ソードアート・オンライン 〜黒猫の爪牙と断罪の鎖〜   作:暇人鶯

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000:プロローグ

 

ある階層の大部屋にはたった3人の攻略者がいた。

彼らはたった2人のギルドとソロプレイヤーであった。

金髪の少年は自らの身長の3倍はあろうかという大剣を肩に担ぎ、ハチマキをして、首から下は重そうな西洋風の甲冑を着ていた。

白髪の少年は鎖鎌を振り回し、白一色の軍服に白い帽子を着用していた。

そして最後の黒髪の少年は武器を持っておらず、身体が丸々隠すことができる大きなマントを纏っていた。

 

 

「……カケル。ボスと取り巻きのデバフを頼みますよ」

「了解だ、先にボスにデバフを掛けるからな。それで構わないか?ギラン?」

「了解や、シャリオも手ぇ抜くなよ」

「…分かってますよ」

 

 

そして3人は駆け出した

 

 

 

――――そして僅か10分経った頃には、ボスは綺麗なポリゴンとなって消え去っていた。

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 

少年の名前は山波駆(やまなみかける)

 

 

今回は山波、前回は川代(かわしろ)、その前も更にその前も別の性があった。

駆の母は熱しやすく冷めやすい人だった。何度も離婚してはその度に『やっぱり違う』と言っていた。

駆はそんな母に嫌気がさし、母が離婚した時に再婚相手であった今の父に付いていった

母から解放され、引っ越し続きの生活からも解放された駆だったが、最早駆には他人に干渉するような気持ちは湧かなかった

 

また…1人…

 

そんな荒んだ駆の心に光が差した

 

 

 

「え?神戸から来たん?一緒やで、俺も神戸!!」

 

 

「おい山岐(やまぎ)!!悪いな、こいつウザイだろ?」

「ネットでもずっとこうだもんな」

「少しは自重したほうがいいよ、山岐」

「部長、コイツ止めてくれないか」

「士黄(しき)、止めとけ」

 

 

 

彼らが駆を仲間にしてくたパソコン研究会であり、初めての親友と呼べる仲間である山岐士黄(やまぎしき)との出会いであり、初恋の相手であるサチとの出会いだった。

 

 

 

 

 

最初は誰とも関わりたくなった。どんなに仲良くなってもその分別れが辛くなる。中学二年の今年と来年耐えれば卒業、ならば悲しい思いをせずに過ごす為に誰とも関わらない。

 

そうして最初の内は話し掛けられても無視をしていた。クラスではパソ研の奴等はほとんど一緒居る、そして山岐って奴に関しては何度無視しようが絡んでくる。うざったい。

 

それでもこんな奴等を無視して、ネットゲームばかりしていた。

そんな時。

 

最近嵌まっていたオンラインカードバトルのイベントの内容が気になった俺は、帰宅まで待てずに端末でイベント情報を見ていた

 

「お!それドラゴンバトルのイベントやん!?え?今日からやった?」

 

不意に後ろから声がして見ると、山岐が端末を覗いていた

 

「山波もそのゲームやってんねんな。そうや、フレンドなろうや。IDは?」

「…誰がお前なんかと」

「ケチ臭いこと言うなや〜」

「うるさい。身体を揺するな!」

「な〜頼むって〜」

「ウザイよるな」

「なぁ駆〜」

「名前で呼ぶな。近付くな」

「なぁ〜なぁ〜」

「だーっ!!分かったよ。ID教えりゃ良いんだろ!!C123456だ!!」

 

うざい。どうせ申請しても拒否すれば良いんだ。

そう考えて、イベントの内容を見ずに端末をポケットにしまい授業の準備をする

机のなかを覗き、国語の教科書を掴んで机の上に教科書を置こうと顔を上げると女子の顔が有った

 

「!?」

「ごめんね山波君、山岐ってこういう性格だから許してあげて」

「は、はい!?」

 

つい敬語になってしまう。こんな近くで女子の顔を見たのなんて初めてだ

 

「そ、そうだ、ネットゲームが好きなんだよね?良かったらパソコン研究会に入らない」

「えっ…俺は…」

「大丈夫だよ。う、ウザいのは山岐だけだし…」

「…は…はい」

 

顔を赤くしながら話す女子に相づちを打ってしまった俺は、晴れてパソコン研究会の新入部員になった。

恥ずかしいんだったら誘うなよ

最初の内は嫌々だったがパソ研に通う度にどんどん引き込まれた。

 

 

あの士黄はいつもの高いテンションでずっと絡んでくる。正直鬱陶しいと思うことも結構…いやかなりあったが、多分一番の親友とやらにはなれたと思う。

 

副部長の哲夫はどんなゲームでもオールラウンダーで大概のゲームは出来るので皆が頼りにしているが、あくまでも順応性が高いだけなのである程度までしか上達しない事が多い。部長のストッパー。

 

笹野は寡黙な奴で少し頼りないが、いつも離れた所で努力したり、いざというときの勘は意外に当たるいい奴

 

江ノ本はちょっとウザイ、いつも士黄と一緒に調子に乗って部長や沙智に怒られているけど、憎めない

 

部長は冷静で大概が調子に乗っている士黄と江ノ本を叱っているイメージがあって皆を纏めるのが上手いが、理想が高い所があって口下手な所があるがやはり部長はこいつしか居ない

 

沙智は最初は人見知り凄く気が弱いというイメージだったが意外に頑固だ。だが何より、女子の癖に色々と近い。この部活自体が俺と士黄以外は幼なじみなせいで男女とで接し方が一緒だからこっちが照れる。惚れてしまったら責任は取ってくれるのだろうか?いや、もう惚れてしまっている。

 

とにかく、俺はパソ研で過ごす日常が楽しく感じ始めていた。

楽しいし、高校だって行く学校も皆近くの公立高校に進むらしい。約2名のお調子者の学力が若干足りないらしいが…

 

 

そして半年が過ぎた、そんな時だった。

 

 

 

「なぁ駆。ドラゴンバトルのイベントで話があるんやけど…」

「そのカードゲームは止めただろ?アカウントは残ってるだろうけどさ」

「それだよそれ!!

そのドラゴンバトルで激レアカードが手に入るんやけど、それが他のゲームでリア友とペアで登録する必要があって、お前に頼もうと思とってん!!」

「そんなの江ノ本とかに頼めよ。俺は別のゲームに忙しいんだ」

「ちゃうねん!応募制限レベルがあって、そのレベル持ってるリア友は駆しかおらんねん!!」

 

迫ってくる士黄に感じたのは久しぶりなウザさ。ウザいなぁ

 

「分かったよ。それで何のゲームに登録すれば良いんだ?」

「SAO、ソードアート・オンラインってゲームのベータテストの応募登録や」

 

SAO、知らない人は居ないだろう。

茅場晶彦(かやばあきひこ)が開発した世界初の家庭で完全(フル)ダイブを可能としたヘッドギア。《ナーヴギア》

そしてナーヴギア専用のVRMMORPGであるゲームがソードアート・オンライン。

 

だが、

 

「お前も知ってるだろ?俺は初見のゲームは嫌いなんだ」

 

俺は誰かがやっているゲームしかしない。新しいゲームをしてハズレだった時のガッカリ感が嫌いだからだ

 

「大丈夫やって。当たるわけないやん!!なんせ定員千名なのに既に五万人以上が応募してるんやぞ」

「まぁ、それなら…」

「よっしゃ竜姫ゲット!!」

 

 

そして俺は軽い気持ちでベータテストプレイヤーに応募した。当たるわけ無い、そう思っていた。

だが、2ヶ月後の7月末に段ボールと手紙が届いた。

 

 

 

《山波駆様へ》

 

『おめでとうございます。

貴方様は見事ソードアート・オンラインのベータテストプレイヤーにご当選いたしました。その件に関して諸注意がございます。』

 

 

 

驚いた。まさか当たるとは。確か士黄が言っていた最終応募人数は十万近かったらしい。単純計算で約百倍だ

ずいぶんと運が良いもんだ。

 

「まぁ、やる気は無いけどな。ネットオークションで権利でも売るかな?」

 

手紙の諸注意を読みながらそんな事を考える。

そして血の気が引いた

 

『尚、権利の譲渡及び権利の不使用は禁じ、これを破った場合は現品の返還及び営業妨害罪として50万以下の罰金を課すものとする』

 

 

き、強制だと?

俺は通信端末で士黄にカーソルを合わせて電話する

 

「おい、士黄」

『うぉぉぉナイスタイミングや駆!!実は凄い報告があんねん!!』

「うるさい。お前の報告よりこっちの方が」

『この前の倍率百倍のベータテストプレイヤー募集のやつでな』

「聞けよ!」

『俺はベータテストプレイヤーに当選したんや!!!!!!』

「お前もかよ…」

『え?お前も?』

「俺も当たったんだよ」

『一緒て…俺らの運凄ぇやんか!!!!』

「お前のせいで俺も参加する羽目になっちまったじゃねぇか…」

『なぁなぁ駆』

「なんだよ」

『これパソ研の皆には秘密にせぇへん?正式サービスの時に驚かそうや』

「お前本当に楽天的だな」

 

ため息を吐きながら通信を切った。

 

 

そして俺は士黄と一緒にSAOのベータテストに参加する事になった。

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

例の段ボールが届いて1週間ほど経った土曜日。パソ研の皆には士黄と一緒にオンラインゲームをやると言って部活を休んだ。

嘘は言ってない

 

 

俺は慣れない手つきで準備したナーヴギアを被った。流石は最新機器というべきか、それなりに重いとは感じるが3割がバッテリと考えると軽い。

次に、必読と書いてある説明書に載っているキャリブレーションという作業に移った。

といっても、ただ身体中を自分で触るだけだが…

 

そしてアバター…は特にこだわりは無いので現実の自分に寄せた。

 

 

 

そしてベータテスト開始の時間になり、俺はベッドに横たわって唱えた

 

「リンク・スタート」

 

 

 

身体中を妙な浮遊感が包み、気が付くと中世ヨーロッパ風の広場に立っていた。

身体中をぺたぺたと触ると現実と殆ど差異の無い触覚に視力は現実より遥かに良い、メガネなんて必要が無い程に。

周りのざわつきは俺と同じベータテスターのものだ。どうやら聴覚も現実と同等のようだ

 

一通り確認した後に適当に街をぶらついた。士黄は直ぐに外に出てモンスターを狩りたいと言いはったが、多分混む。士黄と同じ考えの奴は半数以上は絶対にいるだろう。でも俺たちはアバターこそ違えど、武具は同じ物を着ているので士黄と合流するのは難しい。

しかもアイツは俺にアバターネームを伝えることを忘れていた。俺みたいに『シキ』って付けてくれれば良いんだが…

 

「アイツ…現役の中二病だからな」

 

つい呟いてしまったが、まともな名前をつけるはずがない。この前一緒に狩りゲーした時の名前がロキだったからな。確か北欧神話の神様だったはずだが、悪神の名前を付ける所がまた中二病っぽい

 

 

閑話休題

 

 

同じような考えの奴が多いと言うことは、外で集合とか門の前で集合なんて出来ない。本名を叫ぶ訳にもいかないから、ちょっとぶらついてから1時間後に集合となった。

 

俺はその間に、NPCショップを巡った。主に雑貨屋、鍛治屋、武具店、最後に喫茶店のような所に入ってサンドイッチを頼んだ。

値段の割にとても質素だったがNPCだとこんなものだと無理矢理に納得した。どちらにせよコルになると金銭感覚が鈍る。初めて外国に行った時に高いか安いか分からなくなる様に…

 

 

 

そして時間になり門に行くと数人居たが、こちらを向いて手を振る金髪の青年が居た。良く見ると多少だが士黄の面影がある

 

「駆!!そのままやんか!」

「お前は美化し過ぎな気がするが」

「どうせゲームだけのアバターやからな」

「んで、今回はどんな突飛な名前だ?」

「だれが突飛な名前や!今回はな、『ギラン』や。どや?かっこええやろ?」

「お、おう」

 

なんか…うん。なんでもない。

 

 

「で、武器はどうしたんだ?」

「俺はな大剣にしたで。カケルは?」

「ナイフだな。軽い方が戦いやすいだろうし、単価が安いだろうから他に必要な所でコルを使えるだろ?」

「お、おう」

(格好良さげやから大剣にしたなんて言えへん…)

「ん?どうしたギラン?」

「な、何もないで…ほ、ほらそんな事より早よ狩りに行こうや!!」

「焦んなよ」

 

ギランに催促されるように門から少し歩いた平原に向かった

 

 

そこで猪のようなモンスターとエンカウントした。名前はフレンジーボア

 

「うぉおおおお!!めっちゃリアルやん!!!すげぇ!!」

「うるさいぞギラン。まぁリアルなのは確かだが」

 

はしゃぐギランを前に俺は構え、それに呼応するようにフレンジーボアが突っ込んだ。

ギランに…

 

「ぐぼわぁ!?」

 

1メートルほど吹き飛ばされたギランの体力はさほど減っていない。

 

「ぐ…ヒ、ヒールポーションを…し、死ぬ……」

「いや、体力ほとんど減ってないぞ」

「え?…」

 

うつ伏せに倒れていたギランはライフ見てさっと立ち、コホンと咳払いをしてから大剣を構えた

 

「…よっしゃ来い!!」

「無かった事にするなよ!!」

「だってめっちゃリアリティー有ったし、めっちゃ恥ずかしいやんけ!!」

「まぁとりあえず、先にやらせて貰うぞ!!」

 

突っ込んでくるフレンジーボアを大きく横に飛び回避する。

 

「すげぇな、現実じゃ出来ねぇ動きまで出来るじゃねえか!!」

 

これがシステムアシストか。

自分が飛んだ距離を見ながらそう呟いた。まぁ現実じゃ横っ飛びする必要性自体皆無だろうけどな

 

「プギィ!!」

 

フレンジーボアが声を上げて突進する。そして確信する。

やはり、コイツは直線にしか動けない。フレンジーボアの突進をスレスレで避けてナイフで斬り付ける。

敵のHPバーの1割が削れる。

 

そしてフレンジーボアが振り返る前に背後まで走りナイフで三連撃。

HPの4割を削り一旦距離を取る

鼻息を荒くしたフレンジーボアは再び突進してくる。

 

「ナイフみたいに単価が安いと初期でもこんな事が出来るんだよな!!」

 

突っ込んできたのをさっきと同じように身体を捻って躱(かわ)し、右手と左手に一本ずつナイフを持ち二度ずつ斬り付けた。

 

「二刀流かよ!?」

 

ギランの驚く声を背に、両手のナイフを別のナイフ、『スローイングナイフ』に替える。

 

「そらっ!!」

 

HPバーがイエローゾーンに突入した敵に向かって気合いと共に投げた2本のナイフは、システム補正を受け青白い輝きを放ちながらフレンジーボアに刺さった

 

「プギィィイッ!!」

 

そしてフレンジーボアは断末魔と共に綺麗なポリゴンとなって消えた。

 

「すげぇ…」

「ああ、これは凄いってレベルじゃねぇな。革命的なゲームだ」

「と、とにかく次俺な!!俺も戦う!!」

「分かってるよ」

 

ナイフで伝わる感触は現実とほとんど遜色(そんしょく)がない。現実では猪にナイフじゃなく牛肉に包丁だが…

とにかくこれは凄い。ゲームと言うよりもうひとつの現実のような。

 

 

少し平原を歩くと再びフレンジーボアに遭遇した

 

「よっしゃ、俺の番やな!!」

「おう、いけギラン」

 

ギランの肩を叩いて送り出す。

ギランは背中に背負っていた大剣を構える

 

「プギィッ!!」

 

声を上げて突っ込む敵を見て不敵に笑うギラン。躱すために大げさに体を捻り

そして

 

 

はねられた

 

「ぐばふぅ!?」

 

「お前なにしてんの?」

「だ、だってお前スッて躱してたやん!!」

「ナイフと大剣の重量考えてるよな?」

「……よし、こいや!!」

 

やっぱりバカなんだなコイツ。分かってたけど、筋金入りのバカなんだな

 

 

「お前普段狩りゲーしてる時の大剣の使い方考えてみろよ」

「そうか、」

 

構え直したギランに向かって突っ込む敵。

ギランは臆することも躱すこともなく、

 

「どぉおりやぁぁぁ!!!!」

 

ソードスキル発動を示す赤い光を帯びた大剣を横に大きく薙ぎ、突っ込んできたフレンジーボアを吹き飛ばした。

敵のHPバーは8割が消し飛んでいた。

 

「どうや猪ぃ!!」

「追撃だギラン!!」

「おうよ!!」

 

ギランは大剣を肩に担ぎ吹き飛んだフレンジーボアに向かって走り、跳躍しながら着地と同時に大剣を降り下ろした。

体勢を立て直していたフレンジーボアは降り下ろす大剣を躱すことが出来ずに両断され、ポリゴンとなり消え去った。

 

「うぉおお、SAOやべぇぇぇ!!!!」

 

声を張り上げるギラン

その声はまるで本物の草原にいるかのごとく響いた

 

 

それから数匹フレンジーボアを狩ると、既に太陽がほとんど沈み幻想的な景色になっていた。

 

「すげぇ景色だな」

「せやな、都内じゃ絶対に体験出来んしな」

「それに現実世界ともリンクしてるからな」

「そうそう……え?今何て言った?」

「だから現実とココの時間が一緒って」

「ちょ待って!!今何時?」

「だいたい6時半だな」

「うわぁぁ!聖奈(せな)の晩御飯の準備忘れとったぁ!!」

 

頭を抱えて変な汗を流すギラン。

へー、汗もかくんだな。

 

「悪いカケル!!今日はもうログアウトするわ!」

「そうか、なら俺もログアウトするか。今日のうちに宿題しときたいからな」

「了解!んじゃまた明日!!」

「おう、じゃあな」

 

 

そうして俺はベータテスト初日を終えた。

 

 

 

 

 

 

ギランSIDE

 

ベータテストは凄かった。そんな言葉しか思いつかない自分の表現力が恨めしい程に凄かった。

 

「アホ兄貴!!晩御飯早くして!!」

「分かっとるわ」

「ったぐ、ゲームに熱中してボクの晩御飯の準備を忘れるなんて、兄貴としてどうなのさ?ほら、早く弁解は?」

「うぐ…可愛くないな」

「なんでボクがわざわざアホ兄貴に色目使わなきゃなんないの?アホなの?死ぬの?いやもういっそ死んじゃおう、はーいダーイ」

 

聖奈の外見はショートカットで美人というより可愛い系の顔をしていてスタイルはすらっとしている。

 

胸も含めて…

 

 

「アホ兄貴、なんか今変なこと考えなかった?」

「は、はぁ!?なに言ってんねん!?と、トンカツのこと考えてただけや」

「ふーん。つかさー塾のバスが来るまで後30分しか無いんだけど?どこのどんなアホのせいでこうなったのかなぁ?」

 

そして、性格はドS。

 

「ほら、トンカツ出来たで。早よ食ったらバス間に合うから早よ食え」

「え?やだよ。せっかくのお兄ちゃんが作ったトンカツ味わいたいし。…自転車で士黄お兄ちゃんが送ってくれるよねぇ?」

「は?無理無理。今から駆に隠れてレベリングとかウィキとか見たりすんの」

「送ってくれるよね」

「聞いてるか?」

「……ベッドのマットレスの下」

「ぎゃあああ!送る送る送るから黙っとって!」

「最初からそう言えよアホ」

 

 

聖奈は一口一口リアクションをしながら美味しそうにトンカツを食べていた。

そして結局自転車で送ることになった。

 

おかげで駆に隠れてプレイも出来ず、ウィキもほとんど確認出来ずにベータテストの初日を終えた

 

 

 

 

そしてベータテスト期間ギリギリまで部には内緒にしながらSAOをプレイしまくった。

俺たちのプレイは基本的に階層を登るのではなく階層ごとにまんべんなく調べ尽くすプレイをした。主な理由としては、のちの正式サービスにて部活の皆を引っ張りたいという俺の身勝手にカケルが付き合ってくれただけだったが…。

とにもかくにも、ベータテストを終えた俺とカケルは正式サービスを今か今かと待つ続けた。

 

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