドエネルギーが無くなり引き分けに終わるのだった。
* * * * *
「はぁ~………やっと、終わった」
「お疲れ様っす、太一さん」
楯無との模擬戦が終わり、ISを待機状態の腕時計にし椅子に座っている太一。その姿は、どこか真っ白になっているように見える。
大輔はねぎらいの言葉を言うのだが、ゲンナイは既に待機状態の腕時計を太一から借り、別の部屋に行ってしまっていた。
「さすがに、いきなし楯無相手はないだろ…本当によ。………んで、それが大輔のISの一次移行した姿か?」
「そうっす。さっきまでと違って、見た目が殆どブイモンなんですけどね」
「そう言ったら、こっちはアグモンの頭が腕についてんだぜ」
『なんだよ~、大輔。別にいいじゃん。お揃いなんだしさ』
「まあ、悪くはねーけどさ。いつも見てるブイモンと今の俺が瓜二つに見えて変な感じがすんだよ」
今太一の目の前に立っている大輔が装着しているIS、ブイフォースは先程のような薄い装甲がなくなっていた。より大きく、力強さが増した装甲にブイモンの頭部を模した顔の半分を覆うバイザー。胴体と口元の部分がないだけで、それ以外が殆どブイモンと同じだった。機械的に見えるが、傍目から見て一種の着ぐるみにも見える。
太一のグレイフォースは、右腕がアグモンの頭部になっているが、それ以外は装甲にゴーグル型のハイパーセンサーと一般的なISに近い見た目だ。
「やあ、大輔くんまたせたね。太一くん、言い忘れたけどさっきはお疲れ様」
「ゲンナイさんか。それで、グレイソウルはどうだ?」
「問題ないよ。アグモンも含めてね」
『太一~、さっきはごめん。最後の爆発に気づけなかった…』
「それは俺も同じだ。気にすんなって」
ゲンナイがグレイソウルの調整を終え、ピットまでやってくるのだった。
ゲンナイからグレイソウルを受け取ると、グレイソウル内にいるアグモンから謝罪の言葉を受ける太一だったが、自身も気づかなかったためアグモンを責めるようなことを太一はしないのだった。
そして、ついに大輔の番となったのだ。
太一の時と同じように、大輔はカタパルトに乗るのだった。
「頑張れよ大輔!」
「簪くんは日本の代表候補生でもある。油断したら、すぐにやられてしまうから気をつけてね」
「はい!行ってきます!」
『ブイモンも気をつけてね~』
『もちろんだ!』
大輔は挨拶を交わし、カタパルトから射出されアリーナに飛び上がる。
同時に、反対側のピットからも同じように簪がアリーナに射出されてきた。
お互いに定位置まで上昇する。ハイパーセンサーが簪のISをしっかりと捉えたのか、そこからはISの情報が流れてくる。薄い青色の装甲、どことなく日本の作ったIS打鉄に似たIS打鉄弐式である。
「そいつが、簪のISか」
「うん……お姉ちゃんに色々…教わって作ったISなの…」
「作ったって…自分でか!?」
『すっげぇなぁ!』
「うん…」
簪との何気ない会話をする中、大輔はまじまじと…とは言わないが、簪を見る。恥ずかしそうに顔を赤らめ、俯き気味に話す簪。見ていて、やはりどこかであった覚えが大輔の中にあった。
大輔は迷ったり悩んだりすると、結構な確率で予想外な行動をとることがある。サッカーでも、デジタルワールドの冒険でも、その判断が良い結果を残していたこともある。だが、その判断が時として、いい方に向くわけでもない。
「なあ……俺たちってさ。どこかであったことあるか?」
「えっ………」
どこかであったことあるか?その言葉を聞いた瞬間、簪の表情はさっきまでの恥ずかしそうな表情とうって変わって、悲しそうな表情に変わってしまった。
その表情を見て、大輔は内心「しまった…」と後悔するのだった。
「あったこと………ある……」
搾り出すように、簪が口を開く。
それと同時にランプが点灯し始めた。
「でも…覚えてない、なら……たいした事じゃ…ないと思う……」
言い切ると同時に、開始のブザーが鳴り響く。
開始と同時に、簪は薙刀【夢現】を展開し大輔に斬りかかってきた。その姿は、どこか繊細で直ぐにでも壊れてしまいそうに思うほど弱々しかった。
* * * * *
「大輔の奴…やっちまったな…」
モニター越しでさっきの会話を聞いていた太一は思わずそう呟いた。
夢現で斬りかかってくる簪を、無駄な機動が多いが躱している大輔。その様子を見ていると、明らかに大輔はこの模擬戦に集中できていなかった。
「………まあ、こうやってぶつかり合うのも悪くないかもな」
ぶつかり合うことで強くなる絆。それを太一は知っているからこそのセリフだ。
事実、太一は親友であるヤマトと何度もぶつかり合った事があった。意見の食い違いで起きる口喧嘩から、デジモンたちと共に戦ったこともある。ぶつかり合ったからこそ、今の関係があるため、きっと今回もうまくいくだろうと、心の中で納得していた。だが…
『大輔くん…かんちゃんにあんな悲しそうな顔させるなんて…お仕置きが必要みたいね………っ!』
モニター越しに怒りをあらわにする楯無を見て、太一はこの後の大輔の無事を祈ることしかできなかったのだった。
* * * * *
「はぁぁぁぁぁ!!!」
「ぐっ…」
斬りかかってくる簪を避けているが、大輔はさっきから集中できずにいた。
原因はわかりきっている。さっきの自分の失言のせいだ。ただ謝ることなら誰にだってできる。だけど、謝るだけでは泣きそうな簪を笑顔にできない。だからこそ、普段使わない頭を最大限に働かせて思い出す。この少女とであったときのことを。
だが、IS初心者である大輔が代表候補生の簪相手に集中できずに躱せる訳がない。
時間が経つにつれ、かすりかけていた簪の夢現が大輔に当たり始めていた。
『だぁぁぁぁぁぁもう!大輔!しっかりしろって!!』
「けどよ、ブイモン!」
「そこ…っ!」
「んげっ!?ぐあっ!!」
ブイモンが大輔を叱咤するが、それがきっかけで一時的に動きを止めてしまった。
好機と思った簪は、背中の二門の荷電粒子砲【春雷】を放つ。
動きを止め、ブイモンに反論していた大輔は躱す事ができず、放たれた春雷に直撃してしまう。直撃した際の衝撃で、ブイモンが気絶したからか急にさっきまでのようにブイモンのサポートが消えてしまい飛ぶことがうまくできずに墜落してしまった。
シールドエネルギーの大半を奪われ、相棒であるブイモンが気絶した中、痛みを無視して大輔は立ち上がる。デジタルワールドの冒険で、今以上の最悪な状況は何度も味わってきた。どんな絶望的な状況でも諦めないこと、それが大輔の強さでもある。
平和になってこういった状況にあまり陥ってなかったためか、ついその時の状況を色々と思い出していた。
メタルグレイモン、キメラモン、ブラックウォーグレイモン、デーモン、ベリアルヴァンデモン、アーマゲモン。
どのデジモンたちとの戦いも、絶望的な状況に陥ったが大輔たちは乗り越えてこれた。
そんな中、ふと大輔は思い出した。
そう、ベリアルヴァンデモンに暗黒の種を植えつけられた子供の中に青い髪に赤い瞳の少女。更識簪がいたことを。
常に楯無と比べられ続け、心の中に闇を抱いてしまっていた少女のこと。その闇に漬け込まれ、暗黒の種を植えつけられていたこと。そして、楯無が選ばれし子供と知った時絶望しかけていたこと。
全部、大輔は思い出した。
「やっと…思い出した」
「えっ……」
「もう、楯無さんの妹になりたくなかった…なんて、思ってねぇよな?」
「あ…………うんっ!」
大輔に思い出してもらえた事が嬉しくて、簪は涙を流す。その顔には、先程までの悲しさはなくあるのは満面の笑顔だけだった。
『やっぱり…姉さんは特別なんだ…』
『何でも出来て…パートナーデジモンがいて…選ばれし子供で…』
『私には……なにもない』
『私は……姉さんの出来損ない…』
『こんな思いするなら…姉さんの妹になりたくなかった!!』
簪の笑顔を見て、大輔はその時の簪の言葉が頭の中で聞こえた気がした。
けど、もう大丈夫だ。今の簪は、今が幸せなんだとよくわかった。
簪も大輔に思い出してもらえて、あの時自分に勇気をくれた言葉を思い出す。
『俺もお前と同じこと思った』
『いっつも姉ちゃんと喧嘩してばっかで、姉ちゃんなんていらねぇって思ってた』
『けど違うんだよ』
『姉ちゃんと喧嘩する日々が…俺にとって、幸せなんだってわかったんだ』
『お前は…刀奈さんと一緒にいられて幸せじゃなぇのかよ!!』
『周りのことなんて気にすんな!』
『ただ…お前が刀奈さんの事が好きかどうか聞いてるんだ!』
この言葉があったから、自分は周りにどうこう言われても気にせずに姉と…更識楯無ともっと親しくなれた。
周りの評価ばっかり気にしていた自分を、壊すことができた。この言葉だけで、救われてきたんだ。
今の簪を作り上げたのは他の誰でもない。目の前にいる少年、本宮大輔のおかげだったのだ。
『いってて…あーもう、気絶しちまったぜ…』
「ブイモン、目が覚めたんだな!」
『おう!って…なんだ、この状況?』
「気にすんなって。それじゃ、行くぜ!簪!」
「うんっ…!」
ブイモンが目を覚ましたことで、お互いに出会いを思い出すのをやめ、模擬戦を再開するのだった。
シールドエネルギーがほぼ満タンの簪とかなり減らされた大輔。経験の差もあり、大輔に勝目は薄い。それでも、関係ないと言わんばかりに大輔は簪に挑む。
大輔は目の前にいる少女と見てくれている先輩たちに情けない姿を見せないように。
簪は目の前にいる少年からもらった勇気のおかげで強くなれた自分をこの少年に見てもらうために。
そして、お互いがもっと分かり合うために。
二人は戦うのだった。
そして…
『大輔くん対簪くん、模擬戦は簪くんの勝ちだね』
勝敗は、簪が勝つのだった。
戦闘シーンがキンクリに…
大輔は太一と違って、初めてで楯無さんと渡り合えるほどの実力はないです。あえて言うなら、一夏みたいなレベル。その為、簪相手に善戦できるレベルじゃないもんでこうなりました。
大輔のブイフォースはIS学園に入学してから活躍しますよー!