お師匠さんが女体化してから誘惑してくる件について 作:キサラギ職員
え? 18禁ルート? なんのことかわからないですね(棒)
「弟子君弟子君、話があるんだ」
「なんですか急に」
無人島から帰ってきて一月ほど経った。
採取してきた満月草は、効力増強剤として見事薬にすることができた。この薬があれば、大抵の薬の効力を強めることができるのだ。傷薬に使ってもヨシ、魔術の媒体にしてもヨシ、診療にも使うことが出来るだろう。
俺は、いつものように帳簿をつけていた。基本的に数字の管理は俺がやることにしている。というのもお師匠さんはどんぶり勘定で適当に収支を記録し始めるので、今月いくら使ったのかということさえわからないのだ。お金は大切だからな、大切なことは俺が握っておかないと不安で仕方が無い。
「あのね、生理がこないみたい」
「ははん、またまた俺を嵌めようとしたって、そうは問屋が卸さないぞ」
「……」
お師匠さんはもじもじしながらお腹を撫でている。
「え?」
「え!?」
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と、というのが俺とあの人が正式に結婚するまでの経過であることは、言わなくても大体はわかってくれると思っている。
あの人は、本当に俺の子供を授かっていたらしい。避妊とかしてなかったし、いずれそうなるだろうなという予感はあったけどな。
なんでしなかったかって? そんなん、言えるわけがない。
「ぱぱー。ままが、またくすりをひっくりかえしました」
もちろん言えるわけがないのだ。あの人がもともと男だったとかなんて。
俺によくにた目をした黒髪の一人娘が、俺のところに報告しにきていた。あの人に似たのか、歩くのもしゃべるのも普通よりもかなり早かった、そんな子だ。
あの人―――ようは、お師匠さん。妻が、照れくさそうな表情で工房から出てきた。
「てへ」
二十
仕事はできる人なんだが、こういううっかりというかずさんというか雑なところは結婚しようがしまいが直らないらしい。
「てへ じゃない てへ じゃ。何度目だよ………あーはいはいわかったから引っ込んでて。掃除するから」
「いやーんパパこわーい」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ………じゃ、ママと一緒に向こう行っててね。危ないからね」
俺は体をくねくねさせているお師匠さんを横にどけると、腕まくりをした。
掃除を任せるわけにはいかん。ひとたび掃除を任せると、それはもう、台風がやってきた後のような惨劇が待っているものだから。
「じゃ、よろよろ~。今日のご飯も期待してるからねぇ」
「ぱぱ。あとで、わたしといっしょにごはんつくりましょう」
料理を練習しても一向に上達しない壊滅的なメシマズ(茶の淹れ方だけはうまくなったが)嫁と、俺の腰にも届かないくらい背丈が低いのに簡単な料理なら出来る娘がリビングに消えていく。
俺は、やれやれと首を振って掃除に取り掛かったのだった。