まあそんなことより初投稿です(嘘つき
それと指摘あったので少し変えましたー
「触手…ですか?」
「他の生命体を利用して増殖する厄介な奴じゃ、今回はSF世界に行ってもらうぞい」
「前は飛行機でしたけど、こっちは何で行けるんですか?」
「海上に異世界と繋がる穴があるからの、今度は船じゃ」
「おお!船ですか、楽しみですね〜」
ーーー
とある宇宙の片隅、惑星の近くを漂うステーションの中に警察組織が突入していた。
理由は犯罪組織が密輸入したという情報を掴んだからであり、かなりの人数がこの組織制圧に駆り出されていた。激しい攻防の末に警察は勝利し、密輸入されたものの押収を行なっていた。
「例の危険生物が犯罪組織の手に渡るとはな、B班どうだ?」
「危険生物確保しました、他にも様々な違法物品多数確認!」
「ロクでもないな、早いとこ処分してしまいたいところだ」
しかし誰も危険生物が一匹足りないことに気がつくことはなかった、その危険生物は今どこに…
ーーー
「海が綺麗だ、数時間で着くって言われてましたし以外と近いんですね」
「うむ、もうそろそろ着くぞい。そういえばキチンと用意はしてきたかの?」
「SF世界って何がいるのかわかんなかったですけど、調べて必要そうな物は密林で注文しておいたので大丈夫です。でも明らかにやばそうな媚薬とか催眠術セットが売ってるのはエロ漫画的な世界だからなんですかね?」
「諸悪の根源はネットかもしれんの、天使に対応してもらわねば…お、見えてきたぞい」
「天使が不憫でならない」
「向こうの世界についたら宇宙への打ち上げが待っておるぞ、頑張るんじゃな」
「まじすかテンション上がってきた」
「こらこら、踊るんじゃない変な目で見られるぞい」
ーーー
「人生初の打ち上げを体験してきました、遊園地のアトラクションなんか目じゃないですね」
「じゃろうな、どうじゃった?」
「無重力クッソ楽しかったです、調子乗ってゲッダンしてたら重量発生装置かなんかが起動して床に叩きつけられました」
「はしゃぎすぎじゃろお主」
「ストローと水で遊ぼうとしたんですけど、もう他の乗客がやってたんで別のことをしようと思いまして」
「しかもゲッダンに集中しすぎて床に落ちるとは…そりゃ周りの乗客の想像の斜め上をぶっ飛んだのう」
「みんなが真似したので丁寧に教えておきました」
「おい」
その後、無重力状態で本来なら不可能なダンスを踊るというのが流行ったり流行らなかったりした
ーーー
「まさかパトロール中に遭難船に会うなんて」
ステーションの周りをパトロールしている新米女性警官は滅多にないことに驚いたが訓練通りに本部に連絡を入れて遭難船の乗員救出へ向かった
「あっ生存者発見!大丈夫ですかー?」
「助けてっ!みんな襲われ」
そう言った瞬間に生存者は天井の通気孔から伸びた触手に捕まり、中に引きずり込まれてゆく
「嫌ッ!助けてまだ死にたくな…」
生存者は言葉を言い切る前に事切れたのだろうか、手足をだらんと脱力させ失禁しながら通気孔に姿を消していった
「な、なんなのこれ」
腰の銃を引き抜き、震える手で構えた。この船は自分一人ではどうしようもない、とりあえず自分の宇宙船に戻ろうと考えて後ろを向いたが扉は触手によってふさがれていた
「なんでッ!?さっき入ったばかりなのにいつのまに…あっ」
驚いて扉から距離をとってしまったが、その頭上に通気孔があることに気がつく。そして通気孔の蓋は外れており中にはピンク色の触手がぎっしりと詰まっていた。
「あ、あははは」
恐怖で尻餅をついて銃を手放してしまった私を、触手は絡め取って通気孔に…
「汚物は消毒だぁぁぁあ!!」
突如触手で塞がっていた扉が勢いよく燃えて触手が消し炭になる、そしてその扉から入ってきたのは火炎放射器を携えた一人の男性だった
「うおらぁぁぁあ!死に晒せぇぇ!」
通気孔に勢いよく炎を噴射して触手を燃やす、私を捕まえている場合ではないと勢いよく引っ込んだ触手の支えを失った私はまた床に落ちた
「くーれないーにそーまーるー、こーのおーれをー」
あんまり上手いとは思えない歌を歌いながら周りの触手を片っ端から燃やして片付ける。そして私に近づいた。
「大丈夫ですか?」
「は、はい」
火炎放射器の男性は触手の時のような罵詈雑言ではなく、とても丁寧な言葉で私を心配し、船まで送り返してくれた
ーーー
「とりあえず一人救出ですね」
「いやSF世界に行くとは言ったがの、なんで火炎放射器を密林で注文するんじゃ」
「売り文句が〈これであの触手もイチコロ!〉でしたからつい」
「これでってどの触手じゃよ、エロ漫画世界はどんだけ魔境なんじゃろうな…そういや魔境じゃったわ」
「触手なんて腐るほどいますからね、先を急ぎましょうか」
「ワシこの世界の女の子救えるか心配になってきたぞい」
火炎放射器と身体能力をフルに使った格闘で触手を千切っては投げ、千切っては投げ…
「雑草抜いてる気分になりますねこれ」
「いくら千切っても生えてくるからのう」
「ここで取り出しますは触手駆除剤、売り文句は〈これで庭の触手とはおさらば!〉でした」
「普通庭に触手は生えぬと思うがの」
「ダバダバーっと」
本来なら薄めて使うものを原液でかけられた触手君はあえなく死亡、その後その力を理解した主人公が何処からか取り出した高圧洗浄機で水代わりに飛ばされて駆除は完了した
「いやあしぶとかったですね、季節が変わったらまた生えたりしますでしょうか」
「だから触手は雑草じゃないと言っておろうに」
「そういえば乗員はみんな生きてて良かったですね、触手のエロ漫画媚薬にあてられてただけですんでましたし」
「ハッピーエンドじゃな」
「ちょっと強引じゃないですか今回」
「急がねば帰りの便に間に合わなくなるぞい、次の便は明日にしかないからの」
「えっ、もう間に合わなくないですかそれ」
間に合わなかった
ーーー
「SF世界でも枕元に牛乳おいてみたんですよ」
「なんじゃそのチャレンジャー精神」
「そしたらSF世界に左遷されたサキュバスがゴツい宇宙服を着て泣きながら回収していきました」
「なんじゃそれ」
「流石に可哀想だったんで持ってきてた牛乳をあげておきました」
「お主さては最初から試す気満々で牛乳準備しておったな?」
難産だった
今回は文字数だけですね…もっと精進します