評価ありがとうございます。
どうか暖かい目で見守ってください。
オールマイトがヘドロを撃破したらなぜか天候まで変わった。彼が打ったパンチの威力で空に浮かぶ雨雲が吹き飛び晴れになっている。どういうことだってばよ
ようやく火災を鎮火させたプロヒーローが駆け付けた、爆発頭と緑頭の方へ向かって行く
自分は偶然オールマイトの大きな体の陰にいてまだ視認していないらしい、今なら逃げられると足を動かそうとすると、膝から力が抜けてその場に座り込んでしまった。
うわあ最悪、立とうとすると今度は下半身全体に力が入らない
「少女!大丈夫かい?」
オールマイトが肩に手を置いてくる、見上げると力強い笑顔を浮かべたまま狼狽えていた私の体を支えながら手当できる人間を探しているのか首を振って周りを見ている
「今、治癒個性を持つヒーローを連れてくるから、ここでじっとしてるんだよ」
そう言いながら、私を支えるためにしゃがみ込んでいた体を起き上がらせようとする
ゴフッ、小さく咳き込むような音が聞こえてオールマイトの体がふらついた、一瞬の出来事で至近距離にいる私しか見ていない。オールマイトは口元の赤を手で拭いながら人差し指を口元で立てた、ポーズはいいのに冷や汗ダラダラで台無しだ
無表情で私は小さく頷く。そうするとにっこり笑って今度こそ立ち上がり、歩き出した。
1つの面倒ごとが片付いたと思ったら、また面倒なモノを見てしまった
よし、この隙に這ってでも逃げよう、と半分現実逃避半分本気で体を倒そうとする
「君が危険をおかす必要はまったくなかったんだ!」
は?
「何言ってるんですか?おっさん」
ピクリとも動かなかった下半身が勝手に動いた
ちなみにおっさんと呼ばれたヒーローはまだ20代前半くらいだった
そして物語は冒頭に戻る
「ほん!とう!に!ダメだ少女これ以上は!」
「放して触るな変態」
「Σ変態て」
僕に注意していたヒーローの1人に女の子が鋭く、淡々と、無表情で反論してきた
驚きと恐怖を半々顔に出す自分よりも一回り大きい男のヒーローに一歩も引かず言葉を叩きつけている。挙げ句言われた本人どころか集まる別のヒーロー達も顔色を悪くして震え出す始末だった。隣にいるかっちゃんから爆発音とブツブツ何か呟く声が聞こえる「殺す」とか物騒な台詞、僕は聞いてないったら聞いてない!
「お、お前個性を使っただろう!ヒーローでもない、許可証もないのに個性を使うのは立派な犯罪行為だ!」
この恐怖空間に耐えきれなくなったらしい野次馬の1人が女の子を指さしながら叫ぶ
指は体ごと震えていた。ヒーローを含む周りの人たちが余計なこと言って刺激するなといわんばかりに指摘した野次馬を睨んでいた、恐い。
「は?何言ってるんですか?」
「ヘドロヴィランが固まるところ!俺はこの目で見たんだ、モノを固めるのがお前の個性だろう、法律違反してるくせに公式のヒーロー達に偉そうなこと言うな!」
「そうだそうだ!」
「オールマイトに肩抱かれるなんて羨ましい!」
男を起点に野次馬が騒ぎ出した。一部どさくさに紛れて違うこと言ってるのもいるが
「証拠もあるんだからな、この犯罪者!」
男が手に持ったスマホを高く掲げた、そこに事件中の録画が入っているのだろう、勝ち誇った顔をしている
「はあ、暇なんですね」
意に返さないどころか複数を煽る女の子
傍でオールマイトがキノコ栽培しながらのの字を書いている。オールマイト、負けないで!
「たまたま市販で売っている土固め材を携帯してまして、それを使ったんですよ。燃えてなければまだ袋がどこかに落ちていると思いますしヴィランの体にも残っているはずです。そもそも私は確かに個性的ですが「個性」という体質はありませんよ、「無個性」です」
なんなら確認しますか?と恐らく足のレントゲン写真を取り出す女の子
あんなに騒がしかった野次馬が静まりかえった。かっちゃんが大きな爆発音を起こすのを遠くで聞きながら、僕は息を止めた