神様「可哀想なのは抜けない」   作:明田川

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3回目の初投稿です


例のおじさん

とある昼下がり、テンプレのように路地裏に連れ込まれそうになっていた女性を助けて、その後誘拐されかけていた少女を家まで送り届けたところで神様から連絡が入った

 

「マズイことになったんじゃ!」

 

「そんなに慌ててどうしたんですか神様」

 

「ワシのライバルの邪神がこの世界に刺客を送り込んできよった!」

 

「ライバルなんていたんですね、邪神なんて物騒な」

 

「ヤツは恐ろしい性癖の持ち主でな…女性が酷い目に遭ってぐちゃぐちゃにされるのが好きなんじゃ、神の権限を利用して何人の精神を崩壊させたかもう数えきれん」

 

「いや思ったよりヤバそうな神様だった、これは楽観視できないタイプだな」

 

「おそらく今回送り込まれたのは…種付けおじさんじゃ」

 

「…え?神様いまなんて言いました?」

 

「だから種付けおじさんじゃよ、神の力によって女性に対して圧倒的な力を発揮できるようになった改造人間じゃ」

 

「か、勝てるんですか?」

 

「なあに、やり方はある」

 

〈VS種付けおじさん〉

 

彼は種付けおじさん、邪神によって改造されてからは性欲とアレは破裂せんばかりに膨れ上がり、今現在正気を失いかけている。そして女を求め、まだ明るいというのに町に繰り出してしまったのである。

 

「…」

 

道行く人々を見て彼はヤレるか、ヤレないかを瞬時に判断し対象の隙を伺う。滾る精力を解消するためには並みの人間では足りない、多少乱暴しても潰れないメスが必要だと常人離れした思考回路で次々女性たちを見定めては離れていった。

 

「…ぉ!」

 

彼は一人の女性をロックオンした、高い身長に多少鍛えられた体、そして筋肉以上に人目をひく巨乳。そしてスポーツタイプのスタイリッシュなデザインの眼鏡をかけていて、服装はランニングウェアのような肌色が多い服だ。最近流行りの町内ランニングコースとやらを回っているのだろうかと考えたがすぐに性欲に掻き消された。

 

「…ふんっ!」

 

周りに人が少なく、こちらを見ていないことを気配で察すると神的パワーが込められた腹パンを女性に叩き込んで気絶させた。本来なら腹パンで気絶することは滅多にないらしいが神的パワーを使える種付けおじさんにとっては科学やら医学やらは取るに足らないことであった。

気絶した女性を町外れの今は使われなくなった倉庫へ運び込んで適当な柱に拘束した、どうやってヤろうか?と真剣に悩んだがほんの数十秒でヤってから考えようという結論に至った。

そして未だ気を失ったままの女性を叩き起こそうとして…ガラス窓が割れる音がした。そして自分めがけて飛んでくる先端の尖った鉄パイプを手で殴って止めた

 

「…?」

 

「奇襲で仕留められれば楽だったけど、そうはいかないか…」

 

割れた窓の向こうには、一人の男性が立っていた

 

ーーー

 

「クッソ、身体能力じゃ互角か!?」

 

「…シッ!」

 

「うぐっおっ!?」

 

倉庫内の格闘戦は種付けおじさんの先制で始まった!身体能力は高くてもそれを使いこなせない両者は、泥沼の殴り合いを続けることになっていた。力任せの蹴りは壁に大穴を開けるほどで、技術もへったくれもない攻撃は不恰好ながら威力だけはあった。種付けおじさんは理性を失っており、生殖行動をするという本能に近い何かによって突き動かされているようだった。

 

「こんだけ殴って怯みもしないとか、痛覚どうなってんだよ!」

 

「…」

 

「なんか喋れよ!モブ男とモブ太郎だってセリフあっただろ!?」

 

「…ぁ」

 

「ごめん聞こえんかったわ、なんて?」

 

「…ぁぐ」

 

「もしかして正気じゃなかったりします?」

 

動きの鈍ってきた種付けおじさんに攻撃を叩き込み続けるも大したダメージにはなっていない!ゾンビのように平然とこちらへ歩み寄ってくる、ホラーでしかないね!

 

「神様ァ!どうすればいいんでしょうかーー?!」

 

「奴の中にある邪神が与えた力、それを消せばいいのじゃ。お主にも同じようにワシの与えた力がある、それを上手いこと相手にぶつければ…たぶん」

 

「ええい、最後で台無しだがやるしかないのか!」

 

神様の力を相手にぶつける、そうと決まれば両手を相手に向けて手のひらに力を込めた!すると光の玉が腕の先に顕現し、みるみる大きさと力が増して行くではないか!そしてクッソ眩しい!

 

「これをヤツに放てばいいんですよね!」

 

「うわ眩しっ…いやなんでもない、それでいけるいける」

 

「クソがッ!喰らえ勧善懲悪ビィーーーム!!」

 

神のアバウトな指示に半ばヤケクソとなった彼はもうなんでもいいから種付けおじさんを吹っ飛ばすという明確な殺意のもと放たれたビームは種付けおじさんの内部にあった邪神の力を完全に消滅させて、彼をただのおじさんへ戻していた。

 

「彼は元から邪神の力を制御できておらんかった、このまま放置しておればその力が暴走して死んでおったじゃろう。邪神の奴も威力偵察のための捨て駒として使ったというところか」

 

「邪神…最低だな!」

 

「お主さ、もう少し雰囲気よんでセリフ選べない?」

 

「いや神様が言わないで下さいよ」

 

女の子達を助けるために転生したというのに突然異能バトルと化した現場に戸惑う主人公であった。

 

ーーー

 

「あれ、ここは?」

 

「病院ですよ、あなたは熱中症で倒れたって運び込まれたんですよ」

 

「おかしいな…歩いててそれからどうしたっけ?」

 

種付けおじさんに攫われた彼女はどうにか気絶していた頃のことを思い出そうとして…一部をどうにか思い出せた

 

『この人どうやったら起きますかね?』

 

『邪神パワーによってどーたらこーたらされてるから、またビーム撃ち込めば治るぞい』

 

『また雑な、勧善懲悪ビーム…いや別の方法でやろう。ハンドパワーッ!』

 

男の手から無駄に眩しい光が出て、そこで記憶は途切れている。

 

「なにこの記憶…」

 

結局彼女は不安になってその後かなり精密な身体検査を受けた




深夜テンションが一周回ってしまいました、許して
次はちゃんとエロ展開阻止しますよー

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