時計の長針と短針が12の文字で重なった時、鎮守府内の艦娘たちは、一斉にある場所を目指して、道を急ぐ。
その歩みの先にあるのは、食堂。
艦娘とて人間の体。動けばお腹も減る。そんな彼女たちは食堂にたどり着くと、その日のメニューから食べたいものを選び、皿に盛りつけられた料理をお盆にとって席に座る。美味しい食事をとりながら、共に時間を過ごしたい仲間と相席し、談笑に花を咲かせる。戦いや訓練の合間の、僅かな憩いの時間、の、はずなのだが...。
食堂の一角で、セーラー服に身を包み、髪を後ろでまとめた艦娘が、膝の上で両手を握り締め、時折目の前の人物の様子を伺っている。彼女の前にも昼食の載ったお盆が置かれているが、湯気を立てているそれに箸を伸ばす様子はない。
一方、目の前の人物は、少女の緊張など気にした様子もなく、黙々と空腹を満たすべく箸を動かしている。
「……吹雪」
「は、はい!なんでしょう!?」
急に箸の動きを止め、女性は目の前に座る少女を、揺るぎない眼光で射抜く。抜き身のナイフのような鋭さに、少女は無意識に背筋を伸ばす。賑やかな食堂の一角の空気が、張り詰める。
「率直に聞くわ」
箸を置き、テーブルに両手をついた女性は、身を乗り出して迫る。少女の目が僅かに見開かれ、緊張で体が震える。
女性の口が開かれるのが見え、彼女は身構えた。
「周囲と打ち解けるには、どうしたらいいのかしら?」
「……はい?」
予想だにしない問いと、呆けた声によって場を支配していた空気は軽くなり、開放された少女は、頭に疑問符をうかべる。
「……質問、よろしいでしょうか?」
「何かしら?」
恐る恐る挙手をした艦娘、特型駆逐艦吹雪に先を促す。
「何で、そんなことを急に聞くんですか?」
吹雪は目の前の女性、空母加賀に疑問を口にする。
「ああ、それは……」
そして彼女は、そのきっかけになったというある朝のことを話し始めた。
「……良い朝ね」
水平線から昇る太陽が放つ日の光が窓から差し込み、廊下を徐々に照らしていく。鳥のさえずる音、風で葉が揺れて擦れる音。すべてが、彼女には心地よい。
「平穏な日で、あって欲しいものね……」
そうつぶやくと、加賀は廊下を資料片手にサイドテールを揺らしながら歩いていく。まだ起床から間もない時間とあってか、廊下に人影は見当たらない。きっと、皆布団からでようか出まいか、苦悩している時なのだろう。
だが彼女は違う。必ず起床前には寝床から出て、布団をたたみ、身だしなみを整える。それが、加賀の一日の始まりだった。
ふと、彼女の耳に話し声が入り、顔をあげる。前方から、数人の駆逐艦娘たちが目をこすりながら歩いてくる。中には姉妹艦なのだろう、同じ制服を着ている艦娘も見られる。
彼女たちは加賀の姿を認めると、立ち止まって道を譲るように廊下の片側に寄り、背筋を伸ばし、礼をする。
「「「加賀さん、おはようございます!」」」
「おはよう」
加賀は静かに挨拶を返しながら、彼女たちの正面を通りすぎる。いつもの風景、だった。
「あ、赤城さん!」
先ほどの引き締まった声とはうってかわり、後ろから、先程の駆逐艦娘たちの弾むような声が響く。相方の赤城と知った加賀は、脚を止めて振りかえった。すると、すれ違った駆逐艦娘の1人、睦月が、
「赤城さん、おはようにゃしぃ」
と親しみ込め、笑みを添えて言った。
「あら、おはよう皆さん。朝から元気いいわね」
お日様のように温和な笑みを浮かべながら、赤城は朝の挨拶を返す。
「赤城さん、おはようっぽい~」
朝から両腕を振りながら、駆逐艦夕立が元気よく挨拶する一方、
「夕立、朝から騒がしくしたらダメだよ。おはようございます、赤城さん。すいません夕立が…」
妹の粗相を詫びる姉の時雨の姿もある。
「気にしないで。それくらい元気でないと、夕立ちゃんらしくないもの」
そして赤城の後ろに、色違いの和服を着た2人現れる。
「赤城~、おはよう」
「おはようございます……、赤城さん。昨夜あれだけお酒飲んだのに、飛龍は元気だね……」
二航戦の、飛龍と蒼龍だった。
飛龍は元気に挨拶をするが、蒼龍は二日酔いらしく、顔色が優れない。
「飛龍さん、蒼龍さん、おはようございます」
「おはようっぽい~」
「やあ、夕立は朝から元気一杯だね~。本当、時雨の妹なのか疑いたくなるわ」
「む~、飛龍さん。夕立は正真正銘、時雨の妹、っぽい?」
「……夕立、そこはぽいってつけるべきじゃ、ないんじゃないかな?」
朝から、廊下の一角が喧騒に包まれる。
「飛龍、頭に響くから、お願い静かに……」
「はいはい。さっさと明石さんの所にいこう」
飛龍は蒼龍を支えつつ、目的地へ向かっていく。
「どうしたの、こんなところにみんな集まって?」
次に現れたのは、赤城のような紅白の和装に身を包んだ、緑色の髪のツインテール。
「あ、瑞鶴さん。おはようにゃしぃ」
「おはよう。前から気になってたんだけど、そのにゃしぃって、なんて意味?」
「意味はないにゃしぃ。これが睦月のアイデンティティーにゃしぃ」
「アイデンティティーって……」
「いいんじゃない?」
瑞鶴の背後にやってきたのは、彼女と同じ服装、綺麗な銀色の髪を揺らす、大人の女性の色気をまとった艦娘。
「可愛いくて、私は好きよ」
瑞鶴の姉の翔鶴。彼女は睦月を微笑ましいものを見る眼差しで見つめる。
「嬉しいにゃしぃ。あ、翔鶴さん。これから朝食、一緒にどうですか?」
「ええ、いいわよ」
朝から廊下の一角が賑やかになる一方、そんな彼女たちの喧騒を遠巻きに眺める青い空母は、
「なんなのかしら、この差は……」
と一人呟くのだった。
「……ということがあったのよ」
昼休みの食堂で、加賀は目の前に座る吹雪に、ある朝の出来事を話した。話が始まってから、ようやく彼女は昼食に手をつけ始めた。
「は、はあ……」
食事を進めつつ、彼女は苦笑いを浮かべる。
「それで……」
加賀はテーブルに手をつき、腰をあげ、吹雪に再び顔を近づける。
「この話を聞いて、何を、どう思ったか、聞かせてもらえるかしら?」
吹雪は、額に冷や汗をにじませながら、頭を必死になって回転させる。
「何を、と聞かれましても……。問題、ありますか?」
「大ありよ!」
加賀は鼻先が触れそうなほど、吹雪に迫る。
「私の前では、駆逐艦の娘たちは、ぴしっとした態度になるわ」
「そう、ですね……」
加賀の話では、睦月たちが廊下の片側に寄って一斉に挨拶をしたあたり、それは間違いない。
「でも、赤城さんには砕けた態度よね!?」
「はい……」
とりあえず、波風を立てないよう吹雪は相槌を打つ。
「そして、二航戦の2人はおろか、五航戦の娘たちまで…。何かしら、私一人だけ違うこの疎外感は!?何で私には砕けてくれないのかしら!」
「それを、何で私に聞くんですか?」
「あなたは、世界を震撼させた特型24姉妹の長女。その後の駆逐艦の手本にもされた歴史的な船。知り合いは多いでしょう?何か知らないかと思って」
できれば、こんな場面で特型ということを強調してほしくない吹雪であったが、とりあえずそれは飲み込む。
「さて、どうかしら、駆逐艦代表」
吹雪は、なぜ彼女たちが加賀の前だけ態度が固いのか、おおよそ検討はついている。だが、それを本人に言ってもいいものだろうか?
「えっと、そうですね……」
加賀は黙って吹雪の言葉を待っている。
吹雪は意を決して、口を開こうとした。
「そりゃあ、一航戦が堅物で強面だからそういう態度するしかないからに決まっているじゃない!」
加賀の手に握られた箸が、2本まとめて折れた。全身から殺気を解放し、深海棲艦に向けるような眼差しを声の主に向ける。
だが声の主はそんな殺気など微塵も気にした様子はなく、
「どうかしたんですか加賀さん?そんな怖い顔して」
と余裕の笑みを浮かべている。
「何の用かしら?五航戦」
「もう!私の名前は瑞鶴よ!ず・い・か・く!」
現れたのは、先ほどの話にも出てきた、緑の髪のツインテール。翔鶴型空母の瑞鶴だった。
「そうだったわね。五航戦の、騒がしい方」
「なによ!一航戦の青い方!」
言い合いを始めそうな剣幕の2人の間に、吹雪は割って入った。
「ふ、2人ともダメですよ!ここは食堂です!」
「そうね。吹雪、幸いなことに、今日は七面鳥の丸焼きをご馳走できそうだわ。……美味しいかどうかは疑問だけど」
「誰が七面鳥よ!」
「何も、私はあなたといった覚えはないわ」
「あからさまじゃない!」
吹雪は、2人の間で右往左往する。
「いえ、そうではなくて……」
そのとき、吹雪は背中に氷を押し付けられたような寒さを感じ、体を硬直させた。周囲も食事の手を止め、彼女たちを、いや、彼女たちの背後にいる人物に視線を釘づけにしている。
「2人とも……」
食堂にいる全員が、冷凍庫に放り込まれたように一瞬で動きを止め、中には猛吹雪で凍える登山者のように身を寄せ合って震えている者もいる。その原因の人物の声に、加賀と瑞鶴も例外ではなく、2人そろって吹雪の背後に視線を向ける。
2人の顔が、瞬時に青ざめた。
「今は、大事な食事の時間です。食事中は静かに、暴れないようにって、言わなかったかしら?」
吹雪の背後にいたのは、空母たちの母と言われる航空母艦の元祖、鎮守府の母、鳳翔さんだった。
なぜか艤装を身に付け、弓に矢を番えているが……。
「さて、2人には選択肢をあげます」
いつもは皆を包み込む優しい母のような笑みが、今はどんな深海棲艦よりも恐ろしく、冷たい笑みに感じられてならない。
「仲良く食事を続けるか、今この場で私に狩られて、仲良く丸焼きにされるか、選びなさい」
2人の反応は迅速だった。
「ごめんなさい、鳳翔さん!」
「仲良く食事を続けます」
「あら、娘たちの仲がよくて、お母さん嬉しいわ」
鳳翔が厨房へと戻っていったのを見送った直後、皆は一斉にテーブルに突っ伏した。
「つまり、加賀さんはなぜ自分には駆逐艦たちが打ち解けてくれないのか、悩んでいたわけ?」
食事をしながら吹雪に事情を聞いた瑞鶴は、加賀の疑問を再確認する。
「そういうことに、なるわね」
加賀は、俯きながらか細い声で言った。
「というか、それって気にすることですか?」
一瞬で加賀の表情が険しくなり、眉間に皺がよる。
「ず、瑞鶴さん!」
吹雪はまた2人が言い合いを始めないか、顔色を伺う。
「だって、打ち解けてくれなくても、私たち艦娘は一度海に出れば協力するしかないじゃない?現状問題ないのに、何で無理に打ち解けようとする必要があるんですか?」
「それは……」
「それに、吹雪」
彼女は急に話を振られ、首を勢いよく回した。
「駆逐艦たちにとって、空母はどういった存在?」
「敬意を払うべき、大きな存在です!」
駆逐艦たちにとって、戦艦、空母、重巡といった主力艦は、敬意を払う大きな対象になっている。その存在が、時に戦局を左右してしまうほどであるためだ。
「駆逐艦の娘たちの反応から、加賀さんは威厳があるということがわかります。自然な事なんじゃありませんか?」
「なら、何で赤城さんやあなたたちは、彼らと打ち解けているのかしら?」
加賀の目が鋭く光る。
「まさか、赤城さんに威厳がないとでも?」
「違いますよ。日頃の行いというか、態度じゃないでしょうか?」
また加賀の眉間に皺がよる。吹雪は、内心滝のように冷や汗を流していた。結局、急に打ち解けて欲しいと思っても、こういうものは日頃の行いが物を言う。
「ところで、なんで急に打ち解けてほしい、なんて思ったんですか?」
瑞鶴が半目で加賀を見つめると、加賀はなぜかバツが悪そうに視線を逸らす。
「加賀さんが艦隊に入っても、連携に支障が出たり、問題があったことはないはずですよ?」
なぜか、加賀は言おうとしない。何かいえない事情でもあるのだろうか。
「悪いけど、加賀さんに協力してあげてくれないかしら?」
瑞鶴と吹雪は、声の方向に振り向いた。
「赤城、さん?」
そこには、暖かい笑みを浮かべている艦娘、一航戦の片割れの赤城がいた。
「こんにちは、吹雪さん。瑞鶴さんも悪いけど、事情は聞かずに協力してくれないかしら?」
「協力はしますけど、事情は話してもらえないんですか?」
「加賀さん、口下手で説明が苦手でしょ?」
加賀の心が、何かに射抜かれたような音がしたが、きっと幻聴だろう。加賀は胸を抑えながら、テーブルに突っ伏してうめいている。
「だから、説明しても誤解を招くだけと思うから、彼女が納得できるまで、手伝ってあげてくれない?」
また何かが加賀を射抜く幻聴が聞こえる。彼女は胸を押さえたまま、精神的に大破してしまい、身動き一つしなくなった。同じ一航戦の片割れから言われては、ダメージは大きかったに違いない。
「は、はい」
吹雪が承諾したことを確認すると、赤城はお盆を手に、空いているテーブルを探しにいってしまった。
「でも協力って、何をすればいいのかしら……」
赤城から加賀に協力するように、とは言われても、何をするべきか瑞鶴はわからなかった。
相手が打ち解けてくれるかは、日頃どれだけ接し、どれだけ心を開いてくれるかにかかっている。結局、日頃の行いがものを言う。
だが、加賀は日頃から態度が硬く、表情の変化が乏しく、人付き合いが得意とは言えない。駆逐艦たちが先の話のような態度をとるのも、無理からぬと言える。そんな彼女が、周囲に打ち解けられるようにするにはどうすればいいのか。糸口が見えなかった。
「あ、そうだ!」
吹雪が声を上げた。
「加賀さんと日頃の態度が近くて、慕われている娘に聞けばいいんですよ!」
「……いるの、そんな娘?」
瑞鶴は、にわかに信じがたいようで、訝しげな視線を向ける。
「いますよ!ちょっと待っていてくださいね~」
言うやいなや、吹雪は目的の艦娘を探しに行ってしまった。
「不知火に、何の御用でしょう?」
間もなく吹雪がつれてきたのは、陽炎型駆逐艦、不知火。加賀ほど無愛想ではないが、彼女と同じく日頃の口数は少なく、表情の変化も乏しく、雰囲気は似ている。
何より特筆すべきは、彼女の瞳、戦艦クラスの眼光である。彼女の眼力の前では、たとえ戦艦娘でさえ、震え上がって声が出なくなるという噂である。
「えっと、不知火さんは、日頃みんなと打ち解けることができていますか?」
「はい、問題なく」
「挨拶したときとか声をかけたとき、相手の態度が畏まっていることはありますか?」
「ありません」
戦艦クラスの眼光で恐れられる彼女ではあったが、だからといって周囲が怖がったり、態度が硬かったりするかといえば、そうではないらしい。
「じゃあ、みんなと打ち解けるのに、何か秘訣とかありますか?」
「……特に、ありません」
吹雪の予想に反して、不知火は問題なく周囲とやれているらしい。態度が似ていても、加賀と不知火の差は何なのだろうか。
「でも不知火さん、戦艦クラスの眼光が有名じゃありませんか?それで周りから怖がられたって経験は、ないんですか?」
「吹雪、ちょっとその聞き方は失礼なんじゃない?」
瑞鶴は、吹雪の質問に苦笑する。
「……ないわけではありませんが、ごく短い期間で済みました」
「どうやって解決したんですか?」
「それはですね……」
すると不知火は、壁にかけられている時計に視線を向ける。
「……じきにわかります」
吹雪は首をかしげる。
「間もなくです。……3、2、1」
不知火がカウントを始めると同時に、床を軽快に駆ける足音が近づいてきた。
「し、ら、ぬ、い~」
彼女の名を呼ぶ声とともに、何かが不知火に飛びついた。赤みの強い髪を、黄色いリボンで縛っている人物は、不知火に抱きつくと彼女に頬ずりを始めた。
「もう、いつもの場所にいないから探し回ったわよ~」
「申し訳ありません、陽炎」
不知火に抱きつく彼女こそ、個性の強い陽炎型駆逐艦をまとめる長女にして、不知火唯一の姉。陽炎型駆逐艦の1番艦、ネームシップたる陽炎である。
「吹雪、こんにちは。ねえ、吹雪は何で不知火を連れて行ったの?」
「えっと、それは……」
加賀の疑問のことをいうべきか思案していると、陽炎は身を乗り出し、吹雪に顔を近づけて迫る。
「もしかして!不知火の魅力に気づいたの!?」
「へ……?」
「そうよね!不知火って、とっても魅力的よね!」
陽炎は吹雪の両手をしっかりつかみ、あらん限りの力で握り締める。
「可愛いし!優しいし!接しやすいし!面倒見がいいし!一緒にいて楽しいし!」
「え、ええ……」
「でも何より、微細だけど変化する表情!仏頂面に見えて、実は表情豊か!僅かに微笑む笑みが眩しい!勿論、戦艦クラスの鋭い眼光も魅力よ!」
陽炎によるのろけともとれる怒涛の不知火自慢という濁流に、吹雪は船体が傾くような錯覚に陥る。
「こんな可愛いのが、私の妹なのよ~。おねえちゃん幸せ~」
再び不知火にしがみつき頬ずりする陽炎は、天にも登りそうなほど幸せそうな顔をしている。
「……とまあこのように、陽炎が不知火のことを日々周囲に宣伝してくれています。残りの姉妹たちも、私のことをよく理解してくれていますから」
「なるほど……。自分の姿を知って広めてくれている人がいるから」
「誤解が生まれず、周囲は距離を取らない、と?」
不知火は頷いた。
そして不知火は陽炎に連れられ、別の席へと向かっていった。
「やっぱり姉妹の存在って大きいんですね」
「空母は一人っ子か、姉妹はいても少ないから、実感ないけど」
吹雪は特型24姉妹の長女なので、不知火の言うことはわかる。
長女といえばしっかりもの、みたいなイメージがあるが、吹雪はそうとは言えない。むしろ、地味だ。加えて、時折天然だったり、五月雨ほどではないにせよ、ドジを踏むこともよくある。
何もない所で転んでは、スカートの中が見えている、と指摘されることは日常的。また加賀ほどではないが、堅物でもある。
そんな彼女だが、地味でも頑張り屋、生真面目、どんな些細なことも親身になってくれるなど、そういった部分を妹たちが理解し、周囲に広めてくれているから、妹たちをほうっておけない姉、真面目な姉、真剣な姉、だから頼れる、というイメージが鎮守府に定着しつつあった。
だが、加賀にそれは期待できない。空母は姉妹が少ない。翔鶴と瑞鶴、祥鳳に瑞鳳、雲龍型くらいだ。一見姉妹に見える二航戦も、蒼龍型、飛龍型なので異なる。
「似た雰囲気の時雨さんや弥生さんも、姉妹が多いですよね?」
「そうね。時雨は別に接しにくくはないし、弥生は卯月がよくなついていたり、元気いっぱいの睦月が長女だもの。心配いらないわ」
こうして見ると、姉妹の存在は大きいと言える。
「でも、赤城さんにそういう役を期待できると思う?」
吹雪は苦笑した。赤城は、不器用で苦労している加賀を見ても、助けるどころか微笑ましいものを見る視線を送っていることが多く、そんな様子を楽しんでいる節がある。周囲の知らない加賀を広める役など、期待できない。
「やっぱり、自分の色んな面を、自分で周囲に理解してもらうしかないです」
「というと?」
「日頃の行いこそが、秘訣です!」
「……私と同じじゃないの」
「では次行きましょう!日頃口数が少なくて、感情の起伏の乏しい娘に、まだ心あたりがあります!」
吹雪はまたも、目的の艦娘を探しに走っていってしまった。
「何かようかい?」
次いで彼女が連れてきたのは、彼女と同じ特型駆逐艦、響である。同じ特型なのだが、末っ子のためか見た目は吹雪より幼く見える。だが、暁たち暁型4姉妹の中では一番大人っぽい印象を抱く。
「えっと、響さんは、周囲が自分と距離を置いているって感じること、ある?」
「この鎮守府に着任した頃はそうだったよ」
これは何か助言が期待できそうだ。
「じゃあ、どうやって周囲と打ち解けたんですか?」
「コミュニケーションをとること、あと、笑顔かな」
響が一瞬、吹雪にむかって微笑んだ。姉妹の雷には及ばない、僅かな表情の変化の笑み。でも、その柔らかい表情に、吹雪は一瞬ドキッとした。
「表情が硬いと、周りだって接しにくいでしょ?」
「そ、そう、ですね……」
吹雪は、先程の陽炎の台詞を思い出す。
―――可愛いし!優しいし!接しやすいし!面倒見がいいし!一緒にいて楽しいし!
―――でも何より、微細だけど変化する表情!ぶっちょうずらに見えて、実は表情豊か!僅かに微笑む笑みが眩しい!勿論、戦艦クラスの鋭い眼光も魅力よ!
―――こんな可愛いのが、私の妹なのよ~。おねえちゃん幸せ~
普段表情の変化が乏しい娘が柔らかい笑みを浮かべると、破壊力は大きいということを、吹雪は身をもって知った。こんな表情を見せられれば、他の悪いイメージなど吹き飛んでしまうだろう。それに、こんな可愛い娘が妹というのは嬉しいことだ。
「他には、話口調は穏やかに、柔らかく。表情には僅かにでも、感情を込めてね」
「なるほど……」
響の話口調は、姉妹の暁、雷、電に比べて淡々としている。
一人前のレディーを目指して背伸びする暁
分け隔てなく明るく、元気よく振舞う雷
なのです、が必ずつく電
いや、他3人の個性が強いだけでは?などと吹雪は思う。
「でも、やっぱり笑みが一番かな。笑わない、能面のような表情を浮かべていると、とっつきにくいと思うよ?」
「そうですね……」
加賀が笑みを浮かべている所を、吹雪や瑞鶴は想像できなかった。赤城なら知っているかもしれないが。
「あと、あえてボケるのもいいかもしれないよ?」
「ボケ?」
「ボケとツッコミの組合せだよ。完璧より、隙があったほうがとっかかりやすいでしょ?」
「例えば?」
「そうだね……」
真剣な顔で、響は言い放った。
「頭に鍋をかぶる、とかはどうかな?」
場にいる3人が固まった。
鍋をかぶった響。
それは、隙なのだろうか、体を張った渾身のボケなのだろうか。
そして想像してみよう、加賀が、鍋をかぶっている様子を……。
艦隊の主力の空母が、ボケで鍋をかぶっている様を。
主力に対して、突っ込むべきか、放っておくべきか、苦悩し右往左往する周囲を……。
「……冗談だよ」
「あ、じょ、冗談、ですよね」
「そ、そうよね~」
響の言葉で金縛りから解放された吹雪たちは胸をなでおろした。響はこういうとき、冗談なのか本気なのか、わかりにくくてこまる。
質問を終え、響は去っていった。すっかり冷たくなった昼食の残りを食べながら、吹雪は言う。
「結局、表情や口調が大事なんですね」
「……それって、結局は日頃の行いなんじゃない?」
「そうですね……。加賀さん、ちょっと笑みを浮かべてみてもらえませんか?」
「わかったわ」
そして加賀は、ニコ、っと笑みを浮かべた。
その表情を見て、吹雪と瑞鶴は、声にならない悲鳴をあげた。
昼食で栄養補給をしたはずなのに、吹雪と瑞鶴はなぜか任務から帰って燃料が切れたときのようにテーブルに突っ伏している。
「加賀さん、とりあえず、笑顔の練習からしてはどうでしょうか?」
突っ伏したまま吹雪はいう。
「練習っていっても、どうすれば……」
加賀は表情を曇らせる。先ほど笑みを浮かべたはずなのに、吹雪と瑞鶴は凍りついてしまった。本人にとってはショックだったようだ。
「そうですねえ……」
吹雪は顔をあげ、加賀のとなりを見る。
「瑞鶴さんに教わればいいんじゃないでしょうか?」
「はあ!私!?」
突然の指名に、瑞鶴は戸惑う。
「適任じゃないでしょうか?瑞鶴さんは笑みを浮かべること多いですし。楽しいとき、嬉しいとき、勝気なときとか」
「そういえば、確かにあなたは感情豊かね」
加賀が、吹雪の考えを後押しする。
「で、でも、なんで私が……」
すると吹雪は瑞鶴に近寄り、耳の傍で囁くように言う。
「……考えてもみてください。駆逐艦に笑い方を教わる、加賀さんの姿を」
あまり想像したくない光景だ。
「それに、周囲と上手く馴染んでいる空母に教わるのが、一番じゃないでしょうか?」
「そ、それは……」
「参考意見は集まったんですから、あとは実戦あるのみ、ですよ」
言い終わるなり、吹雪はお盆を持って足早に去っていってしまった。 去っていく吹雪を瑞鶴は半目で非難がましく見つめながら、
「……逃げたわね」
と呟いたのだった。
それから、瑞鶴は加賀と弓道場へとやってきた。ここなら、空母艦娘以外来ることはないし、幸い他の空母たちは出撃や演習で出払っているため、周囲の目を気にする必要はない。
「いいですか。笑顔っていうのは、自然になるものなんです」
「自然に……」
「そう。だから意図してやると引きつったものになるんです。例えば、何か楽しいことを思い浮かべてください」
「楽しいこと……」
「そう。それを思い浮かべながら練習しましょう」
だが、瑞鶴の講義も虚しく、加賀は引きつった笑みしか浮かべることができなかった。
「……ちょっと休憩しましょう~」
そういって、瑞鶴は弓道場に寝転ぶ。加賀は彼女の横に腰を下ろす。瑞鶴は、彼女に笑顔を浮かべさせることにこんなに難儀するとは想像していなかった。これなら、まだ姫級の深海棲艦と戦ってこい、と言われた方が楽だと思うほどだった。
ふと、瑞鶴はずっと抱いていた疑問を口にする。
「加賀さん」
「何かしら?」
「何で急に、周りと打ち解けたい、なんて思ったんですか?」
すると加賀は、表情を曇らせた。
「……おかしいかしら?」
「おかしくはないですけど、違和感はありました」
「違和感?」
瑞鶴は上半身を起こし、加賀を見つめる。
「だって加賀さんは、一航戦の誇りが大事、とか。赤城さんがいればいい、とか。赤城さんがわかっていてくれればいい、とか。周りがどう思っていようが気にしない。赤城さんという理解者がいれば、それでいいって感じじゃありませんでしたか?」
加賀にとっての赤城は、瑞鶴にとっての翔鶴とは関係が違う。瑞鶴と翔鶴は、単に姉妹という関係だが、加賀にとっての赤城は、唯一無二のパートナー。自分の片翼、半身、という考えが近い。
「その加賀さんが、周囲と打ち解けたいなんて、いつもと反対の行動をしていれば、違和感だって抱きますよ」
加賀は答えず、表情は曇り、サイドテールも元気なさげにしょげている。
「別に、今の加賀さんだって、任務はしっかりこなしていますし、連携に問題もなく、苦情もない。戦闘では皆、頼りにしていますよ」
一瞬、加賀の体が、ぴくっと反応した。
「何で急に、そんなこと言い始めたんですか?」
「……あなたの言っていることは、間違っていないわ」
いつもの加賀とは異なる、弱々しい声色で、彼女は言う。
「確かに、現状戦闘における連携では、問題ない。任務は順調にこなしているし、苦情だってない」
瑞鶴は黙って、加賀の話に耳を傾ける。
「でもそれは、戦闘や任務に限った話、でしょう?」
瑞鶴は首をかしげる。
「戦闘から一歩でも遠ざかってしまえば、私に近づいてくる娘は少ないわ」
話の先が見えず、瑞鶴は疑問符を頭に浮かべる。
「非番の日、多くの娘たちは、仲のいい者同士で過ごすと思うけど、私は多くは一人でいるわ。居ても、赤城さんくらいよ」
「それは過ごし方次第なんじゃ……」
「そうね。でも、敷地内で楽しそうな喧騒が聞こえる一方で、部屋に自分しかいない、誰も訪ねてこない部屋っていうのは、結構寒いんだなって、思うことがあるわ」
ある朝の件だけではない。加賀は、それより以前から悩んでいたのかもしれない。
「あなた、考えたことない?」
「何を、ですか?」
加賀は、瑞鶴を見つめながら言った。
「この戦いが終わったら、私たちはどうなるのか?」
突拍子もない話に、瑞鶴は言葉につまった。
想像力や聞いた噂を総動員し、瑞鶴は答える。
「その時は、艤装は解体されて、普通の人間のように過ごすんじゃないんですか?」
「かもしれないわね。でもそうなったとき、私たちはどうやって生きていくの?」
「そりゃあ、いきなり社会に溶け込むことはできませんから、かつての仲間をまずは頼りながら……」
言いかけて、瑞鶴は加賀の考えを察した。
「そうなるわよね」
加賀は俯く。
「昔はこんなこと、考えなかったのに……」
加賀たちは、戦船の記憶を持つ。だが、それ以外は人間とほとんど変わりがない。人の形を得たことによって、彼女は新たに得たものに戸惑っていた。
想像という、力に。
「私たち艦娘は、戦うための存在。でも、今は鉄の船じゃない。いいことがあれば嬉しいと感じたり、辛いことがあれば悲しむ。感情がある」
「そう、ですね」
「以前は、誇りのために生きればいい。赤城さんと共にあることができればいい。わかってくれる人が、一人でもいればそれでいい。そう思ったわ」
いつになく加賀は饒舌に話始め、言葉には力が込められている。
「でも、戦いがなくなったら?それより前に、戦えなくなったら?自分を理解してくれている人がいなくなったら?」
瑞鶴は、黙って加賀の話に耳を傾ける。
「戦いしか取り柄がない、その中でしか存在を意識されない、頼られない私は、どうすればいいの?」
「それは……」
「戦いがなくなれば、私は、一人になるわ……」
彼女はなにも言えなかった。いい加減に答えていいものではなかった。
「一航戦だなんだと周囲は持ち上げるけど、戦いの中だけのこと。その場から離れてしまったら、赤城さんが離れてしまったら、一人になった私はどうすればいいの?」
加賀の表情は曇る一方で、言葉は次第に熱を帯びていく。
「私は、飛龍や蒼龍のように元気で接しやすいわけでも、赤城さんのように温和なわけでも、翔鶴のようにおしとやかなわけでも、あなたのように感情豊かで後輩に慕われているわけでもない」
加賀が周囲、同じ空母たちをどのように見ていたのか、吐き出す。
「そう考えたら、私は怖くなった。自分が空っぽになったような、足元が崩れるような気がしたの……」
戦いをとってしまえば、何も残らない。ただ、それは加賀だけが当てはまるわけではないが、ここで口にすることははばかられた。
「戦いから離れたら、戦いのない私には何もないの。取り柄も、居場所も…。せめて居場所を得るには、周囲と打ち解ける必要がある。それには、無愛想な自分を変えるしかないの…」
要するに、加賀は戦闘時以外、日常生活で、仲間の中で居場所を得たかったわけだ。だから周囲に溶け込みたいと思ったし、接しやすい自分を作ろうとした。
駆逐艦が接しにくいようではダメだと思った。彼らが接しやすくなければ、同じ主力艦が接しやすいだけではダメだと、感じ取ったのだ。
加賀の話を聞き終えた瑞鶴は、ため息を吐きだした。
「加賀さんて……」
「何?」
「……妄想がヒドイですね」
「なっ!」
加賀は瞬時に顔を赤くし、瑞鶴を睨んだ。
「あなた、人が真剣に……」
瑞鶴は、加賀の放つ殺気に首筋がチリチリ焼かれるのを感じる。それでも、彼女は続ける。
「だって、まず前提が間違っています」
「どこがよ!」
「まずその話だと、私生活で加賀さんを求めてくれる人がいないように聞こえるんですけど?」
「そうよ。赤城さん以外は……」
すると、瑞鶴は一瞬ムッとした表情を浮かべ、加賀の膝に倒れこみ、自分の頭を載せた。
「瑞鶴?」
想像だにしない行動に加賀は目を見開き、戸惑う。そんな彼女をよそに瑞鶴は続ける。
「私は、公私共に、加賀さんを求めてます」
「……何を言っているの?」
瑞鶴は、加賀のお腹とは反対を向きながら、気持ち小さめの声で言った。
「ですから……、加賀さんとこうやって、何気ない時間を過ごしたいって言っているんです」
「……あなた、私が嫌いじゃないの?」
「なんでそう思うんですか?」
「だって、あなたは私とよく口喧嘩するし、私はあなたにきついことを言ったりする、から」
「自覚あったんですね……」
五航戦の子なんかと、一緒にしないで。初対面での印象は最悪。
一航戦なんて大っ嫌い!売り言葉に買い言葉。
その後も鍛錬のたび、2人は言い争いがたえなかった。それでも、加賀は瑞鶴の指導役を外れることはなかったし、瑞鶴も瑞鶴で、指導役を変えてとは言わなかった。
「口喧嘩しても加賀さんから離れないのは、離れたくないからですよ」
「理由になってないわよ」
「ですから!……加賀さんのことは、憧れてますし、尊敬してますし、見習いたい先輩というか……」
瑞鶴は上手く言葉にできないもどかしさにじれ、言い放った。
「あ~もう!要するに!加賀さんのこと慕っているって意味です!」
弓道場に児玉した声は、空気中に拡散し、周囲に響き、そして消えた。
その言葉が伝わった加賀は、キョトンと彼女を見下ろしている。
「私じゃ、不満ですか?」
耳まで赤く染まっている瑞鶴の頭を、加賀は撫でた。
「……不満じゃないわ」
すると、加賀は柔らかな笑みを浮かべて、言った。
「あれだけ言い合いしたのに、よく愛想を尽かさなかったわね」
「言い合いできるのは、本音をぶつけることができているってことです。親密な仲でないと、できませんよ……」
「……そうね」
加賀が微笑んだ。その笑みは、不知火や響が浮かべるような、ほんの僅かな、表情の変化。柔らかく、慈愛を含む彼女の笑みは瑞鶴には効果絶大だったらしく、彼女は加賀からすぐに目をそらした。
日頃あまり笑わない人が笑みを浮かべたときの破壊力を、瑞鶴は身をもって知ることになった。
「ですから、そんな心配すること、ないんですよ……」
頬が熱を帯びる。でも、瑞鶴は止まらない。
「加賀さんがどうであっても、あなたを必要とする人は、必要としてくれますし、私は、必ず、傍にいます……」
「そう」
「まあ、もう少し、笑ったほうが魅力的とは、思いますけど」
「善処するわ」
瑞鶴は、急激に熱くなった顔が冷めるまで、加賀の方が向けず、そこから動けなかった。そんな彼女の頭を、加賀は黙って撫で続ける。
「……ありがとう」
膝の上で寝る瑞鶴の耳元で、加賀は囁いた。
穏やかな時間が過ぎた後、2人はいつもの鍛錬を始めた、が…。
「ちょっと、加賀さん!」
「何かしら?」
「これ、いつもの、倍の、訓練メニューじゃ、ないですか?」
いつもより苛烈さを増した加賀の鍛錬に、瑞鶴は息も絶え絶えになっていた。
「それくらい、できなくてどうするの?」
「なんですって!」
ツインテールを猫のように逆立てる彼女に、加賀は頬を赤く染めながら言った。
「あなた、必ず私のそばにいてくれるんでしょ?」
「……はい」
「なら、あなたには強くなってもらわないと困るの」
「急に何ですか……」
「あなたに、沈んで欲しくないから」
加賀のか細い声を、瑞鶴は聞き逃さなかった。
「だから、これくらいの鍛錬こなして、早く強くなって。生き残って戦いを終わらせて、あなたと平穏な日々を、送りたいの……」
自分の言った言葉を、加賀は真剣に信じてくれている。
「そうですね」
瑞鶴は立ち上がった。
「なら、さっさと一航戦より強くなって、戦いを終わらせないといけませんね」
「さりげに一航戦より、ってつけるんじゃありません」
「は~い」
瑞鶴は再び訓練に励む。その後輩の背中を、加賀は見守る。
後輩を見つめる先輩の顔は、いつもより柔らかく、穏やかで、安心感を含んだものに、なっていた。
自分を想ってくれる、受け入れてくれる人が、目の前にいることに、気づけたのだから。
後日、弓道場で瑞鶴が叫んだ言葉を、偶然通りかかった蒼龍や飛龍、翔鶴、赤城たちに聞かれ、しばらくからかわれることになったのは、別の話である。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
勢いで書いた話なので荒削り、未熟な表現の文章ですが、
楽しんでいただけたら幸いです。
また投稿の機会がありましたらよろしくお願いします。