神様「可哀想なのは抜けない」   作:明田川

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また思いつきで書きました、許して
ちょいと長めです


くっころ

「…え、この世界って異世界と繋がってるんですか?」

 

「もちろん、そうでもしなければ全てのジャンルを網羅できぬ」

 

「そういやエロ同人的な世界でしたねここ、というか折角焼肉屋さんに来て楽しくご飯を食べてる時になんですかいきなり」

 

「思ったよりエンジョイしとるのお、お主。今回はその異世界のうちの一つに行ってもらって女騎士を助けてやって欲しいんじゃ」

 

「相手は何ですか?八割がたオークと思ってますけど」

 

「いやそれが…野盗なんじゃけど、予測によると弄ばれた後にダルマにされて内臓引きずり出されて死ぬんじゃ」

 

「いやリョナ系じゃないですか、折角ホルモン頼んだのに…まあ食いますけど」

 

「すまんな、急を要する事件じゃからな。焼肉はわしの部下の天使が引き継ぐから安心せい、代金も払っておく。空港へ行って異世界行きの便のチケットを購入するんじゃ」

 

「飛行機で行けるんですね…というか天使を焼肉屋によこしていいんですか」

 

ーーー

 

トランクに異世界用の服やらなんやらを詰め込み、異世界でも通貨に換金が容易な金を持ち。後は必需品を詰めて飛行機へ乗り込んだ。

 

「実は自分飛行機乗るの初めてなんですよ、おお動き始めた」

 

「異世界は観光先として人気じゃが…今はシーズン過ぎだからか人が少ないのう。まあ今はドラゴンが活動するから危ないからかのう?」

 

「やけに詳しいですね」

 

「わしもよく行くんじゃよ、景色が綺麗じゃ」

 

「へぇー」

 

空中に空いた大きな穴を通り異世界へ着いた、入国は滞りなく進み如何にも異世界な街で観光マップを広げている。

 

「んで、取り敢えず何処へ行けばいいんですかね」

 

「ここから少し遠くの森なんじゃが…モンスターを狩る冒険者に紛れるのにその服じゃ心許ないの。装備品を取り扱う店がこの先にある、ポケットの中にある金属のプレートを使うんじゃ」

 

「いつのまにか入ってると思ったら神様の仕業ですか」

 

神様の言っていた店に着くと異世界語と日本語の二種類で書かれた看板には「コンドウ武具店」と書かれていた。

 

「店主が日本人だとは思わなかった」

 

「いや、嫁さんが近藤さんなんじゃ。二人が結婚する前もしてからも大変でのぉ…まあNTRの危機が何回か。その度に自分で行ったり天使を派遣するのは骨が折れたぞい」

 

「何やってんすか神様、それなのに焼肉屋に天使派遣したんすか」

 

「そんなことを気にするでない、ほらさっさと店主のコンドウ・ゴンザレスさんに挨拶せんか」

 

「名前からして強そう、すいませーんゴンザレスさんいますかー?」

 

「はーい」

 

出てきたのはメガネをした、いかにも仕事できそうな男性が出てきた。中肉中背ぐらいだがしっかり鍛えられた体をしている。

 

「なんか違う、この人絶対異世界の服よりスーツの方が似合う」

 

「は、はい?」

 

「すみません、なんでもないです。このプレートを渡せと言われたんですけど」

 

「はい…こ、これは?!」

 

ーーー

 

神様は三上と名乗り近藤夫婦を助けていたらしく、とんでもない恩人だとか。そしてそのプレートには三上の名前と彼の装備を見繕ってやってくれ、代金はこのプレートで頼む…と書いてあったらしい。

 

「このプレートはミスリル製ですね、これなら一般的な冒険者の装備は揃えられますね」

 

「こんなクレジットカード大のプレートにそんな価値が…」

 

「こちらへ、装備を吟味しましょう」

 

「あ、どうもお願いします」

 

身体を覆う鎖帷子をベルトで固定して分厚い上着を着る、頑丈に作られた革製のブーツを履いてその他諸々…

 

「神さ…三上さんってどんな人ですか」

 

「元気なおじいちゃんですね、ぱっと見。最初は家の周りをぐるぐる歩き回るので不審者かボケ老人かと思ったもんです」

 

「へ、へぇ…」

 

それから惚気話と神様への感謝の言葉を聞かされた、正直女騎士の事を忘れかけていたのは内緒だ

 

「ありがとうございました」

 

「お気をつけて」

 

神様の誘導に従って女騎士がいるという少し遠くの森へ向かった。

 

「惚気話聞いてたからもう女騎士捕まってたぞい」

 

「えぇ…なんで教えてくれなかったんですか」

 

ーーー

 

樹木にロープで拘束された女騎士は身をよじってなんとか脱出しようとするが周りを固める盗賊の部下がそれを許さない、絶体絶命の状況だ!

 

「まあよく暴れてくれたな…」

 

「賊共がッ!触るな!」

 

「おお危ない危ない、大人しくした方が身の為ですぜ?」

 

「いや結局殺されるなら身の為も何もないと思うんですがそれは」

 

「…何言ってんだお前、見ない顔だな」

 

「そうでしようねッ!」

 

女騎士にセクハラをしていた盗賊のボスとの距離を一瞬で詰め、そのままの勢いでタックルを仕掛けた。

 

「ごふぅ!?」

 

吹っ飛ばされて木に叩きつけられ、ボスはあっさり気絶した

 

「ぼ、ボスゥ!?」

 

「やれ!やっちまえ!」

 

盗賊が刃物を抜いて一斉に襲いかかった…

 

ー10分後ー

 

「あ゛あ゛、死ぬかと思った。鎖帷子とか装備品はやっぱり大事だな、毒塗ってやがった…そうだ女騎士は」

 

「この私が女騎士呼ばわりとはな…」

 

「そういう強者っぽい台詞は盗賊を逆に返り討ちにするぐらいになってから言ってくれませんかね、ほら街まで送りますよ」

 

ーーー

 

「すみません、牛タン追加でー」

 

「はーい」

 

結局天使さんは三人前食べて帰った

 

 

 

 




たまには太陽が出ている時間にでも投稿しようと思いました
皆さん感想とか評価ありがとうございました!

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