桃色の花   作:飛翔するシカバネ

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第8話

 

カカシ先生は霧の中動く。

 

桃地再不斬に止めを刺すべく、雷切を突き立てる。

 

その間に何かが入る。

それを貫いた雷切は動きを止める。

雷切は再不斬まで届かなかった。

 

白は再不斬の前に飛び出て庇った。

 

 

その白ごと桃地再不斬は刀を振り回し、切り殺そうとする。

 

しかし、白が既に死んでいた為に白ごと避け、躱した。

 

ナルトくんがこちらにやってくる。

そこにサスケくんの姿は無い。

 

「ナルトくん!無事ー!!!サスケくんはー!?」

 

声をかけると深刻な表情をし、目を背ける。

 

「タズナさん……一緒に着いてきてくれますか?それならカカシ先生のいいつけも守れます」

 

「わ、分かった」

 

ナルトくんを追い越し、サスケくんの元へ向かう。

 

そこには氷の針が刺さり、冷たくなったサスケくんかまいた。

 

頬を触る。

冷たい……冷たすぎる。

 

傷口を見ると血が凍りつき、出血を防いでいた。

 

 

やはり!

 

「ワシの前だからって気にする事はない……こういう時は素直に泣いて…?」

 

氷の針を取っていく。

突き刺さっているそれは深くは刺さっていない。

 

鍼治療のように隙間を抜い、まるで死にかけて体の動きが止まっているかのように見せかけているだけ。

 

針を取ったら念の為傷口に包帯を巻いていく。

 

そして心臓マッサージ。

 

当てた時点で分かる。

まだ少し暖かい。

 

 

そのまま口から空気を当てる。

そのまま空気を送り込む。

 

私のファーストキス上げたんだから早く帰ってきなさい!

 

「……………ぐ、ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ...」

 

「なんと!」

「サクラ…?」

 

「よかった……サスケくん…」

 

「感謝するんじゃぞ。サクラがお前を生き返らせた訳じゃからな」

 

「そ、そうか……ありがとう。……そうだっ、ナルトは?あのお面ヤローは…どうした?」

 

起き上がろうとする、サスケくんを止める。

 

「動かないで!ナルトは無事。それにあのお面の子は再不斬を庇って……」

 

「………そうか」

 

「傷の手当だけでなく、人工呼吸まで……どう見ても死人じゃったのによく戻ってこれたのう」

 

「人工呼吸…?」

 

「ほれ、口から空気を入れて、肺に空気を送り込むんじゃよ。サクラがやってくれたのじゃよ」

 

「さ、サクラがっ!?」

 

こっちを向き直るサスケくん。

 

「フフっ、ファーストキスだけど気にしないで。サスケくんが生きていればいいから。それにサスケくんは経験あるしね」

 

「あれはノーカンだ。思い出させるな…バカ」

 

頭の中にナルトとキスをしたシーンを思い出したのか俯くサスケくん。

 

「ナルトくーーーん!!!サスケくんは無事よ!!ちゃんと生きてるわーー!!!」

 

大声でナルトくんに呼びかける。

 

ナルトくんはこちらを、向きサスケくんの無事を確認し涙を浮かべる。

 

あちらを見ると桃地再不斬は膝をついていた。

 

そしてガトーはまだ生きていた。

 

助けたのが早かったからまだ死んでいなかったのだろう。

 

しかし、足も動いていない。

 

足には矢が刺さり、動けていないようだ。

 

そして足元にいる白という子は胸に穴が空いている状態で生きていた。

 

しかし、あと数瞬で死ぬという所だろう。

今生きているが奇跡だろう。

 

 

「くそっ!足が動ければ殺してやるのによぉ」

 

「再不斬さん…」

 

「それだけ疲弊して足も動かねぇのに大口だなぁ!」

 

 

確かに疲弊している。

 

相手は大勢。

それも傭兵として動いているなら戦闘なれしている。

 

橋の人達が来ても多勢に無勢。

 

原作よりも悪い状況だ。

 

 

 

そこに2人の影が現れた。

 

1人は包帯を巻いた巨大な獲物を持った男。

もう1人は陸亀程のナメクジに乗った男。

 

「無様ですね。鬼人ともあろう方が…」

 

「お前っ……何しに!?」

 

「遠い約束を果たしにですよ。ヤクシジ」

 

「ほいさー。ハツユ!治すぞ!」

 

「が、頑張ります!」

 

可愛らしい女の子の声がナメクジからする。

 

ナメクジは白を飲み込む。

 

「お前なにしてんだっ!!!」

 

「近づくな!」

 

それに対してナルトくんが怒っている。

それをカカシ先生は止める。

 

「何してるって?治療。この子は重症だからね。凄まじ生命力を持ってる桃地再不斬は俺が治すよ。流石鬼人」

 

鼻歌を、歌いながら針を取りだし、縫い合わせていく。

 

「一通り終わった」

 

まだ怪我はしているが、確かに呼吸が安定しているのが見える。

 

「先に里に帰ってるよー」

 

「分かりました。私は最後の依頼をこなすとしましょう」

 

ドロンという音と煙によってナメクジと男と再不斬の姿が消える。

 

「では、任務を果たしましょうか。我ら天叢雲最後の任務にして最初の殺人任務を」

 

 

 

包帯を解き、姿を見せる。

 

それには口があった。

 

生き物に棒が刺さっているかのようなそれをガトーへと向ける。

 

「ガトーさん。貴方結構恨みを買ってますね。私たちは殺しはやらないんですが積もり積もって80件。私たちの活動もおしまいですし、記念に貴方を殺させていただきます」

 

「な、何を言ってるんだ!?こっちにはこれだけの人数が…!」

 

「関係ないんですよね。天叢雲の名を聞いて帰りたい方はどうぞ。私の狙いはあくまでもガトーさんだけですので」

 

天叢雲という名を聞いて傭兵達はざわめきだす。

 

「天叢雲!?」

「伝説の忍び傭兵集団じゃねえか!」

「1人で里ひとつ滅ぼすとかいう…」

「冗談じゃねぇ!そんなん相手してられっか!」

 

あれほどいた傭兵はどんどん数を減らしていく。

 

中心でガトーが喚き散らしている。

 

「お、お前ら!高い金払っているんだぞ!相手は1人だ!さっさと……」

 

「こんにちは」

 

いつの間にか現れた忍びはガトーの目の前にいた。

 

「ひっ!いくらでつく!?金なら……!?」

 

「あいにくお金に興味はありません。それに女にもあまり興味は……現状に満足していますので…」

 

「そ、それなら見逃してっ…」

 

「それをくれた彼の信頼を失いたくはないのでね」

 

「ひっ!た、たすけ…」

 

「さようなら。次はもう少し賢く生きてください」

 

獲物を振り下ろす。

 

1度振り下ろしたのか。

なんども振り下ろしたのか分からない。

 

しかし、残っていたのはガトーと思われる肉片のおろしだけだった。

 

「任務完了です。帰還しますか」

 

「待て……お前は雨の…」

 

カカシ先生が男に話しかける。

カカシ先生は相手が誰だか確信を持っているかのようだった。

 

私も相手が誰かは分かっている。

けれど、何故ここにいるのかが分からない。

 

でも予測はできた。

 

「また近いうちにお会いしましょう」

 

ドロンと音を立て、男は姿を消した。

 

姿を消したのを確認し、先程の傭兵の中数10名戻ってきたが、橋の作業員達とカカシ先生のハッタリで全員今度こそ去っていった。

 

 

それから2週間。

 

橋は完成した。

あれからあの傭兵集団が襲い掛かってくることは無かった。

 

色々な謎は残ったけど、私たちは帰る。

木ノ葉隠れの里に。

 

ナルトくんは自分の忍道は自分で決めると決心して。

サスケくんは力を求めた。

 

私はどうするかな。

 

とりあえず準備しよう。

 

 

今回のことで予測できる。

 

 

 

私以外にも転生者がいることを。

 

 

 

そのために準備しなくては…

 

 






目を覚ますとそこにはアイツがいた。

「お目覚めだな、うん」

「………白は…?」

白をナメクジで飲み込んだ男が後ろから出てくる。

「安心しなー峠は越えたよ。全く一瞬で死にかけたから場合によっては時空転移は不味いってことで行ったけどー。マジやばかったねー」

「うん、まあ、とりあえずは療養兼ねてウチで休んで生きな。その後いつかの約束をどうするか考えて貰うから」

「……恩に着る」

「配下数人も連れてきましたよ」

()()()()……感謝する」

「おや、丸くなりましたか?鬼人ともあろう方が」

「お前だけには言われたくない」

「それもそうですね。お互い様ということで」

「もう少し寝てろよ、うん」

「そう…させてもらう…」

瞼を閉じる。

暗闇を感じると睡魔が襲ってくる。

「天叢雲もこれで終わりですね」

「そうだな、次は柱としての初任務っていうことで」

「あれですか」

「ああ……待ちに待った中忍試験だ!うん!」

眠りに落ちる前にそんな会話が聞こえた。
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