神様「可哀想なのは抜けない」   作:明田川

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同じジャンルでランキング乗ってる人が居たので、触発され執筆。



帰還

前回の邪神ダンジョン爆破から数年、諸悪の根源を絶つことに成功した主人公は神様からの依頼はめっきり減った。

 

転生先で衣食住は神様によって保障されていたものの、だからといって働かないのもどうかと思い就職した先は…

 

ーーー

 

「おーい、わしじゃ」

 

「神様じゃないですか、久しぶりですね!」

 

「お主どうした」

 

彼はビルの屋上で狙撃銃を構えていた。

 

「いや、近場のカフェに就職したら裏の顔が殺し屋派遣組織だったんです」

 

「どういうこと???」

 

「流行ってるじゃないですか、殺し屋」

 

コンクリートに溶け込む灰色の迷彩服を着てハハハと笑う彼、神が知らないうちに相当環境が変わっていたようだ。

 

「にしては魂が全く穢れてないんじゃが、ホントに殺し屋やってる?」

 

「実は昨日研修が終わりまして、今日が実質初出勤的な感じです」

 

気が抜けたのか狙撃銃から手を離し、スマホを弄りながら懐から取り出したゼリー飲料を飲み始めた。

 

「この野郎…(コイツ結構抜けてるからのう、過去を見てみるか)」

 

ーーー

 

遡ること一年以上、カフェの面接にて。

 

「一次試験はアトラクションです、一定時間内にゴールに到達して下さい」

 

「成る程」

 

『何がじゃボケ』

 

彼はサ○ケじみた試験を受けていた、一切疑っている素振りがないのが怖い。

 

「凄いなぁ、今どきのカフェは身体能力も必要なのか」

 

『アホじゃったわコイツ、よく今まで生きてこれたな』

 

転生特典として受け取った身体能力の強化は凄まじく、建物の外壁をよじ登ったり邪神の手先と異能バトルするくらいは素で出来る。

そのため彼はあっさりと一次選考を突破してしまったのである。

 

「よーし、このまま受かるぞ!」

 

ーーー

 

「(よくよく考えたらコイツ、転生した時の飲み込みの速さが異様だったのう)」

 

速攻で催眠アプリ持ちをぶん殴ってたのを思い出す神、そうこの信徒はかなりやべーやつである。

 

「こ、今回のターゲットはどんヤツなんじゃ?」

 

「流石になんでも請け負うのはダメかなって思ったんで、しっかり目標は絞りましたよ!」

 

A4用紙にプリントされたのは目標の個人情報と暗殺依頼にまで至った経緯だった。

 

「暗殺を依頼する理由聞きます?」

 

「そうじゃな、聞こう」

 

「長年付き合っていた男子を寝取られた、原因を探らせたら誤解を招くような写真を盗撮されたことが発端だったので殺しておきたい…とのことです」

 

「男なんじゃな」

 

そこではない、滅茶苦茶物騒な寝取り話である。

よくよく見れば依頼主も相当な上流階級の出な上、相手も同じだ。

取り合いになってる男が可哀想である。

 

「ここ貞操観念が逆転してるんですよ、この世界じゃ僕もヒロインです」

 

「精々ギャグキャラじゃろお主」

 

ーーー

 

ビルの屋上に張り込んで早数時間、彼は飽きずにスマホを触っていた。

 

「お主もう少し真面目に暗殺する気はないのか」

 

「ぶっ放したいのは山々なんですけど、どうにも怪しいんですよ」

 

「怪しいとな?」

 

彼がスマホの画面を神に見えるよう向けると、そこには目標が居る窓を外側から移した映像が流れていた。

 

「ドローンです、ハイテクですよねー」

 

「よくバレなかったと感心するわ、何してんだよ」

 

窓に反射するドローンの姿は珍妙なもので、サボテンが植わった鉢植えの写真を全面に貼り付けられていた。

それが窓の外側に着陸し、じっと内側を映している。

 

「これが光学迷彩ってやつです」

 

「光学を学び直せ、これ騙し絵みたいなもんじゃろ」

 

「それよりこの目標ですよ、この雰囲気何処かで見たことありません?」

 

この禍々しいオーラはまさしく邪神のものだ、かつて愚かにも本拠地でライブ配信を行ったために爆破された筈なのだが…

 

「こうなっては動かねばなるまい、その銃を貸すんじゃ」

 

「又貸しは懲戒免職です」

 

「大丈夫、ちょっと改造するだけじゃから」

 

配下の天使が数秒で改造して手元に戻ってきたそれは、特に何か変わった様子が無い。

 

「何したんですか、引き金引いたら触手殺すビームとか出ます?」

 

「局所的な効果じゃな、そうではなくお主の力を弾丸として打ち出せるよう改造した」

 

そう、この男は邪神の力を消し去る力を神より与えられているのだ。

 

「マジすか、どうやってギリギリ殺さないか考えてたんですけどなんとかなりそうで良かったです」

 

「殺し屋なのに殺す気が無いのか」

 

「いやなんか明らかに断れる気配じゃなくて…」

 

「日本人がよォ」

 

ーーー

 

私は目の前の女性の護衛だ、小さい頃から見て来たが最近はやけに様子がおかしい。

失恋して以降過激な行動が目立つようになり、最近では脅しまで使い親友であった筈の同級生から彼氏を強引に奪ったのだ。

 

「(正直言って目に余るが、私ではどうすることも出来な…)」

 

日差しがやけに強くなったなと思ったその次の瞬間、部屋の中央で例の同級生とレスバする護衛対象が光に包まれた。

局所的に発生した光の束が何故か彼女に直撃している。

 

「えっ、ちょっ…なんの光ィ!?」

 

「アッ、熱!これ熱いわ!」

 

「でしょうね!」

 

ビデオ通話だったらしく、彼女を移すカメラの映像はあまりの光量に当てられ真っ白だ。相手が余裕かまして飲んでいた紅茶を思いっきり吹いている。

 

「思ったより熱い、主に胸が熱いわ!」

 

『ちょっ、本当に…ブフォッ、やめてもらえま…フフッ』

 

「滅茶苦茶笑われてますよお嬢様!対抗しますか!?」

 

「何に対してよ!この光に対してなの?!」

 

この数秒後に光は止み、何故か急に改心した二人は話し合いの結果男を共有財産にするらしい。

私は焦って余計なことを言ったので首になった、今はタダのコンビニバイトだ。

 

ーーー

 

「思ったより出ましたね」

 

「威力十分じゃな、撃った場所モロバレじゃけど」

 

あの後護衛と思われる人に追いかけ回されたりしたが、問題なく逃げ切った当たり受けた研修の成果はあったのだろう。

 

「で、依頼はどうなったんじゃ」

 

「依頼失敗ってことで怒られたんです、何したらああなるんだと」

 

「ワシだってそう言う」

 

「そしたら依頼主から最良の結果に落ち着いたから報酬は倍払うって連絡が来まして、同じ様な依頼が殺到しました」

 

「えっ、スナイパー家業は続行ってコト…?」

 

「ですね、お金も入ったし牛乳を街中に配置してどれだけサキュバスが来るか調べる私の研究が進みそうです」

 

「餌置いてカブトムシ来るか確かめる小学生の自由研究???」

 

 

 

 





このジャンル流行れ、あとスパイファミリーもっと流行れ。
誤字報告ありがとうございます!書いてる時基本頭空っぽなんで助かります!
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